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潰瘍性大腸炎の炎症が長期間続けば、大腸がんの発生リスクが15~20%に高まる

2019-12-28 | 医学
 難病の潰瘍性大腸炎によって大腸がんのリスクが高まる原因を、京都大などのチームが明らかにした。大腸の粘膜で炎症と再生が繰り返され、がん関連遺伝子を含む多くの遺伝子が変異していた。研究成果は12月19日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載。
 潰瘍性大腸炎は下痢や血便などの症状が出る難病で、原因不明。患者は国内では約17万人、平成25年度末の医療受給者証などから、日本国内だけで166,060人いる。人口1万人あたり10人程度という計算になる。
 大腸の炎症が長期間続くことで、大腸がんの発生リスクが15~20%に高まる。
 チームは、潰瘍性大腸炎の患者の大腸から採取した粘膜のくぼみの細胞について、遺伝子にどのような変化が起きているかを詳しく解析した。患者の大腸では炎症による細胞死と、新たな細胞分裂による再生が繰り返されており、通常の大腸と比べ、遺伝子の変異が起きる速さは3倍だった。変異の中に、発がんと関連がある遺伝子が含まれていた。
 一方、大腸がんの細胞ではみられない、がん化を抑える変異が起きていることもわかった。患者の大腸の粘膜は、がん化しやすい細胞と、逆に通常よりもがん化しにくい細胞が入り交じった状態だとみられる。
 チームの小川誠司・京大教授は「がん化を抑制する遺伝子変異があったことは驚きだ。この遺伝子をターゲットにした薬は、大腸がんの治療や予防に有効かもしれない」と言う。

 お休み。年末年始は暫くお休みします。

 天気は、朝から晴れ。風は少しある、チョット強く吹くと冷たさが顔・首にかかる。
 今日は12月28日。新寺小路緑道で毎月28日に行われる「こみち市」の日である。
 緑道だった木々は葉を落としている・・枯れ木の道かな。
 新寺小路緑道のある新寺界隈は、多くの寺院が集まる寺町で、区画整理によって歩道のみの「新寺小路緑道」が整備された。緑道(東西640m・幅10m)はサクラなどが植えられた。


老化を誘発する仕組み、グリシン摂取が老化の緩和に有効か?

2019-12-27 | 健康・病気
 筑波大学生存ダイナミクス研究センターの林純一名誉教授らの研究グループは、ヒトの老化に伴うエネルギー欠乏に、核遺伝子SHMT2が関係していることに注目し、その仕組みをShmt2遺伝子破壊マウスを用いて解明したと発表した(11月8日)。研究成果は、「Scientific Reports」の電子版に掲載。
 ポイント
 〇Shmt2遺伝子破壊により、主に胎児肝臓で細胞分化遅延と細胞分裂遅延が誘発され、胎児肝臓の85%を構成する造血細胞が枯渇し、貧血になること。
 〇この時、胎児肝臓ではグリシンが枯渇し、これがタウリン枯渇とヌクレオチド枯渇を誘発すること、そしてタウリン枯渇はエネルギー欠乏による細胞分化遅延を、ヌクレオチド枯渇は核酸枯渇による細胞分裂遅延を誘発すること。
 この結果は、ヒトの老化に伴うエネルギー欠乏のみならず、老化に伴う細胞分裂遅延の回復にも、グリシン摂取が有効である可能性を示唆している。

 ヒトは老化に伴いエネルギー欠乏になるが、その原因についてはさまざまな仮説が提出されている。研究グループはこれまでに、「ヒトの老化に伴うエネルギー欠乏の原因が、突然変異ではなくゲノム修飾による可逆的な遺伝子発現の変化であり、特にSHMT2遺伝子の発現低下が重要である」という新仮説を提出し、この遺伝子を破壊したマウスに、胎児貧血と胚致死が誘発されることも明らかにした。今回は、Shmt2遺伝子破壊マウスの胎児組織を用いた質量分析等により、この新仮説の一部を検証した。
 新化説のうち、「ヒトの老化に伴うエネルギー欠乏の原因として、SHMT2遺伝子の発現量低下が重要である」という部分を検証するため、研究グループはまず、Shmt2遺伝子破壊マウスを用いて、胚致死前(13.5日胚)の肝臓と脳のエネルギー産生能を調べた。その結果、肝臓で著しいエネルギー欠乏が生じていることが確認された。エネルギー欠乏は成体の造血組織である骨髄の造血細胞分化を抑制することから、胎児の造血組織である肝臓の造血細胞分化を調べたところ、Shmt2遺伝子破壊マウスの細胞分化も抑制されていた。
 さらに肝臓の重量も低下しており、肝臓内にある造血細胞の細胞分裂遅延も明らかになった。マウス13.5日胚の肝臓は85%が造血細胞で構成されていることから、これらの結果は、エネルギー欠乏による造血細胞分化遅延と、造血細胞の分裂遅延が原因で、胎児貧血が誘発されたことを示している。
 また、Shmt2遺伝子破壊によりどのような仕組みでエネルギー欠乏と細胞分裂阻害になるのかを質量分析等で調べた結果、グリシン枯渇のみならずタウリン枯渇とヌクレオチド枯渇も誘発されていた。タウリンはエネルギー産生に、ヌクレオチドは核酸合成に必須であるため、両者の枯渇が、それぞれエネルギー欠乏と細胞分裂遅延につながったと考えられる。
 Shmt2遺伝子の働きはセリンからグリシンへの変換であるため、Shmt2破壊による胎児肝臓でのグリシン枯渇は予想通りだったが、脳ではグリシン欠乏が見られなかった。これは Shmt2遺伝子とは別の遺伝子(Gcat等)を使ってスレオニンからグリシンを得ているためと考えられる。一方、胎児の肝臓は、活発な細胞分裂と細胞分化で大量の血球を作るためにShmt2遺伝子の発現を高めており、これが原因でShmt2 遺伝子破壊が胎児貧血を誘発したと考えられた。
 ヒトSHMT2遺伝子の異常が原因の胎児貧血は、妊婦がグリシンを摂取することで緩和される可能性があるため、研究グループは、これについてShmt2遺伝子破壊マウスで検証していくとしている。また今回の研究により、ヒトSHMT2遺伝子の発現低下が「ヒトの老化に伴うエネルギー欠乏」のみならず、「ヒトの老化に伴う細胞分裂遅延」の原因である可能性が示唆された。したがって、グリシン摂取がこの両方を緩和することが期待される。
 一方、SHMT2遺伝子の発現抑制はがん細胞の分裂速度も抑制されるという報告もある。そうだとすれば、ヒトの老化に伴うSHMT遺伝子の発現抑制は、エネルギー欠乏と細胞分裂遅延を来すという負の側面と同時に、老化とともに発症頻度が高まるがん細胞の増殖(細胞分裂)を抑制し、逆に健全な老化(長寿)に貢献している、つまり老化を促進することでがん化を抑制するという別の側面も持つ可能性がある。研究グループは、「グリシン摂取については、今後さらに、がん細胞の増殖を促進する可能性を考慮した研究が必要だ」と、述べている。
 ◆グリシン
 グリシン(glycine) は、タンパク質を構成するアミノ酸の中で最も単純な形を持つアミノ酢酸のこと。別名グリココル。糖原性アミノ酸である。非極性側鎖アミノ酸に分類される。
 多くの種類のタンパク質ではグリシンはわずかしか含まれていないが、ゼラチンやエラスチンといった、動物性タンパク質のうちコラーゲンと呼ばれるものに多く(全体の3分の1くらい)含まれる。
 化学式:C2H5NO2、平均モル質量: 75.07グラム/モル

 早朝~朝は雨。次第に晴れてきた。風も弱く、雨上がりの緑はつやつやと光っている、外の空気が美味しいと感じる。
 散歩道で、丸丸とした実を沢山付けた”トウネズミモチ”を見つけた。多くの樹では実はもう鳥に実を食べられているが、沢山残っている樹がある。・・この樹は残っている。
 ”ネズミモチ”と”トウネズミモチ”は葉・花・実とも良く似ており、判別はチョット難しい。簡単な判別は葉の葉脈で、葉を裏から日に透かして見ると、ネズミモチの側脈は見えないか不明瞭でトウネズミモチは明瞭に見える。遠くからは樹枝の形で、”ネズミモチ”は灌木で”トウネズミモチ”は樹木のようだ。開花時期は、ネズミモチ;6月頃、トウネズミモチ;7月頃である。名(トウネズミモチ:唐鼠黐)の由来は、文字通り中国から来た”ネズミモチ”から。
 因みに、種が鳥により運ばれ、野生化したものが多く、在来の植生に影響を与えるとして、”要注意外来植物”に指定されている
 トウネズミモチ(唐鼠黐)
 学名:Ligustrum lucidum
 モクセイ科イボタノキ属
 常緑高木(樹高は15m~20m)
 中国中南部原産、明治初期に渡来
 開花時期は6月~7月
 枝先に沢山の白い花を付ける、花は径数mmで長さ3~4mm
 実は径1cm位のほぼ球形で、10月~12月に紫黒色に熟し、実の表面に白い粉を帯びる


アルツハイマー病発症予防に植物由来のセラミドが有効

2019-12-26 | 健康・病気
 北海道大学大学院先端生命科学研究院産業創出部門の五十嵐靖之招聘客員教授、湯山耕平特任准教授らの研究グループは、植物由来のセラミドがアミロイドsペプチド(As)蓄積を軽減させることを疾患モデルマウスを用いた実験で発見した。本研究成果は2019年11月14日公開の「Scientific Reports」誌に掲載。
 アルツハイマー病(AD)の発症原因の一つは、アミロイドsペプチド(As)が脳内に過剰に蓄積することであるとされている。最近の研究によってAs蓄積はAD発症の15年以上前から始まることが明らかになり、As蓄積を抑制することはAD予防を目的とした薬剤や機能性食品の開発戦略の一つとなっている。
 ポイント
 〇植物(こんにゃく)セラミド摂取により脳内のアルツハイマー病原因物質が減少し認知機能が改善。
 〇植物セラミドは同病の発症原因物質を除去する神経細胞由来エクソソームの産生を促進。
 〇認知症予防目的の機能性食品素材や新薬開発への貢献に期待。
 背景
 アルツハイマー病(AD)は主要な老年期の認知症性疾患であり、現在早急な予防法・治療法の確立が望まれている。AD発症には様々な要因が関与しているが、脳内での As蓄積増加が主な原因と考えられており、脳内Asレベルを制御することが治療・予防戦略の一つとして有望視されている。
 五十嵐教授らの研究グループ はこれまでに、神経細胞から放出される二重膜で構成されたナノ顆粒 "エクソソーム "が Asを除去する能力をもつことを培養細胞とADモデルマウスを用いた実験で明らかにしてきた。これらの知見から本研究グループではエクソソーム依存性As分解系の促進というアプローチを用いたAD予防法の確立を目的に研究を進めており、本研究では新たに発見したエクソソーム産生を促進する分子の一つである植物セラミドの効果をADモデルマウスを用いた実験で検証した。
 研究手法
 研究グループは実験材料の植物性セラミドとしてこんにゃく芋から精製したセラミド(グルコシルセラミド)を用いた。こんにゃく芋由来セラミドは機能性食品素材として美肌目的のサプリメントや飲料に配合されている脂質成分である。ADモデルマウスには脳内でAsを過剰発現するAPPトランスジェニックマウスを使用した。このマウスに植物セラミド 1日 1mg量を2週間継続的に経口投与した後、As病理とエクソソーム量を解析した。
 研究成果
 ADモデルマウスに植物セラミドを経口投与すると大脳皮質や海馬領域でAs濃度の低下とアミロイド斑老人斑様のAs沈着 が 減少していた。また、海馬領域ではシナプス障害の抑制も観察され、行動実験では短期記憶の改善が認められた。さらに同じ脳標本中のエクソソームを解析したところ、神経細胞由来のマーカータンパク質の増加がみられた。
 今回の実験で、植物セラミドの経口摂取によってADのようなAs関連病理が低減することが実証され、また、植物セラミドの作用でエクソソーム依存性As分解を促進させる可能性を示唆する結果が得られた。
 今後への期待
 脳内As蓄積の抑制はAD予防の有効な戦略とされており、本研究で得られた新たな知見は機能性食品素材や新薬開発に繋がる 可能性がある。今後研究グループではヒト介入試験による植物性セラミドの認知機能改善効果の検証を実施する予定である。
 ◆用語解説
 〇アミロイド sペプチド
 アミロイド s前駆体タンパク質から切断されて産生される約40アミノ酸からなる生理的ペプチド。アルツハイマー病では、このペプチドの過剰な蓄積がアルツハイマー病発症の引き金と考えられている。
 〇エクソソーム
 様々な種類の細胞から分泌される直径 50~150nm程度の細胞外小胞。特定の分子を包含し、細胞間で受け渡すキャリアーの役割を担う。神経細胞由来エクソソームは表面膜の糖脂質でAsを捕捉しグリア細胞に運搬することでAs分解を促進させる。

 今日の天気は曇り。だんだんと雨模様になりそうで、明日は雨の予報。畑にとってはありがたい雨かな。
 散歩で見つけた、塀の”ヘデラ”。”ヘデラ”は常緑蔓性低木の観葉植物で、耐寒性が強く、塀や戸外のグランドカバーなど利用される。冬の散歩で緑を見る、今日の散歩は当たりかな。
 ”ヘデラ”は”アイビー”とも呼ばれるが、正式名称は”ヘデラ”、”アイビー”は愛称。和名は西洋木蔦(せいようきづた)。種類は、葉(ハート型・星型・丸型・カール型など)や大きさ(大小)、斑入りの有無などで沢山ある。
 ヘデラ
 別名:アイビー、西洋木蔦(せいようきづた)
 英名:English ivy
 学名:Hedera helix
 ウコギ科ヘデラ属(キヅタ属)
 常緑蔓性低木
 耐寒性あり(氷点下5℃以上)
 原産地はヨーロッパ、アジアなど
 開花時期は9月~12月
 小さな5枚花びらの花が集まり、かんざし状


2種類の高温超電導を用いて30テスラ超の高磁場発生に成功

2019-12-25 | 科学・技術
 理化学研究所放射光科学研究センターNMR研究開発部門超高磁場磁石開発チームの柳澤吉紀チームリーダーと末富佑研修生、物質・材料研究機構機能性材料研究拠点高温超伝導線材グループの西島元主幹研究員、ジャパンスーパーコンダクタテクノロジー株式会社の斉藤一功技術総括部長、科学技術振興機構の前田秀明プログラムマネージャーらの共同研究グループは、高温超電導線材をらせん形状に巻いた超電導磁石において、これまで困難とされてきた30テスラ超の高磁場発生に成功した。本成果は、2019年9月27日にカナダ・バンクーバーで開催される国際会議「26th International Conference on Magnet Technology」で発表。
 本研究成果により、創薬や医療への貢献が大きく期待される次世代1.3ギガヘルツ(30.5テスラ相当)核磁気共鳴(NMR)装置の開発に向けた重要な技術要件が満たされ、その実現に近づいた。
 今回、共同研究グループは、超電導磁石に内側から①高磁場での超電導特性に優れるがコイル化が難しいレアアース(RE)系高温超電導線材を巻いた内層コイル、②高磁場での特性は一歩劣るがコイル化しやすいビスマス(Bi)系高温超電導線材を巻いた中層コイル、③工業製品として確立された金属系低温超電導線材を巻いた外層コイルの3層構造の配置により、磁場の発生効率を最大に高めることで31テスラの高磁場を実現した。これは、らせん形状に巻いたタイプの超電導磁石としては最高記録である。また、高磁場発生の要となるRE系高温超電導コイルは焼損が生じやすいという課題があったが、絶縁のないRE系高温超電導線材をらせん形状にコイルに巻き、層間に銅とポリマーの複合シートを挟み込む新しい製造法を適用することで焼損の防止にも成功した。
 背景
 核磁気共鳴(NMR)装置や核磁気共鳴画像(MRI)装置には、超電導磁石が使われており、磁場強度が高くなるほど装置の性能(感度と分解能)が向上する。
 現在実用化されているNMR装置やMRI装置には、ニオブ(Nb)系の金属系低温超電導線材が使われているが、線材の物理的特性の制約から、24テスラ程度が発生磁場の上限と考えられている。これに対して、レアアース(RE)系やビスマス(Bi)系の銅酸化物の高温超電導線材は、24テスラを大幅に上回る高磁場においても超電導状態を保てると考えられている。そのためには、高温超電導線材で巻いたコイルを超電導磁石の内層高磁場領域に使う必要があり、この線材を活用した次世代超高磁場NMR装置の開発をめぐって国際的な競争がある。
 共同研究グループは、次世代1.3ギガヘルツ永久電流NMR装置の開発を進めており、これには30.5テスラという超高磁場が必要となる。高温超電導線材は薄くて幅広のテープ形状をしているため、これをコイルにするには、線材をロールケーキ形状に巻く方式が適している。この巻線方式のコイルを採用した32テスラの超電導磁石が、米国のグループにより既に開発されており、超電導磁石の磁場としてはこれが最高記録である。
 しかし、上記の巻線方式では線材同士のつなぎ目の数が膨大になる。NMR装置に求められる永久電流運転にはつなぎ目を超電導接合にする必要があるが、外周側のコイルとのわずかな隙間に多数の超電導接合を配置することは困難である。これに対し、線材をらせん形状に巻いて、つなぎ目が少なく、それらをコイル上部の広い空間に配置できる巻線方式が、永久電流運転には適している。この巻線方式では、欧州のメーカーが開発を進める1.2ギガヘルツNMR装置における28テスラが最高で、1.3ギガヘルツNMR装置に必要な30.5テスラの磁場の発生は達成されていなかった。
 研究手法と成果
 共同研究グループが開発を目指す1.3ギガヘルツNMR装置用の超電導磁石は、金属系低温超電導線材を巻いた外層コイル(以下低温超電導外層コイル)、Bi系高温超電導線材の中層コイル(以下Bi系中層コイル)、さらにRE系高温超電導線材の内層コイル(以下RE系内層コイル)から成る。コイルは全てらせん形状で巻かれる。このコイル構成は、金属系低温超電導線材よりBi系線材の方が、Bi系線材よりRE系線材の方が、より高い磁場の中でも電流を流すことができるという物理的特性を生かしたもので、共同研究グループ独自の構成である。
 共同研究グループは、物質・材料研究機構低温応用ステーションで運用されている大口径17テスラ超電導磁石を低温超電導外層コイルとし、Bi系中層コイルとRE系内層コイルを組み込むことで、1.3ギガヘルツNMR装置の超電導磁石と同様のコイル構成の超電導磁石を開発した。今回の超電導磁石では、超電導接合は用いていないが、コイルは全てらせん形状に巻かれている。低温超電導外層コイルが発生する17テスラの磁場に加え、Bi系中層コイルが4テスラを、RE系内層コイルが9テスラを発生することで、中心部における30テスラ超の高磁場発生を目指した。
 しかし、高磁場に置かれたRE系内層コイルには、クエンチが起きた場合、コイル内部の局所的な常電導部が、わずかコンマ数秒で金属溶断温度にまで上昇して焼損してしまう問題がある。2016年に柳澤チームリーダーらが27.6テスラを発生させた際にも、クエンチによってRE系内層コイルが焼損した。
 そこで、今回、クエンチからRE系内層コイルを守るために、絶縁を施さない線材を用いて、コイル層間に導体である銅フォイルと、絶縁体であるポリマーシートの複合材を挟み込んでコイルを巻く方式を適用した。これによって、クエンチ時にコイル層内で電流が分流でき、過度な温度上昇を防ぐことが期待される。この手法は「intra-Layer No-Insulation法(以下LNI法)」と呼ばれ、共同研究グループは先行研究において、その効果を小さな試験コイルで確認していた。
 開発した超電導磁石の試験では、全てのコイルを液体ヘリウム温度(-269℃)まで冷やし、まず低温超電導外層コイルに241アンペアの電流を流して17テスラの中心磁場を発生させた。その後、直列に接続したBi系中層コイル/RE系内層コイルに電流を流し、最終的に266アンペアの電流で30テスラの中心磁場の発生に成功した。その後、それぞれのコイルの電流値を順次下げ、消磁した。
 次に、超電導磁石の限界試験として、クエンチが発生するまでBi系中層コイル/RE系内層コイルの電流値を増加させた。すると、290アンペアの電流に至ったところで、31テスラの中心磁場が発生し、RE系内層コイルがクエンチした。電圧検出機能によって高温超電導に供給されている電流が遮断され、その後1秒程度でBi系中層コイル/RE系内層コイルの磁場が消失した。残っていた低温超電導外層コイルの電流・磁場は、保護回路を使って消磁された。
 一連の試験後、RE系内層コイルを取り出し、液体窒素(-196℃)で冷やして電流を流して検査したところ、コイルの電圧-電流特性が試験の前後で変わっていないこと、すなわちクエンチから保護されていることが確認できた。
 今回の試験によって初めて、らせん形状コイルの超電導磁石で30テスラ超の高磁場発生に成功した。さらに、LNI法によって、RE系内層コイルをクエンチによる焼損から保護することにも成功した。
 今後の期待
 今回の成果によって、次世代1.3ギガヘルツNMR装置の開発に向けた重要な技術課題の1つがクリアされ、その実現に近づいた。今後、別途開発を進めている超電導接合技術/永久電流運転技術と組み合わせて装置の実現を目指す。
 次世代1.3ギガヘルツNMR装置が実現できれば、アルツハイマー病などの神経変性疾患の要因とされるアミロイドβペプチドの構造情報の取得技術が飛躍的に進展するなど、創薬や医療への展開が期待できる。また、1.3ギガヘルツNMR装置の開発を通して得られる先端技術により、すでに普及しているレベルの磁場のNMR装置の小型化・省ヘリウム化などといった波及も期待できる。
 ◆用語解説
 〇高温超電導線材
 銅酸化物高温超電導体を線材にしたもの。主にレアアース(希土類元素)系とビスマス系がある。液体窒素温度(-196℃)においても超電導状態を示し、また、液体ヘリウム温度(-269℃)においては、24テスラを大幅に上回る高磁場においても超電導状態を維持できる。
 〇超電導磁石
 超電導線材で巻いたコイルを使った電磁石で、極めて少ない消費電力で、強力な磁場を発生することが可能。電気抵抗ゼロの超電導状態を保つために、液体ヘリウムや液体窒素といった冷媒に浸して冷却したり、冷凍機で冷却されたりする。ただし、超電導線材には、線材固有の臨界磁場(電気抵抗ゼロで電流を流せる磁場の上限)があるため、超電導磁石が発生できる磁場には上限がある。なお、「超電導」と「超伝導」はどちらも”superconductivity”の訳語であり、超電導に統一した。
 〇テスラ
 磁場の単位。1テスラはネオジム系などの強力永久磁石の表面磁場と同等の強さ。
 〇ギガヘルツ
 周波数の単位。核磁気共鳴現象において、共鳴周波数は磁場に比例するため、NMR装置では慣習的に磁場を周波数で表現する。30.5テスラの磁場において、水素核は1.3ギガヘルツの周波数で共鳴する。ギガは10億。
 〇核磁気共鳴(NMR)装置
 NMRはNuclear Magnetic Resonanceの略。
 磁場中に置かれた原子核の核スピンの共鳴現象により、物質の分子構造の解析や物性の解析を行う装置。分子の相互作用などの情報も得られるため、生命科学、医薬、化学、食品、材料物性といった幅広い分野で利用されている。
 〇金属系低温超電導線材
 NbTi(ニオブチタン)、Nb3Sn(ニオブスズ)に代表される金属系の超電導体を用いた超電導線材。NbTiは-263.7℃、Nb3Snは-254.9℃の極低温で超電導状態となる。NbTiとNb3SnはNMR装置において、NbTiはMRI装置において広く実用化されている。Nb3Sn洗剤を使えば24テスラ程度の磁場が発生可能である。
 〇核磁気共鳴画像(MRI)装置
 MRIはMagnetic Resonance Imagingの略。
 核磁気共鳴現象を利用して人体などの断面撮像を行う装置。脳や血管などの画像診断に広く使われ、磁場を高くすることで、より高分解能の診断が可能となる。
 〇永久電流
 回路全体が超電導体でできているコイルに電流を流すと、抵抗がないため半永久的に電流が流れ続ける。この現象を永久電流と呼ぶ。
 〇超電導接合
 超電導線材のつなぎ目(接合部)でも電気抵抗ゼロで電流を流す技術で、永久電流運転するために必要。酸化物材料を使った高温超電導線材の超電導接合は難しく、長らく不可能ともいわれていたが、近年目覚ましく技術が進歩しつつある。
 〇クエンチ
 超電導体が、超電導状態から常電導状態に転移すること。
 〇アミロイドβペプチド
 アミロイドβ前駆体タンパク質からプロテアーゼにより切断されて産生される生理的ペプチド。アルツハイマー病で見られるアミロイド斑の構成成分として発見されたことから、この過剰な蓄積がアルツハイマー病発症の引き金と考えられている。Aβはアミノ酸の長さで種類が分類されており、Aβ1-40、Aβ1-42が同定されており、Aβ1-42が最も神経毒性が高いとして解析が行われてきた。

未開の電磁波テラヘルツ波の検出感度を1万倍に向上、超高速無線通信の実用化に

2019-12-23 | 科学・技術
 大阪大学大学院基礎工学研究科の冨士田誠之准教授、永妻忠夫教授、西田陽亮(当時;博士前期課程学生)、西上直毅(博士前期課程学生)、Sebastian Diebold博士(当時;特任助教)らは、ローム株式会社と共同でテラヘルツ波の検出が可能な小型電子デバイスである共鳴トンネルダイオード(Resonant Tunnelin Diode:RTD)のテラヘルツ波の検出感度を1万倍という大幅な向上を実現した。本研究成果は、英科学誌「Scientific Reports」に2019年12月2日(日本時間)にオンライン掲載。
 ポイント
 〇テラヘルツ波を検出可能な小型電子デバイスである共鳴トンネルダイオードのテラヘルツ波検出感度を同期検波によって、1万倍向上。
 〇テラヘルツ波は、超高速無線通信、高分解能センシングなどの応用が期待されているが、その発生、検出技術が未熟であるという課題があった。
 〇共鳴トンネルダイオードを用いた世界最高速のテラヘルツ無線通信実験に成功。
 〇次世代無線通信、分光分析、非破壊検査、セキュリティカメラ、高分解能レーダーなどへの応用が期待。
 研究の背景
 近年、携帯電話など、電磁波を用いた情報通信応用が進んでいる。電磁波を特徴づける値として、周波数と波長がある。一般に周波数が高いほど大容量の情報を伝送することが可能なため、次世代の携帯電話の規格である5Gでは、28ギガヘルツ帯や39ギガヘルツ帯の電磁波(ミリ波)の利用が検討されている。
 5Gを超えた超高速無線通信の実現を目指したより高い周波数の電磁波、テラヘルツ波に関する研究が進展している。テラヘルツ波を利用した応用システムの実用化に向けて、小型集積化が可能な電子デバイスによるテラヘルツ波発生器および検出器の開発が期待されているが、テラヘルツ帯は電子デバイスの高周波極限に相当するため、高出力デバイスの開発は困難である。大阪大学とロームの研究グループでは、2011年に世界で初めて共鳴トンネルダイオードと呼ばれる小型の電子デバイスでのテラヘルツ無線通信に成功し、世界に先駆けた研究開発を行ってきた。共鳴トンネルダイオードは基本波でのテラヘルツ発振が可能であり、トランジスタと比較して回路構成が簡単にできるため、低消費電力動作が可能という特徴がある。しかしながら、共鳴トンネルダイオード送信器から出力されるテラヘルツ波の出力が不十分であったため、その通信速度は9ギガビット毎秒に制限されていた。
 研究の内容
 研究グループは、検出器としての共鳴トンネルダイオードに着目した。通常、動作電圧を負性抵抗領域に設定した場合、共鳴トンネルダイオードは発振するが、検出器としての動作は不安定になる。一方、外部から到達し、共鳴トンネルダイオードにて検出されるテラヘルツ波と前述の発振周波数が十分に近い場合、共鳴トンネルダイオードの発振状態は外部からのテラヘルツ波と同期し、その発振出力が検出動作に援用されることを見いだした。このようにして、共鳴トンネルダイオード単体での同期検波をテラヘルツ帯で実現し、本方式と従来の直接検波方式を比較したところ、1万倍の感度の向上が得られた。
 また、350ギガヘルツ動作の共鳴トンネルダイオード送信器からの出力をオンオフ変調方式にて無線伝送したところ、本研究の同期検波方式を利用した共鳴トンネルダイオード受信器にて復調することで高い信号強度が得られ、30ギガビット毎秒の通信に成功した。この通信速度は、電子デバイス送受信器を用いた誤り訂正なしのエラーフリー無線通信として、過去最高の値であり、非圧縮スーパーハイビジョン映像(8K Dual Green型式)の伝送も可能である。
 今後の展開
 本研究をさらに発展させることにより、将来的には、100ギガビット毎秒を超える超高速通信も可能である。動作周波数を2テラヘルツ程度まで向上させることも期待でき、通信応用だけではなく、紙や衣服といった誘電体を透過し、特定の物質で吸収および反射されるテラヘルツ波の特性を生かした分光分析や非破壊検査、ガスや水分量の計測、セキュリティ応用および、ミリ波よりも短い波長を有するというテラヘルツ波の特長を生かした高分解能なレーダー応用なども期待できる。
 ◆用語解説
 〇テラヘルツ波
 およそ100ギガヘルツ(0.1テラヘルツ)から10,000ギガヘルツ(10テラヘルツ)の電波と光の中間領域の周波数を有する電磁波。電波の透過性と光の直進性を併せ持つ。発生、検出技術が未熟なため、未開拓電磁波領域と呼ばれている。
 〇共鳴トンネルダイオード(Resonant Tunnelin Diode:RTD)
 異なる半導体材料からなるヘテロ接合により形成された2つの極薄のエネルギー障壁層と、その間の量子井戸層から構成される電子デバイス。量子井戸の両側の障壁層が十分に薄い構造では、井戸中の電子はトンネル効果により障壁層の外側に抜けることができる。一方の障壁から電子が入射した場合、量子井戸に形成されている量子準位に対応してもう一方の障壁を透過していく確率が入射電子のエネルギーにより共鳴的に増大する。この効果が共鳴トンネル効果であり、これをダイオードとして利用したデバイスで高速動作が可能。利得として働く負性微分抵抗特性を有し、共振回路と組み合わせることで発振動作する。

 今日の天気は晴れ。早朝は雨、だったようだ・・新聞がビニール袋に入っていた。
 駐車場横の”ユズ”に実が付いている。春の花には気が付かなかった。花の咲いている期間は短く、タイミングが合わないと開花を見逃す。花は純白の可愛い小さな五弁花である。(結実期は10月~11月)。
 ”ユズ”は季節とともにあり、俳句での季語は、「柚子の花」が夏、「柚子」が秋、「柚子湯」が冬である。
 今年(2019年)の冬至は、12月22日である。北半球において太陽の位置が1年で最も低くなり、日照時間が最も短くなる日である。
 ユズ(柚子、柚酸)
 学名:Citrus junos
 ミカン科ミカン属(シトラス属)
 常緑小高木、柑橘類の一種(枝に棘がある)
 原産地は中国(長江上流と言われる)
 古くに渡来し、飛鳥・奈良時代に栽培記載がある
 開花時期は5月~6月
 花は白い小さな五弁花を葉の脇につく
 結実期は10月~11月、淡黄色の熟した果実の表面は凸凹で、強い香りがする



世界初、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が進水

2019-12-22 | ニュース
 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」を行っている。本事業の一環として技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)の組合員である川崎重工業(株)が製造中の世界初の液化水素運搬船が進水した(12月11日)。今後、本船にはNEDOの助成事業で開発中の海上輸送用液化水素タンクが搭載され、2020年秋頃に竣工する予定。
 NEDOは、本船を活用し、豪州連邦政府と一部連携するなどして、豪州での褐炭ガス化・水素精製、水素液化・液化水素貯蔵、豪州から日本への液化水素海上輸送、日本での液化水素荷役という一連の国際間の大規模水素サプライチェーンの実証を2020年度に行う予定。
 水素は、地球温暖化対策のカギとなる次世代のエネルギーの一つとして注目されている。使用時に二酸化炭素などの温室効果ガスが発生しない特性を持ち、発電や燃料電池自動車などでの活用が期待される。この水素が、石油や天然ガスと同じように一般的に利用される社会の実現に向けて、2016年に岩谷産業株式会社・シェルジャパン株式会社・電源開発株式会社(以下、Jパワー)と、技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構「HySTRA」を結成し、経済的かつ安定的に大量の水素を調達するためのエネルギーサプライチェーンの構築に向けた技術開発を進めてきた。現在、液化水素運搬船のほか、液化水素の受入基地を兵庫県神戸市に、褐炭ガス化設備を豪州に建設している。
 ◆液化水素運搬船(川崎重工業(株)製造)
 進水した液化水素運搬船は、マイナス253℃に冷却し体積が気体の1/800となった液化水素を、安全かつ大量に長距離海上輸送するために、実証規模としては世界で初めて川崎重工業(株)が開発した。製造中の貨物倉容積約1,250m3の真空断熱二重殻構造の海上輸送用液化水素タンクを搭載し、2020年秋頃に竣工の予定。竣工後、本船は2020年度内に豪州で製造された液化水素を日本へ輸送する。
 主要目
 全長116.0m;長さ109.0m;幅(型)19.0m;深さ(型)10.6m;満載喫水(型)4.5m
 総トン数約8,000t;貨物倉容積約1,250m3
 推進機関ディーゼル発電・電気推進;航海速力約13.0ノット
 定員25名;船級日本海事協会(NK);船籍日本;船主HySTRA

 今日の天気は曇り。風は弱い。
 お庭に”ミカン”の木を見つけた。お家の方のお話では、「このミカンは、鉢植えで買ったもので、大きくなったので庭に植えた。果実が付いた。品種は、多分温州(ウンシュウ)。」との事。果実の数は多くない・・今年は不作なのかな。
 日本で”ミカン(蜜柑)”と言えば、概ね温州蜜柑(うんしゅうみかん)の実を指す。素手で容易に果皮をむいて食べれる。温州蜜柑は柑橘類では比較的寒さに強いが温暖な気候を好み、主に関東以南の暖地で栽培される。中国の温州にちなんで温州蜜柑(うんしゅうみかん)と命名されたが、温州原産ではなく日本の不知火海沿岸が原産と推定される。
 因みに、鏡餅の上にミカンを乗せるのは、本来乗せる「橙(だいだい)」が「代々」を意味する縁起物だから。兵庫県赤穂市には「みかんのへた山古墳」という古墳があり、坂越(さこし)湾の海上から見た古墳の形状から名付けられたのだという。
 ミカン(蜜柑)
 学名:Citrus unshiu
 ミカン科ミカン属
 果樹
 初夏、白色の小さな5弁花をつけ、黄橙色の実を結ぶ
 ”ミカン”の花は愛媛県の県の花に制定される
 日本では最も多く生産されている果物である。主要な産地のほとんどは太平洋や瀬戸内海に面した沿岸域で、和歌山県と愛媛県が生産量首位を争い、静岡県がそれに次ぐ。ブランドとしては和歌山県の有田(ありだ)みかん、静岡県の三ケ日みかん、神奈川県の湯河原みかんなどが有名である。


電気を使った有機酸と水から高効率なアミノ酸合成に成功

2019-12-21 | 科学・技術
 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の福嶋貴学術研究員と山内美穂教授の研究グループは、木質バイオマスを原料に、再生可能エネルギーから調達した電気と水を使って、アミノ酸を75~99%の高効率で合成することに成功した、と発表した。反応効率はこれまでの報告の10倍以上という。アミノ酸の工業生産には大規模な設備が必要だが、再エネの活用で分散型・小規模の生産が可能になり、環境負荷を少なくすることが期待される。本研究成果は、2019年10月31日にイギリスの王立化学会の速報誌である「Chemical Communications」のweb 上で公開された。
 ポイント
 〇電気エネルギーを使い、水とバイオマスから入手可能なα-ケト酸からの高効率アミノ酸合成を達成。
 〇世界で初めて電力を使ってアミノ酸を連続的に合成するフロー型リアクターを構築した。
 〇本プロセスは新しい低環境負荷型のファインケミカル製造法として注目される。
 アミノ酸は生物の重要な構成要素であるだけでなく、飼料添加物、風味増強剤、医薬品などのさまざまな機能性材料に関与する基本的な物質である。現在、発酵法によりアミノ酸が生産されているが、微生物培養に大量のエネルギーが必要であることや分離・精製工程が煩雑であるなどの問題がある。化学的に合成する既存の方法では、有毒な物質が用いられるため、食
品・医薬品用途には、使用が敬遠されている。
 本研究では、電力をエネルギー源、水を水素源として、木質バイオマスから抽出可能なα-ケト酸と呼ばれる有機酸と含窒素化合物を高選択的に反応させることにより、アラニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、フェニルアラニンおよびチロシンの7種類のアミノ酸を高効率で合成することができた。
 アスパラギン酸、ロイシン、フェニルアラニンおよびチロシンの4種類のアミノ酸は、本研究で電気エネルギーを使って初めて合成された。さらに、アミノ酸を連続的に合成するフロー型リアクターの構築にも世界で初めて成功した。これまで、有毒な鉛や水銀、あるいは高価な白金の電極上でアミノ酸合成が行われた例はあったが、合成効率は非常に低いものであった。
 本研究では、電極触媒として、より安全で安価な酸化チタン(TiO2)を用いることで高選択的にアミノ酸を合成することに成功した。この新しい合成法は、経済的で環境に優しい持続可能なアミノ酸の製造を実現できるという点で他のどの方法よりも優れているため、将来の画期的な合成法となる可能性を秘めている。

 天気は晴れ、雲が多い。風は弱い。
 散歩道の街路樹の”クチナシ”に果実が付いている。葉もまだ落ちていない。果実が付く”クチナシ”は一重咲きである。園芸種の八重咲き(雄しべがない)には果実ができない・・最近はこちらが多いのかな。
 花は、梅雨の頃に甘い芳香のある純白の花である。
 果実は、先端に萼片のなごりの角(つの)様なものが6本付き、側面に角につながって角(かど)が出ている。名(クチナシ)の由来は、果実が熟しても割れたりしないので、「口無:果実が熟しても割れない・・口が無い」説、「口梨:果実の先端に残る角(萼片)を鳥の嘴に見立て、果実を梨に見立て、口のある梨」説などがある。熟すと橙色となり、山梔子(さんしし)と呼ばれ、薬用・染料や食品の黄色の着色料に使われる。
 クチナシ(梔子、巵子、支子)
 学名:Gardenia jasminoides
 アカネ科クチナシ属
 常緑低木
 開花時期は6月~7月
 花は径数cmで強い芳香を出す、花色は初め純白、次第に乳白色になる
 果実は10月~11月ごろに赤黄色となる
 ”クチナシ”の果実にはクロシン(Crocin;カロチノイドの一種)が含まれている。
 果実は山梔子(さんしし)と呼ばれ、漢方方剤や食品の着色料(黄色)に使われる。



近畿大学、ウナギの人工ふ化に成功

2019-12-20 | 科学・技術
 近畿大学は、ニホンウナギの人工ふ化と50日間の飼育に成功したと発表した(11月1日)。
 ウナギは養殖に使う稚魚の漁獲量の減少が問題となっている。今後は人工ふ化で生まれた魚を親に育ててから卵を取り出し、さらにふ化させて2代目をつくる完全養殖の研究を進める。早ければ3年で完全養殖技術が確立する見通し。4年後には飲食店で完全養殖ウナギの提供を目指す。
 ウナギの国内消費の99%は漁獲した天然の稚魚「シラスウナギ」をいけすで育てる養殖である。だがシラスウナギの漁獲量が激減し、養殖生産量は1990年をピークに減少傾向が続く。環境省は2013年にニホンウナギを絶滅危惧種に指定し、資源の枯渇が危惧されている。
 ◆ウナギ稚魚(シラスウナギ)採捕量
 水産庁の調べによる
 1963年に232トンを記録
 2017年漁期には15.5トン
 2018年漁期には8.9トンにまで落ち込んだ
 2019年(今期)は3.7トン となるのか
 ウナギの養殖は国立研究開発法人の水産研究・教育機構が完全養殖に成功したが、コスト面から商業化ができていない。近大は2018年に水産研究・教育機構から研究者を招き、2019年3月から養殖研究を本格的に始めた。9月に成熟したウナギから数十万個の卵を採取し、人工授精に成功。ふ化した稚魚のうち約20尾が50日間生き残り、2cmほどに育った。ふ化して成魚に育つまでに約1年、卵を産むまでにさらに約2年かかる。

 晴れ。雲が少し多い。
 電車道沿いの横のお庭、”ローズマリー”に淡青紫色の花が咲いている。花は年に数度咲く、なので何時も咲いている感がある。花は1cm程の大きさで、枝の先端に付く。
 ”ローズマリー”には、半匍匐(ほふく)性・匍匐性種と立ち性種があり、この木は立ち性種。
 シソ科の常緑性低木で、瑞々しい細長い葉が特徴である。葉には芳香がある。消臭効果や抗菌作用などもあるので生葉・乾燥葉とも香辛料などとして用いられ、料理では肉の匂い消しなどに使われる。
 ローズマリー(Rosemary)
 別名:迷迭香(まんねんろう)
    万年朗(まんねんろう):葉っぱが冬も緑色だから
 学名:Rosmarinus officinalis
 シソ科ロスマリヌス属
 常緑性低木
 原産地は地中海沿岸
 ポピュラーな花色は青紫色だが、濃紫・ピンク・白などがある



少量の飲酒でも10年間続けると、がんになるリスクが5%上がる

2019-12-19 | 健康・病気
 東京大などのチームが、「1日ワイン1杯程度の少量のアルコールでも10年間飲酒を続けると、がんになるリスクが5%上がる」との研究結果を米医学誌に発表した。少量の飲酒は循環器病などのリスクを下げるとの報告もあるが、がんに関しては量に応じて危険性が高まるとしている。
 少量のアルコールで、がんのリスクが高まるとの研究は最近、海外でも報告されているが、日本人を大規模に調べた研究は初めて。チームの財津將嘉東大助教(公衆衛生学)は「リスクを自覚してお酒と付き合ってほしい」と話している。
 チームは、2005~16年に全国33の労災病院に入院したがん患者、約6万3千人と、がんではない患者、約6万3千人の飲酒量や飲酒期間を分析した。この結果、飲酒しない人ががんになるリスクが最も低く、飲酒量が多いほどがんになりやすいことが分かった。
 1日ワイン1杯程度の少量のアルコール程度とは
  1日に日本酒1合、ワイン1杯(180ミリリットル)、ビール中瓶1本、ウイスキー1杯(60ミリリットル)
 がんになるリスクが5%とは
  がん全体では5%上がる
  食道がんになるリスクが45%
  喉頭がんは22%
  大腸がんは8%
  胃がんは6%  の上昇

 今日の天気は晴れ。陽が出ているが、とても弱く感じる・・冬の日差し!。
 郊外に出た。休耕田が大豆畑となっている。葉は落ち、複数の実を沢山付けたサヤがポツンと土に立っている。
 私たち日本人にとって、ダイズは5穀(米・麦・粟・キビ・ダイズ)の1つに数えられる大切な食料源とされてきた。味噌・醤油・豆腐など様々な加工食品の原料として利用されている。
 ダイズは丈60~100cmに生長し、互い違いに咲きの尖った卵型の葉っぱが生える。5月~8月にスイトピーに似た白や紫、ピンク色の花が咲く。この花が結実すると、中に2~3個ほどの豆が入ったサヤが実り、乾燥させたものが大豆として流通する。未熟なものは枝豆としてビールのお供に!!。
 ダイズ(大豆)
 別名:枝豆(エダマメ)、大豆(オオマメ)、味噌豆(ミソマメ)
 英名:Soy beans、Soya beans
 学名:Glycine max
 マメ科ダイズ属
 原産地:中国東部からシベリア
   日本では、縄文時代や弥生時代にはすでに栽培されていたとされる
 開花時期:5月~8月
 収穫時期:10月~11月
 ◆大豆(ダイズ)の種類
 国産大豆の品種は多く、その数は生産量が少ないものを含めると500を超えるといわれる。
 よくい出回っている大豆の種類。
 黄大豆
 皮がクリーム色をしている種類で、最も多く栽培されている。一般に大豆というと本種を指し、未熟なものは枝豆として出回るほか、味噌や豆腐、納豆などの原材料となる。
 黒豆(黒大豆)
 おせちの黒豆の材料で、皮が黒くなっている。煮豆に使われるのが一般的である。
 赤豆(赤大豆、紅大豆)
 皮があずきのような赤色をしており、煮豆の材料になる種類である。西日本や東北などの一部で栽培されており、あまり見かけることはない。
 青豆(青大豆)
 皮が緑色の大豆で、きなこや煮豆に使われる。



1年の世相を映す、創作四字熟語

2019-12-18 | 世相
 住友生命保険は、2019年の世相を映した”創作四字熟語”の優秀・入選作品50編(優秀作10編、入選作40編)を発表した(12月17日)。新元号と新たな時代を祝う「国祭令和(国際平和)」や、リチウムイオン電池を開発した吉野彰氏のノーベル化学賞受賞をたたえた「電池創造(天地創造)」などが選ばれた。
 ◆2019年版 優秀作品(10編)
 国際令和;国際平和 新元号「令和」に変わり、国中がお祭りムードに。
 英語延定;英語検定 大学入学共通テストで、英語民間試験の導入延期を決定。
 呆然城失;呆然自失 世界遺産に認定されている首里城が火災で焼失。
 考歳運転;高齢運転 相次ぐ高齢者ドライバーの事故。年齢相応の決断を。
 変幻税率;軽減税率 同じ食料品でも、持ち帰りと店内飲食では税率が変わる。
 深夜閉業;深夜営業 コンビニの24時間営業を見直す機運が広がった。
 右英左英;右往左往 どう転ぶか分からないEU離脱問題に揺れるイギリス。
 電池創造;天地創造 リチウムイオン電池開発で吉野彰氏がノーベル賞受賞。
 一心桜体;一心同体 ラグビーW杯・日本代表ベスト8・ONE TEAM。
 一機一風;一喜一憂 1人1台小型扇風機を持ち歩いていることが多かった。
 ◆創作四字熟語(そうさくよじじゅくご)
 創作四字熟語は、住友生命保険がその年の世相を反映した四字熟語を募集し、発表するイベントである。1990年から実施されている。「創作四字熟語」は同社の登録商標である。
 例年9月下旬~11月上旬にかけて、郵便や同社Webサイトで応募を受け付ける。近年は毎回10,000作を超える作品が寄せられている。基本的に既存の四字熟語の漢字や読みを活かす形で、その一部の漢字を変えて新たな四字熟語を作るスタイルである(応募時に変更元の四字熟語も記載する)。
 因みに、30回目を迎えた今年は過去最多の1万9383作品の応募があった。

分子動力学(MD)シミュレーション専用計算機「MDGRAPE-4A」の開発に成功

2019-12-16 | 科学・技術
 理化学研究所生命機能科学研究センター計算分子設計研究チームの泰地真弘人チームリーダーらの研究チームは、分子動力学(MD)シミュレーション専用計算機「MDGRAPE-4A」の開発に成功した。本開発は、「情報計算化学生物学会2019年大会」(10月24日)で報告された。本研究成果は、インシリコ創薬の可能性を大きく拡げるものと期待できる。
 〇MDシミュレーション
 MDシミュレーションは、水溶液中で変化し続けるタンパク質構造を解析するために、タンパク質を構成する原子や周囲の水分子に働く力を計算し、コンピュータ内でタンパク質を「動かす」手法である。大きなタンパク質の解析には、汎用スーパーコンピュータ(スパコン)でも膨大な時間がかかるため、分子シミュレーションを高速で行う専用スパコンの開発が待たれていた。
 研究チームは、自ら設計・開発した専用の大規模集積回路(LSI)を512個搭載し、システム全体として約1.3ペタフロップス(1秒間に1,300兆回)の計算能力を持つMDGRAPE-4Aを開発した。MDGRAPE-4Aは、タンパク質と水分子からなる10万原子系のシミュレーションを、1日の計算で最高1.1マイクロ秒(1マイクロ秒は100万分の1秒)進める性能を持つ。これにより、サブミリ秒(~100マイクロ秒)のタイムスケールで起きる水溶液中でのタンパク質と薬剤の分子間相互作用の解析が、現実的な時間で可能となる。
 〇背景
 細胞のさまざまな機能は、タンパク質などの分子が相互作用することにより制御されている。この仕組みを利用した分子標的薬の開発では、がん細胞や病原体が持つ標的タンパク質に結合し、その機能を阻害する化合物を探索することが基本になる。しかし、生体内(溶液中)のタンパク質の構造は柔らかく、ゆらゆらと常に変化している。このような構造変化は、X線結晶解析など通常の構造解析の手法で解析することは困難である。そこで近年、スーパーコンピュータ(スパコン)を用いた分子シミュレーションにより標的タンパク質の構造変化を再現し、それに結合する化合物の候補を膨大な仮想化合物ライブラリーの中からスクリーニングする「インシリコ創薬」が注目されている。
 タンパク質の構造変化のシミュレーションでは、タンパク質を構成する数千個以上の原子間に働く力や、これらの原子とタンパク質を取り囲む数万個の水分子との間に働く力を、時間刻みで計算する。この計算結果から全ての原子の動きを求めることを繰り返すことで、タンパク質全体の動きをあたかも映画のコマを1コマ1コマ進めるようにシミュレーションする。これは分子動力学(MD)計算という手法で、膨大な時間がかかるのが特徴である。
 生体分子の計算では、2フェムト秒(2×10-15秒)程度の動きを1コマとして計算する。生体内でのタンパク質の大規模な構造変化は、マイクロ秒(100万分の1秒)からミリ秒(1000分の1秒)、あるいはそれ以上のタイムスケールで起きると考えられており、例えば1コマ2.5フェムト秒(2.5×10-15秒)で10万原子系の100マイクロ秒間(1×10-4秒)の動きを再現するには、400億(4×1010)コマの計算が必要となる。現行の汎用スパコンでは1コマあたりの計算に最短でも約1ミリ秒(1×10-3秒)秒かかるため、400億コマの計算に必要な時間は最短で4000万秒(4×107秒、約1年3カ月)となる。スパコンの性能が上がっても、1コマあたりの時間をミリ秒以下にすることは汎用計算を行う設計上困難であるため、分子シミュレーションを高速で行う専用スパコンの開発が待たれていた。
 〇研究手法と成果
 研究チームは、MD計算で必要な粒子間の力の計算に特化した加速装置を大型集積回路(LSI)に組み込み、このLSIを512個実装したMDシミュレーション専用スパコン「MDGRAPE-4A」を開発した。MDGRAPE-4Aでは、タンパク質と水分子からなる10万原子系のシミュレーションを、1日の計算で最高1.1マイクロ秒間進める性能を持つ。これにより、100マイクロ秒間の動きに必要な計算時間は91日間となり、汎用スパコンで最短でも1年3カ月かかっていたシミュレーションを約3カ月で完了することができる。
 これまで理研が開発してきた専用計算機では、計算の一部のみを専用化し、残りは通常のコンピュータで計算していた。しかし、専用計算機が高速になるにつれ、この方式では通常のコンピュータの部分で性能が頭打ちになるようになってきた。そこで、MDGRAPE-4Aではこれまでの専用計算回路に加え、汎用計算部分やネットワークなど計算の全てを一つのLSIに統合した大規模な「システムオンチップ(SoC)」とすることで、ボトルネックの解消を図っている。この実現には、多くの新しい技術開発が必要となった。
 主要なものとしては、
(1)遠くの原子間に働く力の計算を加速するための、専用計算機に適した計算アルゴリズムの開発とハードウェア実装。
(2)近くの原子間で働く力を計算する高速の専用回路。
(3)512個のLSIを光ファイバーでつなぐ高速・低遅延のネットワーク。
(4)RISC-V[10]をMD計算向けに変更したプロセッサ。
(5)演算器やデータ管理回路を埋め込んだメモリ。
(6)FPGA(プログラム可能な集積回路)による超高速な3次元FFTの実装。
 こうした個別の工夫に加え、LSIに実装された多くの要素全てを連携させて高速に動作できるよう、ハードウェアとソフトウェアの共設計を進めた。さらに512個のLSIをシステムとして組み上げることにより、システム全体として約1.3ペタフロップス(1秒間に1,300兆回)の計算能力を持ち、高速に計算を行うことができるシステムの動作を達成した。本システムは、RISC-Vをベースとした実用大規模システムとしては世界初である。
 〇今後の期待
 インシリコ創薬の技術は、候補分子の構造式を用いて実施できるという大きな利点を持ち、ほとんど無制限ともいえる数の化学構造式をスクリーニングの対象にできる。MDGRAPE-4Aによる長時間シミュレーションを実行すれば、候補分子とタンパク質とが実際に結合するときの構造変化を探索し、より高精度な予測が実現できる。また本計算手法は、タンパク質の「形」だけではなく、「動き」を制御する分子を開発する上でも有望であり、創薬の可能性を大きく広げるものと期待できる。さらに将来的には、創薬以外の広い分野での産業・アカデミアへの共用に供していきたいと考えている。
 計算機開発の面では、半導体の性能向上を支えてきた「ムーアの法則」が終焉を迎える中、専用計算システムの役割がますます重要になると考えられる。MD計算において、ハードウェアとソフトウェアの両面で「深いレベルの統合」を行った開発を現在進めているのは、米国のD. E. Shaw研究所と理研の本研究チームのみであり、今後もMD計算のさらなる加速に加え、人工知能への応用等、専用回路と汎用回路の結合による大規模システムの開発を推進していく。
 ◆用語説明
 〇分子動力学(MD:Molecular Dynamics)
 原子間に働く力を計算し、運動方程式を繰り返し解くことで、分子の動きを追跡する方法。分子動力学法の基礎の開発について、2013年のノーベル化学賞が授与されている。
 〇MDGRAPE-4A
 1990年より開発が進められている天文学分野での重力(GRAvity)多体問題の計算に特化した専用計算機GRAPE(GRAvity PipE、重力パイプライン)の、分子動力学(Molecular Dynamics: MD)バージョン。MDGRAPE-4Aはその5作目に当たる。なお、MDGRAPE-3は高性能計算科学の賞であるゴードンベル賞を受賞している(2006年)。
 〇インシリコ創薬
 細胞生物学的、生化学的な手法を主とする創薬候補物質の探索に対して、コンピュータ(シリコンチップ)の中で行う創薬をインシリコ(in silico)創薬と呼ぶ。
 〇汎用スーパーコンピュータ
 さまざまな用途で高速計算を行えるコンピュータ。スーパーコンピュータ「京」やその後継機「富岳」は、汎用スーパーコンピュータの例。
 〇大規模集積回路(LSI:Large Scale Integration)
 特定の演算機能を持たせるために、多数の素子を一つにまとめた電子部品を集積回路(Integragted Circuit, IC)といい、素子の集積度が1,000個~10万個程度のものを大規模集積回路(LSI)と呼ぶ。
 〇原子系
 物質を、力学法則に従う粒子(原子)の集合として捉えた系。水溶液中の一般的なタンパク質は、タンパク質を構成する数千個の原子と、周囲の数万個の水分子からなる10万原子系と見なすことができる。
 〇分子標的薬
 特定の疾患に関与する分子だけに作用する薬剤。例えばがん治療においては、増殖中の細胞が一般的に持つ性質を利用する従来の抗がん剤に対して、がん細胞の増殖に特に関与する分子を標的とする薬剤を開発することにより、副作用の軽減が期待される。
 〇X線結晶解析
 構造生物学の手法の一つ。タンパク質の結晶を作製し、その結晶にX線を照射して得られる回折データを解析することにより、タンパク質の内部の原子の立体的な配置を調べる方法。この方法によって、タンパク質の形(立体構造)や内部構造を知ることができる。
 〇システムオンチップ(SoC)
 演算処理を担うCPUのみを集積した回路に対し、メモリや信号処理を含めたシステム全体を一つのチップに載せたもの。
 〇RISC-V
 カリフォルニア大学バークレイ校を中心に開発されているコンピュータの命令セットアーキテクチャ(Instruction Set Architecture: ISA)の一つ。RISC-Vは完全にオープンであり、RISC-VのISA使うためのライセンス料は不要。
 〇FPGA(プログラム可能な集積回路)
 製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路。FPGAはField-Programmable Gate Arrayの略。
 〇3次元FFT
 計算機上で離散フーリエ変換を高速に計算するアルゴリズム。信号処理などで頻繁に用いられている。例えば2次元FFTは、よく使われている「JPEG」フォーマットでの画像データ圧縮の基礎である。FFTは、Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換)の略。
 〇ムーアの法則
 世界最大の半導体メーカーIntel社の創設者の一人であるGordon Moore博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する」という法則。
 〇D. E. Shaw研究所
 計算機科学研究者でありヘッジファンド創設者のD. E. Shawが創設した米国の私設研究所。分子シミュレーション専用計算機の開発に際して、集積化したチップの搭載を世界に先駆けて実現した。

 天気は朝から晴れ。
 塀の上に飛び出した”シロヤマブキ”の黒い実を見つけた。”シロヤマブキ”は白花の”ヤマブキ”ではない。”シロヤマブキ”はバラ科シロヤマブキ属であり、”ヤマブキ(山吹)”はバラ科ヤマブキ属である。 ”ヤマブキ”の花色は黄色(山吹色)で5弁花。”シロヤマブキ”は4弁花。葉の付き方は、”シロヤマブキ”は対生、”ヤマブキ”は互生である。
 ”シロヤマブキ(白山吹)”の名は、花の様子が”ヤマブキ(山吹)”似の白花から付けられた。因みに、実がなるのは”ヤマブキ”も”シロヤマブキ”も花が一重(ひとえ)だけ。
 シロヤマブキ(白山吹)
 学名:Rhodotypos scandens
 バラ科シロヤマブキ属
 落葉低木
 開花時期は4月~5月
 花は花弁4枚(径3cm~5cm)で白色
 果実は痩果で、1花に光沢がある黒色の実が4個付く
 4個の実は熟すと黒色となる


真核細胞で利用できる新しいゲノム編集ツールCRISPR-Cas3を開発

2019-12-15 | 医学
 大阪大学医学部附属動物実験施設/東京大学医科学研究所の真下知士教授、大阪大学微生物病研究所の竹田潤二招へい教授、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の堀田秋津講師らの研究チームは、新たに大腸菌由来TypeI-ECRISPRシステム(CRISPR-Cas3:クリスパー・キャス3)を開発した。ヒト細胞でゲノム編集ツールとして利用できる(12月6日発表)。本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」(オンライン)に12月6日掲載。
 研究成果のポイント
 〇真核細胞で利用できる新しいゲノム編集ツールCRISPR-Cas3を開発し、実際にヒトiPS細胞の遺伝子修復に利用できることを確認。
 〇CRISPR-Cas3は、世界中で利用されているCRISPR-Cas9とは異なり大きくゲノムを削る特徴を持ち、さらに認識標的配列が長いためオフターゲットへの影響も極めて低いことを明らかにした。
 〇従来よりも安全性の高い新しい日本発ゲノム編集基盤ツールとして、新たな創薬や遺伝子治療などへの利用、農水産物への利用など、さまざまな分野への応用が期待される。
 研究の背景
 ゲノム情報を操作することができるゲノム編集技術は、遺伝子の機能を理解するだけでなく、農水産業における品種改良や、遺伝子治療、再生医療での新規治療法開発など、幅広い分野における活用が期待されている。代表的なゲノム編集ツールであるCRISPR-Cas9は簡単で効率的にゲノムを操作することができるため、世界中でさまざまな生物や細胞に用いられている。ゲノム編集技術はさまざまな分野に応用されている一方で、標的配列以外のゲノム領域を誤って編集してしまうオフターゲット変異のリスクや、狙うことのできる標的配列の制限といった技術的問題がある。加えて、アメリカ主導で開発されたことによる知的財産の課題があり、日本における医療応用や産業用への利用が制限される懸念がある。こうした状況から、従来のゲノム編集技術とは異なる特徴を持った新しいゲノム編集ツール、特に国産の新規ゲノム編集ツールの開発が強く求められていた。
 本研究の成果
 本来、CRISPR-Casシステムは細菌、古細菌に存在する獲得性免疫システムと考えられており、細菌に感染するウイルス等のゲノムを切断することで、自らを守っている。CRISPR-Casシステムは、複数タンパク質の複合体でDNAを切断するClass1と、一つのタンパク質で切断するClass2に分かれているが、これまで開発されてきたCRISPR-Cas9やCpf1、Cas13などはClass2に分類される。一方、Class1の真核細胞でのゲノム編集技術はこれまで報告されていなかった。そこで本研究チームは、Class1に属するType I CRISPRに着目し、ヒト細胞でゲノム編集に利用できないか検討した結果、大腸菌由来のType I-E CRISPR-Cas3がヒト細胞内で変異を導入できることを見出した。
 CRISPR-Cas3によって導入される切断パターンをキャプチャーシーケンスで解析したところ、標的配列の上流側に数百から数万塩基にわたって広範囲に配列が失われる欠失変異が導入されていることがわかった。この性質はCas9の標的部位に短い変異を導入する性質と大きく異なる。Type I-E CRISPR-Cas3は、27塩基を標的として認識するcrRNAと5つの因子から成るCascade複合体がゲノム上の標的配列を認識して、その後Cas3がDNA切断を誘導する。このCas3はヘリカーゼドメインを持つことから、二本鎖DNA構造をほどきながら標的配列の上流側で広範囲にわたってDNA切断を起こしたと考えられる。CRISPR-Cas3のオフターゲットへの影響について、全ゲノムシーケンス解析、また100カ所以上の類似領域のシーケンスを調べたところ、Cas9ではわずかにオフターゲット変異が確認された一方、Cas3ではオフターゲット変異は確認されなかった。すなわち、CRISPR-Cas3はオフターゲットへの影響がCas9と比較して少なく正確性が高いことが示唆された。
 さらに、CRISPR-Cas3の遺伝子疾患に対する治療応用として、デュシャンヌ型筋ジストロフィー患者由来iPS細胞に利用した結果、エクソンスキッピングによりDMDタンパク質の発現が改善することを確認できた。
 本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)
 CRISPR-Cas3はゲノムを大きく削ることから遺伝子や外来ウイルスなどを完全に破壊する、もしくは大規模領域をノックインすることに適していると考えられる。また標的を認識する配列が、Cas9が20塩基に対してCas3は27塩基と多く、オフターゲットへの影響の少ない安全なゲノム編集基盤ツールと考えられる。このようにCas9とは全く違った特徴を持つ日本発のゲノム編集ツールを今後さらに改良することで、医療や食品産業など多くの分野で応用できることが期待される。
 ◆用語説明
 〇デュシャンヌ型筋ジストロフィー
 筋ジストロフィーとは骨格筋の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患の総称であり、デュシャンヌ型筋ジストロフィーは、ジストロフィンと呼ばれるタンパク質が全くもしくはほとんどないために起こる。ジストロフィンは筋細胞が壊れにくくする役割を持つタンパク質で、ジストロフィンが少ないと筋細胞が壊れ、炎症、線維化が起こり、筋力の低下による運動障害、呼吸筋障害、心筋障害などが引き起こされる。ほとんどの患者さんは20歳前後で死亡する。ジストロフィン遺伝子はX染色体に存在し、220万塩基の巨大遺伝子で、79のエクソンを持つ。
 〇ヘリカーゼ
 DNAなどの核酸をほどく酵素の総称。DNAに結合して、ATP、GTPなどを加水分解して得られるエネルギーを利用して、決まった方向へ核酸をほどいていく。
 〇エクソンスキッピング
 遺伝子の中でタンパク質合成の情報を担う部分をエクソンと呼び、直接タンパク質をコードしていない領域をイントロンと呼ぶ。例えばデュシャンヌ型筋ジストロフィーの患者では、いくつかのエクソンがなくなっていたり、重複していたり、塩基が変異していたりしており、正常なジストロフィンタンパクが作れなくなっている。異常のあるエクソンを読み飛ばしてやる(スキップする)ことで、機能的なジストロフィンタンパクを作らせることで治療する方法。
 〇ノックイン
 狙ったDNA配列の場所に、特定の配列を導入したり置き換える技術。外来遺伝子の導入や、標的遺伝子の標識化、病気に関連した配列への変換など、様々な目的に利用されており、新しい疾患モデルの作成や遺伝子治療に向けて必要不可欠な技術である。
 ◆CRISPR-Cas9
 CRISPR-Cas9(clustered regularly interspaced short palindromic repeats / CRISPR associated proteins)とは、DNA二本鎖を切断(Double Strand Breaks=DSBs)してゲノム配列の任意の場所を削除・置換・挿入することができる新しい遺伝子改変技術である。第3世代のゲノム編集ツールとして2013年に報告されたCRISPR-Cas技術は、カスタム化(標的遺伝子の変更や複数遺伝子のターゲット)が容易であり、マウスといった哺乳類細胞ばかりではなく、細菌・寄生生物などの膨大な種類の細胞や生物種において、そのゲノム編集または修正に利用されている。

 今日の天気は曇り。お日様が見えない冬の曇りの日は、寒さもあり、チョット憂鬱。
 冬になると咲き始める花がある。冬でも咲く花は貴重で、”イソギク”もその一つだ。”イソギク”は伊豆半島や房総半島等の海岸に自生する多年草で、私達が目にするのは、園芸種(野生種がそのまま園芸店などに流通)。名(イソギク)の由来は、海岸に咲く菊から名づけられた。
 葉や花が独特。葉は肉質で、葉裏の細かい毛で覆われて銀白色となっているのが葉表まで広がり、葉表の白い縁取りとなっている。花は沢山の小さな筒状花だけが集まって数mm程の大きさとなり、この集合体がさらに集まって散房状の頭花となっている。舌状花はない(まれに白色の舌状花がある、と言う)。
 寒い早朝、駐車場の横のお庭で、咲き始めた”イソギク”を見つけた・・雪・氷の季節を実感する。
 イソギク(磯菊)
 別名:岩菊(いわぎく)
 学名:Chrysanthemum pacificum
 キク科キク属イソギク種
 半常緑多年草
 地下茎で増える、茎は木化して越冬する
 原産地は日本(固有種)
 開花時期は10月~12月
 花は鮮やかな黄色
 キク属では珍しい筒状花だけの花
 特徴:水をあまり要求しない、生長がゆっくりしている



日本学士院新会員にノーベル賞の梶田隆章さんら7人が選ばれる

2019-12-14 | 学問
 日本学士院(井村裕夫院長)は、梶田隆章さんら7人を新会員に選んだ(12月12日)。業績が大きい科学者から選ばれ、特別職の国家公務員(非常勤)で任期は終身。会員数は新会員を含め第1部(人文科学)が63人、第2部(自然科学)は71人で、会員は計134人となった。
 新会員(敬称略)
 井上正仁(いのうえ・まさひと)東京大名誉教授。70歳。
 刑事手続きでの違法収集証拠の排除や捜査の強制、任意処分を分析。立法や判例にも影響を与えた。
 北川進(きたがわ・すすむ)京都大特別教授。68歳。
 ナノメートルの精度で、規則的な空間構造や形状、機能をもつ多孔性物質を自在に設計、合成できる錯体化学の分野を開いた。
 梶田隆章(かじた・たかあき)東京大教授。60歳
 宇宙から飛来する素粒子ニュートリノを観測し、ニュートリノ振動を発見。ニュートリノに質量があることを証明した。ノーベル物理学賞を受賞した。
 榊裕之(さかき・ひろゆき)豊田工業大常務理事。75歳。
 半導体の超薄膜で電子の量子効果を研究。ナノエレクトロニクスの発展に先駆的に貢献した。
 笹月健彦(ささづき・たけひこ)九州大特別主幹教授。79歳。
 HLAという分子が免疫応答を制御することを証明。アレルギーなどの感受性の基盤を示した。
 垣添忠生(かきぞえ・ただお)日本対がん協会会長。78歳。
 膀胱(ぼうこう)がんで膀胱全摘除後も尿道から自然排尿が可能な術式を開発。世界初の女性の手術に成功した。
 藤吉好則(ふじよし・よしのり)東京医科歯科大特別栄誉教授。71歳
 クライオ電子顕微鏡(細胞などの試料を壊すことなく観察できる)の開発を通して、膜たんぱく質などの立体構造解析に成功。
 ◆日本学士院
 日本学士院は、文部科学省の特別の機関である。会員は、学術上の功績が顕著な科学者から選ばれる特別職の国家公務員。
 法第1条でその目的を、「学術上功績顕著な科学者を優遇するための機関とし、学術の発達に寄与するため必要な事業を行う」と定めている。
 毎月定例の研究会を開催し、そこで研究発表が行われ、また研究成果は「日本学士院紀要」として公刊される。また、恩賜賞や日本学士院賞、エジンバラ公賞、日本学士院学術奨励賞の授賞も行っている。
 学士院会員は終身で、定員は150名である。年250万円の年金が支給される。死亡により欠員が生じた分科ごとに各部分科会員の投票により毎年12月に新会員が選定される(常に全欠員が補充されるわけではない)。
 1879年(明治12年)に東京学士会院として発足。その後、帝国学士院に改組され、太平洋戦争後に日本学士院となる。

2019年今年の漢字は「令」

2019-12-13 | 世相
 「今年の漢字」は、漢字一字で表すその年の世相。
 日本漢字能力検定協会が毎年年末に、全国からその年の世相を表す漢字一字を募集し、最も応募数の多かった漢字を「今年の漢字」としている。「漢字の日:12月12日(いい字一字、の語呂合わせ)」に決まり、京都市東山区の清水寺で森清範(せいはん)貫主が揮毫(きごう)した。始まったのは、阪神大震災が起きた1995年。
 2019年「今年の漢字」に選ばれたのは「令」。
 ◆獲得(応募数:216,325票)
 1位 令:30,427票
 2位 新:14,850票
 3位 和:10,281票
 4位 変: 7,749票
 5位 災: 7,302票
 ◆台湾の「今年の漢字」
 正式名称は「台湾年度代表字大選」。
 2008年に台湾の有力紙「聯合報」が日本の「今年の漢字」にちなんでスタートさせた。有名人や専門家が候補となる漢字を提案し、その後、一般の人が投票して漢字を決める。
 2019年には「亂」(乱=ルアン)が選ばれた。「乱」が1万票以上を集め、2位に4000票の差をつけたと言う。投票総数は最多の8万票が集まった。
 「亂」(乱)の提案者は、著名な映画監督の李安(リー・アン)氏と、台湾清華大学の名誉教授の李家同(リー・ジアトン)氏。李家同名誉教授が、台湾鉄道で起きた脱線事故、年金改革、教育改革などが「乱」を提案した理由だと説明し、李安監督も台湾社会では緊張感が漂っていると指摘した。
 2019年の2位は「?」(嘘)、そのあとに「憂」、「跨(またぐ)」、「驚」、「慮(思いを巡らす)」が続く。ネガティブな漢字が続き、台湾社会の混沌とした状況が浮かび上がります。

 今日の天気は曇り。気温の変化も少なく、最高気温9℃・最低気温3℃。
 塀が、緑・白・赤の”ハツユキカズラ”で色付けられている。元気な葉色が嬉しいし、色々な葉色が綺麗だ。
 色々な葉色の”ハツユキカズラ”は、「テイカカズラの斑入り品種で、新葉が白や桃色になる五色葉である。庭園用のツル性植物として、最近は鉢物やガーデニング用に使われる。」とある。新芽では淡赤・ピンク色で次第に白色が濃くなり、そして白色と緑色の斑点が混在し、緑色となり紅葉する。
 名(ハツユキカズラ)の由来は、葉の白い斑から「ハツユキ(初雪)」、カズラは蔓(つる)性植物のことからである。
 ハツユキカズラ(初雪葛)
 別名:フイリテイカカズラ(斑り定家葛)
 学名:Trachelospermum asiaticum
 キョウチクトウ科テイカカズラ属
 常緑(耐寒性)蔓性低木
 原産地は日本、朝鮮半島
 開花時期は5月~9月、花が咲くのは稀、5裂花で花色は白・黄


実用数学技能検定1級に兵庫県西宮市の小学4年が合格、最年少記録を更新

2019-12-12 | 学問
 公益財団法人「日本数学検定協会」は、今年10月に実施した実用数学技能検定で、兵庫県西宮市の小学4年、安藤匠吾君(受検当時9歳)が理数系大学の卒業レベルとされる1級に合格したと発表した(12月10日)。昨年(2018年)、小5の11歳で合格した高橋洋翔君の最年少記録を塗り替えた。
 協会によると、安藤君は7歳ごろから数学検定への合格を目標に学習を始めた。2017年10月に小学校2年生(7歳)で中学校1年生程度の「数学検定5級」に合格後、2018年4月には小学校3年生(8歳)で中学校3年生程度の「3級」に、同年10月には高校3年生程度の「準1級」に合格し、2019年4月に1級1次に、今回の10月の検定で2次に合格したことで1級最年少合格の快挙を成し遂げた。
 「学んだ数学の知識を生かして、地球温暖化を止める研究など世の中の役に立てるように貢献したい」とコメントしている。
 1級は記述式で、多変数関数や計量線形空間など幅広い分野から出題される。今回の合格率は14.4%だった。
 実用数学技能検定
 1級
 実施年 受験者数 合格者数 合格率
 2018年  1,216   69    5.7%
 2017年  1,134   74    6.5%
 2016年  1,126   103    9.1%
 2015年  968   63    6.5%
 1級の検定
 1次 計算技能検定(7問):60分
 2次 数理技能検定(2題必須、5題から2題選択):120分
 1~5級の合格基準
 1次:全問題の70%程度
 2次:全問題の60%程度

 天気は晴れ~曇り。雲が多い、時々小雨がパラつく・・天気雨:「狐の嫁入り」かな。
 畑に行ったら、霜が幾度も降りたので、萎れた草木が多い。でも、とても元気で、緑緑の草株がある。
 ”ヒガンバナ(彼岸花)”の葉が大きく育っている。”ヒガンバナ(彼岸花)”は、花が咲く頃は葉がなく、葉があるときは花がなく、花と葉が一緒の時期がない。だから、”ヒガンバナ(彼岸花)”は葉見ず花見ず(はみずはなみず)とも呼ばれる。韓国では「花は葉を思い、葉は花を思う」・・相思華(さんちょ)と呼ぶとか。
 ヒガンバナ(彼岸花)
 別名:曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
  異名多く、死人花(しびとばな)・地獄花(じごくばな)・捨子花(すてごばな)などと不吉さを表すものもある
 ヒガンバナ科ヒガンバナ属
 多年草(球根性植物)
 日本の固有種でなく、中国から伝来した史前帰化植物と考えられている
 開花時期は、9月(お彼岸の頃)
 花茎の成長はとても早く、花も数日で終わる
   (写真の花は、10月2日に撮影)