ありきたりな言い方になってしまうけど、中原さんの写実の腕はすごい、としか言いようがない。
かつて、たしか今回の個展にも出ていた「オルフェウスの忘れ物」だったと記憶するが、道展の会場に展示された中原さんの絵の前で、複数の男性が「これは写真か否か」でえんえんと議論していたことがあったくらいだ。
一般的に、リアルな絵は、画面にぐっと近づいて見てみると、筆の跡などが確認できて、それが写真ではなく絵であるということが認識できることが多いものだが、中原さんの場合はいくら目を絵に近づけても、ほとんどわからない。モデルとなっている若い女性はサマーセーターのような目の粗い服を着ているが、それも、1本1本の糸どころか、その糸をよっている細い糸もリアルに描写されている。
数年前の「わたしたちをささえているものについて」あたりだと、それでもまだ、マティエールが絵であることを主張しているが、「オルフェウス…」では画肌が平滑なので、ますます写真と誤解してしまいそうだ。
ただ、あるサイトで読んだのだけれど、彼の絵には、単なる写実のすごさだけではなく、象徴性のようなものが感じられる。
そういえば、「オルフェウス…」は、道具立てはモローの絵「(オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘)」によく似ている(絵全体の雰囲気はかなり違うが)。まさにモローは「象徴主義」を代表する画家だ。
モローの画中人物と同様に、中原さんの絵に登場する女性も、どこかなぞめいた雰囲気を漂わせている。
とはいえ、鉛筆画などを見ていると、やはりその諧調を描き出す技術力に驚嘆せざるを得ない。
今回の展覧会では、アクセサリーやチェス盤、いすなどの木工も展示され、こんな才能まであるのか! と、驚かずにはいられなかった。
奥さまの「ミチオ展-ねこくんのぼうけん」を併催。
こちらは、シンプルでかわいらしい絵柄のイラスト(絵本原画)を展示していた。
中原さんは道展会員。
08年8月1日(金)-7日(木)11:00-19:00、日曜休み
ギャラリー門馬(中央区旭ヶ丘2)
かつて、たしか今回の個展にも出ていた「オルフェウスの忘れ物」だったと記憶するが、道展の会場に展示された中原さんの絵の前で、複数の男性が「これは写真か否か」でえんえんと議論していたことがあったくらいだ。
一般的に、リアルな絵は、画面にぐっと近づいて見てみると、筆の跡などが確認できて、それが写真ではなく絵であるということが認識できることが多いものだが、中原さんの場合はいくら目を絵に近づけても、ほとんどわからない。モデルとなっている若い女性はサマーセーターのような目の粗い服を着ているが、それも、1本1本の糸どころか、その糸をよっている細い糸もリアルに描写されている。
数年前の「わたしたちをささえているものについて」あたりだと、それでもまだ、マティエールが絵であることを主張しているが、「オルフェウス…」では画肌が平滑なので、ますます写真と誤解してしまいそうだ。
ただ、あるサイトで読んだのだけれど、彼の絵には、単なる写実のすごさだけではなく、象徴性のようなものが感じられる。
そういえば、「オルフェウス…」は、道具立てはモローの絵「(オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘)」によく似ている(絵全体の雰囲気はかなり違うが)。まさにモローは「象徴主義」を代表する画家だ。
モローの画中人物と同様に、中原さんの絵に登場する女性も、どこかなぞめいた雰囲気を漂わせている。
とはいえ、鉛筆画などを見ていると、やはりその諧調を描き出す技術力に驚嘆せざるを得ない。
今回の展覧会では、アクセサリーやチェス盤、いすなどの木工も展示され、こんな才能まであるのか! と、驚かずにはいられなかった。
奥さまの「ミチオ展-ねこくんのぼうけん」を併催。
こちらは、シンプルでかわいらしい絵柄のイラスト(絵本原画)を展示していた。
中原さんは道展会員。
08年8月1日(金)-7日(木)11:00-19:00、日曜休み
ギャラリー門馬(中央区旭ヶ丘2)
そうです、象徴主義的な香りがします。
私はバーン・ジョーンズを思い浮かべていました。
美女というよりは、どこか魂の無いような(けなしているわけではありません)、不思議な人物画です。
何を象徴しているのか、全然分からないのですがねえ。
クロスホテルはバーがあるので、一度行ってみようと思うのですが、まだ行ってません。
というより
「象徴主義」
な感じはしますよねー。
実際に呼吸をして生活している実在の女性というよりも、違う次元にいる名前のない女性が絵の中に出現したというか。
単にリアルなだけではない魅力があるのは、そのためだと思います。