汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 宇宙の声

2011年07月27日 | 初期中期の詩
星空を仰ぐ
見たこともない宇宙の果てを 
寂しそうに見つめる 
あなた

「いつしかあそこに行くことができるんだ」

あなたはそう言って 
私の手を ほんの少し強く握った
生暖かな感触 それは何処までも寂しく 
また優しかった
「あなたは何処の星の子なの?」 
私を見て笑うあなたが 遠くに居るようで
怖かった

人の声はいつでも怖かった 
あなたが居ないときのこと
私は一滴の水のように 
暗い洞穴の中で 固い岩を侵食する
途方もない時間が掛ったような気がした 
あなたが現れてからのこと
私は変わった 
この空を見つめるあなたの姿を 
いつまでも見ていたかった

雲には形がない 
あなたは微笑みながら 雲を夢見る
流されていく身体は 魚に喰われたように 
ボロボロで とても悲しかった
感傷を甘くさせる言葉を 
あなたにあげたいくらいに

あなたを強く抱きしめる 
自分の絶望を隠すように 
風が吹き去る
闇は想ったよりも深く 
また 切なかった 
脈打つ水の頼りなさ

あなたはいつでもひとり 
枯れた葉は堕ちていく 
まるで人形のように

今は声を忘れてしまったと嘆いている 
そんな宇宙は和やかに 彼を見捨てた
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