汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 海風

2010年02月01日 | 初期中期の詩
海に鳴り響く潮風は、心の中の憂鬱な調べを
まどろませ、遠のいて行く記憶の欠片達が
時の流れを従順な明日への光へと繋げていく

潮と鬱積が木霊する広い空の下で
繰り広げられる競争の狂々とした貪欲でさえ
夢見のような世界の一端を垣間見せ
揺れ動く静寂に耳を澄ませる事に一生懸命に
繰り広げられる煩悶は更なる孤独の波風となって
この町を覆い尽していくのだろう

欲望がここまで希望を萎えさせてしまった
眼が眩んだ先に見え隠れする貪婪な未来さえ
犯されてしまった少女の沈鬱な表情に映える
混沌とした絶望の過去の記憶でさえ
夜の中の愛撫に唆される快楽にも似て
凄惨な気持ちは遠い沖に流されて
心地良く瞳孔は開いたまま
今はこの広い海原で漂っている


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煩悶→はんもん
貪婪→どんらん
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