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■専門学校札幌ビジュアルアーツ写真学科 卒業制作展 (2月22日で終了)

2009年02月25日 23時56分51秒 | 展覧会の紹介-写真
 さいきんは、あるいはロックバンド「モノブライト」の出身学校として有名なのかもしれないが、ビジュアルアーツの写真の腕はさすがに高い。それを専門に学んでいるのだから、技術がないと困るわけだが。
 ただ、個人的には、2006年の卒業制作展がいちばんおもしろく、その後はそれほど個性がギラギラする作品には出合っていない。

 今回は15人が出品。
 モノクロ、カラー、広告系、人物など、バラエティーに富んだ作品がならぶ。

 李嘉慧「Fake」
 韓国アンニャン芸術高校の卒業生とのこと。
 カラー8枚で、女性の足を真横から撮っている。ちゃんとした靴をはいている写真はひとつもなく、ジッパーだけがあったり、包帯を巻いていたり、「ありえない靴をはいた足」の写真というのがおもしろい。

 浪江佳代「セルフポートレート ~そんなこと~」
 カラー8枚。カラオケ、銭湯、写真ショップなど、さまざまなシチュエーションでの自分を撮った労作。8枚それぞれにつながりが薄いのが惜しい。

 田中考治「wonder」
 カラー4枚。
 写っているのは、何の変哲もない冬の山野や郊外の風景。ただ、ビデオでいったん撮った映像をもう一度スチールカメラで撮ったような粗い画像で、走査線のようなものも見える。
 ヴェンダース監督の映画「パリ・テキサス」を思い出すが、不明瞭な映像がかえって記憶や感情を鮮烈に想起させるという側面は、たしかにあるだろう。
 目録には「自分が自分を見てさみしくなる感覚を、美しいと感じそれを表現してみた」とある。

 細野佑太「from under the ground」
 モノクロ8枚。札幌の駅前通りで行われている地下通路の工事の現場を撮った正統派のドキュメンタリーフォト。構図も、とくべつ凝ったものではないが、手堅い。焼きがうまいのは、ビジュアルアーツならでは。

 藤井香織「好きです、この街~小樽より~」
 モノクロ6枚。店の主人とおぼしき人を、その店の前で撮った写真。有名なそば屋「藪半」などもふくまれている。
 見ていると、藤井さんと小樽の人との親密でやさしい会話が聞こえてきそう。

 横塚大志「バイタルチェック」
 カラー6枚。スケボーで東京の街を行く男を撮り、社会へ出る不安を表現している。


2009年2月18日(水)-22日(日)10:00-19:00(最終日は-17:00)
札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階)

□専門学校札幌ビジュアルアーツ http://www.visualarts.ac.jp/

2007年
2006年


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