(承前)
さて、部門別の出品数をみてみると、ことしは染色が15人、20点とダントツ。
やはり道都大中島ゼミ勢の躍進が大きい。
昨年、染色と同数でトップだった陶芸が11点(以下とくに記さない限り、人数と点数は同数)。
一時トップだった押花をはじめ、織、金工、組紐、人形の5部門がいずれも7点でならんでいる(金工は6人)。
これ以外に、ガラス、組紐、刺繍、漆芸、七宝、籐、皮革、ペーパークラフト、ボビンレース、木彫、木工、和紙絵、その他の種別がある。
新会員は、(1)のエントリで紹介した阿部さん、藤井さんと、染色の五十嵐圭子さん(札幌)、組紐の中村玲子さん(帯広)の計4人。
五十嵐さんと中村さんは奨励賞も受賞している。
新会友推挙は、組紐の清野禎子さん(札幌)、ガラスの山根由美さん(同)、刺繍の長谷川東美子さん(千歳)、和紙絵の三浦秀子さん(札幌)の4人だった。
長谷川さん、三浦さんは佳作賞も受賞。
冒頭画像の右は、前事務局長の高木晶子さん(札幌)の皮革作品。
パワフルさが戻ってきたようで、うれしい限り。
新人賞は、(1)のエントリで書いた西山さんのほか、織の北尾美名子さん(札幌)と野上郁子さん(同)の計3人に贈られた。
上の画像で、左は北尾さんのタペストリー。
たて糸が麻、横糸がシナノキというめずらしい素材を駆使している。
右端は野上さん「影でも楽しむタペストリー」。
糸くずなどで織ったキビソという布を柿渋で染め、やはり柿渋で染めた紙などを組み込んだユニークな作品だ。
その左、会友・丸山百代さん(札幌)「萌える」は、着物の胴裏を裂いて織った作品。微妙な色の移ろいが目を引く。
新会員推挙の五十嵐圭子さん「絆」。
タペストリーではめずらしいレリーフ作品。
160×90センチの大作で、会場でも目立っていた。
長谷川東美子さん「「傾聴」のアッセンブル」。
152にもおよぶパーツをひとつひとつ組み上げ、麻布をはめ込んでいった作品。
精緻にバラの花が表現されている部分と、シンプルな部分の対比が、うまく処理されていると思う。
籐工芸は会員5人が力作を発表している。
みなさん、曲線の扱いがより自由になってきたという印象を受ける。
新顔の参入がここ数年とぎれているのが惜しい。
右は金工のベテラン会員加藤瑞子さん(札幌)の「情愛」。
加藤さんらしい、フクロウをあしらった作品。
左は漆芸部門をひとり守り続ける山崎友典さん(石川県輪島市)「想」。
意匠的には以前と変わらないが、色合いは渋く落ち着いている。
会員が最も多いのは陶芸部門。
今回は7人が出品した。
上の画像、手前の岸広美(千歳)「赤志野扁壺(あかしのへんこ)」。
白土と黒土を積み上げて成形した。表面のオレンジが美しく、陶芸が土と炎のたまものであることをあらためて教えてくれる。
不景気など暗い世の中だが、夜明けをイメージさせてくれる。
山谷智子さん(札幌)「夜半の風-早春-」は、2点組み。こちらも、見ているといろんなイメージがふくらんでくる。
陶は、フォルムが独特の町田睦子さん(同)「緑景」、でこぼこの表面を持つ藤井由記子さん(同)「アンダルシアトーン」など、多彩だった。
また、押花では、釧路の会員雑賀赫子さん「支え合う」が、ふたりの老女の後ろ姿を表現し、余韻を漂わせた。花を使わず、バナナやヒマワリ、トウキビなどの葉を貼り合わせたのは、題材とマッチしていると感じた。
染色は、近藤香代子さん(札幌)や斉藤麗子さん(伊達)、成田優喜子さん(同)など、ことしも藍染めの佳品が多い。
(この項続く)
2009年4月15日(水)-19日(日)10:00-18:00(最終日-16:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
□美工展サイト http://www.geocities.jp/bikouten/
さて、部門別の出品数をみてみると、ことしは染色が15人、20点とダントツ。
やはり道都大中島ゼミ勢の躍進が大きい。
昨年、染色と同数でトップだった陶芸が11点(以下とくに記さない限り、人数と点数は同数)。
一時トップだった押花をはじめ、織、金工、組紐、人形の5部門がいずれも7点でならんでいる(金工は6人)。
これ以外に、ガラス、組紐、刺繍、漆芸、七宝、籐、皮革、ペーパークラフト、ボビンレース、木彫、木工、和紙絵、その他の種別がある。
新会員は、(1)のエントリで紹介した阿部さん、藤井さんと、染色の五十嵐圭子さん(札幌)、組紐の中村玲子さん(帯広)の計4人。
五十嵐さんと中村さんは奨励賞も受賞している。
新会友推挙は、組紐の清野禎子さん(札幌)、ガラスの山根由美さん(同)、刺繍の長谷川東美子さん(千歳)、和紙絵の三浦秀子さん(札幌)の4人だった。
長谷川さん、三浦さんは佳作賞も受賞。
冒頭画像の右は、前事務局長の高木晶子さん(札幌)の皮革作品。
パワフルさが戻ってきたようで、うれしい限り。
新人賞は、(1)のエントリで書いた西山さんのほか、織の北尾美名子さん(札幌)と野上郁子さん(同)の計3人に贈られた。
上の画像で、左は北尾さんのタペストリー。
たて糸が麻、横糸がシナノキというめずらしい素材を駆使している。
右端は野上さん「影でも楽しむタペストリー」。
糸くずなどで織ったキビソという布を柿渋で染め、やはり柿渋で染めた紙などを組み込んだユニークな作品だ。
その左、会友・丸山百代さん(札幌)「萌える」は、着物の胴裏を裂いて織った作品。微妙な色の移ろいが目を引く。
新会員推挙の五十嵐圭子さん「絆」。
タペストリーではめずらしいレリーフ作品。
160×90センチの大作で、会場でも目立っていた。
長谷川東美子さん「「傾聴」のアッセンブル」。
152にもおよぶパーツをひとつひとつ組み上げ、麻布をはめ込んでいった作品。
精緻にバラの花が表現されている部分と、シンプルな部分の対比が、うまく処理されていると思う。
籐工芸は会員5人が力作を発表している。
みなさん、曲線の扱いがより自由になってきたという印象を受ける。
新顔の参入がここ数年とぎれているのが惜しい。
右は金工のベテラン会員加藤瑞子さん(札幌)の「情愛」。
加藤さんらしい、フクロウをあしらった作品。
左は漆芸部門をひとり守り続ける山崎友典さん(石川県輪島市)「想」。
意匠的には以前と変わらないが、色合いは渋く落ち着いている。
会員が最も多いのは陶芸部門。
今回は7人が出品した。
上の画像、手前の岸広美(千歳)「赤志野扁壺(あかしのへんこ)」。
白土と黒土を積み上げて成形した。表面のオレンジが美しく、陶芸が土と炎のたまものであることをあらためて教えてくれる。
不景気など暗い世の中だが、夜明けをイメージさせてくれる。
山谷智子さん(札幌)「夜半の風-早春-」は、2点組み。こちらも、見ているといろんなイメージがふくらんでくる。
陶は、フォルムが独特の町田睦子さん(同)「緑景」、でこぼこの表面を持つ藤井由記子さん(同)「アンダルシアトーン」など、多彩だった。
また、押花では、釧路の会員雑賀赫子さん「支え合う」が、ふたりの老女の後ろ姿を表現し、余韻を漂わせた。花を使わず、バナナやヒマワリ、トウキビなどの葉を貼り合わせたのは、題材とマッチしていると感じた。
染色は、近藤香代子さん(札幌)や斉藤麗子さん(伊達)、成田優喜子さん(同)など、ことしも藍染めの佳品が多い。
(この項続く)
2009年4月15日(水)-19日(日)10:00-18:00(最終日-16:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
□美工展サイト http://www.geocities.jp/bikouten/