まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

草萌えて 種蒔く支度 し始める

2016年03月11日 | 時にはぼぉっ~とする時

 さぬき市地方は気圧の谷や寒気の影響で瀬戸内側を中心に雲が広がっていたが、雨が落ちてくることもときたまあった。気温は6.3度から11度、湿度は82%から57%、風は1mから3mの北の風が少しばかり。明日の12日は、高気圧に次第に覆われるが、寒気の影響で朝まで雲が広がり、雪や雨の降る所がある見込みなんだと・・・。

 

 少しばかり気になる本があったので、またしても香川県立図書館へやってきた。昔の高松空港跡地、インテリジェント・パークという地区にある。行政的には「高松市林町」ということになるらしい。私らが子供の頃には「林飛行場」と呼んでいた。

 

 まだまだ、アキニレの木は葉っぱを落としたまんま・・・。今日は駐車場もガラガラ・・・。9時半過ぎだとこれからのお出かけになるんだろうか。

 

 この本である。確かに「納札と千社札」となっているが、中身には「納札」は見えなかった。

 

 強いて言えば、これが「納札」だと言えなくもないが、あとは千社札ばかり・・・。

 

 がっかりぽんの残念ぽん。なかなかに「納め札」に関する本って、ないものだ。

 

 仕方がないから五冊ほどの研究論文集を借りて帰ることにした。出口ゲートをくぐると、国旗掲揚台が見えた。さすが官公庁、ちゃんと半旗になっている。今日はあの東日本大震災の起きた三月11日から五年目の「メモリアル・デー」である。

 

 今日のお昼はこれにした。脂がギトギトしていないし、やさしい塩味でさっぱりとしたさわやかな麺だった。後口がいいなぁと思った。

 

 で、お昼からは「藁打ち仕事」から・・・。来週の17日が「社日(しゃじつ・しゃにち)」だが、最近は近くの日曜日におまつりをするようになった。社日とは、春分と秋分に最も近い戌の日を指す。 「戌」という文字には「土」という意味があるらしい。また、「社日」の「社」は「示す」と「土」から成り立っているともいう。 農業の視点から見ると、春 の社日は種まきの時期にあたり、秋の社日は収穫の時期にあたる。これらは農業において忘れてはいけない大事な時期であって、そのため社日は全国的に重要な 節目の日とされるようになった。春には五穀豊穣の祈願が、秋には無事に作物を収穫するための祈願が行われてきた。 農業を中心として生きてきた我々の祖先 にとって、大地の恵みである「土」との関係は切っても切れない縁なのかもしれない。

 

 で、この日曜日に、「地神(じじん)さん」のおまつりをするのだという。この集落もとうとう、10軒になった。で、身内にお葬式があって「服忌(ぶく)」がかかって神事に参加できない家が3軒にもなった。すると・・残りは7軒ではないか・・・。ということで、私が、この注連縄(しめなわ)と御幣(ごへい)を作ることになった。

 

 毎年、ああだこうだと言いながら、この「縄ない作業」をやっているのだが、年に二度程度、それも春と秋だから少しも上達しない。私らが小学生の頃には、「縄ない」は重要な仕事の一つだったけれど、機械化が進むと、「縄」なんぞ使うこともなくなって、縄ないのできる人もいなくなったという訳。で、この集落に後から入ってきた「新入り」の私がやらされているという訳だ。

 

 でも、ま、それらしく、「縄」にはなっているし、太さも一定しているように見えるようになった。

 

 しめ縄ができたら「御幣」作りと「紙垂(しで)」作り。もう、型紙を作ってあるので、その通りに切れば、「しで」も「ごへい」も出来上がる。

 

 これが、ご神体になる「御幣」である。これで、私のお役目は完了。当日は「神主さん」役をするが、「二礼・二拍手・一礼」・・・でおしまい。お祓いや祝詞は面倒だからやらないのだと・・・。仏前での「のんのんさん、アイ!」みたいなものである。

 

 今日の掲示板はこれ。「あなたを待つ時間の長いこと あなたといる時間の短いこと 計れば同じ時間なのに」というもの。相田みつをさんの言葉らしい。「時間が過ぎ去っていくのではない。われわれが過ぎ去って行くのだ」これは西洋のことわざである。「時は流れない。それは積み重なる・・・・」と、これはウィスキーのテレビコマーシャルの一節。これもなかなかうまい。しかしのかかし、耳に心地良く響き、なるほどと思わせるがよく考えてみるとこの二つの言葉の意味は正直言って、あまりよく分からない。が、このような言葉に惹かれるのは「時」という不思議さのせいなのかもしれない。もう少し「時」について考えてみよう。「時の歩みは三重である。未来はためらいつつ近づき、現在は矢のように早く飛び去り、過去は永久に静かに立っている」ードイツの詩人シラー。これぞ、名言中の名言ではあるまいか。

 

じゃぁ、また、明日、会えたらいいね。


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