映画 『PERFECT DAYS』の上映が終わりそうで 昨日行ってきました。
主演の役所広司氏が カンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞した作品です。
東京渋谷区の公衆トイレ清掃員として働く平山(役所)が 安アパートで
目覚めるところから始まり 出勤先はトイレです。
いくつかのトイレを順に それは丁寧に清掃し お昼は公園の木漏れ日の
下で コンビニで買ったパンを食べ 夜は馴染みの小料理屋で酒を呑むと
いう 毎日が判で押したような 淡々とした日常です。
トイレからトイレへの移動には道具を積んだ車を運転し カセットテープへ
取り込んだ曲をカーステレオで聴くという これも決まったパターンです。
見始めて途中で気づいたことは 平山が声を発せず 主役がものを言わない
作品か? でしたが途中からセリフが入ったものの 主役のセリフが極端に
少ない作品でした。
ダンサーで俳優の 田中泯さん78才の出番が少しで残念です。泯さんの役は
昨年の吉永小百合さん主演『こんにちは、母さん』の時と同じくホームレス
でした。いぶし銀の声でゆっくり語る ナレーターの泯さんも私は好きです。
この作品は多分 金曜が最終上映で 週末から新しい作品に替わるでしょうから
お客も少なかろうでしたが 予想に反して 観客席の8割が埋まっていました。
上映が終わり劇場が明るくなって 出口へと歩くマダムたちが口々に言うことには
『すごく良かったねぇ 感動した』 そうです。
なのに私は イマイチこの作品の良さが分からずで そんな時は日を置いて2度目
を観に行きますが 今回はそれも叶いません DVDが出るまで待ちましょう。
かつてカンヌで受賞した役所氏主演の 『うなぎ』 これはすごく面白かったですが
今回の良さが分からない という私の感覚のずれを なんか寂しく感じます
2月1日追記しました。
劇場ではもう終わったと思われた『PERFECT DAYS』がロング上映になって
おり再び観てきました。
淡々とした平山の日常と ゆっくりとした画面の流れ カセットテープから
流れる挿入歌は懐かしい曲が多く 平山が愛用するフィルム入りのカメラから
時代設定は1970年代か? と錯覚しますが スカイツリーが見える現代です。
この作品のテーマ曲になっている 1972年にリリースした ルー・リードの
『パーフェクト・デイズ』 最初のシーンから流れます。
2回目を観ても まだ私の感性では イマイチこの作品の良さが
理解できていません。
何年かしてまた観たら そのときはもっと胸に響くと思います。