新春恒例のグループ展。前身の「お正月展」以来、毎年開かれています。
ベテランから若手まで、絵画、版画、彫刻、写真、陶芸…と、ジャンルを超えて作品が集まります。
主義主張ではなくて、知り合いを誘って気楽に開かれている展覧会ではありますが、なかなか興味深い作品が多いです。
今年はいつもより会期が短いので、まだの方は会場へ急ぎましょう。
冒頭の画像で、手前に写っているのは、八子晋嗣さん「左回りの空間」「右回りの時間」のいずれか(すいません)。
「左回り…」は、古い柿の箱を再利用して、ハンドルを回すと歯車仕掛けでふたが上下したり「ポン!」と音がしたりする作品。無意味ですが、笑えます。
「右回り…」も、おなじ系列の箱形作品。こちらは、おあつらえ向きの木箱がなかったので、古い家を解体して出た板を使って箱をこしらえ、木の歯車やシャフトを組み合わせました。横に取り付けた電球も光ります。
奥に写っているのは左から、小林光人「音の雫 1」、川上加奈「12」、水戸麻記子「土」。
水戸さんは「だっこ」も出品。
川上加奈さんは乾漆だと思います。女性像の表面に付いたステンシルのような文様が不思議な効果を挙げています。
上下(3階と4階)フロアで開かれていますが、まず4階から。
右から、中村修一「Lycoperdon」、橘内美貴子「アヤノイト VI」「アヤノイト V」、前澤良彰「Sample box #200411190643 wakkanai」。
中村さんのは陶芸と思われます。
橘内さんはシルクスクリーン。薄い紗のようなピンクの筋が流れる中に、レース編みのような模様がいくつも、遠い灯りのようにうかびあがっています。
前澤さんの作品はカラー写真。団地や、雲などが写っています。
この右側に、渡邊慶子さんの版画「凍る夜」「寒空に咲く」が展示されていました。
いまの季節にふさわしい、寒色の作品。
伊藤幸子「水に眠る」。
「オフィーリア」、岡田敦、なんだか最近、おなじモティーフを見ることが多いような・・・
友野直実「梅図」(2点とも同題)
友野さんは木版画家。
日本的な意匠を採用しつつも、俗っぽい低徊趣味に陥っていないのはさすが。
上下のフロアをむすぶ階段に展示された石川亨信さんの版画作品。
いつもの茫漠とした空気感漂う作風に比べ、色のメリハリがついている感じ。
4階にはほかに
阿部有未 When there is only love.
伊藤明彦 home
清野有香 スペクトル
賀数伊沙知 いとしい子
鴻上宏子 王妃の恋
吉井見知子 mosaique
国松希根太 HORIZON
前川アキ 水葬 水面に降る(2点出品)
前川さんも水色の線が縦横に走り、冬らしい絵画。
国松さんは可能な限り木目を生かした平面。ぎりぎりのところまで作為を引き算しています。
つづいて3階(下のフロア)。
左から、橘井裕「鉄のてつ」「シッコたれてゴメンナサイ」、栗田健「蔦と硝子」「窓(橙色の部屋)」。
橘井さんはたぶん出品者の最長老。「シッコ…」は、猫のデッサンだが、チラシの裏に書かれているのがおもしろい。
栗田さんはぼわーっとした感じが特徴。
左の画像は、左が宮崎亨「なぜ生きる」、中央の立体が牧野秀昭「てつとうほし」、右側の小品が山田恭代美「水面-淡い夢」「水面-彩」「水面-影」「水面-水の戯れ」、右端が「憩う」。
宮崎さんは今回も直球で生の苦悩に突き刺さります。
牧野さんはとぼけた造形が持ち味だとおもいます。
山田さんはあいかわらず色彩がきれい。色と色の響きあいで織りなすドビュッシーの世界。
右の彫刻は川上勉さんの「蓮立像」。
日本的な意匠と素材を用いつつ、彫刻であろうとする意欲的な展開。
八子直子「人形あそび」
いろいろ考えさせられた作品。
このほか
藤山由香 Untitled
吉田あや Ex Libils スノー・スーク(2点出品)
上嶋秀俊 birth
高野理栄子 Untitled01-12(12点組み)
伴翼 TUBE #2
なお、画像がないからといってだめな作品とか、そういうことではないです。ご了承ください。
いくら友達関係で誘っているとはいえ、まるでペケな人は誘うはずがないわけで、むしろ、ふつうなら同じ会場にあるはずのない作品が隣り合っているのが、おもしろい展覧会なのです。
2010年1月14日(木)-19日(火)午前10:00-午後6:00(最終日-午後5:00)
大同ギャラリー(中央区北3西3、大同生命ビル3階 地図A)
■New Point vol.6
■New Point Vol.4 (2007年)
■第1回のNew Point (2004年)
■2002年のお正月展
さいとうギャラリーの合同展のDMが
来ると、又一年が過ぎたなと感じる
ようになりました。
その後、隣のデカいビルへ。
なんだかドバイに出来た様な(?)
オシャレな造りにビックリ。
販売されている商品も、結構な
お値段でしたが森迫暁夫さんと、
山下絵理奈さんのポストカードを
販売するコーナーがあったりと
いろいろ事情?がありそうです。
おもに墨を直接。
周辺、転写的な行為もなくはないんですが、極論すると「パレット上の絵の具を筆でキャンバスに移動(転写)することも版行為か」ってのと同じレベルで。なのでドローイングってことで。
たくさん掲載ありがとうございます。
そのショップにつきましてはすでに読者の方からご連絡をいただいておりますがまだ伺っておりません。汚い格好していると入りづらい建物でありますな。
>石川亨信さま
ほんとはもっとたくさん掲載したかったんですが。
あと、石川さんの作品タイトルをメモって繰るの忘れちゃいました。すいません。