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■第41回さっぽろくろゆり会展 (5月18日まで)

2008年05月15日 22時46分48秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 北大の卒業生や関係者による美術展。
 かならずしも黒百合会のOBばかりではありません。
 北大黒百合会は、ご存じのかたも多いでしょうが、有島武郎らの手で創設された洋画の会です。札幌の美術団体では草分け的な存在でした。
 ことしは創設100年を迎え、12月に札幌市民ギャラリーで記念展がひらかれるそうです。

 永喜多宗雄さんが陶芸の花器2点を出品しているほかは、すべて絵画です。
 全道展や道展の会員からアマチュアまで、多彩です。

 青い輪郭線と、凹凸あるマティエールによる独特の画面をつくる山下脩馬さん(全道展会員)は「橋-冬の日」「橋-初夏」など3点。
 この2点はおなじ位置から眺めた、海辺にある小さな橋を描いたもの。左側に、赤いトタン屋根の家が見え、どこかなつかしさの感じられる風景です。 


           

 道展水彩部のベテラン会員田中盛夫さんは「風景I」「風景II」「風景III」と3点。
 いずれも旧工学部の建物を正面からとらえており、「風景!」には、正面の看板に「北海道帝國大學工学部 土木・鉱山・電氣・機械」と書かれています。
 それにしても、この建物を壊して建てられた工学部の建物も、先ごろ取り壊されたのですから、歴史の流れは速いものです。


           

 先に個展をひらいたばかりの坂元輝行さんは「北大風景」の1-4を出品。
 「北大風景 4」は、ポプラ並木のそばに咲いているクロユリが描かれています。この展覧会のために描いた1枚のようです。遠くには手稲山が見えます。

 このほか、津田義和さんは油彩1点と日本画2点を出品。
 油彩「スペイン北海岸リバデセージャ港」は130号の大作で、港の風景を丁寧な筆使いでとらえています。

 元島英雄さん「平岡7条3丁目」は、何の変哲もない住宅地の中の道路がモティーフ。でも、道庁でも時計台でもない、こういう風景を選ぶっていうのが、いいなあ。


 出品者は次のとおり(敬称略)
 荒野耕司、池澤康夫、石家修、伊藤太郎、入江遠、岩田享子、碓井正人、遠藤哲夫、岡島秀夫、梶原一義、片桐千明、金森美子、川倉宏一、後藤隆之、近藤晃、坂元輝行、佐藤京介、佐山純子、高井伊三郎、高橋欣也、武内恵輔、武田誠一郎、田中督、田中盛夫、谷口俊、田谷諏訪子、津田義和、寺村武、永喜多宗雄、中村義男、長谷川寿保、久田光彦、前田翰男、美阪恵美子、美阪啓次、元島英雄、八鍬俊郎、山下脩馬、横田昭、中世古公男(遺作)


08年5月13日(火)-18日(日)10:00-17:00(初日12:00-、最終日-16:00 )
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

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第36回(5月17日の項)
第35回(5月30日の項)


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