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追加あり■風の彩・本田滋絵画展《風色の街・ハミングの歌》 2014年1月22日~27日、札幌

2014年02月02日 21時06分01秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(※展示風景の画像1枚と、その次の段落を追加しました)

 札幌の本田滋さんの制作・発表ペースはものすごい。
 筆者もカバーしているわけではないが、喫茶店なども含め、年に何度も個展を開いている。
 現在も、3日まで、茶廊法邑 さ ろうほうむらでの「素描六人展」に出品している。

 本田さんは、超絶技巧を発揮するタイプの画家ではないだろう。
 むしろ、自己流でおしていくタイプだろうと思う。札幌の中心街など、街角の風景を、自分の感じたままのあざやかな色彩で塗り上げていく。
 時には、建物が斜めにかしいでいるが、それも画面に動感を与えている。
 本田さんはよく、自分の個展に「風の彩」という題をつけているが、大きなサインもふくめ、ちょっと傾いて見える建物は、目に見えない風の存在を暗示しているかのようだ。

 目を向けるのは、道庁赤れんがや歴史的建造物といった、いかにもありがちな題材よりも、ふつうのビル街や住宅街が多い。
 たとえば、冒頭の手前の作品も、JR琴似駅周辺の街路を描いている。
「四角形ばかりではつまらない。(JRの高架駅にあるかすがいの)三角形で、絵におもしろいリズムができている」
 よく見ると、手前の標識や木造のお店にも三角形が隠れている。

 今回の個展では、月寒と平岸をむすぶアンパン道路を描いた作品もある。
 振り返ったらちょうど手稲山が見えたので、そこでスケッチをしたということだ。
 札幌の南側からよく眺められる山は藻岩であるが、手稲山の山頂が見える場所もあるそうだ。
 札幌市内には珍しい、カーブと傾斜の豊かな、歴史のある道路を題材にできている喜びが、画面にみなぎっている。
 


 こちらは真冬の小樽。
 今回、小樽を描いた大作が2点あった。
 日曜画家にとって小樽運河というのはよくありそうなモティーフだが、本田さんが小樽まで足を伸ばすのは珍しい。

 手前の水の青が深々として、いかにも冷たそう。だが、遠くの海をレモンイエローで表現するのが本田さんらしい。
 これが、おなじく青系統であれば、それほど斬新な絵にはならないだろう。




 ところで、これは「たぴお通り」と題した絵。
 北2条西2丁目の、仲通りを描いている。
 わたしたち美術ファンにとっては、ギャラリーたぴおに行くときぐらいしか利用しない道であることはたしかだ。
 これ、林教司さん(たぴお主宰者)は、よろこぶだろうなあ。


 本田さんから出品リストをいただいたので、それをもとに記事を書くつもりだったが、どこに紛失したのか見当たらない。
 タイトルなどが分からないまま、この文章を記すことになってしまって、申し訳ありません。


2014年1月22日(水)~27日(月)午前10時~午後10時(土日~午後7時、最終日~午後5時
カフェ北都館ギャラリー(西区琴似1の3)

本田滋「風の街」展 北の街角をふりかえると・・・ (2009)
上砂川・北の創造者達展07


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