北海道美術ネット別館

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■white room (3月4日まで)

2007年03月13日 23時09分26秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 札幌大谷短大と、武蔵野美大通信制、東北工科大(いずれも札幌大谷高出身)の学生計4人によるグループ展。全体で一種のインスタレーションになっているとともに、それぞれの作品展にもなっています。メンバーがあつまってから「white room」というテーマをきめたのではなく、最初からメンバーの頭の中に、白い部屋で行こう! という考えがあったようで、なかなか統一感のとれた空間が現出していました。というか、居心地が良くてちょっとなごんでしまいそうでした。
 くつをぬいで入る、というのも、その理由かもしれませんね。なつかしいちゃぶ台もあったし。
 空間を非日常的なものに変容させる場合が多いインスタレーションですが、わりと日常的な空間になるというのもおもしろいと思います。

 冒頭の画像は、高橋杏奈さんのコラージュやオブジェがならんだ棚。
 つぎの画像は、100号クラスのタブロー。この会場でいちばん大きな作品です。
 床の上に、やはりいろんな小品が雑然と置かれています。
 個人的には、この雑然とした感じが好きです。

 コラージュをよく見ると、ソ連とかチェコスロバキアの切手などがつかわれています。
「はろー書店などで探して買います。じぶんでは、ふつうの油絵を描くより、コラージュのほうが夢中になれますね」
と高橋さん。
 モノクロの人物写真の配置などは、ロトチェンコをはじめとするロシアアヴァンギャルドの印刷物を思わせます。

         

 Harukaさんの作品は、壁から床へと大きくはみだしています。
 床に置かれた輪は、つい「ケンケンパ」をやりたくなっちゃいますね。

 壁にちいさな絵がいくつもあるのが見えますが、これは固定されているのではなくて、上からつりさげられています。絵をめくると、願望を表現する短いことばが書いてあります。「あなたは今何がしたい?」というタイトルにふさわしい作品です。 

         


 こちらは東北工科大で日本画をまなんでいる柴野緑さんの作品。
 タブローというには、ずいぶん分厚い支持体ですね。
 さびついた壁の経年変化のような、マティエールで見せる作品だと思いました。

 ユニークなのは、楽譜を茶色で描いた「音楽」。
 「Etude op10-2」とありますから、ショパンでしょうかね(わかりませんでした)。

         

 最後は松田奈那子さん。

         
 昨年、道展で最高賞を得た新鋭ですが、今回の出品作は、そのときの、人間の閉塞感みたいなものを深くほりさげた絵とはだいぶ違っています。
 写真の手前は「虫歯」。むしろ、たくまざるユーモアを感じました。

おもな作品は次のとおり。
高橋杏奈
「浄化されてゆく」
「道」
「雲」
「いのり」
「といかけ」
「めまい」
「りんごの風景」
「記憶.」
「ホリデイ」
「ホワイトルーム」

柴野緑
「その中と外」(同題2点)
「物質の変化」
「音楽」

Haruka
「サクラの中の夢の中」
「あなたは今何がしたい?」

松田奈那子
「虫歯」
「人物」(3点組み)
「窓」
「白い部屋」
「視線」

 高橋さんをはじめ出品者のみなさん、どうもありがとう。
 こんどはイエローモンキーの話でもしましょう(^_^.)

2月27日(火)-3月4日(日)9:00-19:00
札幌市資料館(中央区大通西13 地図C)


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