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■幌内布引アートプロジェクト (11月3日で終了)・2

2009年11月08日 22時07分06秒 | 展覧会の紹介-現代美術
承前)

 メーン会場は危険なので、ビジターセンターから車に分乗し、団体で向かいます。ツアー形式での見学です。

 いまは途中から林務署だか森林管理所の許可がないと入れない道路は、以前炭鉱街のメーンストリートだったとは思えないほど狭いです。
 「ここに銭湯があったんですよ」
と上遠野さんは言うのですが、目をこらして見ても、その名残はまったくありません。

 アプローチ前で車をおり、札幌市立大学の学生さんの先導で歩きはじめます。

 冒頭の画像、左側が坑夫休憩所だったところ、右が巻上室です。



 順番が前後しますが、坑夫休憩所よりも手前に、れんが造りの小屋が3棟見えました。

 中には爆薬が入っていたそうです。
 なんと物騒な-と一瞬思いましたが、坑道を切り開いていかないかぎり、炭層を掘り進めて行くことはできませんからね。


 つづいて、メーン会場のなかでも、最も大きい建物の「巻上室」。

 ちょっとした体育館ほどの空間が広がっていて、天井も高いです。
 廃墟ファンにはこたえられない?
 



 上遠野敏「陽光の聖堂」
(太陽光、透明カラーアクリル板、巻上室空間)
 札幌市立大学美術部noumenon「不在の気配」
(鉄のワイヤー、針金)

 赤や黄色のアクリル板は、教会のステンドグラスを思わせます。
 晴れた日ならもっときれいだったかも…。

 かつて大きな機械類が置かれていたであろう空間に、針金でできたシカやモグラがいました。







 巻上室のすぐとなりにあった「坑夫休憩所」の内部。
 天井が抜けて、上空が見えています。




 札幌市立大学美術部noumenon「ドコカラドコヘユク」
(テグス、その場の廃材)

 たくさんの廃材を上から細い糸をつるして、ふしぎな空間をつくっています。
 板や機械部品が、時を越えてアートとしてよみがえりました。

 タルコフスキー監督の映画「ストーカー」の1シーンを思いだしました。




 ここには、炭坑夫たちが地下へともぐっていくケーブルカーだかエレベーターだかがあったそうです。
 深い穴なので、いまはコンクリートで封鎖されていました。


この項続く)


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