天皇陛下は本日 61歳の誕生日をむかえられました。本来ならばご一家が
一般参賀の人たちに ベランダから手を振られるはずですが 今年は新年も
天皇誕生日も 一般参賀はありません。
10年ほど前 ツアー旅で皇居へ行き ここが一般参賀の場所ですと説明を
受けたとき いつものニュース映像では もっと高く見えたあのベランダが
こんなに低かったとはねぇ と皆で話しました。
61年前の天皇誕生日はよく覚えています。当時小学3ー4年だった私が学校
帰りに山道を歩いていると 山の上の拡声器から突然NHKニュースが流れて
皇太子さまご夫妻に 男子が誕生したことを知りました。
当時はどの家もTVも電話もなく 村長の家に1台だけ電話があり お知らせ
などあれば 山の上の木にくくりつけた拡声器で 村長夫人が伝えました。
当時は農家のほとんどが 家で採れた米やイモで 焼酎を密造していました。
時々抜き打ちで税務署の査察が入ったらしく 査察をいち早く察し 拡声器で
演歌を流し報せたそうです。村人は春日八郎の「別れの一本杉」らが流れると
田畑にとび出て 家を空にしました。
村に一歩入れば焼酎が匂いわたり 密造していることはバレバレでも 無人の
家に査察官も踏み込むわけにいかず 収穫なしで帰ることになります。
密造酒の焼酎は 村の祭りごとに使われたり 農繁期に手伝いに来てくれた
助っ人に振る舞ったりで 村の宴会では 出来の良しあしを競ったそうです。
このような村ぐるみの犯罪も 昭和30年代をピークとして廃れていきました。
少しずつ暮らしも楽になり 焼酎が買えるようになったからです。
密造酒作りでつかまると 高い罰金と酒造に要る道具一式を没収され もう
作れなくなります。そんな60年も前の猛者たちは 大半が天に昇りました。
いかんいかん 天皇誕生日に密造酒の話なぞ不謹慎です 失礼しました。
天皇誕生日と聞くと 私たち昭和人は4月29日を思い 平成生まれの若者の
頭に浮かぶは 12月23日とのこと。
かつての天皇誕生日は みどりの日 ⇒ 昭和の日の名称で国民の祝日となり
明治天皇誕生日は 文化の日になりました。
海の日・山の日・振替休日などの 昔はなかった祝日や休日が増えましたが
成人の日は1月15日 敬老の日は9月15日と 一旦入力した脳のソフトの入替
えができない老人は 祝日のたびにカレンダーを見ることになります。