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全国的な団体公募展のなかでは、知名度と歴史では日展とならんで指折りの二科展です。道内では、春陽や自由美術、美術文化などがマメに支部展をつづけてきていますが、二科も21世紀に入った年から、大同ギャラリーで毎春、支部展をひらいています。(絵画のみ)
出品者は、園田郁夫、田中睦子、熊谷邦子、柴崎康男、飯田由美子、大築笙子、新井千鶴子、北田弘美、沢田和子、山田美代子、三浦ミツエ、中田登、小林優子の各氏。
園田さんと田中さんが会員です。
今回、中田登さんとお話でき、会場の写真撮影もできました。この展覧会はほとんど毎年見ていますが、画像の紹介ができるのは、これがはじめてです。
中田さんの作品は、冒頭画像の右端です。
「花のライフ」という題のとおり、花が咲き、枯れていく、そのサイクルを表現しています。
小さなキャンバスに描いた花の絵を、いわば「画中画」という感じで画面に展開させていくのが中田さんの作風ですが、これから変化していく兆しを感じさせる1点です。
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左の2点は、小林優子さん。
左側の絵では、ネコを抱いてすわっている女性は真横からの視点でとらえられていますが、テーブルは斜め上からの視点で描かれています。
100年前、セザンヌやキュビスムが複数視点を導入したときにくらべると、ずいぶん自然に感じられるようになったもんだと思います。
右側の「ひととき」は、昨年も同種の作品がありましたが、桜の花開く窓のある喫茶店とおぼしき空間でくつろぐ女性が印象に残ります。
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下のフロア。
(大同ギャラリーはメゾネットになっているのです)
奥が飯田由美子さん。
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右手前は、北田弘美さん「ケニヤII」。
インパラのような動物を描いていて、これまでの、神経質な線が網目のように走って人体を構成する絵柄とはまったく異なります。
もっとも、このインパラ、頭部はキリコ描くところの「ヘクトールとアンドロマケ」みたいだなあ。
左端はベテラン園田さんの「砂漠の詩」。
そのとなりの2点は田中さん「秋」「野ばら」。
写真ではわかりませんが、油絵の具を重ねることのおもしろさというか、醍醐味の味わえる抽象画だと思います。
会員以外の出品作は次のとおり。(順不同)
北田弘美「ダイバー」「ケニヤI」「ケニヤII」
新井千鶴子「しろいはな」「たのしい時間A」「たのしい時間B」
熊谷邦子「森の祝い日」
小林優子「ばら」「ひととき」「時」
三浦ミツエ「想」「窓辺の花」
飯田由美子「ばら」「夏呼ぶ鳥I」「夏呼ぶ鳥II」
山田美代子「ひととき」「春の音」「想春」
柴崎康男「地球岬」「船のある風景」「船溜まり」
大築笙子「MADO」「窓」
中田登 「花のライフ」「卓上の絵」「薔薇」
澤田和子「あじさい」「時のひずみ(北祭り)」(同題2点)
2009年4月23日(木)-28日(火)10:00ー18:00(最終日-16:30)
大同ギャラリー(中央区北3西3 大同生命ビル3階 地図A)
□二科会 http://www.nika.or.jp/
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=以上すべて画像なし