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楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

血管作る幹細胞、マウス実験で再生確認

2018-02-27 | 医学
 大阪大の高倉伸幸教授(幹細胞医学)の研究グループが、血管の内側を覆う血管内皮細胞を生み出し、血管を新しく作ったり、維持したりする力を持つ幹細胞をマウス実験で発見した(2月9日発表)。ヒトでも確認されれば、血管が詰まって血流が悪くなる心筋梗塞(こうそく)や、血管内皮細胞からの血液凝固因子の分泌不足で血が止まりにくくなる血友病の新しい治療法の開発に大きく貢献することが期待される。
 チームは、マウスの血管内皮細胞の中にごく少量含まれる、特異的に発現する分子(CD157)を同定した。CD157陽性の血管内皮細胞は、全身の太い血管の内腔に存在している。またCD157陽性血管内皮細胞は、試験管内で大量に血管内皮細胞を作り出すことができ、また生体内でも血管が障害された際には多数の血管内皮細胞を作り出して血管を再生させる働きをもつ幹細胞であることが判明した。この血管内皮幹細胞を、マウスの血管障害部位に移植すると、長期間にわたって血管を再生させることができ、幹細胞を用いた細胞移植法(血管内皮幹細胞移植法)をマウスモデルにおいて世界で初めて開発した。
 ◆血管
 血管は全身に張り巡らされ、血液を全身に送り、生命の維持に必須の役割を果たす。
 血管は内腔を覆う血管内皮細胞と、その周囲を取り囲む壁細胞から構成されている。血管内皮細胞は血管の構成要素となるだけでなく、血液と組織が酸素や栄養素などの物質交換を行う場として働き、さらには様々な生理活性物質を産生して組織や臓器の機能を維持する働きがある。

 天気は晴れ、薄い雲が多い。まだ気温は低い。
 鉢植えに、花が咲いていた。蕾が多いので、咲き始めだ。花の名は、”オステオスペルマム(学名:Osteospermum)”となかなか覚え難い。別名は”アフリカンデージー””アフリカキンセンカ”。ディモルフォセカ(学名:Dimorphotheca sinuata)と見た目ではほとんど区別できない。”オステオスペルマム”はキク科オステオスペルマム属、”ディモルフォセカは”キク科ディモルフォセカ属とされている。別属となったのは生殖的な違い(種の作り方、種の形状など)からである。両属は非常に近く、容易に雑種を作ると言う。極めて大雑把単純に見た目で言えば(正確ではない)、花色が黄・橙ならディモルフォセカの可能性が高い・・ようだ。
 オステオスペルマム
 別名:アフリカンデージー、アフリカキンセンカ
 学名:Osteospermum
 キク科オステオスペルマム属
 多年草
 原産地は南アフリカ
 開花期は2月~5月
 花は径数cm、花色は白・ピンク・紫など


世界の再生可能エネルギーコストは大幅低下、太陽光は7年で73%下落

2018-02-26 | 科学・技術
 世界150ヵ国以上が加盟するIRENA(国際再生可能エネルギー機関:International Renewable Energy Agency)は、再生可能エネルギー電源のコスト動向をまとめた報告書「Renewable Power Generation Costs in 2017(再生可能エネルギーの2017年の発電コスト)」を公表した(1月13日)。
 これによると、2010年から現在(2017年)までの約7年間で、太陽光発電のコストは世界平均で1キロワット時当たり10セントで、10年時点と比べて73%下落した。陸上の風力の発電コストは同6セントで、7年間で23%下落した。火力など化石燃料による2017年の発電コストは分析例によって幅があるが、同5~17セントの範囲である。これらから、太陽光や陸上風力による発電コストは化石燃料エネルギーにほぼ匹敵しつつあることを示している。
 IRENAの報告書では、最先端技術を導入した太陽光や陸上風力による発電所は、2019年までに1キロワット時当たり3セント以下の低コストで電力供給でき、20年までに太陽光の発電コストは17年のさらに半分になると予測している。再生可能エネルギーのコストが下がる要因について報告書は、科学技術イノベーションにより発電設備の製造、設置コストが下がる一方、発電設備の発電効率が向上することなどを挙げている。

 天気は晴れ。気温は低く、最低気温数℃程。
 散歩がてらに、パトナ(仙台市宮城野区の会館)に寄ったら、”つるし飾り”が飾ってあった。
 ”つるし雛”の風習は全国でも珍しく、山形県では「傘福」、静岡県では「雛のつるし飾り」、福岡県では「さげもん」と呼ばれている、との事(この3つを「全国三大吊るし飾り」とか)。起源は江戸時代末期からと考えられ、こどもが「衣食住に困らないように」との願いを込めて飾られる、と言う。


国際共同調査で、日本の食道・胃などのがん5年生存率が好成績

2018-02-25 | 健康・病気
 CONCORD-3は世界のおよそ10億人をカバーし、がん18局在および局在群を対象とする大規模な国際共同研究である。CONCORD研究事業は、2008年に発表され、第2回に2014年、今回で3回目となった。日本は、初回2008年から参加している。
 CONCORD-3は、2000-2014年の15年間に診断された、71の国と322の地域、3,750万症例の18種類のがんについて、治療の目安となる5年生存率を調べた。日本からは16府県(日本の総人口の40.6%)が本研究に参加した。このデータを、同じ手法で処理した71の国と地域のデータ(世界人口の67%に相当)と比較し、2000年から2014年までの推移を検討した。
 国立がん研究センターは、5年生存率を比べた国際調査結果を発表した(2月20日)。日本は食道・胃・肝臓・肺・乳・子宮頸部などのがんで世界トップ級だった。しかし、皮膚・血液のがんは欧米より成績が悪かった。
 5年生存率の数値をA~Eまで5段階で評価した。
 日本がAクラスに入ったのは食道(36%)、胃(約60%)、肝臓(約30%)、肺(約33%)
   乳房(約89%)、子宮頸部(約71%)、成人脳腫瘍(約46%)、小児リンパ腫(約90%)
 しかし、Cクラスは膵臓(約8%)と成人リンパ性疾患(約57%)
 Dクラスは、皮膚の黒色腫(69%)、成人骨髄性疾患(約33%)
 大部分のがんについて5年生存率が高かったのは、米国、カナダ、オーストラリアなどだった。
 ◆日本の最新がん統計
 2016年にがんで死亡した人は372,986人(男性219,785人、女性153,201人)。
 2013年に新たに診断されたがん(罹患全国推計値)は862,452例(男性498,720例、女性363,732例)。
 2016年の死亡数が多い部位は
    1位      2位     3位
 男性 肺(52430)  胃(29854) 大腸(27026)
 女性 大腸(23073) 肺(21408) 膵臓(16415)

 今日の天気は曇から晴れ。風が少しあり、何となく春近しを感じさせる。
 歩道の横の小さな空き地で、”フユシラズ”の花が咲いている。冷たい風や雪にも負けずに咲き、真冬でも次々と花をつけるので、名は”フユシラズ”。もう春が近いかな。
 ”フユシラズ”はキンセンカ(金盞花)より古い時代に渡来したと言われ、ホンキンセンカ(本金盞花)とも呼ばれる。キンセンカ(金盞花)と同属で、キンセンカよりも小さい黄色の花を付け、ヒメキンセンカとも呼ばれる。
 フユシラズ(冬知らず)
 別名:姫金盞花(ひめきんせんか)、本金盞花(ほんきんせんか)
 キク科カレンデュラ属
 耐寒性宿根草
 原産地は地中海沿岸、10世紀頃の渡来と推測される
 主な開花時期は11月~5月
 花は径2cm位、花色は橙・黄色
 花は日が当ると開き、夜は花を閉じる


鉄腐食の原因菌、電子を引き抜く酵素を持つことが明らかに

2018-02-24 | 科学・技術
 国立研究開発法人物質・材料研究機構、理化学研究所を中心とする研究チームが「石油採掘用のパイプラインなどで鉄の腐食を進行させる細菌が、鉄から電子を直接引き抜く酵素群を持っている」ことを明らかにした。現在の腐食対策は、抗生物質を使った網羅的な殺菌で腐食対策が行われているが、今回発見された酵素を標的とする薬剤を開発するなど、効率的で環境負荷の少ない防食方法への展開が期待できる。
 腐食の原因は、鉄が硫酸還元菌のつくる硫化水素に電子を奪われ、硫化鉄になるためと考えられていた。しかし、腐食が進行し、硫化鉄が鉄表面を覆って鉄が硫化水素と触れなくなった後も腐食が進行していた。これに対し、電気を通す硫化鉄の性質を利用して鉄から電子を引き抜く硫酸還元菌の存在が報告され、鉄腐食が進行する原因として注目されていた。しかし、電子を引き抜くために必要な膜酵素は同定されておらず、詳細なメカニズムは不明であった。
 研究チームは、鉄を電子源として増殖する硫酸還元菌の細胞膜を詳細に分析し、これまで知られていた電子を引き抜く膜酵素とはアミノ酸配列が大きく異なる酵素群(外膜シトクロム酵素) を発見した 。この酵素が多く発現しているときのみ、電極から電子が引き抜かれていることを確認した。この結果は、鉄腐食を加速させる細菌が、鉄から電子を直接引き抜いていることを示す直接的な証拠と言える。さらに、新たに発見された酵素群について、細菌のたんぱく質データベースで照会したところ、深海堆積物に棲息する細菌にも広く見られることを明らかにした。

 今日の天気は曇空が主体。晴れたり、小雪が舞ったりする。
 朝に空を見ると、大きな朝日が見えた。少し曇だから、大きく赤い朝日だ。

日本の清潔度(腐敗認識指数)、20位と変わらず

2018-02-23 | 国際・政治
 国際的に汚職・腐敗防止のために活動する非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)は、世界180ヵ国・地域の「2017年度版 腐敗認識指数」を発表した(2018年2月21日)。指数は公共部門での汚職レベルを0から100で数値化したもので、数字が高いほど「清潔度」が高い。腐敗認識指数は、各国の専門家や経済界のリーダーを含む独立機関を対象に実施した13種類の調査に基づくデータを集計して決定している。
 ランキング首位は、昨年も首位のニュージーランド(指数89)、2位にデンマーク(指数88)、3位にフィンランド、4位にノルウェー、5位にスイスと続く。今年も上位に北欧諸国が目立つ。
 日本の「清潔度:73 前年は72」は20位で、前年(176ヵ国・地域)からは横ばい。
 その他は、香港:13位、米国:16位、フランス:23位、台湾:29位、韓国:51位、中国:77位、ロシア:135位、北朝鮮:171位

2017年、日本酒が過去最高の輸出総額を記録、昨年の1.2倍

2018-02-22 | 社会・経済
 日本酒造組合中央会は、財務省貿易統計による数値に基づき、2017年度(1月~12月)の日本酒輸出総額を発表した。日本酒輸出総額は、総額186億7918万円(昨対比119.9%)である。数量では、23,482kl(一升瓶に換算すると約1300万本)。8年連続で最高額を更新している。因みに、10年前からは、265%アップである。
 輸出先の、金額・数量とも第1位はアメリカで、次に韓国・中国・台湾・香港とアジア諸国入っている。中でも、中国は昨対から金額・数量とも急上昇し、10年前と比較すると 1,620%(金額)である。
 ◆2017年日本酒輸出額 金額:百万円(キロリットル)
 1、アメリカ 6039(5780) 前年比 116.2%
 2、香港   2799(1907)     106.4
 3、中国   2660(3341)     183.5
 4、韓国   1864(4798)     119.3
 5、台湾   948(1985)      101.9

 今日の天気は晴れ。でも、なんとなくスッキリしない気候だ。
 散歩道沿いのお庭で、”マンサク”に花が咲いていた。開花日は、概ね2月末~3月始めだから、平年並みの開花かな。”マンサク”の語源に、「春に先駆けて咲く・・まんず咲く」とある。まだまだ寒い季節だから、春が期待される花かな。
 花が黄色(黄金色)で、枝に沢山咲くので”豊年万作の縁起担ぎ”からの説もある。因みに、名に”マンサク”と付く”ベニバナトキワマンサク””トキワマンサク”はトキワマンサク属であり属が異なる。
 ”マンサク”は花は葉が出る前に咲き、枝の一か所に数個纏まり、花は強く香る。マンサクよりも花が一回り大きく黄色が濃い”シナマンサク”があるが、こちらは開花がマンサクより1ヶ月程早く、枯葉を付けている事が特徴である。
 マンサク(満作、万作)
 学名:Hamamelis japonica
 英名:Japanese witchhazel(魔女の榛:はしばみ、との訳)
 日本の固有種
 マンサク科マンサク属
 落葉小高木
 開花時期は1月~3月
 花弁は鮮やかな黄色で長さ十数mmの細長く縮れたひも状、内側は帯赤紫色
 果実は蒴果(さくか)で1cm程の卵状球形、光沢のある黒い種子を含む


卵の白身から高強度ゲル材料を開発

2018-02-20 | 科学・技術
 東京工業大学・野島達也特任助教(研究当時、現:中国・東南大学生物電子学国家重点実験室准教授)、彌田智一教授(研究当時)らの研究グループは、鶏卵の卵白たんぱく質から高強度ゲル材料の「卵白たんぱく質凝縮体ゲル」を作製することに成功した。
 金属・セラミクスに代わる次世代の材料として、生体高分子であるたんぱく質があり、絹・クモ糸など繊維状のたんぱく質を素材とした強靭な材料開発が行われている。一般的にたんぱく質は、微生物や細胞の培養により生産されるが、時間も費用もかかる方法である。これより、研究グループは、大量生産の手法が確立しており、安価に入手が可能な食品たんぱく質に注目した。
 鶏卵の白身を加熱すると固まる、と言う現象(加熱ゲル化現象)を応用する。鶏卵の卵白には100種類以上のたんぱく質が含まれ、そのうち数種類のたんぱく質が、卵白の加熱ゲル化現象に主に関わっている。しかし特定のたんぱく質の精製は時間と費用のかかる作業であるため、研究グループは未精製の卵白たんぱく質を実験に用いることにした。鶏卵より分離した卵白を、市販のキッチンネットで濾した後に、水を加えて撹拌することで、均質化した卵白たんぱく質水溶液を得た。
 白身にはたんぱく質が豊富に含まれ、加熱前は水に溶けた状態で存在する。加熱するとたんぱく質は変性し、ランダムに集まることで不均一なネットワーク構造を形成し、液状だった白身は水を含んだゲルとなって固まる。しかし加熱してゲルとなった白身の強度は低いため、そのままでは材料として利用することはできない。
 これまで、たんぱく質にイオン性界面活性剤を加えることで、水中のたんぱく質を一瞬で凝縮させ、一定間隔に集積させる技術を開発してきた(2016年12月26日 混ぜるだけで迅速に水溶液中のたんぱく質凝縮に成功)。そこで、このたんぱく質凝縮化技術を応用し、卵白たんぱく質を一定間隔に集積させた上で加熱し、均一な構造を形成し、強度の高いゲル材料を作製した。
 この状態のたんぱく質を70℃で加熱したところ、白く不透明に固まった。この物質は内部に80パーセントの水を含むハイドロゲルであることが確認された(卵白たんぱく質凝縮体ゲル)。さらに卵白たんぱく質凝縮体ゲルは、たんぱく質分解酵素によって分解されたため、たんぱく質によってネットワーク構造が形成された生分解性物質であることが確認された。
 荷重をかけると17分の1の厚みに薄くつぶれるほどの柔らかさを持ちつつも、最大で34.5メガパスカル(1円玉に1,000キログラムの圧力状態)と通常のゆで卵の白身の150倍以上の強度を示した。
 卵白より作製された物質の強度としては世界最高であり、化学的に合成された高強度ハイドロゲル材料とも遜色ない強度であることが確認された。
 本研究の成果は、たんぱく質を素材として、体内に残留せずに一定期間後に吸収されるような医療用素材など、実用的な強度を持つ新たな機能性材料や、新たな食感の食品の開発への応用が期待される。

 今日の天気は、朝からスッキリしない、曇空。気温は、最高気温数℃と2月の平均的かな。
 散歩道で”ロウバイ”の花を見る。”ロウバイ”は2種類ほどが知られており、この花は”ソシンロウバイ”。”ロウバイ”は中央部が暗紫色で、花弁は黄色。”ソシンロウバイ(素心蝋梅)”は、蝋細工の様な艶のある黄色で、中央部の色も黄色。花弁も花中心も同じ(黄色と同色)なので、”ソシンロウバイ”と付いている。
 名(ロウバイ:蝋梅)の由来は、「蝋細工の様な梅に似た花」説、「花色が蜜蝋(みつろう)に似ている」説、「臘月(ろうげつ、旧暦の12月)に、梅に似た香りの花」説がある。
 ロウバイ(蝋梅)
 別名:唐蝋梅(とうろうばい)、唐梅(とうばい、からうめ)
 ロウバイ科ロウバイ属
 落葉低木(丈は2m~4m)
 中国原産、17世紀頃に渡来
 開花時期は1月~3月
 花径は2cm程、花色は花弁も花中心も黄色


電子基板などから金を簡便に回収する技術が開発される

2018-02-19 | 科学・技術
 千葉大学の松野泰也教授らは使用済みの電子基板などから金を簡便に回収する技術を開発した。有機溶媒などが入った液体に浸す。塩酸と硝酸を混ぜた「王水」などを使う従来法と比べ、廃液処理の手間などが減り、コストを下げられると見込んでいる。電炉メーカーの東京鉄鋼と共同研究を実施中で、2020年をめどに実用化を目指す。
 新技術は特定の有機溶媒と臭化銅が入った液体に電子基板を浸す。セ氏100度にすると、金がニッケルなどとともに溶け出す。この段階で硫酸を加えると水と油のように上下2層に分かれ、金以外は硫酸の層に移動し金だけが液体の層に残る。還元剤を入れると金が塊になって出てくる。
 実験では砕いた電子基板を酸化チタンと一緒に熱し、金以外の金属の表面に膜をつけて溶けにくくした。液体を浸すと数日で基板から金を約8割の効率で回収できた。液体は繰り返し使える。焼却もでき廃液はほぼ出ない、と言う。
 ◆都市鉱山
 携帯電話・家電製品・IT製品などには、貴金属やレアメタル(希少金属)が使われている。それらの製品は、廃棄物となる。この廃棄物を積極的に”採掘可能”な資源と考え、廃棄物が集積する都市を1つの鉱山とみなそうとする概念である。都市部から排出された電気・電子機器の廃棄物をリサイクルし、貴金属やレアメタルを取り出し、再利用する。
 因みに、日本の都市鉱山で、金は世界の現有埋蔵量の15~20%があると言う。
 ◆金
 金は地球上にわずかしか存在しない貴金属。有史以来採掘された金の総量は、約18万3600トン(16万6千トン説がある)。オリンピックの公式プールに換算すると、約3.8杯分の計算。
 元素:元素記号Au、原子番号79、密度19.32、融点1064.43℃
 純度:24分率で表現。純金(100%)は24金、K24、24カラットと表現
     金含有率が18/24(75%)は18金、K18である
     (24Kのメッキは24KGP、金・金箔張りはGFで表現する)
 分布存在:地殻に広く分布。存在比は0.003g/1ton位
 採掘性:鉱山採掘では3~5g/tonが採算点と言われる
 総産出量:昔から現代まで16万6千トン(英GFMS統計、2009年)と推計
        容量は166000/19.3≒8600m3(20.5m立法位)となる
 埋蔵量:5~6万トンと推定。容積は2600m3~3100m3となる
 保有量(トン):アメリカ8134、ドイツ3413、フランス2541・・・日本765
 産出国(トン/年、2009年):中国324、ソ連319、豪州224、米国221・・・

 今日は曇~晴れ。気温は低く、最高気温数℃。春はまだまだ。
 数日前、榴岡天満宮の梅に花が咲きだした、と言う。早速にお参りと梅の花の鑑賞に出かけた。蕾が多く、開いてるのは10輪程。まだまだの春。
 榴岡天満宮の祭神は菅原道真(すがわらのみちざね)。菅原道真公と梅には深い繋がりがあり、神紋(しんもん、神社の紋)は梅。
 奈良時代に「花」と言えば梅(の花)、古来から親しまれた花である。別名も、風待草(かぜまちぐさ)・好文木(こうぶんぼく)・春告草(はるつげぐさ)・・などと多い。平安時代中頃から、梅より桜(の花)が好まれるようになり、江戸時代以降は花といえば「桜」となる。因みに「つゆ」を「梅雨」と書くのは、梅の実がなる頃に雨が多いから。
 ウメ(梅)
  梅の果実も梅と言う
 学名:Prunus mume
 バラ科サクラ属、落葉高木
 原産地は中国、奈良時代の遣隋使か遣唐使が持って来たと言う
 開花時期は1月~4月
 種類により開花期が異なる
 梅には300種以上の品種があり、野梅系・紅梅系・豊後系の3系統に分類され、梅の実を採るのは主に豊後系


燃えにくい新規電解質を用いたリチウムイオン二次電池の試作成功

2018-02-18 | 科学・技術
 (株)日立製作所と東北大学多元物質科学研究所の本間格教授らの研究グループは、従来の有機電解液よりも引火点が高く、燃えにくい新規電解質を用いた高安全なリチウムイオン二次電池(Lithium Ion Battery:LIB)の試作に成功した(2月16日)。容量100Whのラミネート型電池を用いて充電や放電などの電池特性を確認し、さらに、従来の有機電解液LIBでは発火に至る釘刺し試験において、試作機の不燃性を実証した。
 LIBはスマートフォンの小型携帯端末用電源や電気自動車用電源、再生可能エネルギーの需給調整など様々な用途で活用されている。LIB用の電解質には、安全性を担保するための高い引火点に加え、スムーズな充放電反応を進行させるための高いリチウムイオン伝導性が必要である。一般的なLIBでは、引火点が20度以下の有機溶媒を電解液として用いており、異常発生時に発火する恐れがある。このため、現行の電池システムには発火を抑制する補強材や冷却機構が設けられており、システム小型化などの妨げとなっている。
 研究グループは、新規電解質内のリチウムイオン伝導挙動をシミュレーション解析し、リチウムイオン伝導を促進する液体成分を探索することで、従来比4倍の高リチウムイオン伝導性と、有機電解液よりも100度以上高い引火点の両立に成功した。 この開発した新規電解質を用いてラミネート型電池を試作した。界面改質技術により電解質の電気化学的安定性を向上させることで、電池容量低下の要因となる正極および負極表面での新規電解質の分解反応を抑制し、設計値どおりの電池容量で充放電の繰り返し動作を実現した。さらに、ナノ・ミクロスケール領域の電解質材料分布の最適設計、製造条件の最適化を施すことで、電池の信頼性低下の要因となる電解質材料の凝集や空隙、クラック形成を抑制し、エネルギー密度の高い電池容量100Whラミネート型電池試作に成功した。さらに、従来の有機電解液LIBでは発火に至る釘刺し試験において、試作したLIBの不燃化を実証した。
 本技術により、安全性を確保しつつ、車載や民生用途向けなどのLIBの高容量化、高エネルギー密度化が可能となる。
 ◆ラミネート型電池
 通常、リチウムイオン電池に使用される正極活物質には、コバルト酸リチウムが多く使用されている。ラミネート型リチウムイオン電池にはマンガン酸リチウムが用いられており、コスト・安全面において優れた特徴がある。
 ラミネート型電池とは、正極と負極をセパレーターを挟んで交互に重ねたものをラミネートで封止した構造の電池のこと。この構造により軽量化が容易で、コスト面でも優位性を持っているとされる。円筒形電池と比べて表面積が広いため放熱性が高く、充放電によるセル全体の温度上昇を低く抑えることが可能である。

世界最高速の無線通信速度を達成

2018-02-17 | 科学・技術
 東京工業大学の岡田健一准教授らは富士通研究所と共同で、次世代通信(5G)に期待されるミリ波通信で、毎秒120ギガ(ギガは10億)ビットの速度を達成した。
 これまでのミリ波無線機は、入力信号の周波数を異なる周波数に2段階変換する「ヘテロダイン方式」によるものである。多部品・多電力などの問題があった。研究グループは、「ダイレクトコンバージョン方式」により、まず画像データ等の信号を1段階で電波に変換、さらに注入同期という物理現象を使って、回路の雑音を大幅に下げる高速処理チップで成功した。
 世界最高速としており、一般の無線LANの100倍の速さで、通信速度はDVD1枚のデータを約0.3秒で送れる。基地局間をつなぐ高速通信として2020年までの実用化を目指す。
 ◆電磁波
 3GHz~30GHz:マイクロ波
 30GHz~300GHz:ミリ波
 300GHz以上:サブミリ波
 ◆伝送速度の高速化
 データ通信の高速化には2つの方向性がある
 1、高速性:信号の変化を速くする
 2、高い精度:より複雑な信号形式(変調方式)を使う
 これまでは高速性が中心であった。光ファイバ通信でも利用可能な光周波数資源の限界から、複雑な変調方式の研究がされている。
 今回の実験では、光ファイバ通信向けに開発された複雑な変調技術を無線通信に適用し、高速性と高い精度を両立することで、伝送速度の高速化を実現した。
 ◆注入同期現象
  17世紀にオランダの科学者ホイヘンスが時計の振り子間の同期現象として発見。集積回路中では、回路中に複数の発振器を配置すると、他方がもう一方の周波数につられて誤った周波数で発振を起こし、回路に誤動作をもたらす。
 ◆リコンフィギュラブル技術
 電源を入れたまま、ブロック単位で回路の構成を変えることを可能にした技術。1組の無線回路で場面に応じて複数の無線サービスを切り替えられるという利点がある。

ナノ合金材料で、同一組成でも異なる結晶構造を作分ける

2018-02-16 | 科学・技術
 京都大学草田康平特定助教と北川宏教授、九州大学松村晶教授らは、高輝度光科学研究センター(JASRI)と連携し、ナノ合金(ナノは10億分の1)の画期的な結晶構造の制御法を開発した(2月6日発表)。
 ナノ合金材料は、磁性体・触媒・光学材料などとして幅広く研究されており、設計には金属元素の種類・組成・粒子サイズ・形状などが主な指針となる。結晶構造は元素の種類と組成により一義的に決まるものとして、自在に制御はできないと考えられてきた。同研究グループでは2013年に、ルテニウム(Ru)の結晶構造の制御に成功しているが、合金で金属の組み合わせや組成を変えずに結晶構造を制御した例はこれまで世界的にもない、と言う。
 同研究グループは、液体にしても混ざらない金とルテニウムで実験した。一般的な金属ナノ粒子の合成方法である化学的還元法の特徴に着目し、粒径成長を抑制する保護剤の下で、金属前駆体(金属イオン)を還元剤で還元して原子に変え、それらを自己集合させてナノ粒子を得る。温度・金属塩・添加剤などの条件変更により、2種類の材料の還元速度をわずかにずらし、結晶構造の変更に成功した。これでさまざまなタイプの金属ナノ粒子を合成できる。
 合金の構成元素の元々の結晶構造が異なる場合、合金形成の過程で少し早く還元し始めた金属が結晶構造を支配すると予想した。今回、hcp構造(六方最密構造)のルテニウムとfcc構造(面心立方格子)の金を用いて、両イオンの還元スピードが異なるように制御を行うことで、2つの構造の固溶体合金(面心立方格子:頂点と面の中央に原子がある、六角柱の六方最密構造)を同組成で作り分けることに成功した。ナノ合金結晶の構造は原子分解能走査透過型電子顕微鏡および大型放射光施設SPring-8のBL02B2における放射光粉末X線回折実験で明らかにした。
 これにより、従来の金やルテニウムにはなかった特性をもつ材料の開発が期待できる。また同様の制御は、異なる結晶構造を持つ金属から構成される他の合金系にも応用できると考えられる。このため、広く利用されているナノ合金材料でも、合成方法を検討するだけでバルクの合金状態図にとらわれずに結晶構造を制御し、磁性や延伸性などの性質を変え、触媒や電極などで性能や耐久性の向上が期待できる、と言う。

がんゲノム医療の中核拠点病院、11ヵ所が選定される

2018-02-15 | 医学
 厚生労働省は、個人の遺伝子情報に基づき最適な治療法を選択するがんゲノム医療の中心的役割を果たす「中核拠点病院」11施設を選んだ(2月14日)。加藤勝信厚労相が4月1日付で指定する見込み。
 公募したところ、23施設から申請があった。このうち遺伝子検査の技術がある、結果を医学的に評価できるなどの要件を満たしたのは17施設。実績などを点数化し、地域性も考慮して選んだ。
 ◆がんゲノム医療中核拠点病院に指定された施設
 北海道大学病院
 東北大学病院
 国立がん研究センター東病院
 慶應義塾大学病院
 東京大学医学部附属病院
 国立がん研究センター中央病院
 名古屋大学医学部附属病院
 京都大学医学部附属病院
 大阪大学医学部附属病院
 岡山大学病院
 九州大学病院
 ◆がん発生に関与する遺伝子
 がんは、昭和56年から死因の第1位となり、平成28年には年間約37 万人が亡くなっている。生涯のうちに、約2人に1人が罹患すると推計されている。
 がん発生に関与する遺伝子には、遺伝するものと遺伝には関係ないものがある。がんゲノム医療では、がん患者の遺伝子を検査し、これからがんの原因となっている「遺伝子の異常」を調べる。「遺伝子の異常」があれば、特異的に効果が期待できる薬剤や患者の条件に合う治験情報を導き出す。

小中生の体力、調査開始以降で最高を更新

2018-02-14 | 健康・病気
 スポーツ庁は、小学5年と中学2年の全員を対象に実施した2017年度全国体力テストの結果を公表した(2月13日)。体力テストは、2017年4月~7月に、全国の小学5年生と中学2年生の約208万人を対象に、50メートル走やボール投げなど、8種目で行われた。
 小5女子は4年連続、中2女子は3年連続で、いずれも実技8種目の合計点の平均値が2008年度の調査開始以降で最高を更新した。小5男子と中2男子の平均値はおおむね横ばいだった。
 体力テストで、合計点(80点満点)の平均値は小5女子が55.72点(前年度55.54点)、中2女子が49.80点(同49.41点)。小5男子は54.16点(同53.93点)、中2男子は41.96点(同42.00点)だった。
 運動時間で、体育の授業を除いた1週間の運動時間を「60分未満」と答えた割合も減少した。運動習慣が少ない層は女子に多く、各地の学校では休み時間に全校で外遊びをする活動をしたり、生徒会主催でレクリエーション大会を行ったりして運動時間の確保に努めている。
 運動時間を「60分未満」とした割合は、
  小5男子:6.4%
  小5女子11.6%
  中2男子:6.5%
  中2女子:19.4% いずれも女子が上回った
 ◆全国体力・運動能力、運動習慣等調査 (全国体力テスト)
 日本全国の小学5年生、中学2年生全員を対象とした、2008年度からのスポーツテスト。
 8種目の運動をし、各測定値に最大10までの得点を与えて合計する。
 小学生の実技種目
 握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・20mシャトルラン・50m走・立ち幅とび・ソフトボール投げ
 中学生の実技種目
 握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・持久走または20mシャトルラン・50m走・立ち幅とび・ハンドボール投げ

夫婦別姓、4割超が「容認」

2018-02-12 | 世相
 内閣府は、結婚と名字の関係などについて尋ねた世論調査の結果を公表した(2月10日)。調査は、2017年11月30日~12月17日まで、全国18歳以上の男女5千人から個別に聞き取り、2,952人(59%)から回答を得た。同様の調査は、1996年から始まり、今回で5回目。対象を20歳以上から18歳以上に変更した。
 選択的夫婦別姓制度の導入(法改正をする)について、
  「法律を改正しても構わない」の容認:42.5%(前回2012年は35.5%)
  「必要ない」とした反対派:29.3%(前回2012年は36.4%)
  「旧姓通称使用」:25%
 法律が変わって旧姓を名乗ることができるようになれば利用したいか
  「希望する」:19.8% (別姓希望は一人っ子で最も多く31.7%)
  「希望しない」:47.4%。
 夫婦や親子の姓が違うと家族の一体感に影響があるか尋ねた
  「絆が弱まる」:31.5% (前回より4.6%減)
  「影響ない」:64.3%  (前回より4.5%増)
 夫婦同姓を定めた民法の規定が憲法違反かどうかが争われた訴訟では、2015年に最高裁が「社会に定着した制度で、家族の姓を一つに定めることには合理性がある」として合憲と判断した。今年1月にはソフトウェア会社の社長らが戸籍法の規定をめぐり「日本人と外国人の結婚では夫婦で別の姓を選べるのに、日本人同士の結婚で別姓を選べないのは憲法違反だ」と訴える訴訟を起こした。

 朝起きたら一面に雪。積雪は数十センチ。雪掻きをしなくては・・腰が痛くなる。
 今日は建国記念の日(2月11日)の振替休日。
 2月11日はかつての紀元節(きげんせつ)である。紀元節は日本書紀が伝える神武天皇の即位日(辛酉年春正月、庚辰朔)で旧暦の1月1日である。明治政府は当初(明治5年11月15日)に新暦に直して1月29日を即位日(紀元節)とした。しかし、1月29日は孝明天皇(こうめいてんのう:明治天皇の父)の命日である1月30日と近いため不都合が生じる事となった。このため、翌年の明治6年10月14日に神武天皇即位日を定め直して2月11日を紀元節とした。
 因みに、神武天皇即位の年を元年と定めた紀元(神武天皇即位紀元)が皇紀である。皇紀元年は西暦紀元前660年とされ、西暦2000年は皇紀2660年となる。

共感覚の調査で、ドレミ7音は虹の色

2018-02-11 | 音楽
 新潟大学脳研究所の伊藤浩介助教の研究グループは、音に色を感じたりする特殊な能力「共感覚」を持っている人が、「ドレミファソラシ」7音の名前(階名)が、虹の7色に対応しているとの研究論文を発表した。
 共感覚は、音に色を感じる、味に形を感じる、など2つ以上の感覚が結びつく知覚現象である。色の感じ方には個人差があり、一定の法則はないと考えられていた。
 研究グループは、共感覚を持つ新潟大の学生男女15人を対象に、「ドは何色に感じるか」、「ド」から「シ」までの音名を質問した。実験を4回繰り返し、平均値から共通するパターンを探ると、「ド」は赤、「ミ」は緑、「ソ」は青と、「赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍・紫」などと表現される虹の色とほぼ順序よく対応していた。色は音そのものよりも音の名前との結び付きが強いことが分かった。伊藤助教は「幼い頃から親しむ『ドレミの歌』で『ソは青い空』と歌うことが原因かもしれないが、『ド』の赤などは説明できない」と話す。今回の実験は日本語のため「海外でも同じ傾向か調べたい」、「音楽の芸術性に関して新しい視点になるのではないか」と話している。
 ◆共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、synesthesia, synasthesia)
 感性間知覚とも言う。ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象。
 共感覚の中でも、音楽や音を聞いて色を感じる知覚は「色聴」と言い、色聴は共感覚の中で一番発生率が高いと報告されている。色を感じる音にも様々なものがあり、音程・和音・単語・音楽自体が聴こえることもある。
 音に色が見える共感覚だけでなく、数に色が見える、時間単位に色が見える、文字に色が見える、人の性格・姿に色が見える、などが知られている。

 昨日・今日と少し暖かい。でも、日陰では雪が解けずに残っている。
 道路横の小さな花壇は、枯れ葉だらけだが、まだしっかりした緑がある。”オモト”の緑だ。根本を見たら、赤橙色の実を付けている。
 ”オモト”は日本独特の観葉植物として愛され、江戸中期に爆発的に流行した。葉・実の美しさから縁起のよい植物とされている。長寿草とも呼ばれる。園芸植物として人気が高く、様々な種類(1000種以上とか)が作出された。名(オモト)の由来は、根茎が太く大きな株を意味する大本(おおもと)からで、常緑の葉から万年青(まんねんせい)とも言い、良質のオモトを産した大分県の御許(おもと)山からとの説もある。
 オモトは花・実より葉を楽しむ観葉植物で、草丈から大葉種(30cm~50cm)・中葉種(15cm~30cm)・小葉種(3cm~15cm)に分けている。
 オモト(万年青)
 英名:Lily of China
 学名:Rohdea japonica
 ユリ科オモト属
 原産地は日本・中国
 耐寒性常緑多年草
 開花時期は5月~6月
 花は葉の間から花茎を伸ばし、淡い黄緑色の小さな花が円筒状に密生
 秋(10月~12月)に赤橙色に熟した扇球形の漿果(しょうか)を付ける
 俳諧では秋の季語