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道内ただひとつの、工芸のみの団体公募展(ちなみに、道展と全道展には工芸部門がある)。
ことしも3年連続で協会賞(最高賞)の該当者がなかったものの、美工展の歴史に新たなページを刻む出来事があった。
新人賞を受けた西山悠平さんが、上川管内音威子府村にあるおといねっぷ美術工芸高校の在校生なのだ。
18歳の受賞者はもちろん美工展では初めてのこと。
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作品は「和籠縁(アイロウエン)」。
4つのまるい足がユニーク。木片を集成させた(=つなぎあわせた)もの。
素材はナラで、非常に重たいため、足の内部は空洞になっているらしいが、それでもかなりの重さとのこと。
今回は一般入選・入賞者34人のうち、10-20代が8人を占めたとのこと。
高校生のほか、道都大の学生・出身者も多い。
羽賀隆事務局長も
「わたしたちにも大きな刺戟になります」
と顔をほころばせていた。
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左は、新会員に推挙された阿部吉伸さん(岩見沢)の木工「Ryu」。
阿部さんは1974年生まれ、道教大を卒業し、組木の作品で知られるが、ことしは一転して大きな壁掛け型の造形。
下半分は、プラスチック板に和紙を貼っている。内部には電球を埋め込み、あかりとしても使える。
右は羽賀隆事務局長の「ねこ科」。
ちょっと見るとふつうのテーブルにも見えるが、脚がネコのような形状をしているのがおもしろい。
木工では、「チェア」が入選した旭川の森勇気さんも若手。
また、函館の笠原幸義さんの木箱「短冊箱」は、木目を生かした箱の逸品。こういう伝統工芸系の丁寧な作品は、なかなか見る機会が少なく、貴重な作例だと思う。
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若手だけではなくベテランもがんばっている。
和紙人形の木村藤さん(札幌)はなんと90歳。だが、作品「躍動」は、しんじられないほどの若さがみなぎっている。
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道都大中島ゼミやギャラリー創での3人展では「藤井エリ」名義で発表している藤井映莉さん(札幌)。
若手の代表的な存在で、今回新会員に推挙された。
ユーモラスな図柄の染色作品が多い藤井さんだが、今回は細かいパターンの型染めを出品している。
いったいどこが型の継ぎ目なのかわからないあたり、藤井さんの引き出しの多さを物語っているようだ。
(この項続く)
2009年4月15日(水)-19日(日)10:00-18:00(最終日-16:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
□美工展サイト http://www.geocities.jp/bikouten/
■第35回
■第34回(画像なし)
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■第30回(画像なし)
■第29回
■第28回(画像なし)
■第8回美工展会員展(2003年)
■第44回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2007年。藤井さんが出品)