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道内から工芸・クラフトを発信している、北のクラフトプロジェクト「いぷしろん」が、根城のショップ「Ager(アゲル)」をやすんで、一押しの4人の作品を、東区の茶廊法邑(ほうむら)で展示しています。
朝田千佳子さん(染織、札幌)、勝水喜一さん(木工、釧路市阿寒町)、北川智浩さん(陶芸、江別)、堀内亜理子さん(漆芸、旭川)です。
法邑のギャラリーは天井が高く、広いです。Agerでは小品の紹介が中心になりがちな勝水さん、朝田さんも、思い切って大作を持ち込んでいます。4人の作品を、あえて分けずに混在させて配置していますが、なかなかすてきな空間になっていました。
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故郷の旭川に帰って工房「ハリコ」をひらいている若手の漆作家、堀内さんの作品。
手前のまるいのは弁当箱、右の細長い朱色の入れ物は「小さいトレイ」です。
目を引くのが、中央の3兄弟。これは「辞書弁」と名付けられた弁当箱で、ちょうど辞書とおなじ高さなのだそうです。大きさは女性向けだと思います。
こういうものを、「いぷしろん」代表の舟見優子さんが気に入って推すのは、わかるなあ。
「コンビニ弁当+割り箸」より「お弁当持参」(マイ箸も)-のほうが、シンプルで地球にやさしい暮らし方ですよね。
筆者も、よけいな物をそぎ落とした暮らしをしたいのですが(家の中はものだらけだったりする)。
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正面奥に見えるひときわ大きな染織作品は、朝田さんの新作「浮上」。
高さ440センチ、幅240センチという大きさで、天井の高いことで知られる法邑でも展示しきれず、下のほうが床にとどいています。
朝田さんのタペストリーも、ごくシンプルなデザインですが、間延びしておらず、ふしぎな包容力のようなものを感じさせます。
このほか、喫茶スペースにも大作の壁掛けが展示してあります。
その手前に置いてある黒い板は勝水さんの作品ですが、いかにも自然な反りが魅力です。
一般的な木工品はじゅうぶんに乾燥させてから加工に着手することはいうまでもありませんが、勝水さんは、生木の段階である程度形にしてから、自前の乾燥機に入れ、そのあとで漆を塗る-という、ふつうではありえない手順で制作しています。
「陶芸の窯にヒントを得たんです。でも、漆は手がけて3年ほどなので、まだまだ勉強しなくては」
あえて、自然の造形したゆがみやひねり、穴などを作品に生かす勝水さんならではの方法論は、ますます光っています。
ほかにも、7回漆を塗った黒い卓は、どこか青光りしています。
うち6回が透明で、黒を塗ったのは1回だけなので、独特の色味が出るそうです。
日本を代表する舞踏家・大野一雄さんが釧路の公演時に使用したものと同型のいすも展示されています。
勝水さんのひきだしの多さには、あらためて驚かずにはいられません。
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北川さんは非常に端正な磁器の壺や鉢、菓子器などを作ります。
どこまでも白い器は、水際だった美しさです。土は、日本でも最も白い九州のものを使用しているそうです。
北川さんの器は、つくりがしっかりしているのも特長で、水差しのふたなど、カタカタ動いたりしません。
なお、白い器が載っている、野趣あふれるテーブルは、勝水さんの手になるものです。
08年3月1日(土)-9日(日)10:00-18:00、火曜休み
茶廊法邑ギャラリー(東区本町1の1)
□勝水喜一さんのサイト http://www.k3.dion.ne.jp/~roku-kk/
□朝田千佳子さんのサイト http://sapporo-online.cool.ne.jp/asada_chikako/
□クラフトAger http://ipsilon2007ager.chagasi.com/index.html
□茶廊法邑ブログ http://blog.goo.ne.jp/houmura2005
■朝田千佳子染織展 いつくしむもの II(07年5月)
■朝田千佳子染織展 いつくしむもの(06年)
■ 「変らぬもの」朝田千佳子-染織(03年)
■Visual Poetry in Sapporo 2002 +
■和の趣 染織―いろどりの暦 朝田千佳子個展(02年、画像なし)
■野の花が似合う花器(07年5月。勝水、北川さんが出品)
■新茶を味わう「手に馴染む急須と湯のみ」(07年5月、勝水、北川、堀内さんが出品)
朝田千佳子さん(染織、札幌)、勝水喜一さん(木工、釧路市阿寒町)、北川智浩さん(陶芸、江別)、堀内亜理子さん(漆芸、旭川)です。
法邑のギャラリーは天井が高く、広いです。Agerでは小品の紹介が中心になりがちな勝水さん、朝田さんも、思い切って大作を持ち込んでいます。4人の作品を、あえて分けずに混在させて配置していますが、なかなかすてきな空間になっていました。
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故郷の旭川に帰って工房「ハリコ」をひらいている若手の漆作家、堀内さんの作品。
手前のまるいのは弁当箱、右の細長い朱色の入れ物は「小さいトレイ」です。
目を引くのが、中央の3兄弟。これは「辞書弁」と名付けられた弁当箱で、ちょうど辞書とおなじ高さなのだそうです。大きさは女性向けだと思います。
こういうものを、「いぷしろん」代表の舟見優子さんが気に入って推すのは、わかるなあ。
「コンビニ弁当+割り箸」より「お弁当持参」(マイ箸も)-のほうが、シンプルで地球にやさしい暮らし方ですよね。
筆者も、よけいな物をそぎ落とした暮らしをしたいのですが(家の中はものだらけだったりする)。
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正面奥に見えるひときわ大きな染織作品は、朝田さんの新作「浮上」。
高さ440センチ、幅240センチという大きさで、天井の高いことで知られる法邑でも展示しきれず、下のほうが床にとどいています。
朝田さんのタペストリーも、ごくシンプルなデザインですが、間延びしておらず、ふしぎな包容力のようなものを感じさせます。
このほか、喫茶スペースにも大作の壁掛けが展示してあります。
その手前に置いてある黒い板は勝水さんの作品ですが、いかにも自然な反りが魅力です。
一般的な木工品はじゅうぶんに乾燥させてから加工に着手することはいうまでもありませんが、勝水さんは、生木の段階である程度形にしてから、自前の乾燥機に入れ、そのあとで漆を塗る-という、ふつうではありえない手順で制作しています。
「陶芸の窯にヒントを得たんです。でも、漆は手がけて3年ほどなので、まだまだ勉強しなくては」
あえて、自然の造形したゆがみやひねり、穴などを作品に生かす勝水さんならではの方法論は、ますます光っています。
ほかにも、7回漆を塗った黒い卓は、どこか青光りしています。
うち6回が透明で、黒を塗ったのは1回だけなので、独特の色味が出るそうです。
日本を代表する舞踏家・大野一雄さんが釧路の公演時に使用したものと同型のいすも展示されています。
勝水さんのひきだしの多さには、あらためて驚かずにはいられません。
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北川さんは非常に端正な磁器の壺や鉢、菓子器などを作ります。
どこまでも白い器は、水際だった美しさです。土は、日本でも最も白い九州のものを使用しているそうです。
北川さんの器は、つくりがしっかりしているのも特長で、水差しのふたなど、カタカタ動いたりしません。
なお、白い器が載っている、野趣あふれるテーブルは、勝水さんの手になるものです。
08年3月1日(土)-9日(日)10:00-18:00、火曜休み
茶廊法邑ギャラリー(東区本町1の1)
□勝水喜一さんのサイト http://www.k3.dion.ne.jp/~roku-kk/
□朝田千佳子さんのサイト http://sapporo-online.cool.ne.jp/asada_chikako/
□クラフトAger http://ipsilon2007ager.chagasi.com/index.html
□茶廊法邑ブログ http://blog.goo.ne.jp/houmura2005
■朝田千佳子染織展 いつくしむもの II(07年5月)
■朝田千佳子染織展 いつくしむもの(06年)
■ 「変らぬもの」朝田千佳子-染織(03年)
■Visual Poetry in Sapporo 2002 +
■和の趣 染織―いろどりの暦 朝田千佳子個展(02年、画像なし)
■野の花が似合う花器(07年5月。勝水、北川さんが出品)
■新茶を味わう「手に馴染む急須と湯のみ」(07年5月、勝水、北川、堀内さんが出品)
こちらで“擬似鑑賞”しています。
仕事は暇より忙しいほうが良いですが、
ギャラリー行く“暇”も無いのはちょっと・・・ですね。
この4人展は、最終日ギリギリでも絶対に見に行きます!
改めまして、感謝です。為になります。
ブログで感想を書いている展覧会は、わたしが見たものの半分にも達しません。
会場に行って損しない展覧会だけを書いているつもりです。
takuさんはもちろんですけど、ここをご覧になっている多くの方に、法邑へ行ってほしいと思います。