歩けば楽し

楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

世界で最も黒い物質が発見される

2019-09-29 | 科学・技術
 米マサチューセッツ工科大学(MIT)のブライアン・ウォードル教授や上海交通大学の崔可航准教授らの研究チームによって光吸収率99.995%の世界で最も黒い物質が発見された。
 これまで最も黒い物質とされてきたベンタブラック(光吸収率99.965%)よりも0.03%黒い99.995%以上の光をあらゆる角度から吸収する。研究成果は、9月12日、アメリカ化学会(ACS)の学術雑誌「アプライド・マテリアルズ・アンド・インターフェース」で公開。
 電気的特性や熱的特性の高いカーボンナノチューブをアルミホイル上で成長させるにあたり課題だったのは、アルミニウムが空気にさらされると、酸化層がアルミニウムを覆い、電気や熱を遮断してしまうことであった。
 研究チームでは、アルミホイルを塩水につけることで、酸化層を除去することに成功。さらにアルミホイルを無酸素環境に移して再酸化を防ぎ、化学気相成長(CVD)法により、オーブンに入れてカーボンナノチューブを成長させた。酸化層を除去することで、より低い温度でカーボンナノチューブを成長させることができたという。成長したカーボンナノチューブは、電気的特性や熱的特性が著しく高まっただけでなく、明らかに黒くなっていた。
 崔准教授は「成長させる前、カーボンナノチューブの色がどれくらいの黒さであったかを覚えています。成長後の色のほうが黒くみえました」と実験の様子を振り返っている。現時点では、なぜこの物質がこれほどまでに黒くなったのかはわかっておらず、ウォードル教授は「さらなる研究が必要だ」と述べている。

 私事、明日から旅行に行ってきます。暫くブログを休みます。

 早朝は雨だった。朝からは曇り、時々晴れ。朝晩は少し寒いが、今日の最高気温は26℃と夏日。
 畑の”ナスタチューム”、花が咲いている。赤と濃赤だ。昨年に植え、出来た種が出たようだ。残念ながら、昨年の黄色花は出なかった。
 ”ナスタチューム”の花は大きくて綺麗な花だ。そして、食べるために作られた花、エディブル・フラワー(edible flower)でもある。
 ”ナスタチューム”は、”キンレンカ(金蓮花)、ノウゼンハレン(凌霄葉蓮)”と呼ばれ、その由来は、黄色や橙色の花がノウゼンカズラに似て、葉はハスに似ることから、と言う。
 園芸品種として沢山出回っており、多彩な品種がある。つる性種とわい性種、花の一重や八重、葉には緑の他に斑入り・・などである。
 ナスタチューム
 別名:金蓮花(きんれんか)、凌霄葉蓮(のうぜんはれん)
 英名:Nasturtium
 ノウゼンハレン科キンレンカ属(ノウゼンハレン属)
 一年草
 原産地はメキシコ~南米、江戸末期に渡来
 つる性種と矮性種があり、最近は園芸種として矮性種が多い
 開花時期は6月~11月(初夏と秋)
 花色は鮮やかな橙色・黄色など
 エディブル・フラワー(葉・花は鑑賞するだけでなく食べる)
  葉はワサビの様な刺激がある・・ワサビ代り
  花は料理の彩りに・・花も食べる
  種子は潰して薬味に


9月の新寺こみち市

2019-09-28 | まち歩き
 早朝(日の出前)に起きたら、道路が家が濃霧に覆われている。外に出たら霧が体に纏わり、濡れた。

 今日は9月28日。新寺小路緑道で毎月28日に行われる「こみち市」の日である。今日は曇り、時々晴れ、時々濃霧。
 新寺小路緑道のある新寺界隈は、多くの寺院が集まる寺町で、区画整理によって新寺二丁目蓮池公園から新寺五丁目公園までの歩道のみの「新寺小路緑道」が整備された。緑道(東西640m・幅10m)はサクラなどが植えられ、車などの騒音も少なく、素敵な散歩道だ。
 仙台駅東口から歩いて「こみち市」に向かう。


ギ酸と重水を原料として重水素を選択的に作り分ける

2019-09-27 | 科学・技術
 大阪大学大学院工学研究科の森浩亮准教授、山下弘巳教授らの研究グループは、独自に開発した触媒を用いて、安価なギ酸(HCOOH)と重水(D2O)を原料とし、高価な重水素(D2およびHD)を選択的に作り分けて製造することに成功した(9月25日発表)。
 研究の背景
 水素(H2)は次世代のエネルギー資源として期待されている。その同位体化合物である重水素(D2およびHD)は、化学・生物学の実験研究用試薬として、また、半導体、光ファイバーなどの製造工程でも使用される高価な特殊ガスである。現状D2はD2Oの電気分解により、HDはH2とD2の接触同位体交換法(理論最大収率50%)によりそれぞれ合成されている。いずれもエネルギー多消費型のプロセスのため、市販品は極めて高価である。また、日本ではそのほとんどを海外からの輸入に頼っているため、触媒技術を用いた簡便な合成法が望まれていた。
 研究の内容
 ギ酸(HCOOH)は安価で安全(非可燃性、非爆発性、毒性が低い)な液体であり、かつ水素貯蔵密度が高いことから、次世代のエネルギーキャリアとして近年非常に注目されている。これまで当研究グループでは、塩基性シリカに数ナノメートルの大きさの微細なPdAg(パラジウム-銀)合金ナノ粒子を担持した触媒が、ギ酸を分解して水素を製造する優れた金属触媒となることを世界に先駆け報告してきた。今回、この触媒を重水(D2O)中でのギ酸分解に用いると、高価な重水素(D2)が高効率で生成することを発見した。さらに興味深いことに、表面の塩基性を変えるだけで、重水素(HD)を任意に作り分けることに成功した。特に、弱塩基性フェニルアミン基を修飾した触媒では、D2が87%の選択性が得られ、強塩基性トリエチルアミン基で修飾した触媒はHDの選択性が80%に達する。本研究成功の鍵は、固体(触媒)表面上でのH-D交換反応を塩基性の違いを利用して制御できた点にある。
 本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)
 今回開発した触媒は、調製が極めて簡便である、安定性が高く分離・回収の容易な固体触媒である、塩基性を制御することで目的の重水素を任意に得られる、など実用化に不可欠な基盤要素を兼ね備えている。これにより、今後の世界的な需要拡大が予想される重水素の製造に対応できる低コスト製造法として期待される。また、今回発見した触媒反応は、特定の条件では量子トンネル効果に支配されていることを、速度論的な解析および理論計算を用いて証明しており学術的な意義も極めて高いものである。
 研究者のコメント
 高価な重水素の作り分けにおける触媒の開発は未開拓領域ですが、本研究で開発した新規触媒は実用化に不可欠な要素を含んでいるため、産業界における今後の発展の基盤技術に成り得ます。一方でその発現機構の完全解明と、量子トンネル効果の関与という学術的にも重要な知見を得るに至っています。したがって、産学の両研究者に興味を持っていただければ幸いです。
 ◆用語解説
 〇ギ酸(HCOOH)
 化学式でHCOOHからなる、無毒・爆発性のない液体である。工業的には酢酸生産時の副生成物として産され安価である。最近ではCO2とH2から合成する技術も開発され、水素を効率よく貯蔵・輸送できる物質「再生可能な水素キャリア」として注目されている。
 〇重水(D2O)
 水素の同位体である重水素(2H Deuterium)2つと質量数16の酸素によりなる水である。D2Oは通常の水(H2O)よりも電気分解の速度が遅いという性質の違いを利用して、重水をわずかに含む天然の水から濃縮、分離して得られる。
 〇同位体化合物
 同一原子番号を持つものの、中性子数が異なる核種の関係をいう。
 水素の同位体としては、重水素(2H Deuterium)、三重水素(3H Tritium)がある。
 〇PdAg(パラジウム-銀)合金ナノ粒子担持触媒
 特定の化学反応を促進させる物質。この場合、PdとAgの2つの元素からなる数ナノメートルの粒子が触媒の活性点であり、塩基性シリカ上に高分散で担持(固定化)されている。
 〇量子トンネル効果
 一般的な化学反応は、反応物が活性化障壁(化学反応を起こすために必要なエネルギー)を乗り越え進行する。そのため、高温ほど速く、低温では遅くなる。しかし、水素(H)など質量の小さい粒子の場合には、物質の波動性が顕著になり、エネルギーが無くても活性化障壁を透過することで化学反応が進む場合がある。

 朝から雲少ない晴れ。お日様が昇るとグングンと気温が上昇。最高気温は25℃程。
 敷地のコーナーに”ハナゾノツクバネウツギ”が植えられている。お花は最盛期を過ぎたのかな、少し減ってきた。近づくと少し甘い香りがする。
 名(ハナゾノツクバネウツギ)の由来は、花の残った5枚の咢の形が”羽根衝きの羽根”に似ており、木の姿が”空木(うつぎ)”に似ていることから。衝羽根(つくばね)とは正月に遊ぶ羽根つきの羽である。これを、”アベリア”と呼ぶことがある。”アベリア”とは、スイカズラ科ツクバネウツギ属の属名(ラテン名)であり、特定の種の事ではない。この園芸種(ツクバネウツギ属の常緑低木の交配種:Abelia × grandiflora)が多用され、学名も和名も長いので、短い”アベリア”が使われるようだ。
 ハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木)
 別名:アベリア
 学名:Abelia×grandiflora(アベリア・グランディフロラ)
   幾つかのアベリア属の交配から作られた園芸種
 スイカズラ科ツクバネウツギ属
 常緑性の低木(寒冷地では落葉)
 開花時期は6月~11月(開花時期が長いのが特徴)
 花は小さいロート状(径2cm位)
 花色は白やピンク
 花の様に見える咢(がく)は薄紅色


狭帯域の高エネルギーテラヘルツ波の強力発生技術を開発

2019-09-26 | 科学・技術
 分子科学研究所の平等拓範特任教授とドイツ電子シンクロトロン(DESY)、ハンブルグ大学、ELIビームラインなどの共同研究グループは、物質の非破壊検査などに応用されているテラヘルツ波を強力に発生させる技術を開発した。この新しいテラヘルツ波発生は、体育館ほどの大きさを実験室のベンチサイズほど小さな次世代粒子加速器の開発につながる画期的な方法である(6月25日)。
 テラヘルツ波は電磁波の一種であり、赤外線とマイクロ波の中間に位置している。テラヘルツ波は粒子加速器の小型化にも寄与しており、テラヘルツ波の波長は現在の粒子加速器で使用されている電波の約1000分の1である。これは、加速器の構成要素の大きさも約1000分の1になることを意味する。
 ただ、十分な数の粒子を加速するためには、狭帯域で強力なテラヘルツ波が必要である。本研究により、これが可能となった。ハンブルグ大学のMaier氏はテラヘルツ波の発生方法について「テラヘルツ波を発生させるために、2発の強力なレーザーパルスを、わずかな時間差をつけて「非線形光学結晶」(分子科学研究所が開発した特殊なLA-PPMgLN)と呼ばれる物質に入射します」と説明している。ここで用いるレーザーパルスには色のグラデーション(チャープ)が付けてある。つまり、1発のパルス中の前方と後方で、色が異なっている。このグラデーションの付いた2つのパルスを2発、わずかな時間差をつけてその結晶に入射することで、2つのパルスの、色が異なっている部分が重なることになる。Maier氏は「この色の違いが発生するテラヘルツ波のエネルギーに対応している。結晶”LA-PPMgLN”はこの色の違いを、テラヘルツ波に変換する」と述べている。
 この方法では、2発のレーザーパルスを正確に同期させる必要がある。そのためには、元々1つだったパルスを2つに分けて、そのうち1つを少し迂回させて、再び重ねる。こうすると迂回したパルスはわずかに遅れることになる。ここで、元々のパルス内部の色変化が直線的であれば、2つのパルスを少しずらして重ねたときの色の違い(エネルギー差)は常に一定になります。しかし実際には色の変化は曲線的で、最初ゆっくり、その後速く変化するようになっている。
 「これは、高エネルギーのテラヘルツ波パルスを発生させる上での大きな障害であった。本当はパルスの色変化を直線的にしたいのであるが、これはとても大変なのである」とMaier氏は述べている。この問題に対して、共著者のNicholas Matlis氏は、一方のパルスの色変化を少し引き延ばす、という重要な着想を得ました。引き延ばしても色の変化を直線的にすることはできないが、もう1つのパルスの色変化と「同じ曲線的変化」にすることはできる。そうすれば色の違い、つまりエネルギー差は常に一定になる。「一方のパルスに加えるべき変更は最小限で、驚くほど簡単である。短い特殊ガラスをレーザービームの経路に挿入するだけ。すると突然、テラヘルツ波出力は13倍強くなった」とMaier氏は述べている。ここで研究グループでは、分子科学研究所でしか作れない、非常に大きく特殊な非線形光学結晶”LA-PPMgLN”を用いる事で強力なテラヘルツ波の発生が可能となった。
 Kartner氏は「これらの手法を組み合わせることで、0.6ミリジュールのテラヘルツパルスの発生に成功した。これは従来、光学的手段によって発生された、狭帯域(単色)テラヘルツパルスの10倍以上の値である。本研究は、この方法を用いれば、小型粒子加速器を実現するための、十分に強力で、狭帯域(単色)なテラヘルツパルスが発生可能であることを示している」と述べている。そして、この新発想を実現するためには分子研が創り出した特殊な非線形光学結晶”LA-PPMgLN”が不可欠との事で共同研究が実施された。

 朝から雲多いが晴れ。朝晩はコートが必要な程だが、日が昇ると暑くなる。最高気温は24℃程。
 駐車場に植えられている”フヨウ”に白い花が咲きだした。今時分に咲く同じ仲間(アオイ科フヨウ属)の”ムクゲ”と良く似ている。”フヨウ”は”ムクゲ”より葉が大きく、沢山付いている。”フヨウ”の花の印象は、葉の緑に点在する花である。花は1日花であるが、蕾が待機しており、日々次々と開花する。
 フヨウ(芙蓉)
 アオイ科フヨウ属
 落葉低木(丈は2m~3m)
 開花時期は8月~10月
 花径は10~15cm、花色はピンク・白色
 樹形は、ムクゲは上に伸びる直線的な形、フヨウは枝分かれのある横広の形
 ムクゲ(槿)と似た花であるがメシベの先が曲がっている


マイクロ波を電力に変換する高感度ダイオードを開発

2019-09-25 | 科学・技術
 富士通株式会社の河口研一事業部長付と首都大学東京の須原 理彦教授らは、微弱なマイクロ波を電力に変換できる高感度のナノワイヤバックワードダイオード整流素子を開発した。本研究成果は、ポーランド・クラクフで開催中の国際会議「European Solid-State Device Research Conference(ESSDERC)」で2019年9月26日に発表される。
 本格的なIoT時代の到来に備え、センサーネットワークのバッテリーレス化を実現する環境電波発電が注目されている。しかし、従来の整流素子は、微小電圧における整流特性や素子サイズにより、環境電波の多くが該当するマイクロワット(μW)以下の微弱電波を電力に変換することが難しく、高感度なダイオードが求められていた。
 本研究グループは、小さな電圧領域においても優れた整流特性を持つバックワードダイオードを髪の毛の約1000分の1の細さにまで微細化したナノワイヤの形成に成功した。開発したナノワイヤバックワードダイオードは、従来のショットキーバリアダイオードの10倍以上の感度を世界で初めて達成した。
 本技術により、100ナノワット(nW)レベルの微弱なマイクロ波を電力に変換し、センサーなどの機器を駆動させることができる。今後、ダイオードと電波を集積するアンテナの設計を最適化し、定電圧化のための電源制御を追加することにより、環境電波発電の実現が期待される。即ち、携帯電話基地局などから放射されている環境電波から電力を生み出す環境電波発電に役立つ技術として期待される。
 研究の背景と経緯
 本格的なIoT時代の到来に備え、センサーネットワークのバッテリーレス化を実現するために、近年、身の回りの微小なエネルギーを電力に変えるエネルギーハーベスティング技術が注目されている。その1つとして、通信に利用するために携帯電話基地局から放射され、空間に遍在する微弱な電波(マイクロ波)を電力として再利用する環境電波発電があげられる。
 環境電波発電に用いる装置は、電波を集めるアンテナと、その電波を整流する整流素子(ダイオード)からなる電波発電素子で構成される。ダイオードのマイクロ波に対する応答性能(感度)は、整流特性の急峻性とダイオードのサイズ(容量)に大きく依存する。一般的に電力変換用途のダイオードには、金属と半導体の接合構造で生じる整流性を用いたショットキーバリアダイオードが使われている。しかし、微小電圧においての整流特性が緩慢で、かつ素子サイズが数マイクロメートル(μm)以上あり容量が大きいため、マイクロワット(μW)以下の微弱なマイクロ波への感度が十分ではなく、環境電波を電力へ変換することが困難だったため、ダイオードの高感度化が求められていた。
 研究の内容
 本研究グループは、異なる2種類の半導体を接合することによって整流性が生じ、かつ従来のショットキーバリアダイオードとは異なる原理(トンネル効果)で電流が流れることにより、ゼロバイアスでの急峻な整流動作が可能なバックワードダイオードを微細化・低容量化することで、より高感度なダイオードを実現すべく開発を進めてきた。これまでバックワードダイオードは、積層された化合物半導体薄膜をエッチングによりディスク状に加工して形成されていたが、加工による損傷を受けやすい材料のため、サブミクロンサイズまで微細加工してダイオードを動作させることは困難であった。
 本研究グループは、接合される半導体材料の構成元素の割合(組成)および添加不純物濃度の精緻な調整により、バックワードダイオード特性に求められるトンネル接合構造をn型のインジウム砒素(InAs)とp型のガリウム砒素アンチモン(GaAsSb)からなる直径150nmのナノワイヤ内において結晶成長させることに成功した。さらに、そのナノワイヤの周囲を絶縁素材で埋め込む加工およびワイヤの両端に金属で電極膜を形成する加工において、ナノワイヤを傷つけることなく実装する新技術を活用した。これらにより、従来の化合物半導体の微細加工技術では困難だったサブミクロンサイズのダイオードの形成が可能になり、従来のショットキーバリアダイオードと比較して10倍以上の感度を持つナノワイヤバックワードダイオードの開発に世界で初めて成功した。
 現在の携帯電話用の通信回線規格4G LTE/WiーFiで利用されるマイクロ波周波数2.4GHzで検証した際の感度は、従来のショットキーバリアダイオードの感度(60kV/W)に対して、約11倍(700kV/W)である。これにより、100nWクラスの微弱電波を効率よく電力に変換することが可能となり、携帯電話基地局から環境に放射されたマイクロ波を、従来と比べて10倍以上の広さのエリア(携帯電話通信が可能なエリアの10%に相当)で電力変換でき、センサー電源としての活用が期待される。
 今後の展開
 将来的には、今回開発したナノワイヤバックワードダイオードを応用することで、5G通信における豊富な環境電波エネルギーを活用し、安定的にセンサーを駆動させるなど、構造物や建造物などのインフラのモニタリングに用いられるセンサーの電源フリー(バッテリーレス)化への貢献が期待できる。
 本研究グループは今後も、さらなるダイオードの高感度化とダイオードを集積するアンテナの最適化を行い、定電圧化のための電源制御を追加することにより、環境電波を利用した発電がどこでも可能になる技術の実現を目指す。
 ◆用語解説
 〇バックワードダイオード
 従来のショットキーバリアダイオードとは異なり、トンネル現象を利用して動作するダイオード。従来のダイオードでは十分な整流性が得られない小さな電圧領域においても優れた整流動作が可能。
 〇ナノワイヤ
 幅がナノメートル(nm)単位の極めて細いワイヤ状の半導体。エッチングなどのトップダウン加工ではなく、結晶成長によってボトムアップ形成ができる。
 〇ショットキーバリアダイオード
 金属と半導体の接合によって発現するショットキー障壁というエネルギーを整流作用に用いたダイオード。
 〇ゼロバイアス
 電圧がゼロであること。環境電波発電では、動作電圧の調整のために電力を消費できないため、ゼロバイアスでの動作が求められる。

 今日は朝から晴れ、雨の予想は!なし!。朝晩は少し寒さを感じるが、最高気温は26℃と夏日。
 早朝に畑に出かけた。梅田川の水位観測所を取り巻くように”アレチウリ”が繁茂している。花だけでなく、実も付いている。
 ”アレチウリ”は雌雄同株であるが、雌雄異花(雌花と雄花が別々)で、両者が見える。雄花は雌花より2~3倍程大きく、10個位集まる合弁花である。雌花序は淡緑色の雌花が球状に20個位密集している。花や葉は”ウリ”であるが、果実は小さく毛が密集し、これが沢山纏まっている。
 ウリ科のツル植物で1年生草本、北アメリカ原産の帰化植物である。繁殖力が旺盛であり、生態系に大きな影響を与える(他の植物を覆い、枯らす)特定外来生物に指定され、日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会)に選定されている。
 因みに、クズ(葛、マメ科クズ属のつる性の多年草)は、根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られ、秋の七草の一つである。非常に繁殖力が強く、他の植物を覆ったり、巻きついたりして生長を妨げる。クズは、「世界の侵略的外来種ワースト100」に名前があがっている。
 アレチウリ(荒れ地瓜)
 ウリ科アレチウリ属
 雌雄同株であるが、雌雄異花(雌花と雄花が別々)
 つる性一年草
 北米原産の帰化植物
 開花時期は8月~10月
 両花とも球形に纏まった花序(かじょ、枝での花の配列状態)
 雄花は径1cm位、雌花は径3~4mm位
 果実1つは長さ1.5cm~2.0cm程で白い毛に覆われた小さな金平糖様


放射光でセラミックス内部の欠陥観察に成功

2019-09-23 | 科学・技術
 東京工業大学科学技術創成研究院フロンティア材料研究所の大熊学特任助教、西山宣正特任准教授、若井史博教授の研究グループは高輝度光科学研究センター、長岡技術科学大学と共同で、大型放射光施設SPring-8の放射光マルチスケールX線CTを用いて、セラミックスの内部に存在する亀裂状欠陥の3次元構造を高解像度で観察することに成功した(2019年8月23日発表)。研究成果は、2019年8月12日にSpringer Nature(シュプリンガー・ネイチャー)社の科学誌「Scientific Reports」(オンライン版)で公開。
 セラミックスはエレクトロニクス・エネルギー・医療・環境・モビリティなど現代の多様な分野への応用に不可欠な先端材料である。セラミックス分野は部材産業であり、成形した粉体を加熱して複雑形状部品を製造する焼結はその根幹となる技術である。ところが、セラミックスは脆いという性質があり、小さな表面傷や内部欠陥から破壊する。破壊源となる内部欠陥は粉体成形と焼結プロセスで生じる。すなわち、セラミック部材の強度・信頼性は製造プロセスに依存する。プロセスに起因した内部欠陥の寸法、形状、分布を計測することは、より良い製造プロセス技術を開発し、セラミックスの強度信頼性を保証するうえで不可欠である。
 X線CTは、マイクロスケールからナノスケールで焼結中の微構造形成を観察するための強力なツールである。近年、高輝度光科学研究センター主幹研究員の竹内晃久氏らはマルチスケールCTを開発した。これは広視野で低分解能のマイクロCTと狭視野で高分解能のナノCTから構成される。マルチスケールCTは、亀裂のように長さ数10マイクロメートル(μm)程度であるが、 厚みが1μm以下と極めて小さい欠陥を観察するのに適している。ひとつの試料全体の中の欠陥分布をマイクロCTで観察して欠陥位置を特定する。さらに、ナノCTを用いて特定の位置の欠陥形状を非破壊的に詳細に観察することができる。
 セラミックスの成形には乾式プレスがよく使われる。アルミナ(Al2O3)など超微粒子原料は取り扱いが難しく、成形型に充填しにくいので、さらさらと流れるように流動性の良い顆粒にして成形型に充填した後、一軸プレス加圧し、相対密度を上げた成形体を得る。 顆粒は球形あるいは「窪み」を持つ形をしており、内部に空隙(くうげき)がある場合も多い。
 この場合、成形体は階層構造をもつ。このため、顆粒内部や顆粒間に沿って亀裂状欠陥が形成され、焼結後も残留する。しかし、従来のX線CT技術では空間分解能よりも亀裂の厚みの方が小さいため亀裂状欠陥を検出できなかった。また、光学的な計測技術や走査型電子顕微鏡に基づく計測技術では、広範囲かつ鮮明に欠陥の3次元形状を観察することはできなかった。
 研究成果
 研究グループは、放射光マルチスケールCT技術を用いて、アルミナ・セラミックスの複雑な3次元欠陥形成過程を大型放射光施設SPring-8のBL20XUにて観察した。これで緻密(ちみつ)なアルミナ(相対密度98%)試料の任意断面を非破壊的に観察でき、様々な形状の欠陥が存在することが分かった。マイクロCTで見た内部欠陥の3次元構造で、これらの欠陥は、直径10μm程度の丸い欠陥(I型)、分岐した亀裂状欠陥(II型)、加圧方向に垂直に配向した円形亀裂状欠陥(III型)の3タイプに分類できた。
 これらI型、II型、III型の欠陥は、初期焼結段階(相対密度68%)ですでに形成されていた。マルチスケールCT観察で、内部欠陥の起源は、粗大な丸い気孔(I型)はランダムに分散していることから、これは顆粒内部に存在する丸い気孔から生じたものと考えられる。分岐した亀裂状欠陥(II型)は顆粒間の境界から形成される。円形の亀裂状欠陥(III型)は中空顆粒内部の空隙、あるいは、「窪み」から形成される。さらに、焼結段階で大きな亀裂状欠陥が収縮・消失せず、むしろ、わずかに成長する傾向のあることを見出し、その原因が、成形体組織の不均一性による焼結中の速度差であることを示した。
 以上により、成形過程で欠陥ができないような粉体プロセスを開発することが、複雑形状部材の信頼性向上には最も重要であることがわかった。さらに、製品の強度信頼性を予測する上で不可欠な情報、つまり、欠陥の寸法と形状、 配向、分布が取得できた。I型、II型、III型の欠陥の種類に応じて、破壊強度を推定できた。
 今後の展開
 放射光マルチスケールCT技術により、製造プロセスにおける内部欠陥形成の仕組みを解明できる。これから得られた知識は粉体成形で生じる内部欠陥を制御し、セラミックス部材の信頼性を高めるプロセス技術を開発することに役立つ。もちろん、この技術はアルミナだけでなく、多くのセラミックスに適用できる。例えば、低温同時焼成セラミックス(LTCC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、全固体電池といった積層材料の焼結プロセス開発に展開できる。また、放射光X線マルチスケールCTはセラミックスの信頼性工学の技術体系に革新をもたらす。セラミックス材料の平均強度とワイブル係数を測定するには、多数の曲げ試験を行う必要があり、多大な時間とコストを要する。セラミック部品の破壊予測では、実使用環境での応力、熱応力分布を有限要素法シミュレーションで求め、平均強度とワイブル係数から破壊確率を計算する。
 しかし、複雑形状部品では、部品の角部などで成形体密度の不均一が生じ、残留欠陥の大きさ、形状、方向、数は場所によって異なる。このような空間的な強度分布を曲げ試験で調べるのは困難である。放射光X線マルチスケールCTにより場所による欠陥分布を解析すれば、局所的強度の推定も可能となる。
 ◆用語説明
 〇大型放射光施設SPring-8
 理化学研究所が所有する兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出す大型放射光施設で、利用者支援はJASRIが行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeVに由来。SPring-8では、放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われている。
 〇X線CT
 対象物内をX線が透過する際の「透過しやすさ」「吸収されやすさ」の違いを利用して、物体の内部構造を非破壊的に調べるための技術。
 〇ワイブル係数
 物体の脆性破壊に対する強度を統計的に記述するための形状パラメータ。

 今日は雨。午後から少し晴れ。最高気温は27℃とあるが、も少し低いかなと思う気温。
 公園の”ヤブラン”に紫色の小さな花が咲き出した。蕾と花と実が混在しているようだ。この”ヤブラン”は葉にクリーム色の縁取りの入る「フイリヤブラン」。花が終わると実が付く。実は黒紫色に熟す。因みに、葉などが良く似たジャノヒゲ(蛇の髭)はジャノヒゲ属で、熟した果実の色は青。
 名(ヤブラン)の由来は、葉の形がラン(蘭)に似ており、ヤブ(藪)に咲くラン(蘭)だから「ヤブラン(藪蘭)」という。
 ヤブラン(薮蘭)
 別名:山菅(やますげ)、リリオペ、サマームスカリ
 学名:Liriope muscari
 ユリ科ヤブラン属
 常緑の多年草
 葉は細長く、先が垂れる。葉に斑入りがある
 日陰を好む(耐陰性が強い)
 原産地は日本を含む東アジア
 開花時期は8月~10月
 細い花茎が立ち、これに小さな紫色の花が数個集まり、穂状に咲く
 果実は、径数mmの球形で熟すと黒紫色


カドミウム光格子時計の魔法波長を決定、室温で超高精度・小型・可搬型光格子時計の実現に道筋

2019-09-22 | 科学・技術
 理化学研究所開拓研究本部香取量子計測研究室の山口敦史研究員、香取秀俊主任研究員(東京大学大学院工学系研究科教授)らの国際共同研究グループは、カドミウム原子を用いた「光格子時計」の「魔法波長」を実験的に決定した。本研究は、米国の科学雑誌「Physical Review Letters」の掲載に先立ち、オンライン版(2019年9月13日付け)に掲載。
 国際共同研究グループは、カドミウム原子を光格子に捕獲し、光格子レーザーによる光シフトを精密に測定した。その結果、光シフトがゼロになる光格子レーザーの波長(魔法波長)を、419.88±0.14ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)と決定した。さらに、この結果をもとに、カドミウム光格子時計の黒体放射シフトを理論的に見積もったところ、既に実現されているストロンチウム原子やイッテルビウム原子の光格子時計と比べて、室温で1桁程度小さいことが分かった。これにより、カドミウム光格子時計が、室温で18桁の精度を持つ小型・可搬型光格子時計を実現する有力な候補であることが明らかになった。
 研究手法と成果
 カドミウム原子の魔法波長を決定するためには、光シフトを測定し、それがゼロとなる光格子レーザーの波長を探す。そのためには、まずレーザー冷却によりカドミウム原子の熱運動を小さくし、光格子に捕獲する必要がある。研究チームは、そのために開発した深紫外波長のレーザー冷却光源を使い、カドミウム原子の熱運動を、温度に換算して6マイクロケルビン(μK、1μKは100万分の1ケルビン)にまで小さくした。
 次に、こうして熱運動を小さくしたカドミウム原子を光格子に捕獲し、光シフトを調べた。光格子レーザーの波長が魔法波長になると、その強度が変わっても、原子が吸収する光の周波数は変わらなくなる。実験でそのような波長を調べ、魔法波長を419.88±0.14ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)と決定した。さらに、理論的にも魔法波長を計算し、420.1±0.7nmという実験結果と矛盾しない結果を得た。
 以上の実験結果に基づいて、カドミウム光格子時計の黒体放射シフトを理論的に計算した結果、ストロンチウム原子やイッテルビウム原子の光格子時計の黒体放射シフトより1桁小さいことが確認された。これは、室温付近で温度が0.1度ゆらいでも、時計の精度が19桁目でしかゆらがないことを意味する。これにより、室温で18桁の精度を持つ原子時計として、カドミウム光格子時計が有力な候補であることを明らかにした。
 ◆用語の説明
 〇時計の精度
 時計の精度は、ある時間経過した後の時間のずれで評価する。例えば、一般的によく使われているクオーツ時計の月差は約10秒で、10秒/2,600,000秒(ひと月)から計算されるおよそ4X10^(-6)が時計の精度になる。この値の指数の数字を取って、6桁の精度の時計という。18桁精度は、1X10^18秒(およそ300億年)経過すると1秒ずれる精度で、宇宙誕生から現在まで(138億年)の約2倍の年月が経って、ようやく1秒ずれる精度になる。
 〇光シフト
 原子は、電場の中では吸収する光の周波数が変化する。これを光シフトという。光格子に閉じ込められている原子も、光格子の電場の影響で光シフトが生じる。光格子の光シフトは、光の電場によって誘起された原子の電気双極子と電場との相互作用であり、シフト量は(原則として)光の強度に比例する。
 〇黒体放射シフト
 原子の周辺環境から放射される電磁波(黒体放射)により引き起こされる光シフト。ここで、黒体放射とは黒体が放出する熱放射。黒体とは、外部から入射する電磁波をあらゆる波長にわたって完全に吸収し、また熱放射できる(理想的な)物体。現実の物質表面からの放射は、電磁波の反射や透過の効果により、同じ温度の黒体からの放射より弱くなる。黒体放射のスペクトルは、黒体の温度だけで定まり、プランクの放射式によって理論的に与えられる。室温ではそのピーク波長は約17マイクロメートル(μm、1μmは100万分の1メートル)である。黒体放射のエネルギー密度は、シュテファン=ボルツマンの法則に従い、絶対温度の4乗に比例して増大する。原子の周辺環境の温度がゆらぐと、黒体放射シフトもゆらぐため、原子時計の精度を劣化させる。このゆらぎを抑えるためには、原子の周辺環境の温度を下げる(もしくは精密に測定する)か、そもそも黒体放射シフトが小さい原子を使う。カドミウム光格子時計は後者に該当する。
 〇ストロンチウム原子やイッテルビウム原子の光格子時計
 光格子時計に用いる原子の有力候補として、ストロンチウム原子とイッテルビウム原子の光格子時計の研究が、多くの研究開発機関で行われている。どちらも、フランスの国際度量衡局で開催されたメートル条約関連会議において、新しい秒の定義の候補である「秒の二次表現」に採択されている。
 〇相対論測地学
 「重力が強いところでは、時間がゆっくり進む」というアインシュタインの相対論の効果を、精密な原子時計で検出し測地に応用する技術。例えば、地上で異なる高さに置かれた2台の時計を比較すると、1センチメートル低い位置にある時計は、地球重力の影響で、1.1X10^(-18)だけ時間の遅れが生じる。つまり、1X10^(-18)の精度の2台の時計比較は、1センチメートルの精度での標高差計測を可能にする。
 ◆時計の精度
 ぜんまい式     1日に10秒以内
 クオーツ時計    1年に20秒以内
 セシウム原子時計  3000万年に1秒以内(精度:1X10^(-15))
 光格子時計     160億年で1秒以内(精度:2X10^(-18))
 ◆1秒の長さ
 現在の1秒の定義は、「セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍の継続時間」である。
 原子時計は、原子が選択的に吸収する電磁波の周波数を基準に作られる時計である。現在、セシウム原子が吸収する電磁波の周波数を基準に作られた、精度およそ16桁の原子時計で定義されている。
 ◆光格子時計
 香取秀俊東京大学准教授(当時)が2001年に提案した方式。
 まず、「魔法波長」と呼ばれる特別な波長のレーザー光を干渉させて作った微小空間(光格子)に、レーザー冷却された原子を1つずつ捕獲し、原子同士の相互作用が起きないようにする。次に、これらの原子にレーザー光を当て、光を吸収する「原子の振り子」の振動数を精密に測定する。この光の振動を数えて、1秒の長さを決める。光格子全体には多数の原子を捕獲できるので、それらの「原子の振り子」の振動数を一度に測定して平均をとることで、短時間で時間を決めることができるというもの。
 ◆魔法波長
 原子に光が当たると、光の電場の影響で(原子の)電子状態のエネルギーが変化する。これを光シフトという。この光シフト量は、一般に、電子状態によって異なるため、2つの電子状態間の「原子の振り子」の振動数が変化する。ところが、特定の波長を選ぶと、2状態の光シフトを等しくし、光シフトしない「原子の振り子」の振動数を観測できる。このような、「原子の振り子」の振動数を変えない波長を魔法波長と呼ぶ。

 朝は曇り。今日の天気の予想は、午後から雨、最高気温は22℃。
 朝早くの散歩、塀に絡まり”ノアサガオ”のオーシャンブルーの花が咲いている。咲いているのは朝だけの1日花、昼ころには萎む・・アサガオ(朝顔)だから!。
 花色はオーシャンブルーなので、別名に”オーシャンブルー”とある。また、多年草なので”宿根アサガオ”、沖縄や南西諸島で良く見られるので”琉球アサガオ”とも呼ばれる。
 ノアサガオ (野朝顔)
 別名:オーシャンブルー、宿根アサガオ、琉球アサガオ
 英名:blue morning glory(青色の朝顔)
 ヒルガオ科イポメア属
 蔓性宿根多年草
 原産地は熱帯アジア
 開花時期は6月~11月
 花は朝顔に似る、花径8cm~10cm
 花色はオーシャンブルー(青紫色)、白・桃色もある
 ほとんど結実しない


原因判明、砂糖の取り過ぎはメタボになる

2019-09-21 | 健康・病気
 名古屋大学大学院生命農学研究科の小田裕昭准教授らの研究グループが、「砂糖(ショ糖)の取り過ぎがメタボリックシンドローム(メタボ)につながるメカニズムが分かった。砂糖を取り過ぎると肝臓の脂質代謝のリズムが乱れて中性脂肪を蓄積しやすくなる。」と明らかにした(9月12日発表)。研究成果は9月3日付の米国生化学分子生物学誌「J. Biol.Chem.」に掲載された。メタボの予防対策につながる成果として注目される。
 メタボリックシンドロームは、インスリン抵抗性を基盤とする生活習慣病の前段階の未病状態であり、生活習慣の改善により元に戻ることができると考えられている。これまで、メタボリックシンドロームの原因は、エネルギーの過剰摂取や動物性油脂の過剰摂取などが主な要因であると考えられてきたが、最近になって、砂糖(ショ糖)や異性化糖などの果糖を多く含む糖の取り過ぎが主要な原因の一つであることがわかってきた。実際には、食品に元から含まれている糖ではなく、後から添加する糖(加糖)の過剰摂取が問題と考えられている。そのため、2015年にWHOは、1日の砂糖の摂取を摂取エネルギーの5%未満、小さじ6杯分の砂糖(約24g)相当にするよう指針を出している。
 研究グループは、時間栄養学的研究によって摂食時間を日中の活動時間帯だけに制限することにより、砂糖の過剰摂取による脂質代謝異常(脂肪肝、高脂血症)が改善されることを既に報告している。今回は、ラットを用いて、砂糖の取り過ぎによる脂質代謝異常のメカニズムを調べた。その結果、肝臓の脂質代謝は日周リズムを示すが、その脂質合成のリズムの振幅が砂糖の取り過ぎにより増大し、脂質合成が促進することが原因であると突き止めた。また、この作用は、ショ糖を構成する果糖によることも明らかにした。さらに、ショ糖を構成する果糖とブドウ糖は、わずかな構造上の違いがあるだけにもかかわらず、代謝におよぼす影響が大きく異なり、それに体内時計が関係することもわかった。
 研究グループは、「今回の研究成果は、生化学系の教科書にある記載の修正につながり、また、砂糖の取り過ぎによるメタボリックシンドロームの予防への手がかりになるものと期待される」と、述べている。
 ◆世界保健機関(WHO)は「糖類を1日摂取カロリーの5%未満に抑える」よう勧める
 世界保健機関(WHO)は、砂糖などの糖類を1日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるよう勧める新たガイドラインを発表した(2015年3月5日)。
 これまでは10%まで(2002年の指針)と推奨してきたが、5%未満に抑えれば虫歯や肥満などの健康問題を改善できることが判ったとしている。5%は平均的な成人で1日25gの砂糖(ティースプーン6杯分)に相当すると言う。ここでの対象は、砂糖・蜂蜜・果汁などに自然に含まれる糖分と食品に添加される糖分で、生の果物などに含まれるものは含めない。
 因みに、推奨数字超えとなるのは、あんパンなら1個、炭酸飲料なら1本・・との事。
 日本人の食事摂取基準(10年版)は策定されているが、糖類摂取量基準は策定していない(厚生労働省)。15年版の食事摂取基準には、糖類摂取量基準は盛り込めないが、食品成分表の糖分含有量記載を受けて20年版の食事摂取基準に糖類摂取量基準を盛り込む方向との事。

 朝から曇り、雲が厚いけど雨は降らない。
 散歩道沿いの玄関前で、鉢植えの”トレニア”の花が咲いている。花の形は、口を開けた時の唇を連想させる・・ちょっと魅惑的・誘惑的。花の色は、青紫と薄い赤。
 トレニアには約40種程あり、一般に”トレニア”の名前で呼ばれるのは、インドシナ原産の”トレニア・フルニエリ(T.fournieri)”とその変種や園芸品種と言う。
 因みに、”トレニア”は9月21日の誕生花、花言葉は”愛嬌(あいきょう)”。
 トレニア
 別名:花瓜草(はなうりぐさ)、蔓瓜草(つるうりぐさ)、夏菫(なつすみれ)
 学名:Torenia
 アゼナ科(ゴマノハグサ科)ツルウリクサ属(トレニア属)
 一年草として扱う
 草丈は15cm~35cm
 開花時期は5月~10月
 花は径3cm位
 花色は濃い紫色が基本で、赤・白・ピンクなど


炭素の絡み目「オールベンゼンカテナン」と炭素の結び目「オールベンゼンノット」の合成に成功

2019-09-20 | 科学・技術
 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業において、ERATO伊丹分子ナノカーボンプロジェクトの伊丹健一郎研究総括(名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)拠点長/教授)、瀬川泰知化学合成グループリーダー/研究総括補佐(名古屋大学大学院理学研究科特任准教授)、桑山元伸技術員らの研究グループは、炭素の絡み目「オールベンゼンカテナン」と、炭素の結び目「オールベンゼンノット」の世界初の合成に成功した(発表日:2019年7月19日)。本研究成果は、7月18日(米国東部時間)に米国科学誌「Science」のオンライン版で公開。
 グラフェンやカーボンナノチューブなどナノメートルサイズの周期性をもつ炭素物質「ナノカーボン」を精密に設計して合成する方法は材料科学分野で強く求められている。これを達成するために、有機合成化学の手法を用いてナノカーボンの部分構造となる分子を合成する「分子ナノカーボン科学」が近年盛んに研究されている。しかし、これまでに合成された分子ナノカーボンは、ベンゼンが連なったオールベンゼンリングなど、幾何学的に単純な構造であった。理論化学的に予測されている複雑な幾何学構造(トポロジー)をもつ未踏のナノカーボンを合成するには、分子ナノカーボンにトポロジーを付与する新しい合成法が必須となる。
 本研究グループは、ケイ素原子を用いる新たな方法によって、結び目(ノット)や絡み目(カテナン)をもつ分子ナノカーボンを合成することに成功した。合成した「オールベンゼンカテナン」と「オールベンゼンノット」はX線結晶構造解析によって構造が確認され、それぞれの幾何学構造に由来する特異な光物性や動的挙動をもつことが明らかになった。
 本研究成果は、複雑な幾何学構造をもつ新たなナノカーボン材料の開発に道をひらく画期的な成果となる。
 研究の背景と経緯
 グラフェンやカーボンナノチューブなどのナノメートルサイズの周期性をもつ炭素物質は「ナノカーボン」と呼ばれ、軽量で高機能な次世代材料として期待されている物質である。構造によって電子的・機械的性質に大きな違いがあるため、望みの性質をもつナノカーボン構造のみを狙って精密に合成する方法が求められている。その中で、有機合成によってナノカーボンの部分構造をもつ分子を精密に合成する「分子ナノカーボン科学」が近年注目され、世界中で研究されている。
 これまでに、フラーレン、グラフェン、カーボンナノチューブの部分構造となる分子(分子ナノカーボン)が多く合成されてきた。しかし、これらはトポロジーの観点から分類すると比較的単純な構造である。一方で、ドーナツ状(トーラス)やコイル状など、複雑なトポロジーをもつナノカーボンは理論化学的に多数予測されており、これらナノカーボンが示す未知の物性に興味がもたれている。このようなナノカーボンの精密合成の第一歩として、本研究グループは複雑なトポロジーをもつ分子ナノカーボンである「トポロジカル分子ナノカーボン」を提唱した。
 研究の内容
 本研究グループは、トポロジーの基本である結び目や絡み目をもつ分子ナノカーボンを合成することに成功した。ノット(結び目)やカテナン(絡み目)と呼ばれる分子の合成は1960年代から行われている。近年では分子マシン(ナノメートルサイズの機械)への応用が期待され、2016年のノーベル化学賞の受賞理由となったことでも広く知られている。しかし、従来の一般的な合成法では炭素骨格のみで結び目や絡み目構造を作ることはできず、窒素原子や酸素原子などを導入し、それを足がかりとしてトポロジカルな構造へと誘導する必要があった。そのため、結び目や絡み目をもつ分子ナノカーボンを合成するには、新しい合成法を開発する必要があった。
 カーボンナノチューブの部分構造である分子ナノカーボン「シクロパラフェニレン」は、ベンゼンだけでできた、直径1ナノメートル程度の大きさをもつリング状分子である。このシクロパラフェニレンの合成の途中にケイ素原子を「仮留め部位」として用いることによって、結び目や絡み目を導入することができると考えた。このケイ素は後にフッ素処理によって除去できるため、最終的に炭素骨格のみからなる結び目や絡み目を得ることができる。
 まずC字型の分子を用意し、2つのC字型分子の中央をケイ素原子でつなぐ。ニッケルを用いた反応によってそれぞれのC字の末端をつないで2つの輪を作り、フッ素(フッ化テトラブチルアンモニウム)によってケイ素原子を除去した後にナトリウムを用いた反応を行うことで、2つのシクロパラフェニレンが幾何学的に連結した分子「オールベンゼンカテナン」に変換する。この合成法によって、ベンゼン12個からなるリング同士のカテナンを9ミリグラム(収率16パーセント)合成することに成功した。16パーセントはシクロパラフェニレンの合成収率と近い水準であり、絡み目の形成効率が十分に高いことを示している。同様の方法を用いて、ベンゼン12個と9個の異なるサイズのリングが連結したカテナンを2ミリグラム合成した。
 この合成法を応用し、さらに難易度が高く「不可能分子」ともいうべき、結び目をもつトポロジカル分子ナノカーボン「オールベンゼンノット」を合成した。仮留め部位を適切な位置に2つ配置することで分子ノットのトポロジーを作れることが他の先行研究で知られているため、仮留め部位としてケイ素原子を2つもつ前駆体を設計しました。図4に示すように、U字型分子をケイ素でつないだ分子を合成し、このユニットに対してオールベンゼンカテナンと同様の反応(ホモカップリング反応、フッ素処理、ナトリウム還元反応)を行うことで、0.3パーセントという低収率(0.8ミリグラム)ながら、目的とする「炭素の結び目」であるオールベンゼンノットの合成に世界で初めて成功しました。X線結晶構造解析によって、この分子が結び目をもつことを確認した。加えて、本研究グループが合成したオールベンゼンノットを部分構造とするカーボンナノトーラス(ドーナツ状のナノカーボン)が存在することを計算科学的に明らかにし、オールベンゼンノットがトポロジカルナノカーボン合成に向けた重要なステップであることを示した。
 次に、これらの新たに合成した分子が、結び目や絡み目に由来する特異な性質をもつことを明らかにした。サイズの異なる2つのリングからなるカテナンは、光による励起の後、大きなリングから小さなリングへと非常に速い励起エネルギーの移動が起きることを観測した。カテナン構造は、それぞれのリングがもつ対称性を完全に維持したままリング同士の相互作用の効果を確認する唯一の方法であり、今回の実験によってリング同士がカテナン構造を介して電子的に相互作用することを明らかにした。
 また、オールベンゼンノットを有機溶媒に溶かし、水素原子核のNMR測定を行うと、マイナス95度の低温においても1種類のシグナルだけが観測された。これは非常に速い運動によってシグナルが平均化していることを表している。スーパーコンピューターを用いたシミュレーションの結果、ドーナツ状の渦のような動きによってこのような速い平均化が起きていることが強く示唆された。これらの性質を事前に予測することは極めて困難であり、合成・単離したことによって初めて発見することができた。
 結び目には左結びと右結びがあり、キラリティと呼ばれる性質をもつ。今回合成したオールベンゼンノットの左結びと右結びを分離することに成功し、オールベンゼンノットが結び目のキラリティに由来する円二色性を示すことを明らかにした。
 今後の展開
 本研究成果は、複雑な幾何学構造をもつナノカーボンの合成に向けた大きな一歩となる。結び目や絡み目といった複雑な幾何学構造を炭素骨格のみで作ることが可能になったことで、これまでにない複雑なナノカーボンの設計と合成につながる。また、非常に美しい分子を革新的な方法で合成した例として、有機化学の教科書に載る金字塔といえる。幾何学的な連結構造を基本とする分子マシンの設計を一新する可能性を秘めていることから、新たな化学の発展のスタート地点となる画期的な成果である。
 ◆用語解説
 〇ベンゼン
 ベンゼン炭素6原子、水素6原子からなる有機分子をベンゼンと呼び、その正六角形の炭素骨格をベンゼン環と呼ぶ。平面構造が最も安定であり、湾曲するとひずみエネルギーをもつ。
 〇トポロジー
 リング(穴)、結び目、絡み目など、連続的に変形しても変わらない要素の種類や数に注目して形を分類する幾何学。
 〇X線結晶構造解析
 結晶にX線を照射した際に生じる回折現象を利用して、結晶中の原子配置を測定する方法。分子の形を(結晶中の平均の姿として)観測できる。
 〇NMR
 核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)。分子の中の対象の原子(今回は水素)の原子核の状態や近傍からの磁気的影響を測定する方法。
 〇キラリティ
 左手と右手のように、そのままでは一致しないが鏡に映すと一致する性質。
 〇円二色性
 右回りの光(右円偏光)と左回りの光(左円偏光)の吸収強度に差が生じる現象。キラリティをもつ分子に見られる。

 天気は曇り~晴れ。雨が降りそうではない、明日は降るかな。
 散歩道沿いの小さなお庭。白い小さな花が咲いている、”ゲンノショウコ”の花だ。実も幾つか付いている。
 花色は白色で、日本の西では紅色の花、東では白花が多いと言う。なるほど、ここは東北だ。紅色の花は見ることがない。
 ”ゲンノショウコ”は、昔から下痢止めの薬草として使われ、センブリ・ドクダミとともに日本三大民間薬としてよく知られている。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止め・胃薬とし、茶としても飲用する。
 名(ゲンノショウコ:現の証拠)の由来は、飲めばすぐに薬効が現れるから、と言う。優秀な整腸生薬なので、イシャイラズ(医者いらず)・タチマチグサ(たちまち草)などの異名がある。別名に神輿草(みこしぐさ)があるが、これは「実」の形がお神輿の屋根に付く飾りの形に似ているから。
 ゲンノショウコ(現の証拠)
 別名:神輿草(みこしぐさ)、玄草(げんそう)
 学名: Geranium thunbergii
 フウロソウ科フウロソウ属
 多年草
 開花時期:7月~10月
 葉は掌状、3~5の中~深裂する
 花色は白色~赤紫色、花径は1.5cm位の5弁花
 雄しべは10本、雌しべの花柱の先は5つに裂けてる
 実は蒴果(さくか)、長さ約1.5cmで短毛と腺毛が多い。熟すと5裂し、裂片は種子を1個ずつ巻き上げる。


パトナシアターで飛び花座宮城野寄席を聴く

2019-09-19 | 音楽
今日は朝から雲が多い晴れ。最高気温が24℃程、爽やかな風・・秋がやってきた。
 梅田川沿いの散歩道を通って、仙台市宮城野区文化センターパトナシアターでの飛び花座宮城野寄席に行ってきた。
 今回のワンコインコンサートは、初の寄席公演で午前と午後の2回公演。私は午後の公演を聴いた。
 第34回 ワンコインコンサート
 飛び花座宮城野寄席
  出演 三遊亭 とん馬(真打)
     春雨や 晴太 (前座)
  協力 魅知国定席花座
 楽しい・面白いお話で、会場は笑い・笑い・拍手・・面白かった、楽しかった。


 散歩道で、見上げたら空は秋空・・かな。

ハリセンボンの表皮から、耐久性に優れた超撥水材料を開発

2019-09-18 | 科学・技術
 物質・材料研究機構 (NIMS) は、「ハリセンボンの表皮から着想を得た新しい超撥水材料を開発した」と内藤昌信グループリーダーらが発表した(9月10日)。従来材料の致命的な欠点であった摩耗や変形への弱さが大きく改善され、耐久性が求められる構造材料などへの適応が期待される。本研究成果は、「ACS Applied Materials & Interfaces誌」にて2019年8月20日にオンライン掲載。
 概要
 本研究は、国立研究開発法人物質・材料研究機構若手国際研究センター山内祥弘ICYS研究員と、国立研究開発法人物質・材料研究機構統合型材料開発・情報基盤部門データ駆動高分子設計グループ内藤昌信グループリーダーらの研究チームによって行われた。
 材料表面が水滴を弾く超撥水性は、水滴付着に由来する汚れや凍結、腐食、菌の繁殖を解決する手法として注目されている。超撥水性を発現させるためにはナノ-マイクロメートルスケールの微細な凹凸構造が必要であるが、擦る・捻る・引っ掻くといった外力が加わると、容易に壊れてしまい、直ちに機能が損なわれてしまうという問題があった。
 研究グループは、ハリセンボンの表皮をヒントにすることで、超撥水材料の致命的な欠点であった耐久性を改善した材料を開発した。ハリセンボンの表皮は、テトラポッド型の剛直なトゲ (鱗) と柔軟性に富んだ皮膚という相反する力学特性を持った材料からできている。この複合構造に倣い、テトラポット状の無機ナノ材料を柔軟なシリコーン樹脂中に高密度に充填することで、外力が加わっても凹凸構造が常に表面に露出する超撥水材料を開発することに成功した。
 今回開発した耐久性に優れた超撥水材料は、無機ナノ材料と汎用性樹脂を混ぜて練り合わせるのみで機能が発現することから、従来の樹脂成形や塗装技術を適用することができる。今後、この成果を、流体抵抗を低減するための船底塗料など、“耐久性”がボトルネックとなることで超撥水の実用化が妨げられてきた分野への適用を目指し開発を進める。

 朝から曇り。時々雲が厚くなり、雨が降るのかなと思ったが、降らなかった。最高気温は、24℃程と昨日からは大幅な低下。
 近所のスーパーに行ったら、”イチジク”の果実が売られていた。・・”イチジク”が出る季節となった。
 散歩道沿いの”イチジク”畑の傍を通る。赤くなってきた実(無花果)がチラホラと見える。
 ”イチジク”は雌雄異花で、花嚢内部の上部に雄花、下部に雌花が付く。日本には中国から雌株だけが導入され、雌花のみを付け、壺の形をした果嚢(かのう)の中で花が咲き、外から花は見えない。このため”イチジク”を漢語では”無花果”の字をあてた。
 名(イチジク)の由来には諸説あり、1ヶ月で熟す・毎日1個ずつ熟す「一熟」からの説、中国語の「映日果」での音読”エイジツカ”の転訛説などがある。
 イチジク(無花果、映日果)
 別名:伝来時に、蓬莱柿(ほうらいし)、南蛮柿(なんばんがき)、唐柿(とうがき)
 クワ科イチジク属
 落葉高木
 原産地はアラビア南部。不老長寿の果物とも呼ばれる
 栽培は6000年前頃からと言われ、旧約聖書にも登場する果物
   因みに、アダムとイブが体を隠すのに最初に使ったのはイチジクの葉
 インドから8~9世紀ごろに中国へ、中国から日本に17世紀前半に渡来した
 雌雄異株だが、日本で栽培されているのは雌株のみ。受粉しなくても果嚢が熟す単為結実(たんいけつじつ)の品種である
 葉は三裂・五裂掌状で互生する。浅く三裂するものは江戸時代に、深く五裂して裂片の先端が丸みを帯びるものは明治以降に渡来した。


65歳以上の高齢者は3588万人、総人口割合は28.4%

2019-09-16 | 社会・経済
 高齢者の定義は色々あるが、「高齢者の医療の確保に関する法律」では、前期高齢者:65歳から74歳、後期高齢者:75歳以上、となっている。
 総務省が発表した人口推計(9月15日)によると、
 高齢者(65歳以上)は、3588万人(前年より32万人多い)
  総人口(1億2617万人)の割合は、28.4%(前年より0.3ポイント増)
  男女別 女性:2028万人 男性:1560万人
  就業者 862万人(平成30年に仕事に就いていた) 就業者全体の12.9%
  就業者男女別 女性:350万人(就業率17.4%) 男性:512万人(33.2%)
 世界的にみると、65歳以上の割合は日本が断トツの1位で28.4%である。2位はイタリア(23.0%)、3位はポルトガル(22.4%)となっている。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇し、2025年に30.0%、2040年には35.3%に達する見込み。
 年齢区分別は
  70歳以上:2715万人(前年から98万人増)
   団塊の世代(昭和22~24年生まれ)が含まれ、ほかの年齢区分に比べ増加数が多かった
   総人口に占める割合:21.5%
  80歳以上:1125万人
  90歳以上: 231万人
  100歳以上:7万人1238人 女性:6万2775人(88.1%) 男性:8463人(11.9%)

 今日は午前は雨、午後から曇り~晴れ。
 今日の散歩はお休み・・雨が少し強い。
 数日前の散歩で見かけた、”ハイビスカス”の鉢植え。色々な色n花が咲いている。花の寿命はほとんど1日だが、大輪の品種や涼しい季節は2日もつことがある、と言う。
 日本では、熱帯および亜熱帯性のいくつかの種がとくに「ハイビスカス」と呼ばれ、南国のイメージの植物として親しまれている。園芸用・観賞用としていくつかの種が「ハイビスカス」として流通し、代表的なものはブッソウゲ(仏桑華)である。
 ハイビスカス(Hibiscus)
 別名:仏桑花、仏桑華(ぶっそうげ)
 学名:Hibiscus rosa-sinensis
 アオイ科フヨウ(ハイビスカス)属
 常緑中低木(樹高 0.5~2m)
 耐寒性は弱い
 原産地:ハワイ諸島、マスカレン諸島
 開花時期:5月~10月
 花径:5cm~15cm
 花色:白,赤,ピンク,オレンジ,黄,青,紫,茶,複色


100歳以上7万人超え、49年連続で増加

2019-09-15 | 社会・経済
 国民の祝日である「敬老の日」は、9月の第3月曜日、9月16日。
 厚生労働省は「敬老の日」を前に、住民基本台帳に基づき、9月13日時点で百寿者(100歳以上となる高齢者)の数を集計した。これによると、百寿者が全国に7万1238人で、前年(2018年)から1453人増え、49年連続の増加となった。
 百寿者(100歳以上の高齢者、9月13日時点、推計)
  全国に7万1238人
    女性:6万2775人(88.1%)
    男性: 8463人(11.9%)
  今年度中に100歳になる方:3万2097人(女性2万7461人、男性4636人)
 国内最高年齢
    女性:田中カ子(かね)さん 116歳(福岡市)
    男性:渡辺智哲さん 112歳(新潟県上越市)
 人口10万人当たりの100歳以上の人数を都道府県別に見ると、高知県が101.42人で最多。2012年以来、7年ぶりのトップだったが、若年層の人口減が影響している可能性があるという。
 人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数
  全国平均:56.34人
  1、高知県  101.42人
  2、鹿児島県 100.87
  3、島根県  97.50
  4、鳥取県  97.50
  5、山梨県  88.74
   ・
   千葉   39.68
   愛知県  37.15
   埼玉県  33.74
 平均寿命(2018年、7月に発表)
   女性:87.32歳
   男性:81.25歳 平成元年(1989年)より両者5歳以上、延びている

 旧暦(太陰太陽暦)では、7、8、9月が秋で、それぞれ初秋、中秋、晩秋と呼ばれている。「中秋の名月」とは、旧暦8月15日夜の月のことで、中秋節または八月節ともいわれ、古来、この日の月は1年のうちで最も美しいとされていた。
 伝統的な年中行事の多くが新暦(太陽暦)か月遅れで行われており、月見は旧暦8月15日にあたる日にあわせて行われる数少ない行事として、現在も受け継がれている。
 今年(2019年)の旧暦8月15日は9月13日(金曜日)である。今年の天文学上の満月は、中秋の名月の翌日、9月14日になる。 今日(9月15日)の早朝(AM5:00)に、畑に行ったら”お月さま”が空に残っていた。

イグ・ノーベル賞、化学賞に渡部茂・明海大教授の「5歳児の唾液1日500ml」

2019-09-14 | 社会・経済
 「イグ・ノーベル賞」の授賞式が9月12日(日本時間13日)、米ハーバード大であった。自身の息子の協力も得て、子どもの唾液(だえき)の量を推定した明海大の渡部茂教授(68)が化学賞に選ばれた。日本の研究者の受賞は2007年から13年連続となる。
 小児歯科医の渡部氏は4年がかりで「5歳児の1日の唾液生産量の推定」という論文をまとめ、1995年に発表した。幼稚園児30人に、ご飯やリンゴ、クッキーなど6種類の食品を噛んでは紙コップにはき出す実験を繰り返してもらい、分泌される唾液量を測定した。子どもたちの1日の食事時間を調べ、食事中の量を推定したうえで、睡眠時や安静時の量を足して、1日500ミリリットルとはじき出した。その前に渡部氏たちが推定した大人の量は1日570ミリリットル。「小さな子は唾液が多いイメージが強いが、唾液腺も口の表面積も小さく、実際は大人より少ない」との結論を導き出した。
 渡部氏は、30年ほど前の業績で、知らせを聞いてびっくりしたという。研究者が5歳の子どもの唾液を真剣に集める。そういうところがおもしろかったのかな。渡部氏は受賞に「自分としては、まじめな生理学的な研究と思ってやっていたが…」と語った。
 実験には長男の潤さん(41)ら3人の息子がいて、「当時はよく息子たちに協力してもらいました」と振り返る。授賞式には3人の息子も一緒に並び、バナナを食べて紙コップに出す「寸劇」を披露。会場を沸かせた。
 賞の主催者は授賞理由について「親であれば、望むと望まないとにかかわらず、子どものよだれを大量に処理している。渡部さんは、子どもがどれだけのよだれをつくるか、正確に測ったおそらく初めての親だろう」と説明している。
 ◆イグノーベル賞 (Ig Nobel Prize)
 「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞。1991年に創設。
 同賞を企画運営するのは、サイエンス・ユーモア雑誌「Annals of Improbable Research:風変わりな研究の年報」と、その編集者であるマーク・エイブラハムズ。
 受賞者らには賞金10兆ジンバブエドル(現在は殆ど無価値)と60秒間の受賞スピーチ権が与えられる。ただし、スピーチは8歳の少女に「やめてください。つまらないです」と言われたらそこで終了。
 同賞には、工学賞、物理学賞、医学賞、心理学賞、化学賞、文学賞、経済学賞、学際研究賞、平和賞、生物学賞などの部門がある。毎年、風変わりな研究をおこなったり社会的事件などを起こした10の個人やグループに対し、時には笑いと賞賛を、時には皮肉を込めて授与される。

 朝から曇り、時々晴れ。3時ごろから雲が厚く、暗くなってきた・・夕方から雨かな。
 畑の”シソ”に花が咲きだした。花後の実(シソの実)もできている。”シソ(紫蘇)”は、葉だけでなく芽・花穂・実などを料理の彩・薬味に利用できる香味野菜である。この”シソ”はどこから来たのかな、植えた記憶はない!。
 ”シソ”には葉が緑の青紫蘇(あおじそ)と葉が赤い赤紫蘇(あかじそ)があり、それぞれに葉が平らなものと縮れた(縮緬)ものがある。青紫蘇は葉・花を香味とし、赤紫蘇は梅干しなどの色付などに使う。実も風味付けに使う。
 シソ(紫蘇)
   葉色:青紫蘇(あおじそ)と赤紫蘇(あかじそ)がある
   葉縮れ:葉面は平らと縮れがある
 別名(古語):野荏(のらえ)、糠荏(ぬかえ)
 学名:Perilla frutescens
 シソ科シソ属
 一年草(春まき)
 原産地は中国
 日本への渡来は縄文時代と考えられている(自然帰化植物)
 奈良時代から薬用として栽培され、室町時代に食用として栽培される
 開花時期は9月~10月
 花は5枚の花弁が筒状になった合弁花
 実は萼ごと食用とし、茶漬けなどの風味付けに使う。プチプチした食感と独特の風味が良い


病害寄生雑草ストライガの全ゲノムを解読、アフリカの農業被害の撲滅に光

2019-09-13 | 科学・技術
 理化学研究所環境資源科学研究センター植物免疫研究グループの白須賢グループディレクター、奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科バイオサイエンス領域植物共生学研究室の吉田聡子特任准教授らの国際共同研究グループは、アフリカを襲う病害寄生雑草であるストライガ(Striga)の全ゲノム解読に成功した。本研究成果は、ストライガの進化および寄生メカニズムの理解、ストライガ撲滅に向けた除去剤開発などに貢献すると期待できる。米国の科学雑誌「Current Biology」の掲載に先立ち、オンライン版(9月12日付け:日本時間9月13日)に掲載。
 ストライガは主要な穀物に寄生し、収穫量を大幅に減らす有害植物であり、特にアフリカで深刻な被害をもたらしている。この問題の根本的な解決に向けてストライガの寄生メカニズムを理解するには、全ゲノム情報が必要。
 国際共同研究グループは、1950年代に米国に侵入したストライガの系統からゲノムDNAを抽出し、全ゲノムシークエンス解析、トランスクリプトーム解析などを行った結果、タンパク質をコードする遺伝子34,577個を同定した。また、適応進化の過程において、ストライガは全ゲノム2倍化を2回起こすことで寄生に必要な遺伝子を獲得したこと、ストリゴラトン受容体ファミリーが著しく増えたことでさまざまな宿主を獲得したことが分かった。さらに、ストライガゲノムに宿主から「遺伝子の水平伝播」が起きた証拠も見つけた。
 研究手法と成果
 国際共同研究グループは、ストライガ(Striga asiatica)の系統からゲノムDNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いて、全ゲノムシークエンス解析とアセンブリーを行った。さらに、トランスクリプトーム解析を行い、ゲノムアノテーションを完成した。その結果、タンパク質をコードする遺伝子34,577個を同定した。
 詳しい解析により、適応進化の過程でストライガゲノムは、全ゲノム2倍化を2回起こしていることが分かった。これにより適応の自由度が増し、寄生に必要な遺伝子を獲得できたと考えられる。さらに、①寄生器官である吸器の獲得、②宿主による機能(水や栄養)により不必要になった遺伝子の削減が起きていることが分かった。また、宿主と寄生の関係性と特異性を規定する遺伝子の獲得に関わる遺伝子群も同定された。
 ストライガの種子は、宿主由来のストリゴラクトンに応答して発芽し、宿主根に侵入するための特殊な侵入構造である吸器を発達させる。ただし、ストリゴラクトンの種類は宿主によって異なるため、それらを感知するにはそれぞれに対応した受容体が必要である。今回のゲノム解析から、ストリゴラクトン受容体ファミリーの数は、非寄生植物のシロイヌナズナでは1個しかないのに対し、ストライガでは21個にまで増えていたことが分かった。これにより、ストライガはさまざまな宿主を得ることができたと考えられる。また、非寄生植物において側根形成に関与する遺伝子が、ストライガにおける吸器発生中に誘導されることも判明した。これは、吸器の進化において、部分的にこの側根形成のシステムが使われるようになったことを示している。
 さらに、ストライガのゲノム上に宿主由来のレトロトランスポゾンと宿主の遺伝子が発見された。これは、宿主からストライガに遺伝子情報が水平移動した証拠である。このことから、逆に寄生植物が農場でどのように進化しているのかが議論できる。
 今後の期待
 本研究でストライガの生命設計図である全ゲノム配列が決定したことは、ストライガによる寄生のメカニズムの解明に向けた大きな前進である。また、寄生植物が農場でどのように進化しているのかについてもモニターできるようになった。寄生植物の発芽誘導剤や阻害剤の探索など、新しい寄生植物防除の方法の開発につながり、ストライガによる農業被害の撲滅に貢献すると期待できる。
 撲滅に期待される分子を開発
   (2018年12月14日発表の論文)
 名古屋大の研究チーム、土屋雄一朗特任准教授らは、ストライガの種は養分をほとんど蓄えておらず、発芽から4日以内に寄生できないと枯れてしまうことに注目した。近くに穀物があると勘違いして発芽の合図となる「ストリゴラクトン」という分子をまねた人工的な分子の開発に取り組んだ。1万2千種類の分子で実験して発芽を促すものを見つけ出し、さらに改良して「SPL77」という分子を開発。「琵琶湖の水量に小さじ1杯分」というきわめて薄い濃度でストライガを発芽させる一方、穀物の成長には影響しないことを確かめた。研究チームは来年、ケニアの農場で試験を始める。
 ◆ストライガ(Striga)
 ストライガはトウモロコシやキビなどイネ科の穀物の根に寄生し、栄養や水分を吸い取って枯らせてしまう。アフリカのサバンナ地域の耕作地の40%に影響を与え、サハラ以南のアフリカだけで40万ヘクタールの耕作地に影響を与え、3億人の生活に影響しているとされる。「魔女の雑草」と恐れられる。
 ストライガは、1個体につき50万の種子を生成し、種子は20年程度、土壌中に生存し続けることができる。種子の大きさは、200μm程度と小さく土壌に落ちた種の回収は困難である。一年草であり、種子の状態で越冬する。宿主の根から分泌される物質を検知すると発芽し、宿主の根の細胞に侵入するための吸器を発育させる。宿主の根から分泌される物質にはストリゴラクトンが含まれており、その物質がストライガの種子を発芽させるのを促進するシグナル伝達分子である。地下に寄生部を形成し、その状態で4~7週間を過ごし、その後、地上に出現し、開花し種子を生成する。種子は風、水、動物に付着する土壌によって容易に広がる。
 ストライガの生活環の大半が地面下に行われるため、それに対する対策が困難である。地上部に現れる前に発見できない場合、作物の損失を低減することができない。
 ◆補足説明
 〇全ゲノムシークエンス解析
 次世代シーケンサーを使って、生物の全ゲノム情報を解読し、配列の違いや変化を同定すること。
 〇トランスクリプトーム
 ある状況下における、転写産物の全体像。ここではmRNAを対象にして解析をしている。
 〇全ゲノム2倍化
 生物のゲノム全体が倍化する現象。全遺伝子数が倍加することで、適応の自由度が増し、生物の多様性が生み出されると考えられている。
 〇ストリゴラクトン
 植物ホルモンの一種で、寄生植物の発芽誘導だけではなく、枝分かれや葉の老化など植物のさまざまな発生段階に作用する。これまでの研究から、KAI2dタンパク質群がストリゴラクトンの受容体であることが分かっている。
 〇遺伝子の水平伝播
 親子関係の無い個体間、または他生物間で起こる遺伝子の取り込み。
 〇ソルガム
 熱帯アフリカ原産のイネ科の一年草。生産面積ではコムギ、イネ、トウモロコシ、オオムギに次いで世界第5位である。乾燥に強く、熱帯では主食として用いられる。
 〇維管束系
 導管や師管などからなり、水や養分の通り道や、植物体の機械的支持に働く複合組織。
 〇次世代シークエンサー
 細かく断片化された大量のDNA配列を同時並行的に解析し、塩基配列を高速に決定することができる解析装置。
 〇アセンブリー
 次世代シークエンサーによって解読されたDNA断片配列をつなげて対象ゲノム配列を復元するコンピュータ処理のこと。
 〇ゲノムアノテーション
 ゲノム配列から、ある特定の領域が遺伝子か、遺伝子でない(非コード領域)かなどの注釈を付けること。
 〇レトロトランスポゾン
 DNA→RNAへの転写と、RNA→DNAへの逆転写によって増殖する性質を持つ遺伝因子。ゲノム上のレトロトランスポゾンが転写されてRNAになり、さらに逆転写酵素によりDNAに戻ることでゲノム中を移動しコピー数を増やす。

 今日の天気は曇り~晴れ。気温は最高気温25℃程、急に寒くなって来た感じだ。・・散歩に上着が要るかな。
 畑のお隣の畑でも、お花が咲いている。茎から多くの枝が伸びて先端に花径約6cmほどの大輪の花が付いている。”テイオウカイザイク(帝王貝細工)”の花だ。花弁はカサカサとした乾燥した麦わらを思わせる独特の花弁である。この花弁のように見える部分は、舌状花ではなく、総苞片である。花は中心部分の筒状花だけなのだ。
 テイオウカイザイク(帝王貝細工)
 別名:麦藁菊(むぎわらぎく)、ストローフラワー(strawflower)、ヘリクリサム
 学名:Helichrysum bracteatum
 キク科 ムギワラギク属
 日本では半耐寒性一年草
 原産地:オーストラリア
 開花時期:秋まきは4月~6月、春まきは9月~10月
 カサカサとした独特の花弁はドライフラワーとして最適