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山内壮夫「隼の碑」~ロータリー 旭川の野外彫刻(31)

2021年02月27日 10時15分11秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 作者の山内壮夫やまうちたけ お については、山内壮夫「三人」 旭川の野外彫刻(10)にくわしく書いたので、そちらをごらんください。


 さて「石狩の夏」から数十メートル先に進むと、ロータリーに突き当たります。
 道内のロータリーでは釧路と双璧の存在です。
 8条斜線がロータリーに出るあたりの、円形の街路に立っている彫刻です。

 「旭川野外彫刻たんさくマップ」によると、1957年作。
 ブロンズで、75×150×70センチとのこと。
 この高さ75センチはおそらく、台座から出る支え棒を含まない数値でしょう。

 同マップによると、市内には計3体の「隼の碑」があり、形や大きさが少しずつ違うため、旭川彫刻サポート隊では「父、母、子」と呼んでいるとのこと。
 ただし、いずれが父でどれが母、子なのかは、定かではありません。


 残る二つは、牛朱別川にかかる新成橋と、石狩川にかかる花咲大橋にあるようです。
 どちらも今回の旅では、中心部から離れているという事情もあり、見ることができませんでした。

 飛ぶ鳥を抽象化したというのが穏当な解釈でしょうが、見る方向によってまったく形状が変わって見えるのがおもしろいところだと思います。
 シャープな線とやわらかな曲線を組み合わせ、穴もあいていて、かなり複雑な形状です。



 また、自立することがまったく想定されておらず、このような細い棒で全体を支えているのも、この時期の山内壮夫作品の特徴の一つといえるかもしれません。
 こういう支持の仕方をする野外彫刻は、山内のほかには、あまり一般的ではないと思われます。

 中空に浮かんでいるようにも見えるので、鳥の造形にはふさわしいやりかたなのでしょうか。


過去の関連記事へのリンク
山内壮夫「鶴の舞」~大雪クリスタルホール 旭川の野外彫刻(13)
山内壮夫「三人」 旭川の野外彫刻(10)
ウイリアム・クラーク記念碑(北広島)
「飛翔」
石狩川の碑(石狩管内当別町)


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島義勇
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(展覧会)
10ストーリー あなたが作る10番目の物語(2013、旭川)
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