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【告知】松本五郎展 ―自由な心を求めて―(2021年8月1~31日、鹿追)

2021年08月02日 17時32分17秒 | 展覧会等の予告
 昨年10月24日、99歳でこの世を去った、十勝管内音更町の松本五郎さんを追悼する展覧会です。
 主催は松本五郎追悼展実行委員会。共催として会場の福原記念美術館と札幌の「ギャラリー北のモンパルナス」が名を連ねています。

 フライヤーには「ひまわり畑」「二十歳の自画像」「原生花園の放牧」「音更・木野の電波塔」の4点の図版が掲載されています。何点ぐらい展示されているのかは書かれていませんが、「北のモンパルナス」のブログによると26点だそうです。
 図版を見る限りでは、適度に省筆のきいた穏やかなリアリズムの絵です。

 松本さんは1920年(大正9年)、鳥取県生まれ。
 幼くして家族とともに根室管内中標津町に開拓民として入植します。
 36年(昭和11年)、旭川師範学校(現北海道教育大旭川校)に進学し、美術部顧問の熊田真佐吾教諭から薫陶を受け、生活図画教育をおそわります。
 これは、手本をそっくり写すことが多かった当時の図画・美術に対し、実物を観察し写実的に描くという方針でしたが、松本さんは41年に治安維持法でとらえられ、1年3カ月も収監されてしまいます。すでに国内の共産主義運動は壊滅させられていた後なので、これは言いがかりであり、冤罪以外のなにものでもありません。

 戦後、中標津で17年、十勝で15年、教壇に立ち、定年退職後は音更で美術運動に力を注いでいたそうです。

 福原記念美術館は十勝を中心に全道展開しているスーパーマーケット「フクハラ」の創業者が自身のコレクションを公開している施設で、こういう展覧会の会場になるというのはめずらしいと思います。


2021年8月1日(日)~31日(火)午前9時半~午後5時(入館は4時半まで)、月曜休み
福原記念美術館(十勝管内鹿追町泉町1)

一般600円、高校生300円、小中学生200円
(神田日勝記念美術館との共通券あり)


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第14回えべつ平和を語るつどい「戦争中こんな絵を描いて捕らわれた 生活図画事件犠牲者の証言」 (2009)

08年8月23-24日(2) アートコレクション福原記念館



拓殖バス「鹿追・新得・然別湖線」に帯広駅前から乗り、「鹿追町役場」で降車、約500メートル、徒歩7分
※新得駅前からの便もありますが、本数が少ないので注意

・神田日勝記念美術館から約850メートル、徒歩11分


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