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■木村富秋小品展 (4月17日まで)

2007年04月16日 20時59分42秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌在住の全道展会員で、昨年の独立展でみごと最高賞の独立賞を得るなど活躍めざましい木村さんがひっそりと(?)個展をひらいていました。あいかわらず、うまいです。とくに、今回は、中間色の配置の巧みさに、感服しました。微妙な色合いは、とてもデジタルカメラでは再現できそうにありません。
 下の画像の、右側の絵は「遠い灯」(S20)です。中央の灰緑色にしろ、下部のしぶい朱色にしろ、とてもこんな色ではなく、もっと微妙な色だったと思います。

            

 作品の大半は、黒いシルエットのように描かれた人物の周囲に、さまざまな色や線を配したもの。
 人物は、トルソのように腕がないこともあります。
 小品の「鳥唄」では、顔が描かれていますが、大半はただのシルエットとして描かれています。「通りにて」のように、周囲の壁に消え入りそうになっている作品もあります。
 抽象画ではありませんが、周囲の色や線はほとんどノンフィギュラティブです。
「ここまでくれば人物もはずしたら、という人もいるけれど、やっぱり外せないね。自分はずっと人物を描いてきたし、絵のヘソみたいなものだから」
と木村さん。
 ただ、ここ数年全道展に出していた大作が、「どこにもない空間」を描いていたのにくらべると、今回の小品は、もともとは風景画であることがわかる絵が多いです。
 この上の画像の中央の「朝の光」は、例外的に、室内が題材の作品です。この絵のオーカー系の配色も、絶妙としかいいようがありません。

 下のフロアの、突き当たりの壁には、100号の「鳥唄」が展示されて、空間を引き締めていました。
 つぎの画像です。  

 昨年の全道展出品作なのですが、一見して、白の部分が多くなっていることに気がつきました。
 木村さんによると、肩の部分のカーブを描きなおすなど、全面的に手を入れているそうです。
 
 出品作は次のとおり。大きさの表示がないのは、アクリルとペンによる小品。
「窓」「九月」「秋景」「風音」「鳥唄」「デッサン」(2点)
ミニ額「鳥唄」
サムホール「海風」「月光」「顔」
F3「錦秋」「薫風」
F4「三月」「橋」「川の辺り」
F6「海からの光」「秋の光」
F8「早春」「歌」
F12「赤い光」
F15「通りにて」「月光」「朝の光」「鳥の唄」
S20「遠い灯」
F20「ポプラの下」「夏の光」「空」
F30「三月の雲」「岬」
100号「鳥唄」 


07年4月12-17日 10:00-18:00
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階 地図A

06年の「act5」
02年の「act5」(画像なし)
03年の個展


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