歩けば楽し

楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

「定年離婚」を考えている、妻は真剣

2018-12-30 | 世相
 明治安田生活福祉研究所は「人生100年時代に向けた意識調査」を実施した(10月25日発表)。全国の40歳~64歳の男女にWEBアンケート調査を今年6月に実施、1万2000人の回答を得た。
 調査項目に「定年離婚」がある。
   (その他の項目は、https://www.myilw.co.jp/research/report/pdf/myilw_report_2018_04.pdf で)
 回答者のうち既婚者(2709人)で、自分や配偶者の定年を機に離婚を考えたことがある人の割合は、
 子供がいる
   女性:28.1%
   男性:19.6%
 子供がいない
   女性:13.3%
   男性:11.1%
 定年離婚を考えた理由について尋ねると、
  女性:退職後に毎日一緒に生活するのは耐えられない 45.1%でトップ
     性格・価値観の不一致に耐えられなったから 33.2%
     配偶者からの愛情が感じられない・配偶者への愛情を感じないから 30.2%
  男性:妻からの愛情が感じられない・愛情を感じない 37.6%と最も多い
     定年退職後に毎日、配偶者と家で一緒生活するのは耐えられないから 27.8%
     性格・価 値観の不一致に耐えられなくなったから 27.4%

雪の山茶花

2018-12-28 | 日記
 朝起きたら雪景色。畑も道路も家も、みんな真っ白。
 気温も低く、最高気温4℃とか。こんな日でも、お出かけ・・防寒と雪対策をして。
 公園の入口に”サザンカ”が植えられ、花が咲いている。冬の季節に咲く花は少ないが、”サザンカ”は晩秋から初冬にかけて咲き始め、翌年の1月・2月までと長い間咲いている。同じツバキ科ツバキ属のツバキ(椿)は2月頃より咲き出す。
 ”サザンカ”を「山茶花」と書くが、「山茶花」は椿(つばき)の漢名、なので誤用と言う。”サザンカ”の名は、山茶花(さんさか)→茶山花(ささんか)→さざんか、からと言うらしい。
 サザンカ(山茶花)
 別名:岩花火(いわはなび)、姫椿(ひめつばき)、藪山茶花(やぶさざんか)
 学名:Camellia sasanqua (sasanqua:サザンカ)
 ツバキ科ツバキ(カメリア)属
 常緑小高木
 原産地は日本
 開花時期は10月~翌2月
 花径は5cm~7cm、花色は白・桃・赤など
 沢山の園芸品種があり、サザンカ系、ハルサザンカ系、カンツバキ系の3大グループがある


私立大入学初年度の授業料90万円、前年度より2.5%増で過去最高

2018-12-27 | 受験・学校
 文部科学省は、私立大の入学初年度の授業料平均額(2017年度)が90万93円(前年度比2.5%増)で、過去最高だったと発表した(12月26日)。2012年度から6年連続の上昇である。入学金は25万2030円(0.6%減)、施設設備費は18万1294円(2.3%減)、実験実習料などを含めて入学初年度に支払う合計額は145万5729円(0.8%増)だった。
 発表で、
  文系学部:78万1003円
  理系学部:110万1854円
  医学部や歯学部:284万7940円
 授業料以外に、入学料や施設整備費などを加えた初年度納付金は145万5729円(前年比0.8%増)。
 2018年度の私立幼稚園や私立小中高校の初年度納付金平均額も公表した。
  幼稚園:37万8569円(2.0%増)
  小学校:81万8643円(0.7%増)
  中学校:78万9677円(0.3%増)
  高校(全日制):73万986円(0.4%増) いずれも増額

室温で光を照射して粘弾性を可逆的に制御できる易加工性のポリマー材料を開発

2018-12-26 | 科学・技術
 産業技術総合研究所機能化学研究部門バイオベース材料化学グループ伊藤祥太郎研究員とスマート材料グループ秋山陽久主任研究員は、室温下、光を照射するだけで、粘弾性を可逆的に制御できる易加工性のポリマー材料を開発した(11月27日発表)。
 開発した材料は、光応答性部位を持つポリマーで、通常のプラスチックと同様に、加熱成形によりフィルム状などの任意の形態に加工できる。また、紫外光を数分間照射すると柔らかくなり、可視光(緑色光)を数分間照射すると硬くなるという性質を持ち、この軟化と固化のサイクルを繰り返すことができる。材料全体または表面が柔らかい状態では、材料の粘着性(接着性)や摩擦力、材料の衝撃吸収性がより高く、これらの特性を光照射により可逆的に変化させることで、光機能性材料としての応用が期待される。
 開発では、光応答性を示し、加熱成形加工できるポリマーを作製するため、光応答部位を持つポリマーと汎用(はんよう)ポリマーのブロック共重合体化を行った。作製したポリマー材料は常温で固体であるが、120度以上の加熱により成形でき、支持材が不要な自立性のフィルム(膜厚10μm~)に加工することができた。このフィルムに、紫外光(波長365nm)と可視光(波長520nm)をそれぞれ数分間照射すると、光応答部位の構造変化に伴って、加熱せずとも可逆的に液化(軟化)-固化を繰り返すことができた。
 このフィルムの軟化過程では、硬さの目安である貯蔵弾性率が最大で100分の1に低下する。このとき、ポリマー表面は、光照射とほぼ同時に軟化し始め、1分以内に弾性率が大きく低下した。この粘弾性特性を利用すれば、接着力を可逆的に制御でき、繰り返し着脱できるスマート接着剤テープの実現が期待できる。
 ◆粘弾性
 粘性と弾性の両方を合わせた性質。一般に、粘性は液体の性質、弾性は固体の性質を表す。特にプラスチックやゴムなどの材料は、粘性と弾性の両方の性質を併せ持つことが多い。
 ◆ポリマー
 高分子ともいう。大きな質量をもつ有機化合物で、小さな繰り返し単位(モノマー)が多数つながった構造を持つ。
 ◆スマート接着剤
 熱や光、圧力など、外部からの刺激により、材料の持つ何らかの機能を制御することができる材料をスマート材料と呼ぶ。ここでは、通常は変化させることが難しい接着力を、光で可逆的に制御できる接着剤をスマート接着剤と呼んでいる。
 ◆歩留まり
 主に製造業において、生産した製品中の合格品の割合。生産性や効率性の目安となる。
 ◆リワーク性
 接着剤では、貼り付けたり、剥がしたりを繰り返しできる性質。これを利用して、製品中の部品の位置修正や交換が可能。
 ◆軟化点
 固体の物質が温度の上昇によって軟化し始めるときの温度。高分子は明確な融点を持たないことが多いため、軟化点が加工の際の目安となる。
 ◆汎用(はんよう)ポリマー
 価格が安く、工業的に広く用いられているポリマー。ここでは、粘着剤に用いられているポリマーの一種を利用した。
 ◆ブロック共重合体
 異なる2種類以上のポリマーが、1分子内で結合した構造のポリマーの総称。
 ◆貯蔵弾性率、損失弾性率
 動的粘弾性測定から求められる材料の弾性(硬さ)と粘性(柔らかさ)の指標。貯蔵弾性率は弾性成分に相当し、損失弾性率は粘性成分に相当する。貯蔵弾性率>損失弾性率のとき、その物質は固体状であり、貯蔵弾性率<損失弾性率の場合、その物質は液体状である。

 今日の天気は晴れ~曇り。風は弱く、最高気温が10℃ほど。この時期にしては”あたたかい”。でも、今週末からとても寒くなる予報・・。
 この季節には、いつも緑の木々が欲しい。散歩で、出会うのは”マサキ”の街路樹(垣根)だ。
 ”マサキ”に実(朔果:さくか、乾性の子房の発達した果実、熟すと割れて種を撒く)が付いている。花は6・7月頃咲くが小さくて淡緑白色なので目立たない。果実は秋に熟し、裂開して橙赤色の仮種皮におおわれた種子が見える。これがとても可愛い。
 マサキは常緑なので、”マサオキ(真青木)”から”マサキ”となったと言う。刈込みに強く、密生し、大気汚染や潮風にも比較的強いので生垣・庭木などに使われる。
 マサキ(柾、正木)
 ニシキギ科ニシキギ属
 耐寒性の常緑低木
 原産地は極東アジアの日本・朝鮮・中国
 開花時期は6月~7月
 花は径7mm程の4弁花、花色は淡緑白色
 果実は朔果で、径5~8mm程の球形
 熟すると果実は3~4つに割れ、赤橙色の仮種皮に包まれた種子が見える


アルツハイマー病の兆候を血液や鼻の粘膜から診断する

2018-12-25 | 医学
 アルツハイマー病の兆候を血液や鼻の粘膜から診断する手法が相次いで開発されている。
 京都府立医科大学の徳田隆彦教授と建部陽嗣助教らは、「リン酸化タウ」とくっついて光る物質を目印にする測定法を開発した。光の強さで量がわかり、0.1ミリリットルの血液があれば検出可能、と言う。
 アルツハイマー病は発症が近づくと、脳内に「リン酸化タウ」という原因たんぱく質が蓄積する。原因たんぱく質は血液や鼻の粘膜に含まれるが微量で、早期の診断には現在、背中から針を刺して脳脊髄液を採取する必要があり、患者の体への負担が大きい。診断検査で、患者と症状が出ていない人の数十人を調べたところ、約8割の精度で区別できた。検査の費用は1万~2万円で、2時間ほどで結果がわかるという。徳田教授は「3~4年で大規模な臨床試験(治験)を手がけ、精度を確かめたい」と話す。
 鼻の粘膜には、においの刺激と脳に伝える神経細胞が伸びており、これを通じて「リン酸化タウ」が少しずつ漏れ出ている。
 滋賀医科大学の遠山育夫教授らの技術は綿棒で鼻の粘膜をこすり取って検査する。似たたんぱく質の中でタウたんぱく質が占める割合を精密に調べるとともに、BSE(牛海綿状脳症)検査や創薬研究などで使われる酵素免疫測定法(ELISA)を改良した。患者25人と健康な高齢者24人で比べたところ、「リン酸化タウ」は患者に多かった。7割程度の精度で見分けられるという。現在は製薬企業と協力し、さらに感度を高める技術の開発を進めている。2019年には、新技術を使った臨床試験を始める計画。
 ◆アルツハイマー病
 アルツハイマー病は、脳の神経細胞が減少、脳の中で記憶を司る「海馬」を中心に脳全体が萎縮、脳に「老人斑」というシミが広がる、脳の神経細胞に糸くず状の「神経原線維変化」が見つかる、などの変化が現れる。根本的な治療法はないが、早い段階で見つかれば薬や生活習慣の改善で進行を遅らせることができるケースもある。
 原因の一つに、脳の中にアミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまり出すことが知られている。アミロイドβが脳全体に蓄積することで健全な神経細胞を変化・脱落させて、脳の働きを低下させ、脳萎縮を進行させる。蓄積は、発症する20~30年前からである。
 因みに、アルツハイマー病をはじめとする認知症患者の鼻腔内に、アミロイドβ(Aβ)やタウ蛋白、リン酸化タウ蛋白が含まれている事が分かった。
 ◆アルツハイマー病患者数
 WHOの統計によれば、2010年のアルツハイマー病患者は約3560万人で、2030年には約6570万人、2050年には1億1540万人に増える見込みだ。
 日本における、65歳以上の認知症患者数は462万人(2012年)と推定され、2025年には700万人を超えるとみられる。認知症の6割~7割がアルツハイマー病が占めるとされる。

運転免許保有者数は8200万人、うち65歳以上が2割

2018-12-24 | 日記・エッセイ・コラム
 最近、高齢者の自動車事故のニュースが話題となっている。
 日本の人口は、2010年の1億2805万人から2011年以降は減少している。免許取得者数も低下傾向が続くと思われるが、高齢者の保有者は増えるのかな。
 これより、運転免許保有者数を調べてみた。
  2017年、交通事故死傷者数:3,694人 2016年より210人減少
      負傷者数:579,746人  2016年は618,853人
  2017年、日本の総人口  :126,706,000人
 ◆運転免許保有者数
    (警察庁より)
  年度   総数    男    構成比   女    構成比
 昭和44年 24,782,107  20,572,948 83.0   4,209,159 17.0
 昭和54年 41,042,876  29,548,200 72.0  11,494,676 28.0
 平成元年 59,159,342  37,244,077 63.0  21,915,265 37.0
 平成15年 77,467,729  44,786,148 57.8  32,681,581 42.2
 平成25年 81,860,012  45,463,791 55.5  36,396,221 44.5
 平成29年 82,255,195  45,133,771 54.9  37,121,424 45.1
 平成29年末の構成
       総数      男         女     
 65歳以上 18,183,894  11,353,941 25.2   6,829,953 18.4
 70歳以上 10,516,986   7,054,073 15.6   3,462,913  9.3
 75歳以上  5,395,312   3,929,503  8.7   1,465,809  3.9
 80歳以上  2,211,013   1,752,181  3.9    458,832  1.2

レアメタルを9割以上の効率で回収できる技術を開発

2018-12-23 | 科学・技術
 東京工業大学の塚原剛彦准教授らは、レアメタル(希少金属)を9割以上の効率で回収できる技術を開発した。ゲルを温めると中にレアメタルを閉じ込め、冷やすだけで簡単に取り出せる。有機溶媒を使う従来の手法に比べ、コストを下げられると見込む。5年後の実用化を目指す。
 新技術は、温めるとゲル状になる高分子(ポリマー)と、この高分子とレアメタルをつなぐ物質を使う。レアメタルを硫酸などの酸性の液体に溶かした上で、これらの高分子を混ぜてセ氏40度ほどで温めると、数分でゲル状になりレアメタルを吸着し中に閉じ込める。約10度に冷やした中性の水に浸すとゲルが液状に戻り、レアメタルが取り出せる。複数種類のレアメタルを約9割の効率で回収できた。高分子は約10回繰り返し使える。
 ◆レアメタル
 レアメタルは地球にある量が少なかったり、採ることが難しい金属を言う。ベースメタル以外の金属。
 ベースメタル(コモンメタルやメジャーメタルとも呼ばれる)とは、鉄・銅・亜・アルミニウム等や金・銀などの貴金属以外の金属。
 レアメタルは、それ自身あるいは合金として特殊な機能を発揮する金属で、コバルト・チタン・ニオブ・バナジウム・レアアース(希土類元素)などである。
 「レアメタル」は、日本独自の用語であり、海外では「マイナーメタル」と呼ばれる。
 「レアメタル」の用途は大きく分けて3つある。
   構造材への添加
   電子材料・磁性材料
   機能性材料

 今日は、天皇誕生日(12月23日)、85歳になられた。長い間、ありがとうございます。
 天気は曇り、薄い雲だが日は射さない。夕方から雨の予報・・雪ではない!!。
 駐車場の隅の”ナナカマド、葉が全て落ち、赤い実だけが残っている。赤い実だけでも綺麗だな。
 名(ナナカマド)の由来には諸説あり、有力な説は「堅い木で七度竃(かまど)にくべても燃えない」との説。”ナナカマド”の木は極上備長炭となる事が知られており、他の説に「7日ほど炭窯(すみがま)で焼くと良質の硬炭ができる木」からの説もある。
 ナナカマド(七竈)
 別名:山南天(やまなんてん)
 バラ科ナナカマド属
 落葉小高木
 北海道~九州、朝鮮・樺太・南千島に分布
 開花時期は5月~7月
 枝先に複散房花序を出し、白い小さな花が沢山咲く
 花弁は5枚、花色は白
 成実期は9月~11月、球形の果実(径は数mm)


視力1.0未満、高校生の3人に2人と過去最多

2018-12-22 | 受験・学校
 文科省は、2018年度の「学校保健統計調査」を公表した(速報値、12月21日)。
 調査は国交私立の幼稚園・小・中・高校に通う5歳~17歳の子供から抽出した(抽出調査)。抽出は、発育状態:全幼児、児童及び生徒の5.1%(695,600人)、健康状態:全幼児、児童及び生徒の25.3%(3,423,771人)である。
 主な調査結果から
 〇裸眼の視力・むし歯
 裸眼の視力が1.0未満の高校生の割合は、3人に2人の67.09%に上り、過去最悪となった。小学生も過去最悪だった前年度からさらに増加し34.10%。
 虫歯の割合は中高生で最も少なくなる。
 むし歯と裸眼視力
           むし歯  裸眼視力1.0未満の者
 幼稚園 平成20年度 50.25%  28.93%
     平成30年度 35.10%  26.69%
 小学校 平成20年度 63.79   29.87
     平成30年度 45.30   34.10
 中学校 平成20年度 56.00   52.60
     平成30年度 35.41   56.04
 高等学校平成20年度 65.48   57.98
     平成30年度 45.36   67.09
 〇鼻・副鼻腔(びくう)疾患
 鼻・副鼻腔(びくう)疾患の小学生は13.04%、高校生は9.86%となりこれまでで最も多かった。
 耳疾患を持つ小中学生や、アトピー性皮膚炎の中高生もそれぞれ過去最多となる。
 文科省は「はっきりとした要因は不明だが、アレルギー体質の子どもが増えている影響が考えられる」と分析。
 〇身長・体重
 男子
 平成30年(現在)    昭和63年度(親の世代)
 小学校11歳  145.2cm  144.1cm
 中学校14歳  165.3   164.1
 高等学校17歳  170.6  170.3
 女子
 小学校11歳  146.8cm  145.9cm
 中学校14歳  156.6   156.3
 高等学校17歳  157.8  157.8
 男子
 平成30年(現在)    昭和63年度(親の世代)
 小学校11歳  38.4Kg  37.4Kg
 中学校14歳  54.0   53.6
 高等学校17歳  62.4  61.8
 女子
 小学校11歳  39.1Kg  38.5Kg
 中学校14歳  49.9   49.9
 高等学校17歳 52.9   52.7

食塩の過剰摂取に伴う高血圧発症の脳内の仕組みを解明

2018-12-20 | 医学
 自然科学研究機構基礎生物学研究所の野田昌晴教授(総合研究大学院大学教授、東京工業大学教授(併任))らの研究グループは、食塩(塩化ナトリウム)の過剰摂取により体液中のナトリウム(Na+)濃度が上昇すると、脳内のNa+濃度センサーであるNaxがこれを感知し、交感神経を活性化して血圧上昇が起こることを初めて明らかにした。
 高血圧は、日本の成人のうち約4300万人が罹患していると試算される。
 食塩の過剰摂取が高血圧の原因となることは知られており、その仕組みは、体液中のNa+濃度が上昇することによって交感神経系が活性化し、その結果として血圧が上がる、という説が有力となっている。しかし、脳がどのようにしてNa+濃度を感知し、その情報をどのような仕組みで交感神経まで伝えられているのかは不明であった。
 研究グループでは、これまでに細胞外液のNa+濃度上昇に応じて開口するNaチャンネルであるNaxを見いだし、その機能や生理的役割を明らかにしてきた。今回、Nax遺伝子を欠損したマウスは、野生型マウスと異なり、体液中のNa+濃度が上昇しても交感神経の活性化による血圧上昇を起こさないことを発見した。さらに、神経活動の活性化や抑制を光によってコントロールする技術などを用いて、Naxが感知したNa+濃度上昇のシグナルが交感神経の活性化につながる仕組みを分子レベル、および神経回路ネットワークレベルで解明した。
 この成果は、Na+濃度と血圧上昇をつなぐ脳内の仕組みを詳細に明らかにしたものであり、高血圧に対する新しい治療法の開発に役立つものと期待される。
 ◆用語
 〇Nax
 ナトリウムチャンネルの1つ。生理的な細胞外ナトリウム濃度付近のナトリウム濃度の上昇に応答して開口し、細胞内にナトリウムを流入させる機能を持つ。
 〇交感神経
 中枢神経(脳・脊髄)ではなく、末梢組織に張り巡らされている末梢神経系の1つ。脊髄を経由して脳からのシグナルを受け取っている。交感神経が活性化すると、血管の収縮が起こることで血圧が上昇する。
 〇脳脊髄液
 脳内や脊髄にある腔(脳室など)の中を満たす体液。
 〇終板脈管器官(OVLT)
 交感神経や血圧の制御に関与する脳内器官の1つ。脳内で例外的に血液-脳関門(血液中の成分が脳内へ非特異的に侵入するのを防ぐためのバリア構造)を持たず、また、脳室に面した位置にあるため、血液と脳脊髄液の成分を感知するのに適した構造を持つ。
 〇視床下部室傍核(PVN)
 交感神経や血圧の制御に関与する脳内器官の1つ。吻側延髄腹外側野(RVLM)を経由して、あるいは直接、脊髄にシグナルを伝えている。
 〇グリア細胞
 神経系を構成する細胞のうち、神経細胞ではない細胞の総称。長い間、神経細胞の補助的細胞であると考えられてきたが、情報伝達においても重要な役割を持つことが分かってきている。
 〇光遺伝学
 光によって活性化する特殊なたんぱく質を作る遺伝子を細胞に発現させることで、その細胞機能を光によって操作できるようにする技術。神経細胞を活性化させる実験では、青色光によって活性化する陽イオンチャンネルであるチャネルロドプシン(ChR2)などが使用される。神経細胞の活動を抑制する実験では、黄色光によって活性化するクロライド(Cl-)ポンプであるハロロドプシン(eNpHR)などが使用される。
 〇酸感受性イオンチャンネルASIC1
 細胞外の酸性化(pHの低下)に応答して開口する性質を持つ陽イオンチャンネルであるASICファミリーに属するチャンネルの一種。ASIC1aはASICファミリーの中でも特に酸に対して高い感受性を持つ。
 〇本態性高血圧
 高血圧のうち、明らかな原因(腎臓や副腎の疾患、薬剤など)があって発症している高血圧(二次性高血圧)以外のものを指す。高血圧全体の約90%を占めるとされている。明らかな原因が特定できず、遺伝的因子と環境因子(食習慣や飲酒、喫煙、ストレスなど)により複合的に発症していると考えられている。
 ◆成人における血圧値の分類(日本高血圧学会)
 分類        収縮期血圧(mmHg)    拡張期血圧(mmHg)
 至適血圧       < 120   かつ   < 80
 正常血圧       < 130    かつ   < 85
 正常高値血圧     130~139  または    85~89
 I 度高血圧      140~159  または    90~99
 II 度高血圧      160~179  または    100~109
 III 度高血圧      ≧180   または    ≧ 110
 高血圧は、最大血圧が140以上または最小血圧が90以上と定義される。

唾液から虫歯菌を短時間に検出する

2018-12-19 | 科学・技術
 京都大学大学院の保川清教授とKRI(京都市下京区、大阪ガス子会社)は、唾液から虫歯の原因菌を短時間で簡易検出する方法を開発した。保川教授の核酸増殖法(リボ核酸〈RNA〉簡易検出法)を活用し実現した。2018年度中に家庭内でも手軽に検出できるようキット化を目指し、2019年度をめどに歯科関連メーカー向けにも技術供与する。
 RNA簡易検出法の活用で、虫歯の原因菌である”ミュータンス菌”の有無の判断が短時間(30分~1時間)で分かる。従来は高額な装置を使用し、検出に2時間以上かかっていた。同検出法はC型肝炎ウイルスの検査薬などに使われ、KRIは”ミュータンス菌”の検出に応用した。
 検出法では、”ミュータンス菌”のリボソームRNAを特定して検出する。デオキシリボ核酸(DNA)合成、RNA分解を繰り返し、標的RNAを増幅する。この間は一定(約41℃)の温度で反応が進むため、温度調整する装置が不要である。温度調整にも時間がかからないため、短時間で検出する。この増幅したRNAの検出にろ紙上で目視確認する核酸クロマト法を用いて、市販の妊娠検査薬のように気軽に虫歯菌の検出ができる。
 KRIと保川教授は虫歯原因菌以外でも皮膚常在菌、日本酒醸造における酸化や臭みの原因となる火落ち菌の検出などにも応用を広げ、各キットを順次開発する考え。
 ◆ミュータンス菌(Streptococcus mutans)
 う蝕(虫歯)の最大の原因となる口腔に生息する細菌。グラム陽性の通性嫌気性菌(レンサ球菌)。
 ”ミュータンス菌”が持つ3種類のグルコシルトランスフェラーゼ(GTase)は、砂糖の主成分であるスクロース(ショ糖)を分解してグルカン(グルコースの重合体)を形成し、それがプラーク(歯垢)となる。
 ”ミュータンス菌”はスクロースやグルコース、ラクトース、マルトース、アミラーゼによって分解されたデンプンなどの糖を代謝して歯を溶かす酸(乳酸)を作り出す。乳酸を主とした有機酸が産生されると、pH の急激な低下をもたらす・・虫歯の原因となる。
 因みに、生まれたばかりの子どもには”ミュータンス菌”は存在せず、生後20~30ヵ月頃がミュータンス菌に感染しやすい時期、と聞く。

 今日の天気は晴れ。すこし寒いが、ブラリブラリと散策。
 お花屋さんの店頭で、綺麗なお花が飾ってあった。


2018年の世相を反映した「創作四字熟語」の入選作品を発表

2018-12-18 | 世相
 住友生命保険相互会社は、恒例(本年で29回)の今年の世相を反映した「創作四文字熟語」の優秀作品を発表した(12月17日)。今年は過去最多となる1万4209作品の応募があり、歌人の俵万智さんが審査した。優秀作品10編と入選作品40編を公開した。
 優秀作品 10編
 猛夏襲来(もうかしゅうらい);蒙古襲来
  7月から8月にかけて、全国的に例年を上回る暑さとなり、多くの熱中症患者を出した。
 台量発生(たいりょうはっせい);大量発生
  今年は台風が多く発生し、次々と日本列島に襲いかかった。
 地震暗来(じしんあんき);疑心暗鬼
  北海道で大きな地震の後、ブラックアウトという前代未聞の停電がやって来た。
 古里悩税(ふるさとのうぜい);ふるさと納税
  総務大臣がふるさと納税の見直しを表明。高額な返礼品などの規制に自治体は苦悩している。
 豊洲始場(とよすしじょう);豊洲市場
  築地から豊洲へついに移転、新たな日本の台所の歴史が始まった。
 朝米歩会(ちょうべいぼかい);朝令暮改
  史上初の米国・北朝鮮の首脳会議を開催。両国が歩み寄って会談につながった。
 一蹴懸命(いっしゅうけんめい);一生懸命
  サッカーW杯での日本代表選手たちの必死な頑張りに心うたれた。
 金農感謝(きんのうかんしゃ);勤労感謝
  夏の甲子園、金農ナインに感謝の声が続出。
 威圧廃止(いあつはいし);気圧配置
  あっちでもこっちでもパワハラ問題続出。パワハラはいけません!
 顔出奇没(がんしゅつきぼつ);神出鬼没
  ひょっこりはんが大ブレイク。
 ◆創作四字熟語
 「住友生命保険」の世相を反映した創作四字熟語
 入選作品の50編、内10編の優秀作品を発表している
   https://cam.sumitomolife.co.jp/jukugo/

地球温暖化による穀物生産被害は世界全体で年間424億ドルと推定

2018-12-17 | 環境
 農研機構は、国立環境研究所・気象庁気象研究所と共同で、地球温暖化が主要穀物の過去30年間(1981年~2010年)の平均収量に与えた影響を、世界全体について評価した。収量は単位面積あたり生産量である。
 評価は、温暖化により世界平均収量が、トウモロコシ;4.1%、コムギ;1.8%、ダイズ;4.5%、それぞれ低下したと推定された。コメについては、世界平均収量に有意な温暖化の影響があったとは言えなかった。金額換算ではトウモロコシ;223億ドル、コムギ;136億ドル、ダイズ;65億ドルと推計され、近年の温暖化による被害額は合計で年間424億ドルに上ると見積もられた。因みに、トウモロコシの被害額は、その世界第3位の生産国であるブラジルの年生産額の2倍に相当した。
 これから、世界平均収量で見ると、既に温暖化による穀物生産被害が生じており、温暖化への適応策の開発・普及が緊急に必要であることが示唆された。

 今日の天気は、曇り~晴れ。朝は雲が多かったが次第に晴れてきた。気温は、最高気温11℃とかで、風も穏やかなので、温かいと感じる・・一杯着てるけど・・。
 小さな花壇で、”ノースポール”が咲いている。冬の寒さでも咲く花だ。
 名(ノースポール)の由来は、群生していると花が株全体を真っ白に覆うように見え、これが北極(North Pole)を連想させる、からと言う。冬に咲く花は少なく、冬のガーデニングを飾る貴重な存在となっている。
 この名は「サカタのタネ」の商品名だが、一般名として使われていると言う。別名は旧学名などから、クリサンセマム、クリサンセマム・ノースポール、クリサンセマム・パルドーサムなど。
 ノースポール
 (Northpole、Paludosum)
 別名:クリサンセマム・ノースポール、クリサンセマム・パルドーサム
 キク科フランスギク属
 秋まき一年草
 原産地はアフリカ北部・地中海沿岸
 日本には1970年前後に入って来た
 開花時期は、12月~6月
 花は径3~4cmで、マーガレットに似た少し小型、白い花(舌状花)で中心の管状花は黄色


JT喫煙率調査、54年間の国内調査を今年で終了

2018-12-16 | 社会・経済
 日本たばこ産業(JT)は、成年全体や男女ごとの喫煙者の割合を公表する「全国たばこ喫煙者率調査」を、来年以降は実施しないと発表した(12月13日)。昭和40年(1965年)から毎年54年間実施してきたが、個人情報保護の観点から自治体によっては企業による住民基本台帳の閲覧を制限する事例が出ており、将来的に信頼性を担保できないとして終了を決めた。因みに、国の調査(国民健康・栄養調査)は昭和61年(1986年)から約6千人に実施している。
 調査によると、
   1965年:男性喫煙率82.3% 女性15.4%
   2018年:男性喫煙率27.8% 女性喫煙率8.7% 減った

 今日の天気は、晴れ~曇り。雲が多い空、冬の空だ。
 散歩道、小さなお庭がある。お庭には、雪や霜に負けず、”オモト”が赤橙色の実を付けている。
 ”オモト”は日本独特の観葉植物として愛され、江戸中期に爆発的に流行した。葉・実の美しさから縁起のよい植物とされている。長寿草とも呼ばれる。漢字では、常緑の葉から万年青(まんねんせい)と書く。園芸植物として人気が高く、様々な種類(1000種以上とか)が作出された。
 名(オモト)の由来は、根茎が太く大きな株を意味する大本(おおもと)からである。良質のオモトを産した大分県の御許(おもと)山からとの説もある。
 オモトは花・実より葉を楽しむ観葉植物で、草丈から大葉種(30cm~50cm)・中葉種(15cm~30cm)・小葉種(3cm~15cm)に分けている。
 オモト(万年青)
 英名:Lily of China
 学名:Rohdea japonica
 ユリ科オモト属
 原産地は日本・中国
 耐寒性常緑多年草
 開花時期は5月~6月
 花は葉の間から花茎を伸ばし、淡い黄緑色の小さな花が円筒状に密生
 秋(10月~12月)に赤橙色に熟した扇球形の漿果(しょうか)を付ける
 俳諧では秋の季語


2018年の訪日外国人観光客、来週にも3000万人突破か

2018-12-15 | 旅行
 日本政府観光局(JNTO)は、2017年度に日本を訪れた外国人旅行者数が2977万人(前年度比19.9%増)と発表した(4月18日)。2017年暦年では、2869万人(前年比19.3%増)と過去最高を更新した。
 外国人旅行者について、石井啓一国土交通相は記者会見(12月14日)で、2018年に日本を訪れた外国人旅行者が来週にも推計で3千万人を突破するとの見通しを明らかにした。2018年は12月6日時点の推計で2900万人を超えた。昨年(2017年)は2869万人なので、過去最多となる。
 年の前半(2018年1月~6月)は中国など東アジアからの訪日客が好調で1589万9千人(前年比15.6%増)だった。その後は台風21号による関西空港の閉鎖や北海道の地震などが影響し、9月は推計で前年同月比5.3%減の215万9600人と減少した。しかし、10月は前年同月比1.8%増の264万600人と盛り返し、その後も回復基調が続いている。
 石井大臣は、訪日客数が堅調に推移していることの現れで喜ばしいが、3000万人はあくまで通過点だ。「2020年に4000万人」という政府の目標達成に向けて積極的な観光施策に取り組む、と述べた。

 今日の朝は、小雪。昼近くに晴れ。
 畑に行って見たら、霜が降り、小雪も解け、泥濘状態だ。
 雪が降る前に咲いていた、”ブロッコリー”の花は、枯れ落ちていた。
 茎ブロッコリー(品種:スティックセニョール サカタのタネ)は、花茎の長い頂花蕾を収穫し食べる。茹でてサラダ、スープの具や炒め物などに使う。つぼみの野菜なので、採らないと黄色の花が咲いてしまう。
 茎ブロッコリー
 学名:Brassica oleracea var. italica
 アブラナ科アブラナ属
 原産地は地中海沿岸地域
 500円玉程の大きさの頂花蕾を収穫する、伸びる側花蕾も収穫


妊娠中のぜんそく薬で乳児期アレルギーを予防か

2018-12-14 | 健康・病気
 食物アレルギーを持つ人口は、およそ1~2%(乳児は10%)と言われる。その割合は、鶏卵(35%)・牛乳(22.3%)・小麦(12.5%)以上の3つで、7割を占める。
 国立成育医療研究センターは、妊婦に特定のぜんそく治療薬を投与すると、生まれた子の乳児期のアレルギー発症を予防できる可能性があることを、マウスの実験で明らかにした(11月26日発表)。
 アレルギー体質になるかどうかは、生後3ヵ月までに免疫グロブリンE(IgE)と呼ばれる物質をたくさんつくる体質になるかどうかである。”IgE”が花粉・食物・ダニなどと反応し、花粉症や食物アレルギー、ぜんそくを発症する。
 研究チームは、胎児や乳児期にのみ現れる「mIgE陽性B細胞」に注目。
 この細胞の表面にある”IgE”に、花粉や食べ物などの原因物質(アレルゲン)が結びつくと、”IgE”を大量に作り始める。この”IgE”に特殊な薬を結合させると、細胞を自殺させるスイッチが入り、生涯にわたって”IgE”が作られなくなる。妊娠中の母親マウスに薬を注射すると、胎児マウスの体内では、ほとんど”IgE”が増えないことを実験で確かめた。母体からへその緒を通じて赤ちゃんに送られ、mIgE陽性B細胞が死滅した可能性が高いとみている。効果はマウスが生まれた後大人になっても続き、アレルギー体質にはならなかった。悪影響がないことも確認した。
 ”IgE”は今年7月に亡くなった石坂公成博士らが1966年に発見し、アレルギー検査などに広く使われている。今回の研究は石坂博士が着想し、国立成育医療研究センターを中心に進めてきた。今後、アレルギー体質の妊婦らに協力してもらい効果を検証する。同センターの森田英明・アレルギー研究室長は「人での安全性を確認し、数年以内に臨床での実用化につなげたい」と話す。
 ◆乳幼児の抗菌薬の使用は慎重に
 (国立成育医療研究センターなどの研究チームによる、2018年6月)
 調査は2004年~2006年に生まれた赤ちゃんを対象に実施。2歳までに抗菌薬を服用したことがある436人と、そうでない466人について、5歳になった時点で、アレルギー疾患にかかっているかどうかを比較した。
 抗菌薬を服用した子どもは、使わなかった子どもより、気管支ぜんそくにかかった割合が1・7倍高かった。アレルギー性鼻炎は1・7倍、アトピー性皮膚炎は1・4倍高かった。
 アレルギー科の山本貴和子さんは「アレルギー発症の原因として、抗菌薬の影響で腸内の細菌の構成が変化したことが考えられる」と言う。
 抗菌薬は、使いすぎなど不適正な使用法により、薬が効かない耐性菌を出現させる原因になっていることが問題視されている。