これも、天神山アートスタジオの深澤さんの取り組みと似ていて、年少者を対象にしたワークショップの成果発表展です。
年齢層はこちらのほうがもう少し上で、中高生が集まりました。
SCARTS のウェブサイトと、フライヤー(チラシ)に載っている紹介の文章はまったく同一ですので、以下に引用しておきます。
会場中央には、廃品を積み上げたインスタレーションのようなものがあって、それだけならよくある展示といえそうですが、周りに貼られたテキストを読むと、射程の広さと深さが並みの作品と異なり、非常に考えさせられました。
簡単にいうと、アーティストの活動(作品)も、人間の活動も、廃棄とか戦線縮小とかをあまり考えないで、どんどん拡大してきたのが、この150~200年ほどの歴史であるわけですが、もうそろそろ
「後片付け」
「店じまい」
を念頭に置いた方がいいんじゃないかという深刻な反省があると思うのです。
200年前より以前は、生みだされるアート作品の数が現代よりもはるかに少なかったでしょうし、また、それほど深い判断も無しに捨てられてきたのでしょう。
フェルメールが生涯に30点しか油絵を描いていないとは、とうて信じられません。いつの間にかなくなった絵が何点もあるのは確実です。また「更級日記」などを読むと、題名のみ伝わり現存しない物語文学がいくつもあったことが分かります。
とはいえ、そんなことをあらかじめ考えて制作するアーティストはあまりいません。
作品は自分自身よりも長い寿命を持つだろうという期待をこめて、制作に心血を注ぐのが普通だと思います。
しかし、この展示でも触れられていますが、すべてのものには死が訪れます。そこを完全に回避していつまでもすべてが生きながらえるように営みを続けていくことは、いつかは破綻に行き当たるのです。
長い文章を対話体(インタビュー)にして表示したり、ワークショップの過程を図解にしたりして、膨大な中身をなんとかかみくだいて伝えようという意欲は、ものすごく伝わってきます。
ただ、あえて批判めいたことをいうとすれば、この展示に限ったことではないのですが、現代アート界隈は「ファシリテーター」とか「リサーチ」ということばを説明抜きで使うのはやめたほうがよいのではないでしょうか。もし、一般の人との通路をこれからもつくっていきたいのであれば、ですが。
2022年3月12日(土)~4月10日(日)午前11時~午後7時、3月23日休館
SCARTS モールC 札幌芸術文化交流センターSCARTS (中央区北1西1 札幌市民交流プラザ2階)
□ http://shunowada.com/
年齢層はこちらのほうがもう少し上で、中高生が集まりました。
SCARTS のウェブサイトと、フライヤー(チラシ)に載っている紹介の文章はまったく同一ですので、以下に引用しておきます。
++A&T -SCARTS ART&TECHNOLOGY Project-(プラプラット)は、アーティストや研究者、SCARTS、そしてワークショップに参加する中学生・高校生と共に、創作する「場」をつくるプロジェクトです。毎回「テクノロジー」に関わるテーマでワークショップを行い、その成果発表として展覧会を開催しています。
第6弾のテーマは「地球をかたづける」。昨年11月に開催したワークショップでは、アーティストの大和田俊氏の作品《unearth》を取り上げました。2億7千万年前の地球に生きた生物の化石を使った同作を前に、参加者たちはリサイクルや再生可能エネルギーなどさまざまな知見に触れ、アーティストや専門家たちと対話を重ねました。さらに、作品を分解する作業を経て、それを「かたづける」ためのアイデアを出し合いました。
今回の成果展では、ワークショップで参加者が考えたプロセスに着目しながら、そこで出された「かたづける」ためのアイデアを紹介します。さらに、それらのアイデアを大和田氏が実行した結果も展示します。
会場中央には、廃品を積み上げたインスタレーションのようなものがあって、それだけならよくある展示といえそうですが、周りに貼られたテキストを読むと、射程の広さと深さが並みの作品と異なり、非常に考えさせられました。
簡単にいうと、アーティストの活動(作品)も、人間の活動も、廃棄とか戦線縮小とかをあまり考えないで、どんどん拡大してきたのが、この150~200年ほどの歴史であるわけですが、もうそろそろ
「後片付け」
「店じまい」
を念頭に置いた方がいいんじゃないかという深刻な反省があると思うのです。
200年前より以前は、生みだされるアート作品の数が現代よりもはるかに少なかったでしょうし、また、それほど深い判断も無しに捨てられてきたのでしょう。
フェルメールが生涯に30点しか油絵を描いていないとは、とうて信じられません。いつの間にかなくなった絵が何点もあるのは確実です。また「更級日記」などを読むと、題名のみ伝わり現存しない物語文学がいくつもあったことが分かります。
とはいえ、そんなことをあらかじめ考えて制作するアーティストはあまりいません。
作品は自分自身よりも長い寿命を持つだろうという期待をこめて、制作に心血を注ぐのが普通だと思います。
しかし、この展示でも触れられていますが、すべてのものには死が訪れます。そこを完全に回避していつまでもすべてが生きながらえるように営みを続けていくことは、いつかは破綻に行き当たるのです。
長い文章を対話体(インタビュー)にして表示したり、ワークショップの過程を図解にしたりして、膨大な中身をなんとかかみくだいて伝えようという意欲は、ものすごく伝わってきます。
ただ、あえて批判めいたことをいうとすれば、この展示に限ったことではないのですが、現代アート界隈は「ファシリテーター」とか「リサーチ」ということばを説明抜きで使うのはやめたほうがよいのではないでしょうか。もし、一般の人との通路をこれからもつくっていきたいのであれば、ですが。
2022年3月12日(土)~4月10日(日)午前11時~午後7時、3月23日休館
SCARTS モールC 札幌芸術文化交流センターSCARTS (中央区北1西1 札幌市民交流プラザ2階)
□ http://shunowada.com/