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■吉井光子絵画展「記憶の中の風景」 (2013年10月3~22日、札幌) ※追記あり

2013年10月22日 01時23分45秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌在住の吉井光子さんの絵画展を見に行った。また最終日の直前だ。悪い癖がついてしまった。

 サムホールからF20号までの19点。
 そのうち17点は「記憶の中の風景」と題されている。

 作者自身の言葉を引く。

6年前から手掛けているシリーズ
「記憶の中の風景」をテーマに描きました。
絵に出てくる 「太陽」 「鳥」 「花」 は、
自分の中にある 「希望」 「幸せ」 「優しさ」 を
それぞれ表したもので、
自分が鳥になった目線で
静かな風景を眺めている…、
そんな気持ちで描いたものです。




 お店の中川さんから、吉井さんのポートフォリオを見せてもらった。
 古くからの新聞の切抜きや個展の案内はがきなどがおさめられている。
 かつて吉井さんが新道展に出品していたことも知った。北海道新聞は、新道展の入選者発表を一時、道展や全道展とおなじく4段見出しで伝えていたこともあったとは知らなかった。その後、3段やベタとなり、90年代半ば以降は2段で定着している。

 いきなり話がそれてしまったが、新聞記事に添えられた写真や案内はがきの作品写真を見ていると、当たり前の話だが、吉井さんも試行錯誤や模倣の末に現代の画風にたどり着いたことがわかって興味深かった。

 筆者が吉井さんの近年の絵をすきなのは、おそらく、ヴァルールがどうの構図がどうのという発想はあくまで後景に退き、自分自身の脳裡にあるファンタシーがしっかりあって、それをイメージ化しているからじゃないかと思う。
 小鳥、鉄路、家、果物…。それらは、造形言語の要請で画面に召喚されているというよりも、吉井さん自身の思いや夢だったりするのだろう。だから、見る人の胸に、甘美に響くのではないだろうか。

(追記。筆者は、吉井さんが造形的な磨き上げをないがしろにしていると言いたいわけでは、むろんない。ただ、画家に言いたいことが無く、「上手く描く」ことばかりが念頭にある作品というのは、やはり画面はやせ衰える。吉井さんの絵は、そういう絵では決してないのだ)

 あとの2点は「夢見る魚」(画像左)と「水の中の歳月」。
 エスキスの青い壁の中で、まさに、水を得た魚のようだ。

 日に日に深まり行く秋に、ぴったりの絵画展だと感じた。


2013年10月3日~22日(火)正午~午前0時(日祝日~午後9時)、水曜休み
カフェエスキス(中央区北1西23)

関連記事へのリンク
吉井光子展「油絵小品展」 (2009)
吉井光子展「回顧展」(2009年6月)
吉井光子展(2002年、画像なし)




・ジェイアール北海道バス「北1西20」から約340メートル、徒歩5分
 ※札幌駅、北1西4などから、手稲・銭函方面行き。ただし、快速ていねライナー、都市間高速バスは停車しません
・ジェイアール北海道バス、中央バス「円山第一鳥居」から約450メートル、徒歩6分
 ※快速、都市間高速バスなど全便が停車します

・地下鉄東西線「円山公園」駅5番出口から約460メートル、徒歩6分

・ジェイアール北海道バス「桑11」(JR桑園駅-啓明ターミナル)で「南1条西22丁目」降車、約230メートル、徒歩3分


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1 コメント

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Unknown (永江聡)
2013-10-29 22:59:38
ジェイアール北海道バス

深名線路線バス廃止された
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