歩けば楽し

楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

震源近傍で地震後の地下水のヘリウム含有量が地震前後で変化

2016-12-05 | 地質
 熊本地震は2016年4月16日に起こったM7.3の本震の他に、M6.5とM6.4の地震が直前に起こっている。震源の深さは10数kmと浅く一連の地震で深度7が2回観測されるなど大きな直下型地震であった。地震で50名が亡くなり、1800名以上が負傷した。経済的損失は最大で4兆6千億円に上がると発表された。
 東京大学・京都大学・熊本大学・東北大学の共同研究グループは、2016年熊本地震震源の近くで地震後すぐに深さ1000mの地下水を採取し、地下水に含まれる気体成分を分析した。ここで、ヘリウムの含有量が地震の前後で変化していることが判明した。(11月29日発表)
 岩石から放出されたヘリウムの量は、断層モデルから計算した体積歪みの変化量とよい相関があることがわかった。つまり歪みの変化が大きいほど多くのヘリウムが岩石から地下水に付加されたことを示し、地球化学的な観測量(ヘリウム)と地球物理学的な観測量(歪み)の間に定量的な関係があることを世界で初めて示した観測例である。この例は、将来起こりうる大地震を予測する上で地下水のヘリウムが体積歪みの良い指標となることを示している。
 研究グループは、地震後の帯水層の地球化学的変動を明らかにするため、地震断層付近において地下水の調査を行った。観測した井戸は7ヶ所で、深さは280~1300mであり、地震直後の4月28日と29日に地下水を採取した。これらの井戸は別の研究グループにより2010年8月に観測されており、地震の前後の変化を比較することができた。地下水は銅管に採取して密封し、実験室に持ち帰ってから地下水に溶けている気体を抽出した。抽出した気体を精製してヘリウムを純化して、ヘリウムの濃度と同位体比を高精度希ガス用質量分析計で測定した。

 今日の天気は曇り。風もなく、暖かい。11月上旬の気温かな。
 久ぶりの散歩。少し歩くだけで疲れる。先週に麻酔を伴う歯の治療をしたが、その影響で暫く外出を控え、食事もお粥のみ!!・・辛い。
 やはり畑の状況が気になるので、畑までの散歩。途中で”メキャベツ”を見つけた。径3~4cm程の小さな”キャベツ”が沢山、茎の葉のつけ根に付いている。”メキャベツ(芽キャベツ)”は、キャベツの変種のひとつで、アブラナ科の一年草。別名はヒメカンラン(姫甘藍)、コモチカンラン(子持甘藍)とある。
 ”メキャベツ”を茹で、煮物・バター炒め・サラダなどで食べるのが好き。
 メキャベツ(芽キャベツ)
 英名:Brussels sprouts(ブラッスルスプラウト)
 別名:姫甘藍(ひめかんらん)、子持甘藍(こもちかんらん)
 アブラナ科アブラナ属
 一年草
 原産地はベルギーのブリュッセル近郊とされる
 収穫期は11月下旬~2月


日本の石に「ひすい」選定、日本鉱物科学会の記念事業

2016-09-25 | 地質
 日本鉱物科学会は、ひすいを「日本の石(国石)」に選定した(9月24日)。学会が9月1日付で一般社団法人化したことを受けた記念事業の一環として企画されたもので、金沢市での総会で、会員(約120名)が投票して決めた。
 学会は11種の候補から、会員以外の意見も募って5種(花崗岩、輝安鉱、自然金、水晶、ひすい)に絞り込み、この日の投票に臨んだ。上位2種(水晶、ひすい)で決選投票がおこなわれ、「ひすい」が選ばれた。
 「ひすい」が日本の石(国石)にふさわしい条件として、学会は
  1、日本でも採れる宝石として有名
  2、有名な緑に加えてラベンダー色などの多様性と半透明の風合い
  3、世界で最古のひすい文化(約7千年前)となったこと・・などを挙げている。
 学会の土山明会長は「石は地球の変遷を研究する上で重要な資源だ。翡翠を通じて石に関心を持ってほしい」と話した。
 ◆ひすい
 ひすい(翡翠)は「硬玉:ヒスイ輝石」と「軟玉:ネフライト」の2種類があり、化学的にも鉱物学的にも異なる物質である。宝石としてのひすい(翡翠)は50%以上のヒスイ輝石が含まれたヒスイ輝石岩を指す。それ以外のものは基本的には資産価値に乏しいとされている。一般にひすい(翡翠)は、特に断わりのない限りヒスイ輝石岩を言う。
 新潟県糸魚川市が2008年に「市の石」に
 日本地質学会が2016年5月に「新潟県の石」に選んでいる。
 ◆世界の国石(ひすい)
 国名  由来
 日本  縄文時代から宝飾品などとして使われてきたことから。
 中国  ヒスイは産出しないが、古くから珍重されてきた歴史があることから。
 ニュージーランド  ヒスイ(ネフライト)の産地。マオリの人々が古くから親しむ石だったことから。

 天気は曇り~腫れ。畑は雨の日が続いた影響がまだ残っている。秋野菜の準備はまだだ。
 道路沿いに植えられている”ナナカマド”。黄色の実が沢山付いている。秋が深まるにつれ、実は赤くなり、紅葉する・・とても綺麗。この姿から、別名”ヤマナンテン(山南天)”と呼ばれる。”ナンテン”と比べると、”ナナカマド”が”ナンテン”より、樹高・葉・花径・実など全体的に大きい。
 名(ナナカマド)の由来には諸説ある。有力な説は「堅い木で七度竃(かまど)にくべても燃えない」との説。ナナカマドの木は極上備長炭となる事が知られている。他の説に「7日ほど炭窯(すみがま)で焼くと良質の硬炭ができる木」からの説がある・・この説が妥当かな。
 ナナカマド(七竈)
 別名:山南天(やまなんてん)
 バラ科ナナカマド属
 落葉小高木
 北海道~九州、朝鮮・樺太・南千島に分布
 開花時期は5月~7月
 枝先に複散房花序を出し、白い小さな花が沢山咲く
 花弁は5枚、花色は白
 成実期は9月~11月、球形の果実(径は数mm)
 秋には紅葉し、とても美しい


自然公園「日本ジオパーク」に4地域を新たに認定

2016-09-10 | 地質
 ジオパーク(英: geopark)とは、ジオ (geo- 、earth(地球)の意の連結形) に関わる様々な自然遺産(地層・岩石・地形・火山・断層など)を含む自然豊かな公園で、自然に親しむための公園である。
 日本ジオパーク委員会は、日本ジオパーク認定申請地域審査の結果を発表した(9月9日)。新たに認定したのは、4地域で、下北(青森)、鳥海山・飛島(秋田、山形)、筑波山地域(茨城)、浅間山北麓(群馬)である。既に認定済みの箱根(神奈川)の領域拡大も認めた。下北、鳥海山・飛島、浅間山北麓は火山活動で形成された地質・地形・景観が特徴。筑波山地域には霞ケ浦周辺地域も含まれる。
 これより、日本ジオパークは43地域(世界認定8地域を含む)となった。
 詳しくは、日本ジオパークネットワーク(http://www.geopark.jp/)に

 晴れ。畑はまだまだ湿気が多く、泥濘状態。
 空地は雑草でジャングル状態。見つけた、黄色の花が咲いている。”キンミズヒキ”で、細長い細茎の先に、穂状に黄色の小さな五弁花である。花はもう終わりなのか実も沢山付いている。この果実の表面には鍵形の棘があり、小動物や衣類などに付着するので、ヒッツキグサ(引っ付き草)とも呼ばれる。
 名(キンミズヒキ:金水引)の由来は、草姿がミズヒキ(水引、タデ科タデ属)似ており、花の様子が黄金色の金糸に見えるからと言う・・なるほど。
 キンミズヒキ(金水引)
 別名:引っ付き草、龍牙草(りゅうげそう)、仙鶴草(せんかくそう)
 英名:Hairy Agrimony
 バラ科キンミズヒキ属
 多年草、丈は0.4m~1.5m
 原産地はアジア、日本など
 開花時期は7月~10月
 花は径数mm~10mm程、黄色の5弁花で細長い花穂に沢山付く
 花後に果実ができる
 果実は宿存咢の内側にでき、咢の縁には内側に曲がった刺毛があり、この刺毛が衣類などに附着する


活断層の30年以内発生確率(リスク評価)を4段階で表記

2016-08-24 | 地質
 政府の地震調査研究推進本部は政策委員会を開き、これまでの活断層の長期評価方法を見直してリスクに応じて4段階で表示する案を正式に決めた(8月19日)。これまでは30年以内の発生確率を数値で示しており、「30年という長い期間でのリスクをパーセントで言われても分かりにくい」との指摘が出ていた。しかし活断層は数千年の単位で動くものが多く、「30年」は地震学の時間軸では短く、確率の数値は小さくなるケースがほとんど。
 新しい表示は、30年以内に大地震が起きるリスクを4段階に分けて公表する。
  Sランク(高い):30年以内の地震発生確率が3%以上
  Aランク(やや高い):同じく 0.1~3%未満
  Zランク:同じく 0.1%未満
  Xランク(不明):確率が不明で近く大地震が起きることも否定できないもの
 活断層の長期評価は、阪神・淡路大震災(1995年1月)後に地震防災対策特別措置法が制定されたのを機に発足した政府の地震調査研究推進本部が実施。マグニチュード(M)7以上の大地震を起こす可能性があるとした全国の約100の活断層について「30年以内」「50年以内」といった期間での発生確率を評価し公表してきた。
 Sランクの活断層
 97の主要な活断層のうち、最も危険度が高い「Sランク」には、全体の約3割の29の活断層が該当
 北海道の「サロベツ断層帯」
 北海道の「黒松内低地断層帯」
 山形県の「新庄盆地断層帯」の一部区間
 山形県の「山形盆地断層帯」の一部区間
 山形県の「庄内平野東縁断層帯」の一部区間
 新潟県の「櫛形山脈断層帯」
 新潟県の「高田平野断層帯」の一部区間
 新潟県の「十日町断層帯」の一部区間
 神奈川県と静岡県にある「塩沢断層帯」
 神奈川県の三浦半島と周辺の海域にある「三浦半島断層群」の一部区間
 長野県と山梨県の「糸魚川ー静岡構造線断層帯」の一部区間
 静岡県の「富士川河口断層帯」の一部区間
 長野県と岐阜県にある「木曽山脈西縁断層帯」の一部区間
 長野県の「境峠・神谷断層帯」の一部区間
 岐阜県の「高山・大原断層帯」の一部区間
 岐阜県と長野県にある「阿寺断層帯」の一部区間
 富山県の「砺波平野断層帯・呉羽山断層帯」の一部区間
 石川県の「森本・富樫断層帯」
 滋賀県の「琵琶湖西岸断層帯」の一部区間
 京都府と奈良県にある「奈良盆地東縁断層帯」
 大阪の「上町断層帯」
 奈良県から和歌山県、兵庫県の淡路島の南の海域、それに四国北部を通り伊予灘に達する「中央構造線断層帯」の一部区間 広島県と山口県の沖合にある「安芸灘断層帯」
 山口県と大分県の間の海底にある「周防灘断層帯」の一部区間
 山口県の「菊川断層帯」の一部区間
 玄界灘から福岡市などがある福岡平野に延びる「警固断層帯」の一部区間
 大分県の「別府ー万年山断層帯」の一部区間
 熊本県の「日奈久断層帯」の一部区間
 長崎県の「雲仙断層群」の一部区間

 梅田川の河原を橋の上から見たら、”キバナコスモス”の花が咲いている。花色の明るい橙色が見事だ。夏頃から咲き出すので、秋がもうじきやってくる。涼しくなると花色が一段と鮮やかになる。コスモスは秋桜(アキザクラ)とも言い、秋の花なのだ。
 名(キバナコスモス)の由来は、コスモスの仲間で黄色の花が咲くから。
 キバナコスモス(黄花秋桜)
 別名:黄花秋桜(きばなあきざくら)、イエローコスモス(yellow cosmos)
 キク科コスモス属
 多年草(日本の市場では一年草)
 メキシコ原産の園芸植物
 大正時代の初めにヨーロッパから輸入され、普及は1960年代後半から
 開花期は主に7月~10月
 花色は黄色・橙色
 1960年代後半に赤色の品種”サンセット”が日本で作出されてから急速に普及


「日本の石」を選ぶ、鉱物科学会が11候補発表

2016-08-04 | 地質
 日本鉱物科学会は、「日本の石(国石)」を選ぶことを決め、水晶など11種の候補を発表した。今後、一般からも候補を募ったうえで、9月の学会総会で会員の投票で決める。
 候補の石は、一般からの追加提案も可能だが、選考対象になるのは、日本で広く知られた国産の石で、鉱物科学や地球科学の分野にとどまらない世界的にも重要性を持つ石。学術的な位置づけを検討したうえで候補に加えるかどうかを決めると言う。
 ◆国石候補
 1、花崗岩(花崗岩質岩およびそのペグマタイト)
 2、輝安鉱
 3、玄武岩
 4、黒曜石(黒曜岩)
 5、桜石(菫青石仮像)
 6、讃岐岩(サヌカイト)
 7、自然金
 8、水晶(とくに日本式双晶をもつ水晶)
 9、トパーズ
 10、ひすい(ひすい輝石およびひすい輝石岩)
 11、無人岩
 因みに、日本地質学会が5月10日に、47都道府県で産出する特徴的な岩石・鉱物・化石を1つずつ選び、計141種類を「県の石」(都道府県の石)として認定したと発表した。石の選定は初めてである。

 朝から晴れ上がった良い天気。気温もぐんと高くなった。
 畑のお隣さんのお隣さんの畑、”ノボロギク”の花が満開で絨毯の様に広がっている。と思ったら、”ノボロギク”ではなく、”ダンドボロギク(段戸襤褸菊)”。頭花は茎上に直立する淡黄色の筒状花のみで、大きく開くことはない。長い白色絹毛の冠毛の痩果(そうか)は小さく、風で散布される。
 ”ダンドボロギク””ノボロギク””ベニバナボロギク”は名前が似ているが違う属である。いずれも帰化植物である。
 ダンドボロギク:キク科タケダグサ属 ノボロギクにある頭花の黒い小苞はない
 ノボロギク:キク科キオン属
 ベニバナボロギク:キク科ベニバナボロギク属 頭花が朱赤色で、下向きに垂れ下がる
 名(ダンドボロギク:段戸襤褸菊)の由来は、帰化植物であるが愛知県段戸山で最初(1933年)に発見されたから。
 ダンドボロギク(段戸襤褸菊)
 キク科タケダグサ属
 一年草
 原産地は北アメリカ
 開花時期は8月~10月
 頭花は円錐花序に沢山つき、雌性の糸状花と両性の筒状花からなる


2億1500万年前の巨大隕石衝突で海洋生物絶滅の証拠を発見

2016-07-12 | 地質
 熊本大学先端科学研究部尾上哲治准教授、海洋研究開発機構、高知大学、東京大学、新潟大学、千葉工業大学らの研究グループは、「2億1500万年前の三畳紀後期に巨大隕石が地球に衝突し、海洋生物である放散虫やコノドントの絶滅を引き起こしたことを明らかにした」と発表した(7月8日付の英国科学誌「Scientific Reports」に掲載)。
 2013年に、同研究グループは岐阜県坂祝町の木曽川沿いに露出するチャートに挟まれた粘土岩から、三畳紀後期に直径3.3~7.8kmの巨大隕石が地球に衝突した証拠を発見している。しかし、落下隕石の生息海洋生物の絶滅を引き起こしたかなどの地球環境変動への影響の実態は明らかになっていなかった。
 これより、同研究グループは、坂祝町の三畳紀後期のチャートから、大きさ1mm以下の放散虫とコノドント化石を酸処理抽出し、この時代を通じた化石群集の絶滅パターンについて検討した。この結果、隕石衝突イベントの直後に、非常に高い割合で同化石群集が絶滅していることが明らかになった。さらに、元素分析オンライン質量分析計(EA-IRMS)、蛍光X線分析装置(XRF)を用いた化学分析により、同時代の海洋表層における植物プランクトンの生産量(基礎生産)と、動物プランクトンである放散虫の生産量の変動パターンについて詳しく検討した結果、食物連鎖の基底をなす基礎生産が、隕石衝突後の数万年間にわたり著しく低下し、それに伴い、動物プランクトンである放散虫の生産量も低下していたことが明らかになった。
 今回の研究で、6600万年前の「白亜紀/古第三紀境界」以前よりも昔の2億1500万年前の隕石衝突が当時の海洋生態系の崩壊をもたらし、放散虫やコノドントの絶滅を引き起こしたことが明らかになったといえる。
 同研究グループは今後、世界各地の三畳紀後期の地層から隕石衝突によって形成された地層を探索し、どのような生物がこの隕石衝突により絶滅の影響を受けたのかについて研究を進めていく予定であるとしている。

 朝から晴れ。気温は高くなく最高気温30℃以下。
 畑の”ベニバナ”の花が咲きだした。”ベニバナ(紅花)”は紅色染料や食用油の原料として栽培される。花色は、咲き始めは鮮やかな黄色で、次第に赤くなる。紅色染料は、花を摘み、水にさらして乾燥させ、これを何度も繰り返す。”ベニバナ”の花の色素は水に溶けやすい黄色の色素サフロールイエロー99%と水に溶けにくい紅色の色素カルタミン1%が混在しており、水にさらすことによって分離するから、との事。
 別名に末摘花(すえつむはな)がある、これは染料に適するのは咲き始めのものが良く、順に外側から摘み取るから、と言う。古語の和名で「呉藍(くれのあい)」は、ベニバナも外来の染料作物なので、代表的な染料作物である藍に例えて“呉から来た藍”から。日本に渡来したのは6世紀で、高句麗(こうくり)の僧侶が日本に紹介し、推古天皇の時代から紅色の染料をとった。
 ベニバナ(紅花)
 別名:末摘花(すえつむはな)、呉藍(くれのあい)、サフラワー(Safflower)
 キク科ベニバナ属
 一年草または越年草
 原産地は地中海沿岸、・中央アジアとされる
 開花時期は6月~7月


地球の内核は7億歳、地球の誕生46億年前よりはるかに若い

2016-06-07 | 地質
 東京工業大学の太田健二講師・廣瀬敬教授、愛媛大学の桑山靖弘助教、大阪大学の清水克哉教授、高輝度光科学研究センターの大石泰生副主席研究員の共同研究チームは、大型放射光施設SPring-8を利用して、地球中心核の主成分である鉄の電気伝導度を最高157万気圧、4,500ケルビン(絶対温度、K)という超高温超高圧条件で測定し、地球中心核の電気・熱伝導度が従来の予想よりも3倍程度高いことを明らかにした。(研究成果は国際科学雑誌「Nature」に6月1日に掲載。)
 地球の中心部は固体金属内核とその外側の液体金属外核の2層構造になっている非常に高温高圧の領域である。地球内部の熱が地表へと移動することで地球内部の温度は徐々に低下し、それに伴い内核はその大きさを増している。外核が対流することで、地球には約42億年前から磁場が存在していると考えられている。では、内核が何年前に誕生したのか、内核の存在が地球の磁場に影響を与えるのかどうかを知るためには鉄の伝導度を実験によって明らかにすることが必要だった。
 共同研究チームは、鉄試料を高温高圧状態で保持できるレーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル装置を用いて、SPring-8において、地球中心核条件に相当する高温高圧下で鉄の電気伝導度を測定することに成功した。その結果、核の熱伝導度はこれまでの予想よりも3倍程度高い約90 W/m/K(ワット毎メートルケルビン)程度であり、核の熱・電気伝導は非常に活発であることが明らかになった。核の伝導度から推定される内核の誕生年代は約7億年前となり、40億年以上前から存在することが確認されている地球磁場の生成・維持機構に関する新たな知見を与える結果となった。
 ◆大型放射光施設SPring-8
 兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高の放射光を生み出す理化学研究所の施設。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8GeVに由来。
 放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のこと。この放射光を用いて、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われている。
 ◆地球中心核
 地球は中心に内核・外核、周りはマントル、地殻。
 中心から半径3500 kmの領域は、固体金属からなる内核と液体金属からなる外核。主成分である鉄の他に少量のニッケルと軽元素(水素、炭素、酸素、珪素、硫黄)が含まれていると考えられているが、詳細な化学組成は不明。液体外核の対流によって地球磁場が生じていると考えられている。外核の最上部でも135万気圧、4,000 K以上の超高温高圧状態と考えられている。
 地球の磁場存在は約42億年前からと考えられているが、内核の誕生や内核の存在が地球の磁場に影響を与えるのかどうか知る必要がある。

 曇り勝ちな晴れ。少し蒸し暑いかな。
 春(4.14)に”ジューンベリー”の花を紹介した。今日見たら果実が熟し始め、赤くなっているのもある。も少し・・今月(6月)末頃・・熟せば収穫できる。熟したらすぐに収穫され、写真が撮れない、なので早めの撮影。6月(june:ジューン)収穫は・・名の由来。
 ”ジューンベリー”と呼ばれるのは、ザイフリボク属の同じ様な果実が付く種の総称で、果樹として改良交雑され様々な種があるから、と言う。属名のザイフリボク(采振り木)は、花の様子が采配に似ているから。”ジューンベリー”は”アメリカザイフリボク”とも呼ばれる。ザイフリボクとの違いは、ザイフリボクは雄しべが20個・雌しべの花柱が5個で下部が合着している、”アメリカザイフリボク(ジューンベリー)”は雄しべが18個、1つの花柱の先が5分裂したいる。
 ジューンベリー
 別名:アメリカザイフリボク
 バラ科ザイフリボク属
 落葉性広葉樹、低木
 原産地:北アメリカ北東部
 開花時期:4月~5月
 花は5弁で白色、果実は6月頃に熟す
 秋の紅葉も見事


県の石(141種の岩・鉱物・化石)を日本地質学会が認定

2016-05-11 | 地質
 日本地質学会は、47都道府県で産出する特徴的な岩石・鉱物・化石を1つずつ選び、計141種類を「県の石」(都道府県の石)として認定した(5月10日発表)。平成26年(2014年)に一般公募し、専門家の審査を経て認定した。
 各都道府県のシンボルとなる花や木などは既にあるが、石の選定は初めてである。例えば、新潟は佐渡の金、鳥取は砂丘の砂などが選ばれた。
 学会の斎藤真常務理事は「学術的に重要で市民の多くが受け入れやすい石を選んだ。大地の歴史と成り立ちを知って郷土の地質を愛してほしい」と話している。
 ◆県の石(東北6県)
    岩石              鉱物
 青森 錦石(全域)          菱マンガン鉱(尾太鉱山)
 岩手 蛇紋岩(早池峰山)       鉄鉱石(釜石市)
 秋田 硬質泥岩(男鹿市)       黒鉱(北鹿地域)
 宮城 スレート(登米市、石巻市雄勝) 砂金(涌谷町)
 山形 デイサイト凝灰岩(山形市山寺) ソロバン玉石(小国町)
 福島 片麻岩(あぶくま高原)     ペグマタイト鉱物(石川町)
    化石
 青森 アオモリムカシクジラウオ(青森市)
 岩手 シルル紀サンゴ化石群
 秋田 ナウマンヤマモモ(特定の場所なし)
 宮城 ウタツギョリュウ(南三陸町歌津)
 山形 ヤマガタダイカイギュウ(大江町)
 福島 フタバスズキリュウ(いわき市大久町)

 今日も雨、降ったり止んだり。この雨が終わったら畑にナスなど沢山の苗を植えなくては。
 雨の中で見つけた”ツボサンゴ”。小さな釣鐘形(壺形)の朱赤色の花が鈴なりに咲いている。花と言ったが、朱赤色花弁の様に見えるのは萼(がく)、だから長く咲いているように見える。見つけた場所は日陰の軒下で、半日陰~日陰・水はけの良い場所が好みのようだ。
 ”ツボサンゴ”の魅力は、花よりも葉色の美しさにある。葉はハート型・円形で、葉色に銅葉や銀白色・琥珀色などがあり、カラーリーフプランツとして人気がある。
 名(ツボサンゴ)の由来は、花姿(壺形)と花色(真っ赤な珊瑚色)から、と言う。
 ツボサンゴ(壺珊瑚)
 学名:Heuchera sanguinea
 別名:ヒューケラ(ホイヘラ)
 英名:Coral bells
 ユキノシタ科ツボサンゴ属
 耐寒性常緑宿根草(多年草)
 北アメリカ原産
 開花時期は5月~9月
 花は小豆大(径数mm)の釣鐘形(壺形)
 花色は朱赤色、白・桃・淡緑色もある


熊本地震の本震は16日午前1時半のM7.3、14日のM6.5は前震

2016-04-16 | 地質
 4月14日から九州熊本で地震が多発し、死者・家屋倒壊・地滑りなどの被害が大きくなっている。
 九州の熊本県・大分県を横断するように別府-島原地溝帯がある。この中に、今回の地震の震源となる日奈久(ひなぐ)断層帯や布田川断層帯、大分県には別府-万年山断層帯があり、中央には阿蘇山がある。
 4月14日21時26分頃に熊本県熊本地方を震源とする地震があり、熊本県益城町で震度7の揺れを観測した。地震の規模(M:マグニチュード)は”6.5(横ずれ断層型)”であった。その後、これより大きいエネルギーが発生したので、これを本震とした。
 前震
  4月14日21時26分 M6.5 震度7
 本震
  4月16日1時25分 M7.3 震度6強
 余震
  4月16日9時48分ごろ M5.4 震度6弱
  4月16日7時11分ごろ M5.3 震度5弱(大分県)
  震度6・5・4・3クラスの余震が多発している。
 熊本県での死者は29人(15時ころ)となり、熊本県33市町村では約7万人が避難している。今夜から強い雨が降ると言われ、地滑りなどの二次災害が発生しないことを願う。・・余震は怖い、怖かった。

 今日の天気は晴れ。
 散歩道で見つけた”ペチコートスイセン”、花が満開で咲いている。花の姿が独特だ。
 ”ペチコートスイセン”の名は英名「Hoop petticoat daffodil」からの訳名だろう。ペチコートとは「スカート状の」との事で、ラッパの様な副花冠の姿からの由来だ。副花冠が目立つが、花冠は外側の6枚の細い萼(がく)の様なヒゲの様で目立たない。別名はナルキスス・ブルボコディウム (学名:Narcissus bulbocodium)で、”Narcissus”はギリシャ神話の水に映った自分の姿に恋した美青年の名前からである。ナルシスト(自己陶酔型の人)の言葉で残っている
 因みに、ペチコートとは、現代では”スカートの下に装着する女性用の下着、ランジェリーの一種”である。しかし、19世紀初期以前では”スカート状ドレス”との事で、19世紀初期以前の命名なら納得。
 ペチコートスイセン(ペチコート水仙)
 ヒガンバナ科スイセン(ナルキスス)属
 原産地は地中海沿岸地方
 耐寒性多年草
 丈は10cm~20cm
 開花時期は3月~4月
 花は径4cm位、花色は黄色、円錐状の副花冠が特徴
 葉は細くほぼ筒状、暗緑色


九州熊本で震度7の地震・・頑張れ

2016-04-15 | 地質
 4月14日21時26分頃、九州(熊本県熊本地方)を震源とする地震があり、熊本県益城町で震度7の揺れを観測した。
 気象庁によると、
  震源:深さは11km
  地震の規模(M:マグニチュード):6.5 (横ずれ断層型)
  最大震度:震度7 この記録は2011年3月の東日本大震災以来
  各地の震度 震度7:熊本県益城町
        震度6弱:熊本市、熊本県玉名市、宇城市、西原村
        震度5強:熊本県菊池市
        震度5弱:宮崎県椎葉村
  余震:午後10時すぎに、余震と見られる震度6弱の揺れが観測
 この地震により、9名が家屋倒壊などで亡くなり、約1000人が負傷した。気象庁は、この地震を平成28年(2016年)熊本地震と命名。
 亡くなった方に合掌。震災を受けた方に、頑張って!!。

 地下鉄の出入口付近、”M”デパート前の”モクレン”の花が咲いている。昨年も同じ時期に咲いている。見上げて写真を撮っていたら通行の数人も写真を撮りだした。普通の歩行での視線より高い所で咲いているから気が付かなかったのかな。
 モクレン(木蓮)と言えばこの木で、白い花の”ハクモクレン(白木蓮)”と対比してシモクレン(紫木蓮)とも呼ぶ。花は上向きで、全開せず半開状(開ききらない状態)に咲いている。花弁6枚、萼3枚、雄しべと雌しべは螺旋状に多数が付く。良い香りがする。名(木蓮:もくれん)の由来は、花がラン(蘭)に似ているから「木蘭(もくらん)」、ハス(蓮)に似ているから”木蓮(もくれん)”と呼ばれるようになった、と言う。因みに、モクレン属は地球上で最古の花木と言われ、白亜紀(恐竜時代、約1億年以上前)の地層から化石が発掘されている。
 モクレン(木蓮)
 別名:紫木蓮(しもくれん)、もくれんげ(木蓮花、木蓮華、木蘭花)
    マグノリア(Magnolia)
 モクレン科モクレン属
 落葉高低木(樹高は3m~5m)
 原産地は中国
 開花時期は3月~5月
 新葉が出る前に、紫紅色で卵形の大きな花を咲かせる
 咲くのは、白木蓮より少し遅い
 花色は濃紅色(外側)・白色(内側)


地質学の基準地に、「千葉時代(チバニアン)」の認定申請を準備

2016-03-06 | 地質
 地球の歴史は、大きな変化が見られた「ジュラ紀」などの時代区分がなされている。この時代は、大形恐竜・始祖鳥が出現した時代で、この地層が発達しているフランス~スイスに広がる「ジュラ山脈」から名付けられた。「ジュラ紀」などの固有の名称で呼ばれる地層が、特徴的に分布する地域を模式地(もしきち)と呼ぶ。
 地球の地磁気のN極とS極は歴史上幾度も交代している。国立極地研究所などの研究グループは昨年、「千葉セクション」と呼ばれる市原市田淵の養老川岸の地層は「約77万年前に起きた最後の磁場逆転を示す」と発表した。地磁気や年代測定など約40年間にわたる研究で、第四紀更新世中期(約12万6千年前~78万1千年前頃)と、カラブリアン期(約78万1千年前~約180万6千年前頃)の境界にあたる約77万2千年前頃の火山灰層と確認された。
 模式地には、世界で1ヵ所だけ、カラブリアン期と中期を区分する「ゴールデンスパイク(金杭)」が表示される。研究グループは今年秋にも、国際地質科学連合に市原の地層を候補申請する予定だ。同連合に承認されれば、「新生代第四紀更新世中期」が「チバニアン」と名付けられる。ライバルには、イタリア南部のモンテルバーノ・イオニコとビィラ・デ・マルシェ。選ばれれば、地質時代に初めて日本の地名が付けられることになる。

 朝から曇りがちの天気。風もなく穏やか。
 少し暖かかったから畑の雪は融けてない。そう言えば、今年(2016年)の啓蟄(けいちつ)は、昨日の3月5日であった。啓蟄は、二十四節気の第3。「啓」は「開く」、「蟄」は「虫などが土中に隠れ閉じこもる」意で、「啓蟄」で「冬籠りの虫が這い出る」(広辞苑)という意を示す、とあった。
 畑にはもう雑草が出始めている。なかでも、”ハコベ”が早く繁茂し、小さな花が咲いている。ハコベは、ナデシコ科ハコベ属の総称で、世界に約120種、日本には約18種あると言う。よく見られるハコベは、在来種の「ミドリハコベ」、近年の帰化種とされる「コハコベ」、大柄の「ウシハコベ」の3種で、これらの区別はなかなか難しい。この花が咲いているハコベは”コハコベ”のようだ。ハコベの花の花弁は5枚だが2深裂しているので10枚の様に見える。花柱(雌蕊の茎)はウシハコベは5本、他は3本で、茎が緑色なのはミドリハコベ、茎が淡褐色なのはコハコベ・・との区別から”コハコベ”(でしょ)。
 ハコベ(ミドリハコベ、コハコベ)は、日本では春の七草として食用にされてきた。しかし、世界的には小鳥が好む餌として利用され、英名:chick weed(ヒヨコの雑草)、別名:スズメグサ、ヒヨコグサとも呼ばれる。
 ハコベ(繁縷)
 別名:朝しらげ(朝日が出ると花が開くから)
 ナデシコ科ハコベ属
 一年草(越年草)
 開花時期は2月~9月