しげるの自遊学

自由に遊び、自由に学んで生涯現役。
ソプラノの森岡紘子さんを一人のファン
として応援しています。

翻訳の妙

2007-02-14 21:31:48 | Weblog

 週に一回都内の会社へ出勤しています。仕事自体はさほど面白いというものではありませんが、会社が終わったあと、パソコンショップをのぞいたり、本屋で立ち読みしたりするの楽しいですね。家にいるのとはまた別の楽しみです。そんな楽しみもあるので、会社勤めも苦にならないです。

 いつも立ち寄る本屋でパソコン雑誌を買って、レジの横をふと見ると、面白そうな雑誌がおいてあり「ご自由にお持ち下さい」とある。帰りの電車の中で読み始めたのですが、これが実に面白い。ほとんどは新刊の紹介のページです。最初に目についたページに「匂いをかがれるかぐや姫」というタイトルの本の紹介が載っていました。

 誰でも知っている昔話を、コンピュータ上の翻訳ソフトにかけて英語に変え、その英文をまた翻訳ソフトにかけて、日本語に再翻訳する。と、どうなるか?大変なことになる、ということが、このたび誰の目にも明らかになりました、などと書いてあるのです。「一寸法師」「かぐや姫」「桃太郎」の3話が収録されているとのこと。

 「かぐや姫」=「匂いをかがれるとすぐに、プリンセス」、「一寸法師」=「少量法律助言者」、「桃太郎」=「桃タロイモ」などと訳されて、それぞれとんでもない物語に変身しているようです。物語のタイトルはもとより、物語の内容までもすっかり変わってしまったようです。

 英語、日本語、中国語、韓国語が飛びかうなかで、翻訳が往ったり来たりの間に、言葉の意味がどんどん変わって行ってしまっているのでは、などと想像してしまいます。北朝鮮の核問題を巡る六カ国協議で、北朝鮮がすべての「核施設を無能力化」すれば、重油95万トン相当の支援云々と、決まったとある。一方、北の報道によれば、「施設の臨時中止」の見返りに各国が重油を提供するとのこと。ことほど左様に、翻訳というか通訳は難しい。作為的に歪曲した報道をしたのかどうかは別として、意志の疎通の難しさをあらためて思いしらされた気がします。