
いやはや、びっくりしました。
先に、札幌芸術の森美術館に展示されているクリスチャン・マークレーの「Record Without a Cover」について、この作品は大友良英さんにとって原点だ、と書きましたが、札幌市資料館にも大きな「原点」があるのです。
資料館では、クマの木彫りや三松正夫さんの絵が注目されていますが、実はこっちのほうが芸術祭自体の分脈でみると意義深いのではないかと思えるほどです。
札幌の沼山良明さんが、1983年から主宰するNMAは、1983年から世界の先鋭的な音楽を中心に紹介するコンサートを企画してきました。その数は180回を超え、招いたアーティストはのべ230組以上にのぼります。
ふつうのイベンターならしり込みしそうな前衛的なミュージシャンを、まったくの手弁当で招き、ときには自宅に泊め、ライブを企画して開催するという活動を、30年以上にわたって続けてきたという、すごい人なのです(本業はピアノの調律師です)。
大友さんも無名時代から何度も招聘され、ときには沼山さんから励まされ叱咤されてきました。
今回、沼山さんが札幌国際芸術祭のエグゼクティブアドバイザーに任ぜられ、芸術祭の貴重なアドバイス・指南役となったのは、そういう長い交流があったためです。
会場では、これまでのNMAの歩みを年表で紹介するとともに、貴重な当時の資料なども置いてあります。
また、当時の音源が、3台のモニターで聴けるようになっています。もちろんこれまでのライブの一部ですが、ものすごい量で、1日いてもすべて聴くことは無理なんじゃないでしょうか。

とても全部は聴けないでしょうから、奥の部屋では、30年余りの歩みを45分のダイジェスト映像にまとめて流しています。
こんなふうに、くつろいで見ることができます。
若い頃の、トレードマークの帽子もかぶっていない大友さんがターンテーブルを回す姿や、30年前に札幌に来ていたマークレイ、ピアノをたたきまくる加古隆、などなど。
ものすごく乱暴かつ大ざっぱなまとめですが、昔の方がノイジーで型破りな演奏が多く、21世紀に入ってからの方が、ちゃんとリズムとコードがあらかじめ決まっている音楽が増えた印象があります。
ここの記録の貴重さは、いくら言葉を尽くしても書ききれないように思います。
残り会期はわずかですが、もう一度足を運びたいです。
(下に、会場でも流している、大友さんと沼山さんの対談映像をユーチューブから貼っておきます)
8月6日(日)~10月1日(日)午前10:30~午後6:30、月曜休み
札幌市資料館(札幌市中央区大通西13)
□公式サイト https://nma.sapporo-internationalartfestival.jp/
・地下鉄東西線「西11丁目駅」から約290メートル、徒歩4分。「西18丁目駅」から約560メートル、徒歩7分
・じょうてつバス「西11丁目駅前」から約330~390メートル、徒歩5分
・ジェイアール北海道バス、中央バス「教育文化会館前」から約230メートル、徒歩3分
(小樽、岩内方面行き都市間高速バス、小樽・手稲方面と札幌駅前を結ぶ快速・普通のバスの、全便が止まります=ただし北大経由小樽行きを除く)
・市電「中央区役所前」から約420メートル、徒歩6分。同「西15丁目」から約430メートル、徒歩6分
・ジェイアール北海道バス「51 啓明線」(札幌駅前―北1西4―啓明ターミナル)で「大通西14丁目」降車、約350メートル、徒歩5分。
※駐車場はありません。周辺にコインパーキングが何カ所かあります。
NMAライブ・ビデオアーカイブ トーク
先に、札幌芸術の森美術館に展示されているクリスチャン・マークレーの「Record Without a Cover」について、この作品は大友良英さんにとって原点だ、と書きましたが、札幌市資料館にも大きな「原点」があるのです。
資料館では、クマの木彫りや三松正夫さんの絵が注目されていますが、実はこっちのほうが芸術祭自体の分脈でみると意義深いのではないかと思えるほどです。
札幌の沼山良明さんが、1983年から主宰するNMAは、1983年から世界の先鋭的な音楽を中心に紹介するコンサートを企画してきました。その数は180回を超え、招いたアーティストはのべ230組以上にのぼります。
ふつうのイベンターならしり込みしそうな前衛的なミュージシャンを、まったくの手弁当で招き、ときには自宅に泊め、ライブを企画して開催するという活動を、30年以上にわたって続けてきたという、すごい人なのです(本業はピアノの調律師です)。
大友さんも無名時代から何度も招聘され、ときには沼山さんから励まされ叱咤されてきました。
今回、沼山さんが札幌国際芸術祭のエグゼクティブアドバイザーに任ぜられ、芸術祭の貴重なアドバイス・指南役となったのは、そういう長い交流があったためです。
会場では、これまでのNMAの歩みを年表で紹介するとともに、貴重な当時の資料なども置いてあります。
また、当時の音源が、3台のモニターで聴けるようになっています。もちろんこれまでのライブの一部ですが、ものすごい量で、1日いてもすべて聴くことは無理なんじゃないでしょうか。


若い頃の、トレードマークの帽子もかぶっていない大友さんがターンテーブルを回す姿や、30年前に札幌に来ていたマークレイ、ピアノをたたきまくる加古隆、などなど。
ものすごく乱暴かつ大ざっぱなまとめですが、昔の方がノイジーで型破りな演奏が多く、21世紀に入ってからの方が、ちゃんとリズムとコードがあらかじめ決まっている音楽が増えた印象があります。
ここの記録の貴重さは、いくら言葉を尽くしても書ききれないように思います。
残り会期はわずかですが、もう一度足を運びたいです。
(下に、会場でも流している、大友さんと沼山さんの対談映像をユーチューブから貼っておきます)
8月6日(日)~10月1日(日)午前10:30~午後6:30、月曜休み
札幌市資料館(札幌市中央区大通西13)
□公式サイト https://nma.sapporo-internationalartfestival.jp/
・地下鉄東西線「西11丁目駅」から約290メートル、徒歩4分。「西18丁目駅」から約560メートル、徒歩7分
・じょうてつバス「西11丁目駅前」から約330~390メートル、徒歩5分
・ジェイアール北海道バス、中央バス「教育文化会館前」から約230メートル、徒歩3分
(小樽、岩内方面行き都市間高速バス、小樽・手稲方面と札幌駅前を結ぶ快速・普通のバスの、全便が止まります=ただし北大経由小樽行きを除く)
・市電「中央区役所前」から約420メートル、徒歩6分。同「西15丁目」から約430メートル、徒歩6分
・ジェイアール北海道バス「51 啓明線」(札幌駅前―北1西4―啓明ターミナル)で「大通西14丁目」降車、約350メートル、徒歩5分。
※駐車場はありません。周辺にコインパーキングが何カ所かあります。
NMAライブ・ビデオアーカイブ トーク
この特設ページでは、大友氏と沼山氏のインタビューだけではなく、ライブ映像も見られますよ~。
残念なのはすべてのライブではないことと、サイトが重くてスタートしなかったり、途中で止まること。重い時にはブラウザを変えると見られる場合があります。
(札幌美術の歴史トークイベント、行きましたが欠席で残念でした。)
サイトは後で見てみます。
フォーラム欠席の件は、詮方ない事情があったため、勘弁願います。
三岸好太郎美術館の「大友良英アーカイブ」は大友良英さんの回顧展みたいな展示になっています。大友さんが影響を受けた本・音楽・人が大友さんの手書きのコメントとともに展示されています。武満徹からの手紙が展示されていたり、2階の三岸好太郎のオーケストラとリンクされた大友さんの演奏映像(影)もセットされています。10月1日まで、です。
あまりのおもしろさに、2時間半はいました。
ただ、武満の手紙は残念ながら気がつかなかったです。
大友良英様
お返事がすっかり遅くなってしまいました。おゆるし下さい。昨日「青い凧」観ました。感動しました。音楽もたいへん巣晴らしかった。煽動効果だけのものが多くなっている中で、コンテキストに対しての明確な視点(思想)をもった厳しい仕事に接してたいへん嬉しかったです。実は三宅榛名さんのコンサートにあなたが出演されているのを知り、出かけて行って直接お会いしようかと思ったのですが止めました。あなたのお手紙の内容とても重いものだけに、一度お互いが暇なとき、どこかで会いませんか。夕飯でも喰って話したいと思いますが、私はずっと籠もって(いまのところは東京の家、もう少しで信州の仕事場に行きます)仕事しているので、電話で打ち合わせませんか。私のTelは です。
武満徹
お葉書とCDをありがとうございます。お元気のご様子、いつもうれしく拝見していました。私は昨年は半年以上病院生活で、やっと少しずつ朝のうちだけ仕事ができるようになりました。まああと少しやっておきたい仕事あるので、もう少し頑張りたいと考えています。セリさんのポップソングほめて頂いてたいへんうれしいです。これからヨーロッパでオペラのようなものをやるので、いりいろな試みをしたいとおもtっています。大友さんにとって1996年が充実した年でありますように。またいつかお会いしたいです。
武満徹
札幌国際芸術祭2017 大友良英アーカイブ(北海道立三岸好太郎美術館 2017.9.2-10.1)にて
1度目は、本のほうばかり見ていて、気づきませんでしたw