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■第50回記念白日会北海道支部展■小堀清純展―白日会出品作― (2016年6月6~11日、札幌)

2016年06月11日 01時01分01秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 「白日会」は、創立90年を超す団体公募展。
 第50回というのは北海道支部展の回数である。春陽や自由美術など支部展を毎年開いている団体公募展の中でも、とりわけ熱心な部類に入るだろう(行動美術や独立美術は毎年ではないし、二科は以前は開かれていなかったetc…)。
 そして、非官展系の勢力が比較的強い北海道で唯一、いまも定期的に支部展を札幌で開いている団体でもある(一水会はいまや道内の中心が北見に移りつつある)。

 日展系とあって、写実絵画が大半である。
 ただし、本展には、若いハイパーリアル系画家が相当数入ってきているようだが、北海道はそういう波も訪れていない。筆者が初めて見た1990年代から、南里葉子さんも小堀清純さんも、ほとんどおなじような作品を描いている。

 今回は50回を記念して、白日会の幹部であり日展のベテランでもある高梨芳実さんと、神山晃一さん、石井康博さんの3人が賛助出品している。
 高梨さんは気品ある女性像で名高いが、北海道出身なのだそうだ。
 神山さんが北海道育ちであることは、北都館などでの個展で、札幌の人にも知られたことと思う。

 おだやかな静物画、人物画、風景画が並ぶ中で、中央のハイパーリアル旋風に少し近くて面白い絵だな~と思ったのは塚原貴之さん「春紅葉と残雪の雌阿寒岳」。まだ浅い春の山を、じっくりと見つめている。

 乾いた筆による短いストロークが特徴の中矢勝善さんは「池のほとり」を出品。
 中矢さんはこれまでオーカー系が圧倒的に多かったが、今回はさまざまな諧調と彩度の緑系の色が画面全体にあふれていて、みずみずしい。


 C室では、小堀さんが過去の白日会出品作を並べていた。

 当初は静物画を描き、その後一時風景を対象としていたが、ふたたび静物画に戻ってきたことが、今回の個展でわかった。

 陶器やびんなどさまざまなものを並べ替えて空間を形成する静物画は、ある意味で、純粋絵画の試みだという気もするが、非常にオーソドックスな水彩画である。英国風の透明水彩とも異なる端正な画面だ。


2016年6月6日(月)~11日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)




□白日会 http://www.hakujitsu.com/

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