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■尾形香三夫陶芸展 (2018年10月9~14日、札幌)

2018年10月13日 11時39分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 「スーパー練上」が海外でも高い評価を浮けている岩見沢の陶芸家、尾形香三夫さん。
 毎年さいとうギャラリーで個展を開いていますが、来年はニューヨークや山形、茨城など発表の予定が詰まっているため、この会場での展示は休むとのこと。なので、ぜひこの機会にじっくり見てほしいです。
 「超絶技巧」などという言葉はあまり安直には使いたくないですが、ミリ単位の、色の異なる粘土を層にして何重にも重ね、精緻な波模様を作って成形し、さらに表面にしのぎを入れて、模様と模様のポリリズムを作りだす尾形さんのわざは、超絶技巧という以外に形容がしづらいと思います。

 特にこの作品は、一見面取りをしているように見えますが、むしろそろばんの玉に近い、丸い形です。しのぎの付け方が独創的なため、角張って見えるのです。




 こちらの皿は、粘土の層が少しずつ薄くなっていき、となりの色の粘土と溶け合っていくように見えます。
 こうやって言葉で説明するのは簡単ですが、実際の行程を考えると、気の遠くなるような作業です。



 こちらも、冒頭画像と同じ「練上縞壺 “なみ”」のシリーズ。

 粘土の層がS字型カーブを上から下まで何度も反復しています。
 それに、表面を削り取るしのぎの行程が加わって、おそろしく複雑なリズムが作品に生まれています。

 「悩み苦しみながらやっています」
と柔和な笑顔で語る尾形さん。完成の域に達したかに見える練上技法を、毎年のようにさらにみがき上げていく姿勢には、脱帽です。


2018年10月9日(火)~14日(日)午前10時半~午後6時半(最終日~5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)


□スーパー練上・尾形香三夫 http://w01.tp1.jp/~sr10827001/index.html
□MIYUKI&KAMIOのブログ http://ameblo.jp/neriageworld/

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