(承前)
何度も書いていますが、市立小樽美術館に来て特別展だけ見て帰るのはもったいないと思います。
1階の中村善策中村善策記念ホール、3階の一原有徳記念ホールとも、定期的に展示替えをしており、時には中村善策や一原有徳以外の作家の作品がたくさん展示されていることがあるのです。
今回、一原有徳記念ホールは「幻視者一原有徳の世界24」よりも、くだんの3人展のほうが目立っていた印象があります。
このうち、木版画家として活躍した河野薫や、独特の画風で評価された宮川魏はともかく、福井貞一って誰だ? と思った方もいるでしょう。実は、下のフロアで回顧展を開いている日本画の大御所、福井爽人さんのお父様です。
福井貞一は親類を頼って青森県から小樽に渡り、苦学して東京外国語学校(戦後の東京外国語大)を卒業して、母校の小樽潮陵高で英語教師をしていました。福井爽人が小樽に住み、札幌に移ったのも、そのためです。
お父さん、なかなか一筋縄でいかない人物だな~と筆者は思ったのですが、それは、札幌北高教師時代に北大を受験して大学生になり、その後上京して日大の系列高校で教壇に立ち、最後は日大で助教授を務めているのです。
決して恵まれた家庭に育ったのではないのに、40代になって北大を受けるという向学心がすごいし、その4年間は収入がなくなるわけですから、普通に安定を志向していたらこういう人生は送らないと思うのです。
福井貞一さんの描いた絵もありますが、写真や書簡などの資料が彼のコーナーの中心です。書簡を読んでいても、まじめというか、独特の人柄を感じました。
中村善策記念ホールでは「はっきりと貴方の眼でみる ~中村善策の写生と写実~」(4月6日〜10月15日)が開催中。
こちらも、これまであまり見る機会の少なかった静物画などが展示されていました。
2023年5月13日(土)〜7月23日(日)午前9時30分~午後5時(最終入館30分前)、月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日休み
市立小樽美術館(色内1)
何度も書いていますが、市立小樽美術館に来て特別展だけ見て帰るのはもったいないと思います。
1階の中村善策中村善策記念ホール、3階の一原有徳記念ホールとも、定期的に展示替えをしており、時には中村善策や一原有徳以外の作家の作品がたくさん展示されていることがあるのです。
今回、一原有徳記念ホールは「幻視者一原有徳の世界24」よりも、くだんの3人展のほうが目立っていた印象があります。
このうち、木版画家として活躍した河野薫や、独特の画風で評価された宮川魏はともかく、福井貞一って誰だ? と思った方もいるでしょう。実は、下のフロアで回顧展を開いている日本画の大御所、福井爽人さんのお父様です。
福井貞一は親類を頼って青森県から小樽に渡り、苦学して東京外国語学校(戦後の東京外国語大)を卒業して、母校の小樽潮陵高で英語教師をしていました。福井爽人が小樽に住み、札幌に移ったのも、そのためです。
お父さん、なかなか一筋縄でいかない人物だな~と筆者は思ったのですが、それは、札幌北高教師時代に北大を受験して大学生になり、その後上京して日大の系列高校で教壇に立ち、最後は日大で助教授を務めているのです。
決して恵まれた家庭に育ったのではないのに、40代になって北大を受けるという向学心がすごいし、その4年間は収入がなくなるわけですから、普通に安定を志向していたらこういう人生は送らないと思うのです。
福井貞一さんの描いた絵もありますが、写真や書簡などの資料が彼のコーナーの中心です。書簡を読んでいても、まじめというか、独特の人柄を感じました。
中村善策記念ホールでは「はっきりと貴方の眼でみる ~中村善策の写生と写実~」(4月6日〜10月15日)が開催中。
こちらも、これまであまり見る機会の少なかった静物画などが展示されていました。
2023年5月13日(土)〜7月23日(日)午前9時30分~午後5時(最終入館30分前)、月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日休み
市立小樽美術館(色内1)
(この項続く)