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(1)■イコロの森ミーツ・アート 2024 - Nature and Art - (9月7~16日、苫小牧)

2024年11月30日 14時30分13秒 | 展覧会の紹介-現代美術
イコロの森ミーツ・アート2024 "Ikoro Forest Meets Art 2024"
 

 苫小牧市郊外の「イコロの森」で、実行委員会の主催、公益財団法人道銀文化財団の助成事業として今年9月に開かれた野外美術展。
 第1回は2019年でしたが、その後は新型コロナウイルスの感染拡大などもあり、今回は3年ぶりの開催となりました。

 筆者の怠慢によりこのブログでの紹介が遅れていて、申し訳ありません。
 分量が多いので3本に分けてアップします。
 分け方、順番にとくに意味はありません。

 公式 Facebook ページにあった紹介の文章がステイトメントにあたると思われるので、ここに全文を引いておきます。

気候変動、環境破壊といった切迫した現代に環境アート(自然環境+現代アート)の在り方を問いかけます。この森はイコロ(アイヌ語で宝物の意)と名付けられ、緑にあふれ様々な動物や鳥たちも生き生きと暮らす豊かな森ですが、雑木林には多くの倒木が目立ちます。成長期のピークを迎える前の倒木もあります。根こそぎ剥ぎ取られた樹根と周りの土を観察すると、腐植土の層は僅か1m足らずで、その下は火山灰層なのです。この土地は樽前山の度重なる噴火によって形成された火砕流台地のため、このような事象が起きてしまうのです。ここの地名である植苗はアイヌ語でウエンナイ:「悪い川」の意味です。やさしさと厳しさを合わせ持つこの森を舞台に展開される野外美術展です。


 出品作家は會田千夏、赤坂真一郎、朝地信介、五十嵐ユースケ、上嶋秀俊、上ノ大作、キシモトユキオ、澁谷俊彦、中村修一、菱野史彦、八子直子の11氏(五十音順)。
 11人は札幌や小樽、恵庭、北広島などを拠点としており、苫小牧の作家はいません。 

 冒頭画像と次の画像は澁谷俊彦「Sprouting / はじまりの時」。

 澁谷さんが冬場に自然環境の中で発表するときは、小さなピンによる「Generation」シリーズが多かったですが、今回は同シリーズと「Snow Pallet」シリーズの合体ともいえるもの。
 森や海岸に溶け込み、気が付かずに通り過ぎる人さえいることを是としてきた作者ですが、今回は人為的な存在感を示しているようです。

 上ノ大作「KNIT - work」

 リサイクルショップで買ったカラフルなセーターをほぐして、糸を張り巡らせたインスタレーション。

 上ノさんは陶芸家が本業ですが、素材にこだわらないインスタレーションや滞在制作を得意としており、この1、2年は古いセーターと糸を用いることが多いようです。

 澁谷さんによると、1日に1度、夕日を浴びて糸がきらきらと光り、それはそれは美しい光景になるそうですが、残念ながらその瞬間に立ち会うことはできませんでした。

 このインスタレーション作品から「他者との関係」という暗喩を導くことは可能でしょう。そうなると、この作品は、人間と森(自然)とむりやり? 関係を結んでみました、ということを表現しているといえるかもしれません。


 八子直子「自然の人工」



 八子さんも非常に精力的に発表している作家で、大小さまざまなパーツを会場のあちこちに配置してインスタレーション作品を発表する場合が多いです。
 それぞれのパーツには個人史、家族史的な意味合いがひとつひとつに込められているようです。
 もとより木の枝なども素材にするため、今回は、もともとある枝や木なのか、作者が持ち込んだものなのか、一見はっきりしないこともあって、それが見どころにもなっていると感じました。 


2024年9月7日(土)~16日(月)午前11時~午後4時(最終日~3時半)
イコロの森「森の学校」周辺雑木林エリア(苫小牧市植苗)

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その3■イコロの森 ミーツ・アート2019 ー森の野外美術展ー(9月21~29日、苫小牧) 2019年秋の旅(5)

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・道南バスに新千歳空港から乗車、「白鳥湖」から約5.4キロ、徒歩1時間14分
・JR植苗駅から約8.9キロ、徒歩2時間
というわけで、自動車の利用をおすすめします
(植苗駅は無人駅で、タクシーは常駐していません。駅前には店などはありません)



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