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ミツバチの尻振りダンスから餌の場所を自動で推定

2019-07-17 | 生物
 農研機構は、セイヨウミツバチの尻振り(8の字)ダンスを自動解読することにより餌として利用されている花の場所を推定する技術を開発した(情報公開日:2019年5月21日)。本成果は、ミツバチ研究の国際誌「Apidologie」に2019年4月にオンライン公開された。
 蜂蜜生産や施設園芸作物の花粉交配に広く利用されるセイヨウミツバチは、餌となる花の場所を尻振り(8の字)ダンスで巣の仲間に伝える。ダンスの継続時間が餌場までの距離、ダンスを踊る向きが太陽との角度を表す。このダンス情報を読み取ってミツバチの採餌範囲を把握するには人による観察が必要で、判読に長時間を要した。
 本研究は、一般的なビデオカメラを用いて巣箱の中を撮影したビデオ動画から、自動で手動で行われてきた解読作業を飛躍的に迅速化させ、ダンスを抽出・解読する手法を開発した。これにより、野外で飼育されるセイヨウミツバチの採餌範囲を効率よく推定できるようになり、ミツバチの飼育環境を的確に把握できる。この飼育環境に餌源を確保するなどの環境管理を行うことで、花粉交配用ミツバチの増殖や国産蜂蜜の増産に役立つ。
 研究の内容・意義
 1.尻振りダンスをするミツバチを撮影したビデオ動画を用いて、粒子画像流速測定法(PIV)2)による画像解析から、自動でダンスを抽出・解読する手法を開発した。
 2.開発した手法は、一般的なビデオカメラを用いて撮影したビデオ動画を解読できる。地上波デジタル放送と同程度の、HD解像度(1920×1080ピクセル)、約30フレーム/秒が推奨である。
 3.手作業では30分間の動画を解読するのに数日を要していたが、本プログラムを用いることで、解読作業のほとんどをコンピューターに任せることができ、大幅な効率化が図れる。
 4.開発した手法は、様々な養蜂場での採餌範囲の推定に使用でる。動画の撮影には側面(一面のみ)をアクリル板にした巣箱が必要である。この観察巣箱は、通常、養蜂で使われるものを少しアレンジするだけで作成することができ、また観察の時以外は巣箱を通常の形に戻すことができる。
 5.開発した手法を用いて採餌場所の密度推定マップを作成し、その精度を手動で読み取ったものと比較したところ、約70%程度の範囲が一致した。これは、比較的良好な精度といえる。
 6.今回、ほぼ同時刻に数キロメートル離れた3つの巣箱で撮影した30分間の動画を用いた検証では、それぞれの巣箱から利用している餌場の方向や距離を特定することができ、巣箱ごとに利用している餌場が異なっているのがわかった。
 今後の予定・期待
 開発した技術を用いれば、ミツバチの尻振りダンス解読時間を飛躍的に短縮できる。その結果、採餌範囲の時間、日、季節変化(例えば、季節によってはダンスが非常に少ない=魅力的な餌がないこと)を効率よく解析することが可能になる。採餌場所として主に利用している環境を的確に把握することで、例えば、餌場が遠い、農地の近くが餌場になっている、といった蜂群の育成環境の評価にも利用できるようになる。
 こうした情報をもとに、必要な時期に餌源を確保するなどの環境管理を行うことで、 花粉交配用ミツバチの増殖や国産蜂蜜の増産に貢献することができる。
 用語の解説
 (1)尻振り(8の字)ダンス
 ノーベル生理学・医学賞を受賞した動物行動学者カール・フォン・フリッシュが発見したミツバチ特有の情報伝達手段である。花粉や蜜、水源など魅力的な資源のある場所を巣の仲間に伝えるダンスで、お尻(腹部)を左右に激しく振動させながら直進し、右回りでもどって再び直進、つぎは左回りでもどる動きをみせるため、ミツバチの動きを上からみたときにアラビア数字の8を描くことから8の字ダンスとも呼ばれる。鉛直方向と腹部を振動させ直進しているときの頭の向きの角度が巣箱から太陽の方向と魅力的な資源のある場所の角度を表し、直進している時間がその場所までの距離で、ダンス継続1秒間がおよそ1kmにあたる。
 (2) 粒子画像流速測定法(PIV)
 液体や気体の動きを調べるのに、その中に混入させた粒子の動きを、光を照射してカメラ撮影した画像から計測する手法である。移動速度を計測したい画像上の領域を設定し、その中の明るく写る粒子と背景の黒い部分の濃淡から、連続撮影した次の画像上で類似した濃淡の場所を探索することで流体の移動を調べるものである。今回は、ミツバチの体、とくにお尻(腹部)が明るく写るのを粒子に見立ててその動きを計測するのに応用した。本研究ではPIVの計算に市販のソフトウェアを用いたが、オープンソースのプログラムもある。
 (3) 採餌場所の密度推定マップと採餌範囲
  ミツバチの尻振りダンスは混み合った巣板の上で行われることもあり、一つ一つのダンスには多くの誤差が含まれていることが知られている。そこで、本研究では既往研究の成果に従い、一つ一つのダンスから解読された餌場までの角度と距離の推定誤差を考慮して、採餌場所を密度で推定した。また、この採餌場所密度は巣箱から遠くなるほど低下するため、巣箱からの距離(実際には距離の自乗)で重み付けを行った。

 朝は曇り、次第に晴れた。気温も上昇し、最高気温25℃と、夏日になったのかな。
 コンクリートの塀の傍で”ゴウダソウ”の花が咲いていた。団扇の様な丸い莢の実も付いている。
 名(ゴウダソウ)の由来は、1901年(明治34年)に東京美術学校教授の合田清氏がパリから種子を持ち帰ったのが始まりである。学名はルナリア(Lunaria annua)、属名の Lunaria はラテン語の「Luna(月)」からである。団扇(うちわ)の様な丸い莢(さや)の形から名づけられたものである。
 花後にできる莢がとてもユニークで、団扇の様な円形の平たい莢の中に数粒の種がある。最初は淡緑色だが段々と曇りガラスの様な透明感のある薄い膜となる。熟して種が出てしまっても薄い膜(隔膜)が株に残る。
 ゴウダソウ(合田草)
 別名:大判草(おおばんそう)、銀扇草(ぎんせんそう)、銀貨草(ぎんかそう)
    ルナリア(Lunaria)
 アブラナ科ルナリア属
 一年草
 原産地はヨーロッパ中央部
 開花時期は5月~6月
 花は径2cm位でアブラナ科特有の十字形の花びら
 花色は赤紫色、白色もある
 花後の種子は薄く半透明で団扇のような形の莢に入っている


同種と異種の花粉を区別する分子を発見

2019-07-11 | 生物
 東京大学大学院農学生命科学研究科藤井壮太助教(兼任JSTさきがけ研究者)と高山誠司教授らの研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナから異種の花粉を積極的に排除する雌しべ因子をコードする遺伝子Stigmatic Privacy 1(SPRⅠ1)を発見し、その機能を解析した。
 SPRⅠ1遺伝子を欠損した変異株では、通常排除されるはずの異種の花粉が侵入するようになった。SPRⅠ1タンパク質は雌しべの先端で花粉を受け取る部分である柱頭の細胞膜に局在して異種と自種の花粉を識別し、異種のみを排除するメカニズムに関わることを明らかにした。SPRⅠ1遺伝子を欠損した株では異種の花粉の侵入により正常な受精が阻害されることから、SPRⅠ1タンパク質は異種の花粉が混在する野外環境下での種間のせめぎあいにおいて重要な役割を果たすと考えられる。種の壁を司るSPRⅠ1タンパク質を人為的に制御することで種間交雑が容易になり、より広範な地球環境に適応する作物の開発が可能になると期待される。本研究成果は植物生物学分野で最も権威が高い「Nature Plants」誌に掲載される。
 種と種の間には生殖障壁がある。特に精細胞と卵細胞が受精する前に起こる種間の不和合性は受精前障壁と呼ばれており、有限の資源を好ましくない子孫に分配することを避けるメカニズムであると考えられてきた。しかし、受精前障壁のメカニズムについてはほとんど未解明だった。
 本研究グループはモデル植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)とアブラナ科の近縁植物種を用いて異種間の交雑試験を行い、同種と異種の花粉を識別するメカニズムの解明を目指した。多くの系統間で種間交雑実験を試したところ、マルコルミア・リットレア(Malcolmia littorea)というアブラナ科植物種の花粉がシロイヌナズナのある系統(Col-0)では排除されるのに対し、別の系統(Cvi-0)では雌しべ内に侵入することを発見した。そこでシロイヌナズナの338種類の野生系統の全ゲノム配列情報を利用し、ゲノムワイド関連解析という統計手法を用いてM.littoreaの花粉の排除能力を決定する原因遺伝子座を探索した。その結果、第4染色体上の単一の遺伝子座が排除能力に大きく寄与することを見いだした。この染色体領域内で雌しべにおいて発現する候補原因遺伝子を破壊した系統では、野生型のCol-0では排除されるはずのM.littoreaの花粉が、雌しべの内部にまで侵入することが明らかになった。この原因遺伝子は雌しべの先端で花粉を受け取る部分である柱頭(Stigma)で「種」の壁として機能すると考えられ、この機能は他者からの侵害を受けない権利(プライバシー)に通じることから、この原因遺伝子をStigmatic Privacy 1(SPRⅠ1)と命名した。SPRⅠ1タンパク質は、雌しべの柱頭でのみ機能し、細胞膜を4回貫通する領域を持つことが示唆された。
 半数近くの植物種は、同種内でも自己の花粉とは受精せず、非自己のみと受精して子孫を残す自家不和合性という性質を持っていることが知られている。自家不和合種の雌しべは自己の花粉で受精する自家和合種の花粉は受け入れないが、自家和合種は自家不和合種の花粉を受け入れる「種の一側性不和合性」という現象が1940年代から知られていた。このことは自家和合種においては異種の花粉を排除する能力が失われる傾向にあることを意味しているが、それを説明できる分子は明らかにされていなかった。
 本研究ではDNA配列解析によりシロイヌナズナの進化の過程で少なくとも6回SPRⅠ1遺伝子の機能が失われたことを明らかにした。これはシロイヌナズナが自家和合性の獲得によってSPRⅠ1の機能を維持する理由がなくなったことに起因すると考えられた。本研究によりこれまで合理的な説明がなされてこなかった種間の一側性不和合性を分子レベルで説明できるようになった。また、ゲノム編集法を用いた解析により、SPRⅠ1タンパク質は自家不和合性を引き起こす分子メカニズムとは完全に独立した働きを持つことも示した。
 さらにSPRⅠ1タンパク質はM.littoreaのみならず、多様な種の花粉の排除に関わることを明らかにした。SPRⅠ1タンパク質の機能を破壊した系統に、自種の花粉を受粉させるより前に異種の花粉を受粉しておくと著しく受精効率が下がることが明らかとなった。動けない植物は昆虫や風などの媒介によって受粉するため、雌しべにはさまざまな花粉が運搬されてくる可能性がある。SPRⅠ1タンパク質は異種の花粉が混在する野外環境下での種間のせめぎあいにおいて重要な役割を果たしていると考えられる。
 精細胞と卵細胞の受精に関わる因子として哺乳類ではZP2、CD9、JUNO-ⅠZUMO1、植物ではGCS1、LURE-PRK6などが知られている。同種間ではこれらの雌雄タンパク質の相性が適合していることで受精が成功し、異種間では相性が悪いため受精が失敗することが報告されている。一方で、雌しべが好ましくない花粉を積極的に排除するのがSPRⅠ1タンパク質の働きである。
 本研究によって、これまで知られているものとはまったく異なる分子メカニズムで配偶子を選択する仕組みを植物(シロイヌナズナ)が備えていることが初めて明らかになった。
 ◆用語解説
 〇生殖障壁
 異なる種の間で、雌雄の配偶子の間に不適合があり、次世代を残すことができなくなるメカニズムの総称。
 〇ゲノムワイド関連解析
 ある集団において、個体間の形質の違いとDNA配列の違いとの関わりを全ゲノム配列にわたって統計的に検出する解析手法。
 〇原因遺伝子座
 染色体上で、個体間の形質の違いの原因となる遺伝子が座乗する部位。
 〇自家不和合性
 植物が自己の花粉と集団内の非自己の花粉を識別して、非自己のみと受精し子孫を作る性質。近親交配による有害な遺伝子の集積を回避し、集団内の遺伝的多様性を保つ効果があると考えられている。アブラナ科ではSP11という花粉タンパク質とSRKという雌しべタンパク質が自分自身のタイプのみと直接的に相互作用することで自己拒絶反応が起こる。
 〇種の一側性不和合性
 自家不和合性種の雌しべは自家和合性種の花粉を排除するが、その逆は受け入れられるという現象。この現象はアブラナ科を含む広範な植物種で見られることが報告されている。

 今日は曇り、空は明るく、時々太陽が顔をだす。
 街路の”マサキ”の花が満開だ。花は小さく灰緑色で目立たない。沢山咲いていると白いベールを被った様に見える。花を見るのが久しぶりだ、・・開花期間が短いからかな。
 果実は秋に熟し、裂開して橙赤色の仮種皮におおわれた種子が見え、これがとても可愛い、秋が楽しみだ。
 名(マサキ)の由来は、何時も緑の常緑樹”マサオキ(真青木)”から”マサキ”となったと言う。刈込みに強く、密生し、大気汚染や潮風にも比較的強いので生垣・庭木などに使われる。
 マサキ(柾、正木)
 ニシキギ科ニシキギ属
 原産地は極東アジアの日本・朝鮮・中国
 耐寒性の常緑低木
 開花時期は6月~7月
 花は数mm程の4弁花、花色は淡緑白色
 果実は朔果で、径5~8mm程の球形
 熟すると果実は3~4つに割れ、赤橙色の仮種皮に包まれた種子が見える


キンギョの全ゲノム解読により脊椎動物の進化の謎に迫る

2019-07-06 | 生物
 大阪大学蛋白質研究所・分子発生学研究室の大森義裕招聘教授(当時准教授。現長浜バイオ大学教授)らの研究グループは、国立遺伝学研究所川上浩一教授、藤山秋佐夫特任教授、愛知県水産試験場内水面漁業研究所弥富指導所、および米国国立衛生研究所(NIH)Shawn Bargess上席研究員らと共同で、キンギョの全ゲノム配列を世界で初めて解読した。本研究成果は、米国科学誌「Science Advances」に、6月27日(日本時間)に公開された。
 研究成果のポイント
 1、キンギョの全ゲノム配列の解読に世界で初めて成功し、1400万年前に全ゲノム重複が起こったことや、この間に重複した遺伝子が淘汰や進化を遂げる様子が明らかとなった。
 2、キンギョは一般の魚類の約2倍の遺伝子を持ちゲノム構造が複雑で全ゲノム解読が困難であったが、新型のロングリード次世代DNAシーケンサーと雌性発生キンギョを用いたことで解読が可能となった。
 3、ヒトを含む脊椎動物の進化や「体の形づくり」の仕組みの解明、新たなキンギョ品種の作出、ヒト疾患の発症機構の解明への貢献が期待される。
 研究の背景と結果
 コイ科の魚であるキンギョは約千年前の中国、宋の時代に野生のフナから育種が始まり、主に東アジアにおいて数百年間にわたって品種改良が進められてきた。日本には室町時代に伝来し、江戸時代に盛んに品種改良がおこなわれ、デメキンやランチュウ、オランダ、シュブンキンなど数十種類の多様な品種が飼育されている。キンギョの体の形の多様性は19世紀のチャールズ・ダーウィンの時代に既に科学的な関心の対象となっており、彼の著書の中でもその多様性についての興味がつづられています。
 キンギョは私たちヒトを含む脊椎動物の仲間であり、その体の形づくりのメカニズムは共通する部分が多く、それに必要な遺伝子も共通していると考えられている。すなわち、キンギョの体の形づくりのメカニズムを研究することで、ヒトを含む脊椎動物の体の形づくりのメカニズムを解明できると期待され、ヒト疾患発症のメカニズムの理解にもつながる。このように、キンギョは研究の対象として興味が持たれていたが、多様性や体の形づくりに関わる遺伝子群の全貌を明らかにするためには、全ゲノム塩基配列情報が必要である。
 しかし、キンギョの染色体では異質4倍体化(全ゲノム重複)がおこっており、一般の魚類の約2倍の遺伝子を持つことから、ゲノム構造が複雑で全ゲノム解読はこれまで成功していない。私たちは、この問題を克服するために新型のロングリード次世代DNAシーケンサーを用いた。これまでのショートリード次世代DNAシーケンサーでは、100から200塩基程度の短いDNA配列を大量に解析し、それらをパズルを解くように繋ぎ合わせることで、全長18億塩基対に及ぶ全ゲノムの解読を進めることになる。このため配列不明の部分(ギャップ)が発生しやすいという欠点があった。今回用いた新型のロングリード次世代DNAシーケンサーでは旧型の100倍以上の長さのDNA塩基配列(1万から4万塩基)を一気に読み進めることができ、より正確なゲノム情報にもとづいて遺伝子地図を作製することができる。全ゲノム重複が起こっている複雑なキンギョゲノムを読み解くにはロングリード次世代DNAシーケンサーによる解読が威力を発揮した。
 もう一つの工夫は雌性発生キンギョを用いたことである。通常のキンギョは私たちヒトと同様に父母両方の対立遺伝子を受け継ぐが、キンギョの発生段階で特殊な処理をすることにより、母親由来の染色体からなるキンギョ(雌性発生キンギョ)を作製した。このキンギョでは多くの遺伝子が母親由来の遺伝子のみとなっている。また、今回の研究では野生のフナに近い体形を持つワキンというキンギョ品種を用いた。このことによりゲノム構造をシンプルにし、解読を容易にすることに成功した。
 これらの手法により、キンギョの祖先種のゲノムが約1400万年前に倍加(全ゲノム重複)したことや、倍加した遺伝子群の一部が進化の過程で淘汰されたり、新たな発現パターンを獲得したりする様子が明らかとなった。
 全遺伝子数が倍加する全ゲノム重複は、私たちヒトを含む脊椎動物の進化に重大な影響を与えたと考えられているが、約5億年前に起こったと考えられる現象なので、その後、重複した遺伝子がどのように進化して現在の私たち脊椎動物のゲノムを作り上げているかはよくわかっていない。キンギョのゲノム研究をすすめることで、全ゲノム重複後の遺伝子進化のメカニズムを明らかにする手掛かりが得られると考えられる。
 今回の研究で、キンギョの祖先種で1400万年前に全ゲノム重複が起こったことや、その後、倍加した遺伝子の12%が淘汰されて無くなっていること、また、重複している遺伝子の約30%が臓器で新たに発現するようになるなどの進化を遂げたことがわかった。また、遺伝子の淘汰や発現変化を受けやすい遺伝子の顔ぶれがより鮮明になってきた。遺伝子が失われる速度は、8000万年前に全ゲノム重複が起こったサケと比べて1.7倍速く、キンギョのゲノムが急速に遺伝子を失う進化過程にあることが明らかとなった。
 研究成果の意義
 本研究成果により、今後、キンギョ全ゲノム配列情報を使って進化の研究や、脊椎動物のかたちや色をつくるメカニズムの研究が加速することが予想される。キンギョは、私たちヒトを含む脊椎動物の多様性や体づくりのメカニズムについての研究を進める上で興味深い対象であるが、これまで全ゲノムが解読されていなかったため、遺伝子レベルでの正確な解析が困難であった。私たちは、今回のゲノム解読により、これらのメカニズムの解明へ向けて扉が開かれたと考えている。また、キンギョの品種にはヒトの病気と似た症状をもつものがあり、キンギョがヒトの病気の原因解明や診断・治療法の確立に役立つ可能性も期待される。
 現在、私たちは今回得られた全ゲノム配列のデータをもとに、デメキンやランチュウを含む様々なキンギョ品種のゲノム解析を行うことで脊椎動物の体の形をつくる遺伝子の探索をすすめている。また、新たなキンギョ品種の作出や病原菌に対する耐性などキンギョの品種改良にも貢献することが期待される。
 ◆用語説明
 〇ゲノム
 ひとつの生物の染色体1セットに含まれているすべての遺伝情報。例えば、ヒトのゲノムは約30億塩基対から成り約2万個の遺伝子を持っている。
 〇全ゲノム重複
 生物のゲノム全体が倍化する現象。同種のゲノムのコピーが倍加する同質倍数体と、進化的に近い異種の交雑によって起こる異質倍数体がある。動物や植物、菌類でも見られる。本来、全遺伝子数が数千から数万個の生物種の遺伝子数が倍加することで、適応の自由度が増し生物の多様性が生み出されると考えられている。倍加した遺伝子数は数千万年オーダーの時間をかけて徐々に減少し、もとの遺伝子数に戻ってゆく。この過程で重複した遺伝子の一部は機能獲得や機能分化することで進化する。脊椎動物では、過去に2回の全ゲノム重複を経験したと考えられており、これらの全ゲノム重複後の遺伝子進化が脊椎動物の進化の大きな原動力となっていると考えられている。
 〇ロングリード次世代DNAシーケンサー
 これまで主流であった、ショートリード次世代DNAシーケンサー(第2世代DNAシーケンサー;イルミナ社HiSeqシリーズなど)では、一度に100塩基から200塩基のDNA配列を大量に解析することで、ゲノム配列解析を行っていた。これに対し、新型のロングリード次世代DNAシーケンサー(第3世代DNAシーケンサー;PacificBiosciences社PacBio RS II など)では、一度に1万から4万塩基のDNA配列を解析できるので、ゲノムサイズの大きな生物のより正確なゲノム解析が可能である。
 〇雌性発生
 脊椎動物では、精子に含まれる父親由来の染色体と卵子に含まれる母親由来の染色体が、受精により合わさって一つの個体として発生する。一方で、紫外線などで父親由来の染色体を不活化した精子を用いて、受精させ、受精後に温度や圧力などの外的環境を変化させることで、母親由来の染色体のみから成る個体を得ることができる。こうして得られた個体が雌性発生個体であり、ゲノム配列の多様性が少ないため、ゲノム解析が容易となる。

 今日の天気は曇り、時々雨。早朝は小雨だったが、9時頃から止むが、時々小雨がパラつく。
 ”ヒメザクロ”に花が咲き、実も付きだした。花は朱紅色一重の小花。”ヒメザクロ”は、”ザクロ”を矮性化した園芸種である。この”ヒメザクロ”は樹高3mほどで、”ヒメザクロ”の樹高は1mほどと言われるよりかなり大きい。
 因みに、”ザクロ”の実は”リンゴ”ほどの大きさだが、”ヒメザクロ”の実は”ヒメリンゴ”と同じ大きさ。
 ”ザクロ(柘榴)は、果実が主目的で栽培されるが、”ヒメザクロ”は花を観賞するためにも栽培されたもので、中国で鉢植え用として作出された。”ザクロ”は「一実百花」で「花が百咲き漸く1果実る」との如くに、実が付き難い果樹とされている。
 日本には、江戸時代(18世紀初め)に渡来した。別名には、名残りなのか南京石榴(なんきんざくろ)、花柘榴(はなざくろ)がある。
 ヒメザクロ(姫柘榴)、流通名:プニカ
 別名:南京石榴(なんきんざくろ)、花柘榴(はなざくろ)
 ザクロ科(ミソハギ科)ザクロ属
 ザクロ(柘榴)は西南アジアを原産とする
 落葉小低木(耐寒性)
 樹高は60cm~120cm
 開花時期は6月~8月
 花色は紅、一重・八重がある
 八重咲きの”ヒメヤエザクロ”は結実しない


貝の巻き方決める遺伝子特定、生物非対称の謎に迫る

2019-07-02 | 生物
 中部大学黒田玲子特任教授と阿部真典特任講師は、巻き貝の貝殻が右巻きと左巻きのどちらになるかを決める遺伝子を突き止めた(5月14日発表)。
 遺伝子を自在に改変できる「ゲノム編集」を使い、右巻きから左巻きに変える実験にも成功した。遺伝子の変異が世代を超えて伝わることも確認した。生物の体が左側と右側で仕組みが異なる謎に迫る成果という。
 「ヨーロッパモノアラガイ」という貝で実験した。自然界では右巻きと左巻きが98対2の割合だという。
 これまでの黒田特任教授らの研究で、左巻きでは”Lsdia1”という遺伝子が全く働いていないことなどが分かっていた。今回はゲノム編集という技術を使い、右巻きの貝で”Lsdia1”遺伝子を人為的に欠損させたところ、その子孫が左巻きになり、代々左巻きが遺伝することを発見した。
 受精卵に”Lsdia1”遺伝子のタンパク質があると、2つの細胞に分裂する時の向きが時計回りになるが、ないと反時計回りになることも分かり、左右の非対称性が受精卵という発生の早い段階で起こっていることも判明した。”Lsdia1”とよく似た遺伝子は、人を含めた脊椎動物にも広く存在している。人の臓器の左右の非対称性を制御している別の遺伝子は巻き貝にもあり、”Lsdia1”と関係していることも分かっている。
 黒田特任教授は「巻き貝ではたった1つの遺伝子が、受精卵の時期から左右の非対称性を決めていて驚きだ。脊椎動物で左右の非対称性を決定する仕組みはより複雑だろうが、決定に至る重要な要素が共通している可能性がある」と語る。
 ◆モノアラガイ(物洗貝、学名:Radix auricularia japonica)
 モノアラガイ、は有肺目モノアラガイ科に分類される巻貝の一種。広義にはモノアラガイ科の種の総称。
 一般的にはモノアラガイ科やサカマキガイ科などの淡水域に産する小型貝類をまとめて「モノアラガイ」と呼ぶこともあるが、厳密には誤りである。
 形態
 殻高、殻幅20mm前後の卵円形。殻は薄質で、薄茶色~飴色でやや透明感があるが、模様や彫刻はなく、成長脈があるのみである。また、殻口は広く、殻高の八割前後にも及ぶが、相対的に螺塔はとても低い。軟体は黒い斑模様があり、殻の上からでも透けて見えるため、生時は一見殻に模様が在るかの様である。その他軸唇は広く、また捩れ、臍孔はない。蓋もない。
 巻貝の巻きの方向
 大半の動物は左右対称か点対称であるが、巻貝は螺旋状であり対称でない。
 巻貝には左巻きと右巻きがいる。時計回りが右巻き、反時計回りが左巻きである。見分け方の一つに、巻き貝のとがった方を上に向け、殻の入り口が見えるように持ったとき、殻の口が向かって右側に見えるのが右巻き、左側に見えるのが左巻きである。
 ヨーロッパモノアラガイ
 ヨーロッパモノアラガイは淡水で生息する。成貝は2~2.5cmで、自然界では右巻きが98%、左巻きが2%いる。

 今日の天気は曇り、予想では晴れ。畑作業は、”ズッキーニ”の受粉作業と収穫、お花(水仙、桔梗、ヤグルマギク)を数本いただく。
 近所に、少し広い空地がある。住宅地だった所で、現在は雑草地となっている。お庭だったと思われる所に、”ビワ”の木が植えてあり、沢山の実が付いている。実は黄色く熟している。開花時期は冬(11月~12月)で、半年後の今時分に果実は熟す。
 ”ビワ”の原産は中国で、日本へは9世紀には渡来していたと考えられている(日本自生説もあり)。しかし、現在日本で栽培されている品種は、江戸時代末期(天保~弘化)に中国からの大果品の種子から育成されたもの。この「唐枇杷」と呼ばれる品種から改良されて、現在の二大品種(茂木と田中)が生まれたと言う。
 名(ビワ:枇杷)の由来は、葉の形が楽器の琵琶(びわ)に似ているから。
 因みに、”ビワ”の葉には関節痛に効き(産毛のある葉裏を擦って貼る)、葉を煎じて「せき止め・利尿など」に効く、と言う(古くからの民間薬)。
 ビワ(枇杷、比波)
    果実もビワと呼ぶ
 英名:loquat
 学名:Eriobotrya japonica
 バラ科ビワ属、常緑高木
 原産地は中国
    6世紀には栽培されていたようだ
 開花時期は11月~12月
 花は白い五弁花、葯には毛が密に生えている
 花は両全花なので自家受粉が可能
 果実の成熟は5月~6月、黄橙色の実となる


津波を記録していたムール貝、貝がらの元素分析から環境復元の時間解像度を明らかに

2019-06-22 | 生物
 東日本大震災は東北太平洋沿岸に甚大な被害をもたらした。
 津波発生時に海の中で何が起きていたのか。津波前と比べて環境が変わったのか。との問いに、船舶による観測や海中に設置された自動観測システムでは充分なデータを得ることが難しかった。津波最中や直後の観測は不可能なため、データの空白期間が存在すること、前後の環境変化を比較する際に必要不可欠な災害「以前」のデータが限られていることが、津波などの大規模災害が発生した際の沿岸海域の環境変化を理解するさまたげになっていた。このような「災害以前のデータが無い、災害直後の観測が不可能」という問題は、近年頻度が増加している大型台風などの気象現象や、人為的な環境汚染物質の放出など、さまざまな状況で起こりうる問題である。この問題を解決するために、海の中に環境について自動的に記録を残し後から記録を読み出すことが可能な「フライトレコーダー」のような物があれば、災害発生前後の環境変化を調べる一助になると考えられる。
 東京大学大気海洋研究所の杉原奈央子学術支援職員らのグループは、二枚貝の貝がらを利用した環境復元の時間解像度を劇的に向上させることでこの問題の解明を試みた。
 貝がらの化学組成は周囲の環境を反映しており、貝がら断面には樹木年輪のような成長線が形成されているため分析した貝がらの位置がいつ作られたかがわかる。研究グループが、震災から半年後に岩手県大槌町から採取したムール貝(ムラサキイガイ)を調べた結果、貝がらのマンガン濃度が津波直後に急上昇していることを明らかにした。この変化は、津波による陸上の土砂流入や海底堆積物の巻上がりによって海水の化学組成が変化したことを示している。津波直後は調査研究を行える状況では無かったが、津波を生き延びた二枚貝の貝がらは当時の様子を克明に記録していた。
 研究グループは、津波発生から半年後の2011年9月に岩手県大槌町の岸壁から、ムラサキイガイを採取した。ムラサキイガイは「ムール貝」や「シュウリ貝」などの一般名で知られている付着性の二枚貝である。二枚貝の貝がらの化学組成は生息場所の環境に影響を受けて変化する。さらに、貝がらの断面には樹木の年輪のような縞模様(成長線)を観察することができる。採取日から成長線をさかのぼって数えていくことで、その部分の貝がらが、いつ頃作られたかを知ることができる。このように、貝がらの化学組成分析と成長線の観察を行うことで、「どのような」環境変化が「いつ」起きたのかを明らかにすることができる。
 これまでに貝がらやサンゴなどを利用した古環境復元については多くの研究が行われてきたが、東日本大震災のような直近の災害について、数日レベルの高い時間解像度で環境復元を行った例はなかった。ムラサキイガイのようなイガイ類は足糸によって岸壁や岩場に強固に付着しており、環境変化にも比較的強いことから本研究に最適な種である。また成長速度が早いことから化学分析を行った際に細かい時間スケールで環境変化を把握できる利点がある。
 採取したムラサキイガイは貝がらを最大成長方向に沿って切断し、化学組成分析用と成長線観察用の断面を作成した。貝がらの化学組成を調べるために、「レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析装置(LA-ICP-MS)」を利用して、貝がら中に含まれる重金属元素を貝がらの成長方向に沿って、100マイクロメートルのスポット径で金属元素の濃度を分析した。100マイクロメートルはムラサキイガイの1日から数日の成長速度に相当する。本研究では特にマンガンという元素の濃度変化に注目した。マンガンは、海水中よりも陸上の土壌や、海底堆積物などに多く含まれている元素である。また、貝がらには潮汐サイクルと同調するように、幅の狭い明瞭な成長線が形成されている部分と、幅の広い不明瞭な成長線が周期的に観察できた。これは大潮の時期と小潮の時期にそれぞれ対応しているとして、このパターンをもとに貝がらの形成時期を推定した。
 分析の結果、貝がら中のマンガン濃度が、津波発生直後から急激に上昇していたことがわかった。この急上昇は3月下旬をピークに4月の下旬にはある程度低下していた。また4月下旬以降に形成された部位では、津波前と比較して高いマンガン濃度が持続する状況に変化したことが明らかとなった。このような貝がらのマンガン濃度の詳細な変化パターンから津波によってどのような環境変化が起こったのかを推測することができる。津波直後の急激なマンガン濃度の上昇は、津波によって海底がかきまぜられたり、陸上の土砂が大量に海水中に流れ込んだことを示している。さらに、津波後にマンガン濃度が継続的に高い状態に変化したことは、海岸構造物の破壊や地盤沈下によって陸上の土砂が海水中に流れ込みやすい環境に変化したことを示している。家屋などの倒壊によって、裸地が増加したことも、土砂流入増加の一因となったであろう。このような陸上からの土砂流入や堆積物のまきあがりに伴って、さまざまな物質が海水中に流れこんだため、沿岸域の物質循環は津波によって激しく変化し、その影響は40日程度継続したと推測された。
 このような津波直後の環境変化に関するデータを観測によって得ることは現実的には困難である。実際、沿岸域の海洋観測施設は津波による損壊で使用不能であったし、津波直後の惨状では調査研究の余力は無く、大槌湾で初めて調査が実施されたのは津波による劇的な変化が収束した後と思われる5月中旬であった。貝がらを分析することで「過去にさかのぼって環境調査を実施できる」という本研究で示した手法は、海中の「フライトレコーダー」として、環境問題にも新たなモニタリング手法になると期待できる。
 ◆レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析装置(LA-ICP-MS)
 レーザーアブレーション装置によって、固体試料(本研究では貝がら)にレーザー光を照射し、微粒子化した後、ガスとともに誘導結合プラズマ質量分析装置に導入する。質量分析装置ではプラズマによってイオン化した元素を高感度で測定する。

 晴れ~曇りの天気。風は穏やか。午前の畑作業は、”ズッキーニ”の受粉作業、”ミニカボチャ”の受粉作業、”ネギ”の植え替え準備。。
 近所の塀に純白の小さい房状の花の塊りが見える。雪が積もった様に見える。”ニワナナカマド”の花だ。枝先に円錐花序(集合した花の姿が円錐状)を出し、白い小花が沢山付いている。花は梅の花に似て、花弁は5枚、花は小さく径数mm。
 葉は奇数羽状複葉(左右に小葉が並び、先端に小葉がつく)で、”ナナカマド”に似た葉姿だ。名に”ナナカマド”とついているが、残念ながら”ナナカマド(バラ科ナナカマド属)”と違い秋の紅葉も赤い実もない。
 別名には”チンシバイ(珍至梅、珍珠梅、珍朱梅)”とある。由来は判らない・・蕾が白玉の様だから、との説があるけど。
 ニワナナカマド(庭七竈)
 別名:チンシバイ(珍至梅、珍珠梅、珍朱梅)
 学名:Sorbaria kirilowii
 バラ科ホザキナナカマド属(ソルバリア属)
 落葉低木
 原産地は中国
 開花時期は6月~7月
 枝先に白い小花が沢山付く
 蕾は白玉の様に美しい
 1つの花は直径5~7mm位


草花や樹木が備える再生能力のカギとなる酵素を見つけた

2019-05-19 | 生物
 東京理科大学の松永幸大教授らは米カリフォルニア工科大学と共同で、草花や樹木が備える再生能力のカギとなる酵素を見つけた。
 共同研究グループはアブラナ科の一年草、シロイヌナズナを使い、根から特定の機能のない細胞の塊を作った。ホルモンを加えると葉や茎などの組織に成長していくが、遺伝子の機能をひとつずつ働かなくなるようにした細胞の塊の中から、葉や茎などのならない細胞を見つけた。この細胞に「LDL3酵素」を作る遺伝子がなかった。
 シロイヌナズナには約2万6000個の遺伝子があり、組織の再生には約3000個の遺伝子が関わっている。「LDL3」はそれらを働く直前の状態で待機させていることが分かった。組織の一部が傷つくと素早く再生を始められるように備えている、植物ならではの能力だという。
 この酵素はシロイヌナズナ以外の植物でも見つかっている。動物ではがんの引き金役になっている酵素と作用がよく似ていた。再生しにくい植物でこの酵素の働きを高めて機能を変えられる可能性がある。野菜などの作物の増産や園芸技術の向上などに役立ち、動物細胞の再生能力の研究にも生かせると考えている。

 朝から晴れ。今日の畑作業は、枝豆の苗を植え付け・・大きくなった苗からの植付け。お隣の畑の方から、”タケノコ”を頂いた・・ありがとう。
 玄関前に植えられていた”エニシダ”に花が咲いていた。細かい葉が密生した枝に総状花序を作り、小さな花が沢山咲いている。花色は黄色(黄金色)、だが翼弁が赤い。”ホオベニエニシダ(頬紅金雀枝)”だ。
 和名の”エニシダ(金雀枝)”は、黄金に輝く花が枝垂れ咲く形状が孔雀の羽にも見えるから、黄金の孔雀のような枝を持つ花、とつけた漢字。
 マメ科の植物だから、さやえんどう似た果実を付け、熟すと黒褐色となる。枝葉の形は、ほうき形。なので、西洋ではエニシダの枝で箒(ほうき)を作り、魔女の箒はこの枝での箒、と言う。
 因みに、枝・葉にアルカロイドが含まれ、食べると中毒を起こす。
 ホオベニエニシダ(頬紅金雀枝)
 別名:錦金雀枝(にしきえにしだ)、赤花金雀枝(あかばなえにしだ)
 学名:Cytisus scoparius cv. Andreanus
 マメ科エニシダ属
   エニシダの園芸品種
 落葉~半常緑低木
 原産地は地中海沿岸
 日本には中国から江戸時代初めに渡来
 開花時期は4月~5月
 花は小さな蝶の形(2cm位)で、黄金色(黄色)で翼弁が赤い
 仲間には
  小さな黄色い花の”ヒメエニシダ”、白花の”シロバナエニシダ”がある


桜の代表的品種であるソメイヨシノの全遺伝情報を解読

2019-05-03 | 生物
 今日(5月3日)は憲法記念日。現在の日本国憲法は、1946年(昭和21年)11月3日に公布、1947年(昭和22年)5月3日に施行された。施行から70年余りとなり、人間で言えば高齢者、健康診断や治療が欠かせない年齢。改憲・護憲・加憲等の論議が起きている。
 2018年に日本経済新聞社とテレビ東京が憲法記念日を前に世論調査を実施した。
 調査は日経リサーチが4月27日~29日に全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD方式)による電話で実施。1009件の有効回答(回答率は47.6%)を得た。
 憲法についての回答
   現状のままでよい:48%
   改正すべきだ:41% 2017年4月は賛否が拮抗していた

 島根大学や京都府立大学、かずさDNA研究所の研究グループが桜の代表的な品種であるソメイヨシノのゲノム(全遺伝情報)を解読したと、発表した。研究グループは、遺伝子解析が進めば正確に開花時期が予測できる、と期待している。
 サクラはバラ科に属する樹木で主に北半球の温帯に広く分布するが、美しい花を咲かせる種はアジア、特に日本に多い。日本だけをみても野生種やその変種から育成された栽培品種だけでも200種以上とされている。日本から米国ワシントンなどにも移植されて世界的に有名なソメイヨシノは、その成り立ちや開花時に働く遺伝子などについて多くの謎に包まれている。
 研究グループは、島根大学・生物資源科学部附属生物資源教育研究センターの本庄総合農場(島根県松江市)のサクラ139品種とソメイヨシノの原木とされる上野恩賜公園(東京都台東区上野公園)の樹木の組織を採取してゲノムを解析した。
 その結果、これまでの通説の通り、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラという2品種を祖先に持つことが分かった。また、かずさDNA研究所がある千葉県木更津市鎌足地区に古くから伝わる鎌足桜はヤマザクラとオオシマザクラという2種の系統である可能性が高いことも判明した。
 研究グループはまた、ソメイヨシノを構成する2種のサクラに対応するそれぞれ3億5000万塩基対のゲノムを解読。ゲノム配列から約95100の遺伝子を特定できて「ソメイヨシノの遺伝子地図」を作成した。今回解読できたゲノムは ゲノムの構造はオウトウ(サクランボ)やモモ、ウメとよく似ていたという。同グループによると、ソメイヨシノの2つの祖先種と分かったエドヒガンとオオシマザクラは552万年前に異種に別れたと推定でき、この2種が百数十年前に交雑によって再び一つになることでソメイヨシノが誕生したと考えられるという。
 同グループは、開花前1年間の一ヶ月ごとと、開花前1ヶ月間の2日ごとのソメイヨシノのつぼみの解析を行い、開花に至るまでの遺伝子発現の変化を明らかにした。これらの研究成果から同グループは「(今後も研究を続けて)遺伝子解析が進めば正確に開花時期を予測できる」と期待している。
 ◆ソメイヨシノ
 染井吉野、学名: Cerasus ×yedoensis (Matsum.) Masam. & Suzuki ‘Somei-yoshino’
 エドヒガン系の桜と日本固有種のオオシマザクラの雑種の交配で生まれた日本産の園芸品種。遺伝子研究の結果、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してできた単一の樹を始源とするクローンである。
 江戸末期から明治初期に、江戸の染井村に集落を作っていた造園師や植木職人達によって育成された。初めサクラの名所として古来名高く西行法師の和歌にもたびたび詠まれた大和の吉野山(奈良県山岳部)にちなんで「吉野」「吉野桜」として売られ、広まったが、藤野寄命による上野公園のサクラの調査によってヤマザクラとは異なる種の桜であることが分かり(1900年)、この名称では吉野山に多いヤマザクラと混同される恐れがあるため、「日本園芸雑誌」において染井村の名を取り「染井吉野」と命名したという。翌年、松村任三が学名をつけた。
 今日では、メディアなどで「桜が開花した」というときの「桜」はソメイヨシノ(の中の、気象台が定めるなどした特定の株)を意味するなど、現代の観賞用のサクラの代表種である。

 朝から晴れていい天気。風も穏やか。朝一番に畑に植える”ナス”床(マルチ)を作る。
 畑の近くのマンションのアポローチ。お庭で、”ツルニチニチソウ”の花が咲き出した。朝にお水を上げたのか、葉が濡れている。お花も葉も雨上がりの様で綺麗に見える。
 花は”ニチニソウ”にそっくりで、つる性だから茎は横に伸びている。葉は卵形で、斑(ふ)が入っているのとないのがある。花を見るより葉を見る”観葉植物”として、花壇のグランドカバーやプランターなどで使われるようだ。
 ”ツルニチニチソウ”はキョウチクトウ科で、キョウチクトウの仲間は毒性(アルカロイド)を持つが、”ツルニチニチソウ”は死に至る程の毒性はない(弱い、嘔吐や下痢)・・でも食べ過ぎには注意?。
 ツルニチニチソウ(蔓日々草)
 別名:ツルキキョウ、ツルビンカ、ビンカ・マジョール(学名から)
 キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属
 つる性の耐寒性宿根草
 原産地は地中海沿岸、明治時代に渡来し野生化した帰化植物
 開花時期は4月~7月(12月~1月でも咲く)
 花径は数cm、色は淡青色~薄紫色で白もある
 花は筒状だが筒先端が割けて5弁花に見える
 葉に斑(ふ)が入るのと入らないのがある


単細胞生物「海ぶどう」の全ゲノム解読に成功

2019-05-01 | 生物
 おめでとう。
 令 和
 今日から新元号となります。新しい時代が平和となることを願います。

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、沖縄県恩納村漁業協同組合と共同で、沖縄県を代表する食用海藻である、海ぶどう(標準和名・クビレズタ)の全ゲノム解読に世界で初めて成功した。海ぶどうは長さ10m~20cmにもなる緑藻の一種であるが、沢山の核を含むたった1個の細胞でできている、生物の体作りという観点からとても不思議な生物である。
 海ぶどうのゲノムのサイズは、養殖・栽培されている農水産物の中でも最小クラスの2,800万塩基対で、遺伝子の数もわずか9,000ほどであることが明らかになった。また、海ぶどうは野菜や果物などの陸上植物とは全く別の生物であるものの、成長に関しては類似した遺伝子が関わっている可能性が示唆された。
 研究チームは、沖縄県恩納村漁業共同組合で養殖された海ぶどうからDNAを抽出し、OISTが保有する次世代型ゲノムシーケンサー(超並列シーケンサー)を駆使して、その全ゲノム配列を解読した。
 超並列シーケンサーから出力された配列データをつなぎ合わせ、全長2,800万塩基対のゲノム配列を決定した。決定されたゲノム配列は36本の配列に95%の塩基が含まれており、各遺伝子がどのようにゲノム上に配置されているか知る上で有用な情報を得ることができる。ゲノム上に見つかった9,311個の遺伝子の中から海ぶどうに特異的な特徴を探した。その結果、タンパク質の細胞内の配置を制御する遺伝子が失われつつある一方で、細胞核の物質の出入りを制御する遺伝子や、陸上の緑色植物で生活環境や葉の形作りなどを制御するTALE型ホメオボックス遺伝子などが多様化していることがわかった。
 これらの結果は、巨大な単細胞生物である海ぶどうの形作りが、多細胞生物や微細な単細胞生物とは異なるメカニズムでタンパク質を必要とされる部位に配置したり、細胞核自体が物質の輸送を制御することで実現されていることを示唆している。一方で、海ぶどうが単細胞生物でありながら、巨大で複雑な体の構造を獲得したきっかけには、陸上植物と同様にTALE型ホメオボックス遺伝子の増加が鍵となった可能性が示唆された。
 この複雑な形態と独特の歯触りは、この単細胞生物に特異的な遺伝子セットによって実現されていることが示唆された。
 ◆クビレズタ(海ぶどう)
 クビレズタ(括れ蔦、学名:Caulerpa lentillifera)はイワズタ科イワズタ属に属する海藻。単細胞生物である。沖縄県や鹿児島県では海ぶどうやグリーンキャビアと呼ばれ、食用となる。海水水槽で観賞用に栽培されることもある。
 和名はくびれのあるツタの意味で「クビレヅタ」であったが、2000年に改定された日本産海藻目録より「クビレズタ」に改められた。最新である2005年改訂版でも「クビレズタ」となっている。
 日本では南西諸島に、日本国外では東南アジアやオセアニア等の浅海域に分布する。主に、潮間帯の下部から漸深帯の砂地に生育する。
 長さ2-5m程度まで成長する。匍匐茎(ランナー)を伸ばし、匍匐茎の途中から直立する茎が生える。この直立する茎が食用になる部位で、球状の小枝(葉のような形状)が密生しており、「海ぶどう」の由来にもなっている。また、和名のクビレズタは、直立する茎と小枝の間がくびれていることにちなむ。
 食用
 沖縄県では、昔から食べられており、その形状から海ぶどうやグリーンキャビアと呼ばれている。生で、醤油や三杯酢等をタレのように浸けながら食べる。刺身の付け合わせにもされる。ご飯の上にのせて三杯酢をかけた「海ぶどう丼」や、味付けせずに沖縄そばの上に乗せて「海ぶどうそば」として食べることもある。調味液に長く浸すと、プチプチとした食感をもたらす粒状の部分がしぼんでしまう。また低温に弱く、冷蔵庫で保存すると萎んでしまうので常温で保存する。3日~4日間は常温で問題なく保存できる。
 因みに、他の数多くの海藻と違い、海ぶどうは天然または海で養殖されたものではなく、野菜や果物のように陸上のビニールハウス内に作られた海水プールで育てられる。この養殖方法が開発されたことで海ぶどうの大量栽培が可能となり、その生産額は2013年に沖縄県内で10億円を超え、その後も増加を続けている。
 ◆ゲノムサイズ
 ゲノムサイズが小さい水産物として知られるオキナワモズクは約13,000の遺伝子を含む約1億4千万塩基のゲノム。
 我々ヒトのゲノムは約30億塩基であり約20,000の遺伝子が含まれる。
 ◆TALE型ホメオボックス遺伝子
 ホメオボックス遺伝子は各種の遺伝子の転写制御に関わる因子。植物や動物など様々な生物の形態発達を調整する役割を持ち、特定の遺伝子のスイッチをオン・オフすることで、細胞が組織の構造を形作る過程をコントロールする。
 ◆仕切りのない細胞
 海ぶどうが仕切りのない細胞で複雑な形を作り上げられるのは、体の部位ごとにゲノムDNAを包み込む構造である核膜が特殊化し、その種類に応じて遺伝子のスイッチを制御する物質が選択的に細胞核に取り込まれるためだと考えられる。

 朝は小雨、段々と雨は止み、昼頃から晴れ~曇り。
 ”ベニバナトキワマンサク”の花が咲き出した。冬でも落葉しない樹で、葉は赤紫色、花は紅色の細い紐状。この”トキワマンサク”はマンサク科トキワマンサク属。この花は紅色の細い紐状で、早春の”マンサク”の花は黄色の細い紐状、良く似ている。でも”マンサク”はマンサク科マンサク属、と属が異なる。
 ベニバナトキワマンサク(紅花常盤万作)
 別名:赤花常盤万作(あかばなときわまんさく)
 マンサク科トキワマンサク属(ロロペタルム属)
 耐寒性常緑小高木
 原産地は日本、中国南東部、インド北東部
 マンサク科トキワマンサク属の 「トキワマンサク(常盤万作)」の変種の紅花品種
 開花時期は4月~5月
 トキワマンサクは白花、ベニバナトキワマンサクは赤花



マンモスの化石から細胞の核を採取し、マウスの卵子内で再生に成功

2019-03-13 | 生物
 近畿大の山縣一夫准教授・宮本圭講師らの研究チームは、2010年にシベリアの永久凍土からほぼ完全な状態で見つかったマンモス「Yuka:ユカ」から、筋肉や骨髄の組織を採取し、マウスの卵子内で再生することに成功したと発表した(3月11日)。成果は同日の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に発表した。
 2010年に発掘されたのは雌のマンモスの化石で、発見場所の地名にちなんで「Yuka:ユカ」と名付けられた。推定6歳ぐらいの子供で、大きさは約3.5m程。約2万8千年前に死に、ロシア極東・サハ共和国の永久凍土で、ほぼ完全な形を保ち、皮膚・筋肉・骨・毛などが残存した状態で発掘された。
 チームは、マンモスの化石の骨髄や筋肉組織からDNAが含まれる細胞核を43個抽出し、マウスの卵子に注入。うち5個でマンモスの細胞核がマウスのヒストン(DNAが巻き付くたんぱく質)を取り込んで、紡錘体を形成した。新たな細胞核のような構造を作ったものも1個あったが、それ以上の変化(細胞分裂)は見られなかった。DNAの損傷が激しく、分裂が止まった可能性があるという。
 研究は近畿大が取り組む「マンモス復活プロジェクト」の一環。マンモスの細胞核を象の卵子に移植し、マンモスの遺伝子を持つ受精卵を作製。象の子宮に移植してマンモスを誕生させる目標を掲げていた。
 チームの黒坂哲・近大講師(発生生物学)は「より保存状態の良いマンモスの発見を期待したい」と話している。

 今日の天気は晴れ。小雨が時々パラパラと降る。最高気温が12℃とあるが、風が穏やかなので春らしい気候だ。
 畑に行ったら、黄色の花、”キバナサフラン”と呼ばれる”クロッカス”が咲いている。花被片が6枚、雄しべが3本、中央の雌しべは柱頭が糸状に3つに分かれている。因みに、色々な花色を植えたが生き残ったのは黄色い花のみ、黄花品種は強いのかな。
 ”クロッカス”は、アヤメ科クロッカス属の総称で、世界に75種程ある。園芸上、春咲き種をクロッカス、秋咲き種をサフランと呼ぶのが一般的のようだ。”サフラン”を秋咲きクロッカスと呼ぶこともある。
 お花の近くに、”シャクヤク”の芽が見えた。昨年より芽の数が多く、楽しみ!。
 キバナサフラン(英: crocus)
 学名:Crocus vernus
 アヤメ科サフラン属
 開花時期は2月~4月
 色々な花色の品種がある、黄・白・青・紫・藤など
 葉は細長く、真中に白い筋が入っている


強い毒を持つヒアリも、ワサビの辛みには勝てない

2019-03-02 | 生物
 強い毒を持つ外来種のヒアリも、ワサビの辛み成分には勝てないらしい。
 兵庫県立大の橋本佳明准教授(アリ学)らがその実態を突き止め、日本応用動物昆虫学会の英字誌オンライン版に発表した。日本への侵入を防ぐのに役立つ可能性があるという。
 橋本さんらは、ヒアリが定着した台湾で、ワサビの辛み成分「AITC:アリルイソチオシアネート」を入れたカプセルを練り込んだ「ワサビシート」を使って防虫効果を検証した。
 ワサビシートとえさを入れたわな、カプセルの入っていない「ワサビ抜きシート」と餌を入れたわなを10個ずつ、巣の近くに40分間しかけた。ワサビシートのわなにかかったアリはゼロだったが、ワサビ抜きの方は一つのわなに平均157匹がえさに群がった。
 ワサビの臭いでアリがえさを見つけられない場合もあると考え、餌にアリをたからせた上で、ワサビシートと一緒にしたわなも10個作った。1つのわなに平均0.9匹いたが、全て死んでいた。
 ワサビシートで積み荷などを覆うことでヒアリの紛れ込みを防ぎ、他国に拡散させるリスクを下げられる可能性がある。橋本さんは「世界中でヒアリの拡大防止に役立ててもらえるよう、技術開発を急ぎたい」と話している。
 ◆ヒアリ
 ヒアリ(学名:Solenopsis invicta、英語名:Red imported fire ant、別名:アカヒアリ、火蟻)は、南米大陸原産のハチ目(膜翅目)・アリ科・フタフシアリ亜科に属するアリの一種。
 世界の侵略的外来種ワースト100選定種で、特定外来生物にも指定されている。
 主にアルカロイド系の毒と強力な針を持つが、人間が刺されても死ぬことはまれで、痛み・かゆみ等の軽度の症状や、体質によりアレルギー反応や蕁麻疹等の重い症状が出る場合もある。命の危険があるのは、アレルギー症状の中でも特にアナフィラキシーショックが起きる場合で死亡することもある。そのため殺人アリと呼ばれることもある。
 日本では、2017年(平成29年)以降中国から運び込まれるコンテナなどで毎年見つかり、7月16日までに6都府県で8回発見されている。このうち2件は内陸部(愛知県春日井市および茨城県常陸太田市)で発見されている。
 忌避方法はワサビ成分入りシートを用いるもので、環境省も、2019年2月から自治体向けの「ヒアリ講習会」でこの手法を紹介する。
 因みに、ワサビの辛み成分「AITC:アリルイソチオシアネート」は弁当用の防腐剤や車のエアコンのカビ、悪臭防止などにすでに活用されている。

 3月に入ると何か春が近づいて来た、ような気がする。日ごとに最高気温も上がる・・。
 畑を見たら、道横の雑草に花が咲いている。”ホトケノザ:仏の座”の花だ。
 名(ホトケノザ:仏の座)の由来は、対生する半円形の葉が茎を囲む様子を蓮華座(れんげざ)に見立てたことからと言う。花が付く茎の上では葉が茎を抱いて葉柄がないが、下の方の葉は長い葉柄がある。葉が段々と付いているので、三階草(さんがいぐさ)とも呼ばれる。
 ホトケノザ(仏の座)
 別名:三階草(さんがいぐさ)
 シソ科オドリコソウ属
 一年草あるいは越年草
 古い時代にヨーロッパから渡来した帰化植物と考えられている
 開花時期は2月~6月(秋にも咲く)
 上部の葉脇に長さ2cmほどのピンク色で唇形状の花を付ける
 白色の花色もあり、シロバナホトケノザと呼ばれる


哺乳類シリアンハムスターの冬眠に備えた白色脂肪変化を明らかに

2019-02-10 | 生物
 冬眠は長い冬を低体温の状態で乗り切る現象である。外気温に体温が左右されるカエルなどの変温動物は、寒冷環境下では低体温の冬眠状態となる。これに対し哺乳類は体内で熱を作り出すことにより体温を37℃付近に維持する恒温動物であり、私たちヒトをはじめとする多くの哺乳類は冬眠できない。これは、長時間の低体温状態は心停止や組織障害を引き起こすからである。
 しかし、一部の哺乳類は変温動物と同じように低体温状態で冬眠できる。これらの動物の冬眠を可能とする仕組みについては、いまだ多くの点が不明である。冬眠を可能とする仕組みの一例に、脂肪の有効活用がある。冬眠するツキノワグマ・ヒグマやジリスなどは、秋になると体内に脂肪を大量に蓄えたのち巣穴にこもり、冬の間はほぼ絶食状態で貯蔵脂肪を燃焼させて生き延びる。同じく冬眠する小型のシマリスやハムスターは、体内に貯蔵した脂肪を活用しつつもその量には限りがあるため、巣穴に蓄えた大量の餌を食べて冬の間を生き延びる。しかし、脂肪をうまく蓄えさらに有効活用するために、冬眠前や冬眠期間に体がどう変化するのかについて、その詳細は不明であった。
 北海道大学低温科学研究所の山口良文教授、東京大学大学院薬学系研究科大学院生(当時)の茶山由一氏、三浦正幸教授、自然科学研究機構基礎生物学研究所の重信秀治准教授、福山大学薬学部の田村 豊教授らの研究グループは、餌を貯蔵しながら冬眠する哺乳類シリアンハムスターが、冬眠時、エネルギーを蓄える機能をもつ白色脂肪組織において、脂肪を合成する同化系と分解する異化系の両方を著しく増強させることを解明した。(2019/1/29)
 山口教授らの研究グループは、冬眠の仕組みを調べるうえで有用なモデル生物・シリアンハムスターに着目した。冬眠できる体の状態を調べるために、夏条件(温暖長日)で飼育された冬眠しない状態のシリアンハムスターと、冬条件(寒冷短日)に長期間置かれ冬眠する状態になったシリアンハムスターとの比較解析を行った。
 本研究では夏条件で育てた個体を冬条件に移すその際の組織変化の詳細を調べた。冬条件に移した個体では、皮下と腹腔内で白色脂肪組織重量の減少が見られた。これは寒冷ストレス等により代謝が進んだためと考えられる。しかし、冬条件で2ヶ月以上過ごした個体や、その後冬眠をはじめた個体では、体重あたりの白色脂肪組織の割合の増加が認められた。これは、白色脂肪を保存しようとする働きであると考えられる。そこでこの仕組みに迫るべく、次世代シーケンサー解析により、皮下白色脂肪組織で発現する遺伝子情報を網羅的に取得した。
 結果、冬条件に長く置かれた個体では、夏の個体に比べ中性脂肪を分解しエネルギーを取り出す異化反応に関わる酵素群の遺伝子発現量が増大することがわかった。これは冬眠動物が貯蔵脂肪を用いて冬を乗り切ることから、予想された結果だった。冬条件の個体では、異化反応とは逆に中性脂肪や脂質の合成に関わる同化反応系の酵素群や、脂肪酸の不飽和化に関わる酵
素群の遺伝子発現も増大していた。こうした、冬眠期における脂質同化系の亢進は、絶食状態で冬を乗り切るクマやジリスなどの冬眠動物では知られていない現象で、餌貯蔵型の冬眠動物ならではの性質といえる。不飽和化した脂肪酸は低温でも固まりにくくなるため、それ自身や細胞膜脂質の低温での流動性を高め、冬眠に備えた全身脂質組成の変化に必要と考えられる。 これら脂質の異化系・同化系に関わる遺伝子群の同時発現亢進は、長期間の冬条件に置かれてから2ヶ月以降から生じることが時系列解析により判明した。これは、先に観察した、白色脂肪の体重あたりの割合が増加する時期と一致する。つまりこの時点から、体が冬眠に先立ち、脂肪の効率的代謝系を発達させることが明らかとなった。
 こうした脂質の異化系・同化系の同時亢進は、冬眠終了とともに、冬眠前のレベルまで低下した。これは、今回観察された脂質の異化系・同化系の同時亢進が、冬眠という現象と密接に関わることを意味しており、冬眠にとって重要な現象であると考えられる。
 研究グループではさらに、これら脂質代謝の同時亢進がどのようなシグナル経路で制御されうるのかを、シリアンハムスターの白色脂肪組織の初代培養を用いて解析した。
 結果、肥満症や生活習慣病の治療標的でもある、PPARs(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)と呼ばれる核内受容体を活性化させるシグナルが、冬眠期のシリアンハムスター生体内で生じることが示唆された。本研究ではこれ以外にも、長期間の冬条件に置かれたシリアンハムスターの白色脂肪組織の中には、ベージュ細胞と呼ばれる、褐色脂肪細胞に類似した細胞が少数であるが出現することも明らかにした。褐色脂肪細胞は体のふるえを伴わずに熱を生み出す能力(非ふるえ熱産生能)を有することから冬眠に非常に重要な器官であるが、白色脂肪細胞内でのベージュ細胞の存在はこれまで冬眠動物では知られていない。
 褐色脂肪細胞やベージュ細胞は、熱産生能だけでなく他組織の代謝調節活性や内分泌組織としての役割も有することがマウスやヒトでの研究で近年明らかになりつつあり、冬眠動物におけるその機能の解明も今後の興味深い課題である。
 本研究で明らかになった、冬眠動物の脂肪の効率的な貯蔵・燃焼の確立に関わる因子を今後明らかにすることで、肥満症や生活習慣病の理解に新しい視座を与え、その治療や予防に有効な手法も見いだせる可能性がある。
 ◆用語の説明
 〇モデル生物
 実験室での飼育や維持が比較的容易で、かつ遺伝学的背景が担保され分子生物学的解析手法などによりメカニズムの因果関係が検証できる生物のこと。多細胞生物ではマウス・ショウジョウバエ・シロイヌナズナ・ツメガエル・メダカなどが代表例。
 〇次世代シーケンサー
 遺伝子をコードするDNA やRNA の塩基配列を高速で大量に解読することができる機械。
 〇亢進
 機能が活発になること。
 〇冬眠終了
 冬条件に置かれたシリアンハムスターの冬眠は、数ヶ月ののち,冬条件に置かれているにも関わらず自発的に終了する。

 昨日・今日ととても寒い。北国では最高気温が0℃以下、マイナス10とか20℃とか、早く寒さが行ってくれ。
 梅田川も一部が氷結している。渡り鳥も少ない・・。


マゼランペンギン調査でメスに事故多い理由解明

2019-02-06 | 生物
 統計数理研究所の山本誉士特任研究員と名古屋大学大学院環境学研究科の依田憲教授を中心とする研究グループが、動物に小型データロガー(記録計)を装着して行動を調べるバイオロギング手法を用いて、南米アルゼンチンに生息するマゼランペンギンのメスが、オスより多くストランディング(衰弱や怪我による漂着)する理由を明らかにした。この研究成果は、平成31年1月8日付(日本時間1時)米国科学雑誌 Current Biologyオンライン版に掲載された。
 マゼランペンギンは冬になると繁殖地から1000km以上も離れたウルグアイやブラジル南部の海域で、毎年、数千羽がストランディングすることが様々なメディアで取り上げられてきた。
 ストランディング個体はオスよりもメスの方が多いことが過去の研究から知られていたが、その理由は謎のままであった。本研究で、マゼランペンギンのメスは、オスよりも繁殖地から遠い、ウルグアイからブラジル南部にかけての海域まで移動して越冬していることが明らかになった。メスが主に越冬している海域は、船舶の往来や油田開発、漁業などの人間活動が盛んな海域と重複しているため、オスに比べてメスの方が飢餓や怪我などによってストランディングする可能性が高いのだろうと考えられる。
 マゼランペンギンはIUCNレッドリストの準絶滅危惧種に記載されており、一部の繁殖地では、近年、個体数の減少が危惧されている。死亡率の雌雄差は繁殖つがい数の減少に繋がり、ひいては個体群や種の存続に大きく影響する。本研究の成果は、当該種の保全対策に大きく貢献するのみならず、近年、社会的ニーズが高まっている生物多様性保全に関する海洋保護区の設定を考える上でも重要な見識をもたらすと期待される。
 研究の背景と内容
 越冬海域の雌雄差の理由として、本種のオスとメスの体の大きさの違いが関係していると考えられる(オスはメスよりも体が大きい)。一般的に、体の大きい個体ほど水中を深く潜ることができる。位置情報に併せてデータロガーに記録された潜水深度データから、実際に越冬期のマゼランペンギンのメスは、オスよりも浅い深度で餌を採っていることが示された。このことから、メスはオスとの餌を巡る競合を避けるため、オスの越冬海域よりもさらに遠くまで北上しているのだと考えられる。その他の可能性として、体の小さなメスは水中でより体温を失いやすいため、低緯度の水温の暖かい海域を好んでいるのかもしれない。
 これまで種の保全に関する議論や活動では、多くの場合、繁殖期の生息域のみが考慮されている。この点において、本研究の結果は、種や生物多様性の保全において、以下の2点の重要性を提唱する。
 ①生物の保全において繁殖期・非繁殖期を含む1年を通した生息域の特定
 ②空間分布動態の種内差を考慮した保全海域の設定
 マゼランペンギンのストランディングは、成鳥よりも巣立ち幼鳥の方が多いこともわかっている(巣立ち幼鳥でもストランディング個体はメスに偏っています)。
 今回の研究により、越冬海域の性差がメスに偏ったストランディングの原因であることが明らかになった。しかし、なぜ、成鳥よりも巣立ち幼鳥の方が多くストランディングするのかについては未だ不明のまま。成鳥と巣立ち幼鳥では、移動パターンや主要な越冬海域が異なるのかもしれない。死亡率の性差と同様に、幼鳥が繁殖個体として新たに加わる数は繁殖個体群の増減に大きく影響する。今後の研究では、当該研究分野において一般的に知見の乏しい巣立ち幼鳥が、繁殖地を離れて数年後に帰還するまでの生態を明らかにすることが喫緊の課題である。
 ◆用語の説明
 バイオロギング
 動物に各種センサーを取り付けて、行動や生態を調査する研究手法(参考:日本バイオロギング研究会http://japan-biologgingsci.org/home/discipline/)。
 マゼランペンギン(Magellanic Penguin Spheniscus magellanicus)
 温帯~寒帯に生息するペンギン。アルゼンチンからチリにかけての沿岸およびフォークランド/マルビナス諸島で繁殖する。マゼランペンギンはカタクチイワシ(Argentine anchovy Engraulis anchoita)を主な餌としており、カタクチイワシの分布の季節変動に呼応して、非繁殖期になると繁殖地から離れて北上する。なお、今回の調査はアルゼンチン南部にある繁殖地Cabo dos Bahias, Chubut, Argentina(44°54?S, 65°32?W)にて実施した。
 ストランディング
 衰弱や怪我などによって海岸に漂着すること。通常、非繁殖期のマゼランペンギンは繁殖期のように陸上で過ごすことは少ない。マゼランペンギンのストランディングの原因として最も多いのは油汚染だが、油汚染が実際にどのように影響してストランディングするのかについては不明である。油汚染の影響は大きく分けて、体表面への付着による影響と体内摂取による影響がある。前者の場合、羽毛の防水能と断熱能が劣化し、低体温症になる。後者の場合、消化管や腎臓の代謝、血液系へ影響する。どちらにせよ、ペンギンは油汚染によって衰弱する。その他にも、漁業の網や漁具による負傷が報告されている。また、多くのストランディング個体(死亡個体)で胃内容物からプラスチック片が発見されている。

ハナビラタケのゲノムを解読、新薬開発に期待

2018-11-25 | 生物
 ハナビラタケ
 食用になり、歯切れ・味ともに優れている。紛らわしい有毒キノコはほとんどない。生産量はさほど多くなく、「幻のキノコ」と呼ばれることもある。漢方薬として利用されてきた歴史がある。ハナビラタケが注目されるのは、東京薬科大学によるβグルカンの研究。ハナビラタケには、βグルカンが40%以上も含まれていることが報告された。
 β-グルカン(β-glucan)
 グルコースがグリコシド結合で連なった多糖であるグルカンの内、β-グリコシド結合で繋がった重合体の総称。植物や菌類、細菌など自然界に広く分布し、アガリクスやメシマコブ、霊芝などに由来するβ-グルカンは免疫賦活作用、制癌作用を持つとされる。単にβ-グルカンと言った場合は、通常β-1,3-グルカンのことを指す。β-グルカンは結合様式により様々な名称を持つ。
 九州産業大と東京女子医大の共同研究グループが「ハナビラタケ」のゲノム(全遺伝情報)解読に成功したと、英科学誌電子版に発表した(10月30日)。
 全ゲノムの解読は世界で初めてで、ハナビラタケゲノムは約3900万(39メガ)塩基対のDNAから成り、13,157個の遺伝子を有することをつきとめた。ハナビラタケ遺伝子中に免疫活性化に効果があるとされるβ-グルカンなどの有効成分の合成に関与する遺伝子群を発見するとともに、ハナビラタケ水抽出物中に動脈硬化に有効と考えられている女性ホルモン、エストロゲンと同様の作用を示す成分の存在を確認し、ハナビラタケを原料とする医薬品の開発に道を開いた。
 ハナビラタケはシイタケやヒラタケの共通祖先から約1億7千万年前に分岐したと考えられることが明らかとなり、これまで全ゲノム塩基配列が報告されている約30種類のキノコと共に、今後のキノコ研究に有用な情報として活用されることが期待される。

 天気は晴れ。気温は、最高気温10℃以上。
 道路から少し外れたお庭に”ミカン”の木があり、沢山の実が付いている。品種は、多分温州(ウンシュウ)と、お家の方のお話。果実はまだ酸っぱく、何回か霜に当たれば甘くなる・・と言う。
 温州蜜柑は柑橘類では比較的寒さに強いが温暖な気候を好み、主に関東以南の暖地で栽培される。仙台でも作れる!!。素手で容易に果皮をむいて食べれる”ミカン”は、普通は温州蜜柑を指す。中国の温州にちなんで温州蜜柑(うんしゅうみかん)と命名されたが、温州原産ではなく日本の不知火海沿岸が原産と推定される。
 ミカン(蜜柑)
 ミカン科ミカン属
 果樹
 日本で”ミカン”と言えば、ほぼ温州蜜柑(うんしゅうみかん)の実を指す
 初夏、白色の小さな5弁花をつけ、黄橙色の実を結ぶ
 ”ミカン”の花は愛媛県の県の花に制定される


金魚の匂い・フェロモンに応答する嗅神経細胞、食事に4割・恋に1割使う

2018-05-27 | 生物
 生理学研究所の佐藤幸治特任准教授とミネソタ大学の研究グループは、キンギョの嗅神経細胞に着目し、これまでに同定された匂いの全てである餌の匂い、社会性シグナル、性フェロモンのどれに反応するのか測定した。結果、キンギョの嗅神経細胞全体のうちおよそ6割がこれらの匂いに反応し、特に4割もの細胞が餌の匂いに反応し、1割が性フェロモンに反応することがわかった。さらにフェロモン感受性の細胞は、ヒトのもつ通常の匂いを感知する細胞に相当することを明らかにした。
 視野の悪い濁った水の中などで生活する魚類にとっては、視覚情報よりも嗅覚からの情報を頼りに生活をしているものが多く、特に餌や繁殖相手を探す際には嗅覚を利用している。
 研究グループはキンギョを用いて、麻酔を施した後に鼻のどの細胞がどの匂いに反応するのかをひとつひとつ測定した。さらに特定の細胞を活性化する薬剤を用いることで、匂いに反応する細胞の特定を試みた。
 キンギョの鼻には匂いを感じる細胞「嗅神経細胞」が密集している。先端の直径が5-8μmという非常に小さな電極を用いて、嗅神経細胞を一つずつ匂いで刺激し、反応を測定した。109個の細胞に対し匂いの応答性を調べたところ、36個の細胞が餌の匂いに反応し、16個が性フェロモンに反応した。
 これから、キンギョでは匂いを感じる細胞のおよそ4割が餌の匂い、1割がフェロモンに関わっており、餌の匂いと性フェロモンには異なった細胞が反応することで、これらの匂いを細胞レベルで区別していることが明らかになった。またげっ歯類と魚類では、匂いとフェロモンの識別に関わる神経回路が異なっていると考えられた。私たちヒトでは、日常の中でフェロモンが意識されることはないが、匂いが食欲に影響することは誰もが経験する。今後、匂いの識別に関わる神経回路を明らかにすることで、食事や成熟に関わる神経機構の解明につながると期待できる。

 天気は晴れ、少し雲がある。風が少し冷たい、が日差しは強い。
 垣根の”ニシキギ”に花が咲いている。若葉が出て、この頃に咲く淡緑色の小さな花だから目立たない。
 ”ニシキギ”は、枝に表皮を破ってコルク質の2~4枚の矢羽状のもの(翼:よく)が伸長しているのが特徴だ。この特徴から矢の筈(はず、弓の弦につがえる矢尻の切り込みのある部分)に例えて、矢筈錦木(やはずにしきぎ)とも呼ばれる。また、発達した翼がカミソリの刃のように見えるため、カミソリノキ(剃刀の木)とも呼ばれる。
 ”ニシキギ”の美しさは、秋の真紅の紅葉と可愛い果実(実が割れて赤橙色の種子が見える)である。”ニシキギ(錦木)”の名は、見事な秋の紅葉を錦に例えたからだ。因みに、世界三大紅葉樹は、モミジ・ニシキギ・スズランノキと言う。
 ニシキギ(錦木)
 別名:矢筈錦木(やはずにしきぎ)、剃刀の木(かみそりのき)
 英名:Winged spindle tree、Burningbush
 ニシキギ科ニシキギ属
 落葉低木、樹高は3m位
 開花時期は5月~6月
 花は淡緑色、小さな(径7mm位)四弁花
 果実は熟すと割れて赤橙色の種子が見える
 紅葉は10月~11月(11月が鑑賞期)


自爆するアリの新種が見つかる

2018-04-29 | 生物
 自爆アリ、巣に外敵が侵入すると、自爆して体内の毒をばら撒いて群れを守る。
 東南アジアに生息することは知られていたが、この度その詳しい生態調査が行なわれ、新しい種を含む10数種がこのグループに属することが明らかになった。
 自爆アリの機能を持つのは、日々の雑用をこなす小型の働きアリ(マイナーワーカー)で、大型の働きアリ(兵隊アリ)ではない。お腹のタンクにねばねばした毒の液を隠し持ち、いざとなったら自らの意志でお腹の殻を破って自決し、辺り一面に毒を撒き散らし、敵もろとも道連れにできる・・まさに、生きた化学兵器。
 専門家の間では自爆アリの存在は何百年も前から知られており、20世紀に入って数種特定され、新しい属名「 Colobopsis cylindrica」もできた。しかし、1935年以降は資料不足から種の特定は進んでいない。そこでウィーン自然史博物館とウィーン工科大学をはじめとする共同研究チームが立ち上がり・ボルネオ・タイ・マレーシアにて調査が行なわれた。
 結果はZooKeyに4月半ばに発表され、なんと15種の特定に成功したことが分かった。うち1種はまったく新しい種で「 Colobopsis explodens 」と命名された。新種は分泌物が黄色いので、研究班は「イエロー・グー(黄色のねばねば)」と呼んでいる。一番すぐ自爆するため(調査員が近づいただけで自爆したアリもいた)、今後の研究ではこれが自爆アリの代表種となることが決まった、と。
 また、今回の実地調査では、飛びながら交尾をするアリたちも確認された。これも確認されたのは世界初。
 ◆余談
 勤勉なイメージが強いアリも、全体の2割はサボっていると言われる。
 いわゆるパレートの法則で、この2割を除外しても、新たに2割の怠け者が発生する・・人間は?。

 今日も晴れ。風も穏やかで、気温も最高気温20℃超え。でも。腰痛はまだ治らない。
 近所の垣根の”ドウダンツツジ”の花が満開だ。花序は散形花序、花は白い釣り鐘状で、大きさは5mm程。葉は、菱形に近い。秋になれば、10月中旬から11月上旬頃に葉は紅葉する。
 ”ドウダンツツジ”のドウダンは、枝分かれしている様子が昔夜間の明かりに用いた灯台(結び灯台)の脚部と似ているから、と言われる。
 ドウダンツツジ(灯台躑躅)
 学名:Enkianthus perulatus
 ツツジ科ドウダンツツジ属
 落葉低木
 原産地は日本
 開花時期:4月~5月
 秋の紅葉(10月~11月)がすばらしい