実に、何年振りだろう。全く、何もしないでいようと決め、携帯も持たず出かけた。時間を気にしないで過すのは、何十年振りかも。のんびりと世間を忘れての休暇に、リフレッシュして帰宅した。まあ、予想はしていたが、こういう時に限って、留守電が多い。
本来は、通信手段には、郵便がいいと思っている。その場限りの用件でなく、文面もきちんと考えてのことになり、相手の空いた時間に読んでもらえる。電話だと、情け容赦なく出なければならない。携帯など特に、こちらの融通は利かないので、多々困る。
便利な物には、様々な弊害があり、上手く付き合っていくのが実に難しい。情報管理社会に於いては、個人情報の秘匿もままならない気がする。勤務をしている以上は仕方がない、と思ってはいるが、携帯は必要ない。休日には、心身ともに休養したいもの。
枇杷葉茶を持ち、無農薬の珈琲を淹れ、身軽な格好で行く先未定で行く。食料も、しっかりと持ち、コンビニに寄らないでもいいようにする。余り遠くだと、帰れなくなるので、のんびりできる場所を探す。天気が不安定だが、星の観えるのが有り難いものだ。
陽が落ちれば眠り、明るくなれば起きる。自然とは何と有り難いもの。天の川の美しさに眼を瞠り、金星や火星の瞬きに感謝する。家で居ても観えるが、たまにはいいものだ。時間ばかりを気にし、裏隣のクソ餓鬼と、親の虐待に心を痛めることもない。無。
日々の雑事に煩わされるのも、休暇だけは忘れていよう。向日葵、むくげ、芙蓉、百日紅が眼に留まる。盛夏の中を咲き誇る姿に、励まされているようだった。明日からの仕事に、鋭気が戻ってきているといいな。途中、子どもの姿を全く見かけずであった。
金星のこと。夕方の宇宙に、一番早く現われて輝く惑星。いちばんぼし、みぃ~つけた。と家路を急いでいた。