久々に寒い朝で、雪が舞っていた。吹雪にはならず、ほっとして出かけた。勤務中も、空から風花のように下りてきていた。洗濯物が外に干してあったのを取り込む。手が冷たく寒い。室内が乾燥しているので、換気をする。懐炉の有難みを知る。
通草(あけび)が、これほどの効き目とは、驚くばかりだ。尤も、枇杷葉茶や鉈豆、ドクダミ茶を飲んでの、毒出しができているからだろうが、痰が絡んでの、イガイガが消え、少しばかりのしんどさも無くなる。手洗い・嗽は年中し検温も欠かさない。
この時期に、病院に行くと言うことは、ウイルスを移されるようなもの。大勢の居る人混みも遠慮したい。遠出はもちろんだが、近場にも極力行かない。自分の健康を考えての行動が、病を未然に防ぐ。年齢的な衰えをして、防備に努めることだ。
然し、人間ドッグが待っており、止む無く行かねばならない。手袋とマスクで、玄関に着替えを用意して行こう。愛車の中には枇杷葉茶を散布だ。殺菌力があるのと、香りがいいので撒く。自然の匂いが心地よい。寒中に沸かしたお茶を入れている。
年を重ねてくると、日本語の美しさに気づく。かな文字のやわらかさ、漢字の堂々とした文字に、深くやさしい想いを知る。字の持つ意味と響きを、愉しみながら書きたいもの。硯と墨を買わねば。そうそう筆も。万年筆で書くのもいいなぁ。しみじみ。
老後のことを考えると、貯えも乏しく、遊んで暮らせることもできない。かといって、束縛されるのは厭だし、集団での生活も好ましくない。気儘に自由に、となれば資金は無いものだ。自分の願うことと資金とが反比例で、贅沢はせずが一番らしい。
此処に居れば、自然との共有がある。図書館に出かけ、無農薬の珈琲が飲め、枇杷葉を育てていければいいとしよう。季節は廻るのだから、それに任せることも必要かもしれない。人間は、死に向ってひたすら生きている。生かされてもいるよ。
白いバラが咲いた。青紫蘇が群れる。枇杷葉の苗も陽射しを浴び、夏の日に揺らぐ。夏は爽やかな風が心地よい。