東札幌駅といっても、地下鉄東西線の東札幌駅のことではない。
旧国鉄千歳線にかつてあった駅のことである。
札幌から千歳線の列車に乗ると、苗穂、白石を過ぎ、厚別川を渡るあたりで、岩見沢方面へと向かう函館線の線路と分かれて、新札幌に到達する。
しかし、かつては、苗穂を過ぎて豊平川を渡ってすぐに、大きく右にカーブして国道12号の下をくぐっていた。そのころの陸橋は、当時のままだ。陸橋をくぐったあたりは、広大な貨車の操車場が広がっていた。その附近にあったのが、東札幌駅だった。
東札幌を過ぎると、もう一度大きく、こんどは左に曲がり、南郷通と国道36号の間を南東に進み、月寒、大谷地ときて、現在の上野幌駅あたりで、現行の千歳線のルートに合わさっていた。
カーブがきついことなどから、1970年代に現行の新札幌回りに切り替えられたのだ。
その後も、一部は貨物専用線として使われていたものの、すべて廃止され、いまではほぼ全線がサイクリングロードになっている。
地図を見ると、円形歩道橋で名高い菊水の交叉点から、不自然に短い道道が伸びているのがわかる。
これが道道東札幌停車場線である。
駅はなくなっても、道道の指定は外れないらしい。
道道というと、そこらへんの市町村道よりも幹線道路のたたずまいを想像してしまうが、実際には、普通の生活道路でしかない。
数百メートルも行くと、別の交叉点にぶつかる。そこが、かつて東札幌駅があった場所であり、いまは「イーアス札幌」という大きなショッピングセンターになっている。
昔の面影はまったくない。
以下は、周辺で撮った写真。