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■桔梗智恵美「バビロンの歌がきこえる II」(2021年1月4~31日、帯広)

2021年02月22日 08時08分02秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 滝川市江部乙に住んでいる桔梗さんが、故郷の十勝で3度目の個展を開いていました。
 絵画10点ほどと、映像が1点、テラコッタが数点。

 桔梗さんは全道展には、複数の場面と人物像を組み合わせた、てんこ盛りな絵を出品していますが、今回は小品が多く、1枚のタブローに1人が登場する作品が中心でした。

 冒頭は「いつかの時代の終わりに 『私の中の I Lock the Door Open Myself』 フェルナン・クロップスに寄せて 」だと思います。
 パノラマ的な風景が机上に展開する、イマジネーション豊かな作品。

 左から
「地に満ちるなら」
「Nautilus ーノーチラス」
「いつか来た道」。

「地に満ちるなら」は、中央が引っ込んだ変形支持体に描かれています。

「いつか来た道」は、テレビンからアウシュヴィッツへと強制収容所を巡る旅に取材した作品。
 かつてはここから生きて出られなかった歴史を思います。

 右下にプロジェクターが置いてあり、そこから反対側の壁に映像「移民の歌」を映し出します。


 「移民の歌」といっても、レッド・ツェッペリンではなく、ハンバート・ハンバートの曲なんだそうです。
 江部乙、ドイツ、富良野。
 あちこちを旅した際の映像で、ドイツは2019年暮れなので、新型コロナウイルス騒動になる直前のタイミングですね。

 映像の下に、「生命の樹」など、小さなテラコッタの立体が並んでいました。

 右の変形支持体の人物画は「種を蒔く」。

 会場でいちばん好きな絵の写真を撮るのを忘れてきました。人物の肩に、雪片とも星のかけらとも取れる白い点々が降り積もっている2点。

 映像から受けた印象のせいかもしれないけれど、全体として、ロードムービーのような個展だと思いました。
 北海道民は転勤とか結婚とかで、広い道内を移動せざるを得ないので、ほんとに移民みたいだな、と。


2021年1月4日(月) ~ 31日(日) 午前11時~午後7時(最終日は4時) ※火曜定休
FLOWMOTION (帯広市西5南13)


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