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2015年10月18日は9カ所(2) 藤女子大学藤陽祭学祭展 「さよなら、わたしたちのしゃしんぶしつ」

2015年10月21日 21時11分12秒 | 展覧会の紹介-写真
承前

 北12条駅を出ると、雨が降っていた。
 傘を持っていないので、濡れるに任せて、藤女子大へ。
 第52回藤陽祭に行くためだ。

 といっても、筆者はすでに
「えへへ、女子大に行くんだで~、でれでれ」
というような年齢ではなく、女子大生一般にもそれほど興味を抱いておらず、単に写真部の展示を見に行くのが目的である(なんで、こういうことをわざわざ書くかというと、当日のキャンパスに行くと、なんか女子大に入ることそれ自体がうれしくて、鼻の下を伸ばして歩いている若い男性がけっこういたように見受けられたからだ。まあ、若い男性にはありがちなことなのかもしれない)

 というのは、今年5月8日、藤女子大の公式ツイッターが次のようにツイートしていたのを覚えていたからだ。



 
この間、暗室がなくなるかもしれないとぎゃあぎゃあつぶやきましたが、なんとかなりそうです
お騒がせしました
すみませんでした…


 ところが、今回いただいた案内状には

「さよなら、わたしたちのしゃしんぶしつ」
 
とある。

 このブログで何度も書いているように、いまや藤女子大写真部は、銀塩モノクロフィルム写真の、札幌圏における最後の砦とでもいうべき存在である。
 その暗室がなくなるというのは、ただごとではない。
 このブログの立場からすると、市内中心部のギャラリーで開かれているなんとか教室展などをすべて見なくても、藤女子大写真部の暗室がどうなるかを確かめることのほうに意義があるというべきだろう。

 というわけで、他の企画や展示には目もくれず、5階に直行し、狭い教室での展示を見た。

 手前はいつものとおり、部員による展示(カラーもあり)。左側には、部員がお互いを撮った写真のコラージュ企画。
 右側には、音楽を意識して撮った組み写真がはってあり、おそらくその企画の一環で、会場にはサカナクションが流れていた。

 そして、奥のほうのついたてで、特集展示「さよなら写真部室」が行われていた。

 筆者は、藤女子大の写真部室には一度も入ったことはないが、そこに並んだモノクロ写真から、学生たちの青春のたまり場の雰囲気が強く伝わってきた。
 「イルフォードのF現液買いたい」などと書かれた紙が部室内に貼ってある情景や、ぼんやりと部員がいすに腰掛けている情景をうつした写真。そして、マリア様の頭部像が置いてあるのがおもしろい。「現像うまくいきますように」などとお願いするのかな。

 さて、このままでは帰れないので、会場にいた部員に尋ねた。
 藤女子大の写真部室は、旧校舎の解体に伴って無くなったが、仮部室が設けられ、暗室もあるそうだ。
「ちょっと狭いんですけど」
と部員さんは笑っていた。

 なんだか少し感傷的な気持ちになって、ついでに正門前にある歴史的建造物のキノルド記念館を見物して、キャンパスを出た。
 雨はあがっていた。


2015年10月17日(土)、18日(日)
藤女子大554教室(札幌市北区北16西2)

□公式ツイッター https://twitter.com/fujioriken

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7th EX Photo Exhibition(2008年4月)
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04年の新人展
04年の写真展

03年の写真展
=2003年以外、画像なし


(この項続く) 


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