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十日町の夜 06夏休み(26)

2006年09月27日 05時31分03秒 | 越後妻有・大地の芸術祭2006/2024
 8月15日に新潟県十日町市などで見た越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ大地の芸術祭の感想を延々と書いているわけだが、35度の猛暑の中でたっぷり美術鑑賞を堪能したあとで考えることは、ひとつしかない。つまり、うまいビールが飲みたい、である。ホテルを出て、十日町の中心街をほっつきあるきだした。 十日町は、飲み屋が密集しておらず、商店街のあちこちに点在している。筆者が旅先でひとりでのみに出るのはほとんどうまれてはじめてである。

 事前に情報などを仕入れていなかったので、あてずっぽうに、駅のわりと近くにある普通そうな居酒屋に入る。
 戸を開けると、客が誰もいない。
 失敗したかなと一瞬思ったが、45分後には満員になっていた。

 カウンターの端にすわり、ジョッキと冷奴と焼き鳥を註文。
 ゴク、ゴク。あー、極楽

 ビールを飲みながら、持ってきた時刻表で、あしたの計画をたてる。
 店の主人に、あした行く予定の松代の地理について聞く。
 札幌から来たというと、ちょっとびっくりしていた。
「札幌っていうと、最近、水道管が破裂して水が出てましたよね」
 よく知ってるなあ。

 居酒屋Kには、あまり妙なメニューはないが、唯一目を引いたのが「栃尾の油揚げ」。
 店の女性に聞いたら、こちらではスーパーで普通に売っているものだという。
 「キムチ乗せ」を頼んだら、巨大な油揚げが出てきた。

 どひゃー。
 でかい。
 でも、味がしみてて、うまい。
 
 そのうち店は、お盆で帰省してきた若者などで大いににぎわっている。
 カウンターのとなりの席にすわった、地元の見ず知らずの女性と会話。
「十日町なんて、端っこだから」
「そんなことないっすよ。だって、新幹線使ったら東京から3時間でしょ? 北海道から見たら、ありえない近さですよ」
「でも、そういうとこに、こうしてたくさん人が来るんだからねえ」
「それが、アートの力ってやつかもしれないですねえ」

 うまい地酒を味わい、油揚げと枝豆をつまみながら、まさに一期一会の地元の人と会話を楽しむ。
 これが至福のときでなくて、なんであろう。
 忘れがたいひとときに、したたか酔った。


 下は、栃尾の油揚げに関するサイト。
http://www.city.tochio.niigata.jp/kankou/aburage/hanbai.htm


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (SH)
2006-09-27 12:16:00
ヤナイさんには珍しく居酒屋記事ですね。

何気ない店(←大好きです)で見ず知らずの人との会話、とても良い雰囲気です。
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-09-27 21:25:21
SHさんのことを思い出しながら書いたエントリなので、コメントはとてもうれしいです。

何の気なしに居酒屋に入るというのも、ヤナイ的にはけっこう冒険でしたよ。とてもうまい酒でした。
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Unknown (SH)
2006-09-28 18:13:55
そうでしたか。

かく言う私も、初めての飲み屋に入る時は相当ためらい、逃げ帰ることもあります。それだけにいい店、いい人にめぐり合ったときの喜びがありますね。
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けむりや (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-09-29 04:50:47
郷土料理とかはあまりないですが、ふつうに飲むには良い店でした。

SHさんも十日町へ起こしの際はどうぞ(って、ふつうはめったなことで行かないよなあ)。
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楽園 (永山)
2006-10-05 13:04:56
そうか、新潟にいたのか。俺は子供の夏休み早々に村上市で海水浴してたよ。海がきれいだと暢気にはしゃぐ妻子と夕食に蟹や鮑などのごちそうを食いながら、夕日に染まる海の対岸の人々のことを思うと複雑な気持ちになったよ。テポドンは捕れなかった…足立区は北朝鮮並みに古い建物が残ってるよ。理由は同じ…
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村上市 (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-10-05 21:39:26
新潟県といっても広いからなあ。

十日町からじゃだいぶあるぞ。



東京の人は海水浴でそんなに遠出するのか。大変だなあ。

(のんきな感想ですまん)
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