漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。
先週から、このブログで学園の進学を考えている人に参考になると思うことをつづっています。
これはオープンキャンパスでもお話しすることです。
漁業の先進国はノルウェーやアイスランドです。
豊かな漁場を持ち、漁業は国を経済的に支える産業です。つまり稼(かせ)ぎ頭(がしら)。
次の表は今年度の水産白書から引用しました。
日本の漁船は平均で4トンです。1年の水揚げは一人当たり27.6トンになります。
ノルウェーの漁船は66トン。一人当たりの水揚げは214.5トンです。
なにがわかるでしょう?
大きな船を使う国は、一人の漁師がたくさんの魚を捕ります。
たくさんの魚を捕れば、収入も増えます。
これは、日本国内を見ても同じことです。
大きな漁船は水揚げが多く、漁師の収入も多くなるのです。
そして、二等航海士、一等航海士、船長、さらには漁労長と役職(やくしょく)に昇進(しょうしん)するとさらに収入は増えます。
だから、学園では大型漁船に乗り、さらに役職に就(つ)くための勉強をします。
でも、大型漁船の漁師なるマイナス面もあります。
1回の出漁が長くなる。【遠洋カツオ一本釣りで1,2ヶ月。遠洋マグロはえ縄で半年から1年】
食べるものは賄い食【船の調理担当が作ったもの】
ケガや病気でも簡単に病院に行けない
船長、機関長などの役職になるために海技士資格が必要
収入が多い分、仕事もしっかりしたものを求められる
などです。
海技士は運転免許と同じで、身体的な適性(てきせい)が必要です。
(学園の入学資格と同じです)
だから、努力だけでは免許が取れない人もいます。
毎週、通院が必要な人もダメ。食事に対するアレルギーも支障(ししょう)が出ます。
家族の都合で、長期航海に行けない人もいます。
学園では、そんな生徒には日帰り、あるいは2日で帰る漁業を紹介します。
船も多くが100トン以下です。
大型漁船に比べれば収入も少なくなります。
学園生は、いろいろな漁業の良いところ、悪いところを知ることができます。
そして、自分の能力に合っているか知ることができます。
仕事は収入だけで決めるモノではありません。
千葉県出身のSくん、マリンスポーツが趣味。
このため、マリンスポーツの楽しめる伊豆は下田のキンメダイ底建(そこだ)てはえ縄(なわ)漁船に就職しました。
物静かで、小柄だけど、スタミナは十分。マラソン大会では惜しくも2位でした。
奈良県からきたTくんは食物アレルギーで食べては行けない食品が多かったことから、遠洋漁業は断念。
伊豆の定置網漁業に就職しました。先日、職員が訪問したときには元気にやっていました。
でも、四月はつらいことが多かったそうですよ。
学園では大型漁船に乗るための勉強をしますが、進路がそこに限定されるわけではありません。
大型漁船に必要な技術があれば、沿岸の小さい漁船には十分対応出来るのです。
静岡県には多くの漁業種類があります。
あなたにぴったりの漁業もきっと見つかります。
8月19、20日は模擬授業(もぎじゅぎょう)も体験できるオープンキャンパスを行います。
学園がどんな学校か、しっかり見てください。
お申し込みをお忘れなく!
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/harunokengakukai.html
加えて、8月の学園見学会平日版も14日から18日まで開催します。
土曜、日曜は来ることができない方は、こちらへご参加ください。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/kengakukai-aug.html
お問い合わせ、お申し込みは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp