いいお天気だったし、そんなにも暑そうにもなかったもので、ついつい・・勇気を出して・・・山越えをして「市井」という集落に行ってみようと思った・・・。
というのも、昨日、札所を探してこの・・江の浦を歩いていると、市井の人が歩いてくるのに出会った。聞くと・・「山越えをしてきた」という。いまどき、山越えの旧道が歩いて通れるものかと思ったが、向こうから歩いてきたのならば、こちらからも歩いていけるのかな・・・と思ったことだった・・。
この地図の、江の浦から・・ポニーの里近くにある・・・玉瀧寺(ぎょくりゅうじ)に続く「市井道」を歩いてみることにした。そのお寺の住職さんのブログによると・・1時間半程度だという・・・。だったら、往復しても3時間。お昼に出れば、夕方には戻れるなぁと思った・・・。
江の浦の奥に、「鳴子観音堂」という28番札所の小さなお堂がある。その前から細い道を進んで・・・沢を超えて山道が伸びている。これなら歩けそう・・・・ということで山道に入って行った・・・。
いまどき、この道を歩く人がいるんだろうか・・。草も生えていなくて、歩きやすい道だった。そこから、少しずつ道は上りになって30分もすれば第一の尾根を越える・・・。
こうなると・・山道らしくなるが、こんな道があるのだから、年間に何人かは歩くんだろうね・・。この左手には・・王頭山(おうとうざん)が近くに見える。この王頭山には多くの人が登りに来るが、まさか、この市井道を歩く人は少ないはず・・。
第一の尾根から見える・・江の浦港と、その向こうに見える・・・讃岐富士の「飯野山」。ここから引き返すと簡単だけれど、ここまで来たのだからと・・・再び歩く出すことにした。ここまでで・・・30分。そこからは・・・登ったり・・下ったり・・・の半ば・・歩きやすい山道。
30分ほど・・・だらだら坂を行くと、最後の尾根にさしかかる・・・。これまでは・・・雑草や松の木やシダなんぞが生い茂る山だったものが、この尾根を越えると景色が一転する・・。
背の高い木が林立していて草が生えていない・・・。この林の中をかすかに人が歩いたような跡を探して進んでいく。この坂道がきつい・・。まるで転げ落ちそうな急こう配・・・。そこに落ち葉が降りつんでいるので滑りやすい・・・。まるで・・・水のない沢のようなところを杖をつきながら・・・下っていく・・・。
こんな道を下ってくると・・・竹藪が見えてきた・・・。もうすぐお寺だ・・と思った。和尚さんは・・「ぼや騒ぎのあったところ」に出たらしいが、私の降りたのはお寺の東のお墓の中だった・・・。
お寺を出たら・・・たんぽぽの綿毛が迎えてくれた・・・。思わずに・・・下界に戻ったような気がした・・・。確かに・・・時間は2時半だった。
それから・・・どうしようかと思った。本当は・・その道を逆戻りしようと考えていた。だから・・・往復3時間だなぁと思っていた・・。でも、こちらから、あの急斜面の山道を登る元気がなかった。その30分を越えたら・・・あとは気楽な下り坂が続くのだけれど・・。ま、そんなにも急な坂道なんだ・・。
とにかく・・・歩いてきたのだから・・・歩いて帰らなければならない・・。途中・・コミュニティーバスがやってきたが、断って、歩いて戻ることにした・・・。市井から茂浦までは海岸線をひたすら歩く・・・。それでも・・・30分ほど・・。途中で・・見残した札所がないか・・と探しながら歩くこと30分。
茂浦からは県道江の浦・茂浦線を南下する・・。この道も登り坂がきつい・・・。頂上の「山の神展望台」でしばしの休憩・・・。休憩たって、ペットボトルのお茶を少しばかり飲むだけ・・・。
そこからは・・ゆるやかな坂道を下って・・・江の浦目指して歩く・・・。その半分くら下がったところから・・・この前に行った・・「江の浦池」への遊歩道を進み、池の堤防でも一休み・・・。
そこからは・・・細いがしっかりとコンクリート舗装されている竹林の中の道を下って行って・・・江の浦集落に戻った・・・。時計は16時ちょうど・・・。しっかりと・・・往復3時間のハイキングになった・・・。
洗濯物を取り込んで・・・お風呂に入り、汗を流してほっとしたものだった・・・。
夜・・・自治会長さんがやってきたが、実さんは若いころから郵便局にいて、二十歳のころには速達電報をかかえて、この山道を20分で走って届けたのだという・・・。目が点になる・・・お話。20分???
じゃぁ、また、明日、会えるといいね。