全道展のベテラン画家、伏木田光夫さんが率いるグループ展。
隔年で、2月か3月に、札幌時計台ギャラリーの2階全室を使って開かれている。
今回は19回目で、33人が1~3点を出品している。
伏木田さんによく似た画風の人もいれば、写実的な人もいて、多様な油絵が並んでいる。100号クラスの作品もあり、これは加筆してことし夏の全道展などに出すのだろうか。
個人的には、片山美代さんの大作「ゲートのこちら側」に強い印象を受けた。
手前は室内画ふうで、大きなテーブルの上に花やコーヒーカップ、食器などが並び、女性2人が囲んでいる。視線は画面の右手前、こちら側に向かっているようにみえる。
これだけなら、ふつうの平和な室内風景なのだが、右手後ろからひとりがたったいま部屋に入ってきたところらしく、画面に動きを与えている。性別のわからないこの人物は、左手に銃らしきものを携え、右手には花を持っているのだ。
そして、いちばん奥には、窓のような空間があり、戦車が右から左へ走っていくのが見える。
この絵が具体的にどんな情景を描いているのかはわからない。国も時代も、特定させるものは描かれていない。
ただ、だからこそなおのこと、なにか切迫した時代相のようなものを感じさせるのだ。
平和と戦争は思っていたよりも隣り合わせということを言いたいのか。あるいは、平和な現代にもひたひたと戦争の足音が迫っているということなのか。
いろいろと考えさせられる作品だ。
C室にはベテランがそろった。
全道展会員の豊嶋章子さんは、ふだんの淡い光が満ちる室内画とは異なり、青いエプロンをつけた自画像「わ・た・し」を出品。笠原悦子さん「りんご(北斗)」は、縦長画面からこぼれ落ちそうなほどたくさんのリンゴを描いた。
西田四郎さんは川をさかのぼるサケの群れをモティーフにすることが多いが、今回の「遡上」もそう。いつになく粗い、未完成のような筆遣いだが、それがかえって迫力を生んでいるようだ。
2016年3月21日(月)~26日(土)午前10時~午後6時(最終日~5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
■第14回三角帽子展=画像なし
隔年で、2月か3月に、札幌時計台ギャラリーの2階全室を使って開かれている。
今回は19回目で、33人が1~3点を出品している。
伏木田さんによく似た画風の人もいれば、写実的な人もいて、多様な油絵が並んでいる。100号クラスの作品もあり、これは加筆してことし夏の全道展などに出すのだろうか。
個人的には、片山美代さんの大作「ゲートのこちら側」に強い印象を受けた。
手前は室内画ふうで、大きなテーブルの上に花やコーヒーカップ、食器などが並び、女性2人が囲んでいる。視線は画面の右手前、こちら側に向かっているようにみえる。
これだけなら、ふつうの平和な室内風景なのだが、右手後ろからひとりがたったいま部屋に入ってきたところらしく、画面に動きを与えている。性別のわからないこの人物は、左手に銃らしきものを携え、右手には花を持っているのだ。
そして、いちばん奥には、窓のような空間があり、戦車が右から左へ走っていくのが見える。
この絵が具体的にどんな情景を描いているのかはわからない。国も時代も、特定させるものは描かれていない。
ただ、だからこそなおのこと、なにか切迫した時代相のようなものを感じさせるのだ。
平和と戦争は思っていたよりも隣り合わせということを言いたいのか。あるいは、平和な現代にもひたひたと戦争の足音が迫っているということなのか。
いろいろと考えさせられる作品だ。
C室にはベテランがそろった。
全道展会員の豊嶋章子さんは、ふだんの淡い光が満ちる室内画とは異なり、青いエプロンをつけた自画像「わ・た・し」を出品。笠原悦子さん「りんご(北斗)」は、縦長画面からこぼれ落ちそうなほどたくさんのリンゴを描いた。
西田四郎さんは川をさかのぼるサケの群れをモティーフにすることが多いが、今回の「遡上」もそう。いつになく粗い、未完成のような筆遣いだが、それがかえって迫力を生んでいるようだ。
2016年3月21日(月)~26日(土)午前10時~午後6時(最終日~5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
■第14回三角帽子展=画像なし