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■ 紙と鉄―ふたつのカタチ―佐藤隆之・浅井憲一 二人展 (2020年8月5~11日、札幌)

2020年08月10日 23時07分03秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
※画像撮影は作者の許可を得ています。

(承前)

 浅井憲一さんは1952年大阪生まれ、9歳のときに札幌に転居し、札幌市南区のアトリエで鉄の彫刻をつくり続けています。
 一方、佐藤隆之さんは1971年上川管内音威子府村生まれ。いまは札幌を拠点に創作活動を続けています。
 活動するフィールドのあまり重ならなさそうな二人でしたが、鉄と紙という、剛と柔を代表するような素材のちがいがおもしろい組み合わせです。

 浅井さんはこれまで他の個展(下のリンク先を参照)ですでに発表した作品が多く、いわば作者のベスト盤的な構成になっているともいえそう。
 過去作は、馬やシカ、シーラカンス、裸婦のトルソなどなど。
 東京でインスタレーションを発表した際の虫もいました。

 新作は、会場中央に置かれたソファセットの周囲に配された、細身の女神3体(冒頭画像)。
 しなやかな肢体を、写実的ではなく、線の躍動感で表現しています。

 もっともご本人は、昨年の個展で発表した後、手直しを続けていたフクロウの大作を展示したかったようですが、会場の都合で天井からつるすことができず、ちょっぴり残念そうでした。

 佐藤隆之さんはあっという間に昆虫のカタチに紙を切ってしまう特技の持ち主です。

 今回は

・それぞれの作品を、まるで標本のような木箱におさめ、これまた標本用の細い虫ピンで固定した

・初めて紙(トレーシングペーパー)に色鉛筆などで着色した

・作品の約半数は魚介類

という特徴があり、佐藤さんの発表のなかでも画期、というと大げさかもしれませんが、これまでにない発表となったと思います。

 画像左は「ギラファノコギリクワガタ」。


 ほかに、ヒラメやアマエビ、シャコなども並んでおり、とても紙を切って作ったとは思えない質感です。


2020年8月5日(水)~11日(火)午前10時~午後8時(最終日~5時)
大丸札幌店8階美術画廊(札幌市中央区北5西4)

□AZプロジェクト(浅井さんの公式サイト) http://www5f.biglobe.ne.jp/~az_asai/

□佐藤さんのツイッター @U0OCyXMrH5uOSFN


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