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■自由美術北海道グループ展 (8月1日まで)

2009年07月30日 22時57分26秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 戦前に旗揚げし、日本の前衛絵画の一翼を担ってきた団体公募展。
 絵画と彫刻の2部門があるが、北海道で毎年グループ展をひらいているのは絵画部のメンバーである。
 自由美術は、会員と一般の2段階しかなく、しかもその区別を会場で表記しないならわしである。

 今回も抽象画が多く、とくにA室は杉吉篤さん以外は全員が抽象である。
 作風的には、昨年までのものを引き継いでいる人が多い。
 やや変化しているのは大崎和男さんで、ほとんど全面がまっ黒。わずかに光沢や彩度が異なる何種類かの黒が画面を構成している。それぞれの黒のあいだを稲妻のように走るのが黄色などの細い線で、小さな円が左下にふたつ描かれている。

 あいかわらず旺盛な制作意欲で展覧会を各地で開催している高橋靖子さん。
 画面にはことし6、7月の日付と日記のような内容がかきこまれている。いちばん新しいのは7月25日。なんと搬入の日である。
 何枚か切手が貼ってあるのがアクセントになっている。7円切手がなつかしい。いまの若い人はどうして7円なんていう額面の切手があるか、わかんないだろうなあ。

 渡辺励子さんの絵は、水色の地に細く弱々しい黒の線が断続的に何本も走るというもの。
 深みのある青はよく見るが、こんなにしっかりと美しい水色はめずらしいと思った。

 昨年出品していなかった佐々木俊二さんの復活は喜ばしい。
 人体の内臓を変形させたかのような不気味な画風は健在である。


 出品作は次の通り。

大崎和男 「イランカラプテ」
北島裕子 「光の旅 I」「光の旅(シャンパーニュ)」
工藤牧子「北の早春 I」「北の早春 II」
黒田孝 「空とぶゼネコン I」「空とぶゼネコン II」
佐々木俊二 「疑影」
佐藤榮美子 「Dear Mr. Forest」
佐藤泰子 「finish からみあう情景」
澤田弘子 「森をさがして」「姉妹」
杉吉篤 「消えた惑星」
高橋靖子 「'09 記 II」
永井瑛子 「MEMORY I」「MEMORY II」
永野曜一 「蒼天」
比志恵司 「浮遊する種子」
深谷栄樹 「森の雫(シタカラ)」
牧輝子 「砂漠のまち」「サハラの風」
宮崎亨 「若い実」
森山誠 「卓上09-3」
渡辺励子 「風の音」


2009年7月28日(月)-8月1日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)


□自由美術協会公式ウェブサイト http://www.jb.vis.ne.jp/

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