広島県福山市の書家による、ギャラリー全室をつかった大規模な個展。札幌での発表は初めて。道内の書展にくらべ、紙の色がいろいろあり、屏風が三つ並ぶなどして、かなり派手でカラフルな印象。筆者が行ったときは会場内に女性が大勢いて、ごった返していた。札幌にも稽古場があるということだが、これ、みんな生徒さんなの?
屏風には、芭蕉の句
「山里に萬歳遅し梅の花」
などが書かれている。かなというより、近代詩文に近いおもむき。屏風の表面には梅の木などが描かれ、さいきんはやりのことばで言えば「書と絵のコラボ」という感じだ。こんなに絵が前面に出てくる書展は、みたことがない。
屏風以外では、額装がほとんどで、北海道書道展などでよく見る二尺八尺の作品はほとんどない。
若山牧水の歌「一心に事をなさんと思ひつつそのたまゆらは楽しき物を」を書いた紙には一面に銀箔が張られ、源実朝の歌の作品はまばゆいオレンジの紙に書いてある。
とにかく色とりどりなのだ。
書風は、男性ということもあるのか、優美一辺倒ではなく、線に力がこもっている感じだ。
芭蕉の句「しばらくは花の上なる月夜かな」の「し」が、大胆な伸ばし方で目を引いた。
田頭さんは1949年生まれ。桑田三舟に師事。日展委嘱。読売書法会常任理事・審査員。
6月6-11日
ギャラリー大通美術館(中央区大通西5、大五ビル 地図A)
屏風には、芭蕉の句
「山里に萬歳遅し梅の花」
などが書かれている。かなというより、近代詩文に近いおもむき。屏風の表面には梅の木などが描かれ、さいきんはやりのことばで言えば「書と絵のコラボ」という感じだ。こんなに絵が前面に出てくる書展は、みたことがない。
屏風以外では、額装がほとんどで、北海道書道展などでよく見る二尺八尺の作品はほとんどない。
若山牧水の歌「一心に事をなさんと思ひつつそのたまゆらは楽しき物を」を書いた紙には一面に銀箔が張られ、源実朝の歌の作品はまばゆいオレンジの紙に書いてある。
とにかく色とりどりなのだ。
書風は、男性ということもあるのか、優美一辺倒ではなく、線に力がこもっている感じだ。
芭蕉の句「しばらくは花の上なる月夜かな」の「し」が、大胆な伸ばし方で目を引いた。
田頭さんは1949年生まれ。桑田三舟に師事。日展委嘱。読売書法会常任理事・審査員。
6月6-11日
ギャラリー大通美術館(中央区大通西5、大五ビル 地図A)