本年度4度目の所蔵品展。
ですが、展示54点(書簡、展覧会目録などを含む)のうち3点が、同館以外の所蔵であり、これまで同館に何度も足を運んだ人でも、けっこう楽しめる展覧会ではないでしょうか。
早世したため画業の短い三岸の、おおむね1年ごとの年譜を会場に掲げています(冒頭画像のとおりです)。
年譜は、札幌と画家の関連に重きを置いたもので、当時の札幌の街並みの写真もあしらっており、すっきりとした構成にまとめています。
所蔵品展なので、冒頭画像の左から2枚目「檸檬持てる少女」をはじめ、「マリオネット」「オーケストラ」「のんびり貝」「飛ぶ蝶」などはもちろん展示されています。
画像は「札幌郊外」(1927年頃、油彩)。
本郷新記念札幌彫刻美術館からの受託作品です。
この絵柄だけでは、どこを描いたのか判断しかねますが。
札幌とのかかわりがテーマなので、札幌の風景画が多く並んでいる展覧会です。
おもしろいのは「月寒風景」の英文題が「Landscape of Tsukisappu」になっていたこと。
そりゃそうですね。三岸が描いたころは、まだ「ツキサム」じゃなくて「ツキサップ」が正式な名称だったんですから。
左端の「大通公園(北海道風景)」(1932年頃、油彩)は、筑波大学からの受託作品。
筆者もこれまで北大で1度見ただけという作品です。
そのとなりは、三岸好太郎美術館の所蔵品展では常連の「大通公園」。
さらに、先ほど触れた「月寒風景」、「水盤のある風景」も見えます。
その次の画像の「北大のポプラ並木」(1932)は、北門信用金庫の所蔵。
今展覧会のフライヤーのメインビジュアルに使われていた作品です。
2階へとつづく階段の踊り場に展示されていました。
筆者としても、2008年に滝川市美術自然史館で開かれた
「北門信用金庫コレクションによる北海道美術の潮流展」
以来、12年ぶりに見る絵です。
空を広くとり、左側のポプラを断ち切りにして空間の続きを感じさせる構図は、「ロマンティストの札幌」という展覧会にふさわしい広々とした雰囲気を有していると思います。
最後に、年表の画像を掲げておきます。
三岸好太郎は旧制札幌一中を卒業後、上京したのですが、あらためて振り返ってみるとかなりの頻度で札幌に帰省していることがわかります。
飛行機も新幹線もない時代ですから、片道にほぼ一昼夜かかったと思いますが、それをものともせずに帰っていたのです。
故郷を思う彼の気持ちがよくわかる展覧会です。
2020年9月11日(金) 〜 11月29日(日)午前9時半~午後5時(入場30分前)、祝日を除く月曜と9月23日、11月24日休み
mima 道立三岸好太郎美術館 (札幌市中央区北2西15)
近年の関連記事へのリンク
■三岸好太郎を追いかけて (2018)
■小樽芸術村 × mima 絵画コレクション―三岸好太郎とその時代 (2017)
道立三岸好太郎美術館の話題・1 略称は「mima」 (2017)
■三岸交響楽 特別展 〈オーケストラ〉をめぐる人びと(2016)
以下、画像なし
■昭和七年 札幌 (2016)
■特別展 ワンワンワンッダフル! (2015)
・地下鉄東西線「西18丁目駅」4番出口から約670メートル、徒歩9分
・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「道立近代美術館」から約450メートル、徒歩6分
(小樽、岩内方面行きの都市間高速バス、ていねライナーなどの快速を含む全ての系統=北大経由は除く=が止まります)
・市電「西15丁目」から約730メートル、徒歩10分
・ジェイ・アール北海道バス「桑11 桑園円山線 桑園駅―円山公園駅―啓明ターミナル」で「北3条西15丁目」降車、約160メートル、徒歩2分
・ジェイ・アール北海道バス「54 北5条線 札幌駅前―西28丁目駅」「54 北5条線 札幌駅前―琴似営業所」で「北5条西17丁目」降車、約490メートル、徒歩7分
・ジェイ・アール北海道バス「51 啓明線 札幌駅前―医大病院前―啓明ターミナル」で「大通西14丁目」降車、約630メートル、徒歩8分
ですが、展示54点(書簡、展覧会目録などを含む)のうち3点が、同館以外の所蔵であり、これまで同館に何度も足を運んだ人でも、けっこう楽しめる展覧会ではないでしょうか。
早世したため画業の短い三岸の、おおむね1年ごとの年譜を会場に掲げています(冒頭画像のとおりです)。
年譜は、札幌と画家の関連に重きを置いたもので、当時の札幌の街並みの写真もあしらっており、すっきりとした構成にまとめています。
所蔵品展なので、冒頭画像の左から2枚目「檸檬持てる少女」をはじめ、「マリオネット」「オーケストラ」「のんびり貝」「飛ぶ蝶」などはもちろん展示されています。
画像は「札幌郊外」(1927年頃、油彩)。
本郷新記念札幌彫刻美術館からの受託作品です。
この絵柄だけでは、どこを描いたのか判断しかねますが。
札幌とのかかわりがテーマなので、札幌の風景画が多く並んでいる展覧会です。
おもしろいのは「月寒風景」の英文題が「Landscape of Tsukisappu」になっていたこと。
そりゃそうですね。三岸が描いたころは、まだ「ツキサム」じゃなくて「ツキサップ」が正式な名称だったんですから。
左端の「大通公園(北海道風景)」(1932年頃、油彩)は、筑波大学からの受託作品。
筆者もこれまで北大で1度見ただけという作品です。
そのとなりは、三岸好太郎美術館の所蔵品展では常連の「大通公園」。
さらに、先ほど触れた「月寒風景」、「水盤のある風景」も見えます。
その次の画像の「北大のポプラ並木」(1932)は、北門信用金庫の所蔵。
今展覧会のフライヤーのメインビジュアルに使われていた作品です。
2階へとつづく階段の踊り場に展示されていました。
筆者としても、2008年に滝川市美術自然史館で開かれた
「北門信用金庫コレクションによる北海道美術の潮流展」
以来、12年ぶりに見る絵です。
空を広くとり、左側のポプラを断ち切りにして空間の続きを感じさせる構図は、「ロマンティストの札幌」という展覧会にふさわしい広々とした雰囲気を有していると思います。
最後に、年表の画像を掲げておきます。
三岸好太郎は旧制札幌一中を卒業後、上京したのですが、あらためて振り返ってみるとかなりの頻度で札幌に帰省していることがわかります。
飛行機も新幹線もない時代ですから、片道にほぼ一昼夜かかったと思いますが、それをものともせずに帰っていたのです。
故郷を思う彼の気持ちがよくわかる展覧会です。
2020年9月11日(金) 〜 11月29日(日)午前9時半~午後5時(入場30分前)、祝日を除く月曜と9月23日、11月24日休み
mima 道立三岸好太郎美術館 (札幌市中央区北2西15)
近年の関連記事へのリンク
■三岸好太郎を追いかけて (2018)
■小樽芸術村 × mima 絵画コレクション―三岸好太郎とその時代 (2017)
道立三岸好太郎美術館の話題・1 略称は「mima」 (2017)
■三岸交響楽 特別展 〈オーケストラ〉をめぐる人びと(2016)
以下、画像なし
■昭和七年 札幌 (2016)
■特別展 ワンワンワンッダフル! (2015)
・地下鉄東西線「西18丁目駅」4番出口から約670メートル、徒歩9分
・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「道立近代美術館」から約450メートル、徒歩6分
(小樽、岩内方面行きの都市間高速バス、ていねライナーなどの快速を含む全ての系統=北大経由は除く=が止まります)
・市電「西15丁目」から約730メートル、徒歩10分
・ジェイ・アール北海道バス「桑11 桑園円山線 桑園駅―円山公園駅―啓明ターミナル」で「北3条西15丁目」降車、約160メートル、徒歩2分
・ジェイ・アール北海道バス「54 北5条線 札幌駅前―西28丁目駅」「54 北5条線 札幌駅前―琴似営業所」で「北5条西17丁目」降車、約490メートル、徒歩7分
・ジェイ・アール北海道バス「51 啓明線 札幌駅前―医大病院前―啓明ターミナル」で「大通西14丁目」降車、約630メートル、徒歩8分