![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/03/ee0ffe4ea37c7b3e80617cb03cda8e8c.jpg)
1990年生まれ(!)、専門学校在学中の札幌の女性による初個展。
昨年暮れから今年の正月にかけ、この会場で開かれていた
森本めぐみ展「くものお」
を見に来て(もともと、森本さんのファンだったらしい)、触発され、個展をひらくことを急に決めたという(ギャラリーの中森敏夫さんの話)。
当初は、左側の壁にある小品だけだったそうだ。
悪くないけど、これだけだといささかさびしい。
そこで、直前になって、右側の「UTANO SAIGONI」を追加し、壁に直接色を塗った。
「壁に直接、なんて、齋藤周以来だよ」
と苦笑する中森さん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/1c/bdb3287f51ec2c4dcc540656578818e8.jpg)
しかし、作者がどこまで自覚的なのかはともかくとして、これは展示方法がいいと思う。
着彩したティッシュペーパーを固めているのだが、壁から離して、宙に浮かばせて展示することによって、作品の(絵画の、といってもいいかもしれない)物質性があらわになっているからだ。
これは、ネタバレになってしまうけど、作品の後ろの壁に短いテキストが書かれている(上の画像は、作品の裏側のアップ)。
もうひとつ。
レース模様のついた紙を利用して壁に色を着けている手法は、近年の絵画の世界で着目されている「装飾性」につながる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/a6/ad14db27d4015befb9f812967447e1ab.jpg)
小品は、洗たくばさみで展示されている。
こちらは、メルヘン調のものが多い。
はしごを上った2階にも、人物を描いた絵があった。
小枝と小枝の間に掛け渡したひもに、題を書いた紙がかかっている。
ポートフォリオを見ると、イラストレーター志望とあって、学校で一生懸命とりくんだ課題の作品が多く、今回の展示作品とあまり似てないのがおもしろい。
しかし、まあ、それはそれでいいのだと思う。
出品作は次の通り。
UTANO SAIGONI
MEGADEHAJIMETAHITOTACHI
I REMENBER THEMSELVES
U FU FU
IF…
KITTO ASHITAHA
YOU KNOW THAT I DON'T KNOW
I LIVE WITH A SHADOW
2010年3月2日(火)~14日(日)11:00~7:00
temporary space(北区北16西5 地図H)
・地下鉄南北線「北18条」から徒歩5、6分
・中央バス「北18西4」から徒歩4分(札幌駅北口から屯田などに行く便と、北大経由の「高速おたる号」)