めずらしく、初日に行ってきた。
この美術館に入るのは、30回は軽く超えてると思うが、カウンターで初めて
「解説はお聞きになりますか?」
と尋ねられた。
略歴などを語られてもしかたないが、せっかくの機会なので、今回、特別に展示されている最晩年の絵「貝殻」について聞くことにした。
三岸節子のアトリエで昨年の夏に見つかったという「貝殻」(1934年)は、いちばん奥の部屋にあった。
絶筆とされている作品そのものではないのだが、ほとんどおなじ図柄である。
違うのは
・絶筆では遠くにチョウが舞っているのに、今回の展示作では海に軍艦が浮かんでいる
・中央の貝殻の影が、展示作のほうがすこし薄い
ことくらい。
解説ボランティアの方によると、2点ともに共通する絵の特徴は、厚塗りで絵の具が盛り上がっていること。
美術館が所蔵する「のんびり貝」などはいずれも薄塗りだ。
厚塗りは、三岸の新たな展開の萌芽だったのかもしれないが、彼は名古屋で客死し、短い生涯を閉じた。
展示作の額縁は、昔は、今展覧会にも出品されている「兄及ビ彼ノ長女」をおさめていたものという。
「三岸家がこの絵を大事にしていることがわかります」
と解説氏。
初期の代表作「兄及ビ彼ノ長女」と最晩年の作を入れた額が同じというのも、不思議な巡り合わせだと思う。
もっとも「兄及ビ彼ノ長女」にくらべると「貝殻」は、33.0×24.0センチの小さな絵で、板(キャンバスではなく)の周囲があいているのだが…。
なお、展覧会自体は3月28日までだが、この絵の展示は27日までの予定なので注意。
貴重なスケッチブックや自筆の手紙などもあわせて公開する。
(この項続く)
2010年1月22日(金)-3月28日(日)9:30-5:00
道立三岸好太郎美術館(中央区北2西15 地図D)
・地下鉄東西線「西18丁目」から徒歩7分
・中央バス、ジェイアール北海道バス「道立近代美術館前」から徒歩4分
この美術館に入るのは、30回は軽く超えてると思うが、カウンターで初めて
「解説はお聞きになりますか?」
と尋ねられた。
略歴などを語られてもしかたないが、せっかくの機会なので、今回、特別に展示されている最晩年の絵「貝殻」について聞くことにした。
三岸節子のアトリエで昨年の夏に見つかったという「貝殻」(1934年)は、いちばん奥の部屋にあった。
絶筆とされている作品そのものではないのだが、ほとんどおなじ図柄である。
違うのは
・絶筆では遠くにチョウが舞っているのに、今回の展示作では海に軍艦が浮かんでいる
・中央の貝殻の影が、展示作のほうがすこし薄い
ことくらい。
解説ボランティアの方によると、2点ともに共通する絵の特徴は、厚塗りで絵の具が盛り上がっていること。
美術館が所蔵する「のんびり貝」などはいずれも薄塗りだ。
厚塗りは、三岸の新たな展開の萌芽だったのかもしれないが、彼は名古屋で客死し、短い生涯を閉じた。
展示作の額縁は、昔は、今展覧会にも出品されている「兄及ビ彼ノ長女」をおさめていたものという。
「三岸家がこの絵を大事にしていることがわかります」
と解説氏。
初期の代表作「兄及ビ彼ノ長女」と最晩年の作を入れた額が同じというのも、不思議な巡り合わせだと思う。
もっとも「兄及ビ彼ノ長女」にくらべると「貝殻」は、33.0×24.0センチの小さな絵で、板(キャンバスではなく)の周囲があいているのだが…。
なお、展覧会自体は3月28日までだが、この絵の展示は27日までの予定なので注意。
貴重なスケッチブックや自筆の手紙などもあわせて公開する。
(この項続く)
2010年1月22日(金)-3月28日(日)9:30-5:00
道立三岸好太郎美術館(中央区北2西15 地図D)
・地下鉄東西線「西18丁目」から徒歩7分
・中央バス、ジェイアール北海道バス「道立近代美術館前」から徒歩4分