高い描写力で人物などを描き、毎年「道展」や「北の日本画展」で作品を見るのが楽しみな吉川聡子さん。
今回は、両展覧会や、昨年8月にSTVエントランスアートでひらいた個展や、2006年にギャラリーDORALでひらいた個展の出品作が中心で、日本画の新作はほとんどありません。ただ、吉川聡子さんのもうひとつの顔であるイラストレーターの仕事が、いつになくたくさん紹介されています。あの大河少女漫画「ガラスの仮面」(美内すずえ作)の、白泉社文庫版の表紙の原画などです(コミックスはもちろん作者が描いていますが、文庫版の表紙は、マンガ家本人以外の人が描く場合が多い)。
日本画のほうは、どうしたわけか、作品タイトルなどがまったく付されていません。
「雨ノ日ノオカイモノ」は、北2西2のコンビニエンスストアが題材になっていますし、「道ヲ歩キ出スト」では、登場人物の持つ紙袋に「N2W2」と大暑されており、昨年のSTVエントランスアートの個展(会場が中央区北2条西2丁目なのです)をきっかけに制作された作品であることがわかります。
後者の作品は、横長の画面に、道を行く女性4人の下半身だけが描かれており、「クール・ストラッティン」という有名なジャズアルバムのジャケットを思いださせます。色調も、点字ブロックの黄色以外は、緑の濃淡だけで描かれており、統一感が強く出ています。
一方「雨ノ日…」も、主人公ともいうべき中央の若い女性は写実的な色ですが、コンビニや道路、まわりの人物などはほとんど青だけで処理されています。
写真であれば、被写界深度を浅くして画面の一部だけにピントを合わせる手法がよく用いられます。これは、人間の視覚のありかたとどこか共通するところがあるからでしょう。「雨ノ日…」で採用している手法は、この写真の技法と似ています。画面すべてにわたってびっしりと描くことが、けっして人間の視覚にとって「リアル」とは限らず、むしろ、あまり重要でない部分をたくみに省略するほうが真実に感じられるということが、この絵からわかるような気がしました。
また、これらの作品には、輪郭線がしっかりとひかれています。肥痩(ひそう)のない、きれいな線です。
どこか上質のイラストあるいはマンガを思わせるのは、そのせいかもしれません。
以上、日本画は15点。
一方、イラストは、「ガラスの仮面」が1、2、6.7、9、14-17、19、22、23巻の表紙。おなじく白泉社文庫の「美内すずえ傑作選」が1、3-6、9-13巻。
さらに「生きのびるために」(デボラ・エリス著、さ・え・ら書房)、「小さなコックさん」(八木田宣子著、講談社)、「海の金魚」(ひろはたえりこ著、あかね書房」の3冊の表紙と原画も展示されていました。
2009年1月6日(火)-11日(日)10:30-18:30
さいとうギャラリー(中央区南1西3 ラ・ガレリア5階 地図B)
□Blue Wings Blog http://pub.ne.jp/bluewings/
■第23回北の日本画展(2008年、画像なし)
■第22回北の日本画展(2007年、画像なし)
■吉川聡子展(2006年)
■第19回北海道教育大学札幌校日本画展(2004年)
■北の日本画展
■第18回北の日本画展(2003年)
■第17回北の日本画展
■第16回北の日本画展
=以上画像なし
今回は、両展覧会や、昨年8月にSTVエントランスアートでひらいた個展や、2006年にギャラリーDORALでひらいた個展の出品作が中心で、日本画の新作はほとんどありません。ただ、吉川聡子さんのもうひとつの顔であるイラストレーターの仕事が、いつになくたくさん紹介されています。あの大河少女漫画「ガラスの仮面」(美内すずえ作)の、白泉社文庫版の表紙の原画などです(コミックスはもちろん作者が描いていますが、文庫版の表紙は、マンガ家本人以外の人が描く場合が多い)。
日本画のほうは、どうしたわけか、作品タイトルなどがまったく付されていません。
「雨ノ日ノオカイモノ」は、北2西2のコンビニエンスストアが題材になっていますし、「道ヲ歩キ出スト」では、登場人物の持つ紙袋に「N2W2」と大暑されており、昨年のSTVエントランスアートの個展(会場が中央区北2条西2丁目なのです)をきっかけに制作された作品であることがわかります。
後者の作品は、横長の画面に、道を行く女性4人の下半身だけが描かれており、「クール・ストラッティン」という有名なジャズアルバムのジャケットを思いださせます。色調も、点字ブロックの黄色以外は、緑の濃淡だけで描かれており、統一感が強く出ています。
一方「雨ノ日…」も、主人公ともいうべき中央の若い女性は写実的な色ですが、コンビニや道路、まわりの人物などはほとんど青だけで処理されています。
写真であれば、被写界深度を浅くして画面の一部だけにピントを合わせる手法がよく用いられます。これは、人間の視覚のありかたとどこか共通するところがあるからでしょう。「雨ノ日…」で採用している手法は、この写真の技法と似ています。画面すべてにわたってびっしりと描くことが、けっして人間の視覚にとって「リアル」とは限らず、むしろ、あまり重要でない部分をたくみに省略するほうが真実に感じられるということが、この絵からわかるような気がしました。
また、これらの作品には、輪郭線がしっかりとひかれています。肥痩(ひそう)のない、きれいな線です。
どこか上質のイラストあるいはマンガを思わせるのは、そのせいかもしれません。
以上、日本画は15点。
一方、イラストは、「ガラスの仮面」が1、2、6.7、9、14-17、19、22、23巻の表紙。おなじく白泉社文庫の「美内すずえ傑作選」が1、3-6、9-13巻。
さらに「生きのびるために」(デボラ・エリス著、さ・え・ら書房)、「小さなコックさん」(八木田宣子著、講談社)、「海の金魚」(ひろはたえりこ著、あかね書房」の3冊の表紙と原画も展示されていました。
2009年1月6日(火)-11日(日)10:30-18:30
さいとうギャラリー(中央区南1西3 ラ・ガレリア5階 地図B)
□Blue Wings Blog http://pub.ne.jp/bluewings/
■第23回北の日本画展(2008年、画像なし)
■第22回北の日本画展(2007年、画像なし)
■吉川聡子展(2006年)
■第19回北海道教育大学札幌校日本画展(2004年)
■北の日本画展
■第18回北の日本画展(2003年)
■第17回北の日本画展
■第16回北の日本画展
=以上画像なし
でも「ガラスの仮面」は、永遠に終わらないのではないでしょうか?
北島マヤも、ほんとうは50歳すぎてるんだろうなあ(マンガは時間のたつのが遅い)。
いつも感じることは、ひっそりと
呼吸をしているみたいだなあ、と。
まるで、気配を消そうとしている
かの様に。
その反面「そこにいる」存在感は
実に確かなもので、後ろを向いて
いても、無表情でも忘れられない
一面を残しています。
その仕草や表情等に、いつまでも
見入ってしまいました。
今回は挿絵の原画も見ることが、
出来てちょっと嬉しいぞ。
奥さんから「ガラスの仮面の最後
どーなるかわかったら聞いて」と
頼まれたけど、無理だって!!
同人誌でエッセイマンガ書いたり、
童話雑誌へのコンテストに投稿等
昔から名前をお見かけしたました。
この先、更に上手くなるんだろうなあ。