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■CAI02・2周年記念企画 今村育子個展[カーテン] (6月5日まで)

2010年06月03日 22時26分10秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 今村育子さんの個展に行ってきました。
 CAI02のスタッフの方に感想を尋ねられ
「真っ暗でしたね」
と答えたわたしは、アホです。

 ネタバレになるといけないのであまり詳しくは書きませんが、基本線はこれまでと同じです。
 したがって、「見る」というよりは「暗闇を体験する」といったほうがふさわしいようなインスタレーションといえそうです。
 ギャラリー空間を巧みに利用して小屋のようなものをしつらえているので、外観は見えません。ドアを開けて内部に入ると、そこは真っ暗。わずかに視野に入ってくるものがあります…。

 したがって、感想は、前回までの個展とあまり変わりません。
 ささやかで個人的な思い出のような、記憶のかけらのような、遠い日の残像のような、そんな作品です。
 しかし、個人的だからといって、決してひとりよがりなものになっていないのは、見るとなにか自分の感情がざわめいているような気分になることでもわかると思います。普遍的で、多くの人に共通の幼児体験に、ひっそりと、しかし確実に訴える「何か」があると思うのです。

 と同時に、ないものねだりをしたくなるのも、前回と似ています。
 個人的でささやかだからダメだ-などと言うつもりはまったくありません。
 ただし、こういう作品に接した後は、堂々と現代社会と渡り合うことに挑んだ剛球タイプの作品も見たくなります。というか、いまの北海道の現代アートに最も欠けているのは、そういう膂力りょりょくに富んだ作品ではないかと思ったりもするのです。



2010年5月17日(月)~6月5日(土)午後1:00~午後11:00、日曜休み
CAI02(札幌市中央区南1西5 昭和ビル地下2階 地図B)=地下鉄東西線大通駅の1番出口直結



おとどけアート2009報告展 ゆめのとんでんみなみ村(2010年1月)
500m美術館(2007年)
今村育子個展「わたしのおうち」(2006年)

□オンラインマガジン「shift」の、作者インタビュー記事 http://www.shift.jp.org/ja/archives/2010/05/ikuko_imamura.html


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2 コメント

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タレルか? ()
2010-06-09 11:20:16
ジェームズ・タレルの作品に非常に相似していたので観に行ったときに、驚きを禁じ得ませんでした。直島に行ったことがあるのでしょうか?彼女は。タレルと照屋勇賢の融合アートで面白いと言えば面白いが発想に難易を感じます。まぁ、若いというだけでなんでもありですがね。
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森さん、はじめまして (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2010-06-09 20:04:35
不勉強ですいません。タレルは、越後妻有のしか実際に見たことないので。
しかし、現代アートというのは、アイデアの占める割合が非常に高いので、あんまり似ているのはペケでしょうね。
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